発注と受注の違いとは?業務フロー・システム化のポイントを解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/17

電話・FAXでの発注管理に限界を感じていませんか?

受発注業務は企業の売上・利益に直結する重要なプロセスですが、多くの中小〜中堅企業では電話・FAX・Excelでの手作業による管理が続いています。「発注書が届いたか分からない」「在庫確認に時間がかかる」「入力ミスで納期遅延」といった課題は少なくありません。

この記事では、発注と受注の基本的な違いから、業務フローの整理、システム化による効率化のポイントまで、B2B企業の実務担当者が押さえておくべき情報を解説します。

この記事のポイント:

  • 発注は「注文を出す側(買い手)」、受注は「注文を受ける側(売り手)」の立場を指す
  • 受発注業務は見積もり→発注→受注→納品→請求→支払いという一連のフローで構成される
  • 受発注システム導入により人的ミスの削減、24時間受付対応、リアルタイムデータ把握が実現できる
  • システム選定では自社だけでなく取引先の使いやすさも考慮することが重要
  • 導入コストはクラウド型で月額数千円〜数万円、パッケージ型で初期費用50万円〜数百万円が一般的

1. 受発注業務の重要性と課題

受発注業務は、商品・サービスの注文を受けたり発注したりする一連のプロセスであり、企業の売上・キャッシュフローに直結します。しかし、従来の電話・FAX・Excelによる手作業管理では、以下のような課題が発生しやすいと言われています。

よくある課題:

  • 電話・FAXでの注文確認に時間がかかり、営業担当者の負担が大きい
  • 手入力によるミス(数量・納期・金額の誤り)が発生し、クレーム・再発注につながる
  • 在庫状況・納期のリアルタイム把握が困難で、欠品・過剰在庫が起きる
  • 取引先ごとに異なる帳票フォーマットで業務が煩雑化する

これらの課題を解決するために、受発注システムの導入やRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の活用が進んでいます。

2. 発注と受注の基礎知識

(1) 発注と受注の意味・違い

発注と受注は、取引における立場の違いを表す用語です。

発注(はっちゅう):

  • 注文を「出す」側(買い手)の立場
  • 商品やサービスの購入を依頼すること
  • 発注者が発注書を発行し、取引内容(品目・数量・納期・金額)を明示する

受注(じゅちゅう):

  • 注文を「受ける」側(売り手)の立場
  • 商品やサービスの注文を受け、提供プロセス全体を管理すること
  • 受注者が受注書(発注請書)を発行し、「注文を受けた」ことを証明する

(参考: CASIO「受発注業務とは?受注・発注の意味や違い、一般的な流れを解説」)

(2) 発注書と受注書(発注請書)の役割

発注書と受注書は、取引内容を書面で証明する重要な書類です。

発注書:

  • 発注者(買い手)が発行
  • 取引内容(品目・数量・納期・金額・支払条件)を明記
  • 在庫管理・経理処理の基礎資料となる

受注書(発注請書):

  • 受注者(売り手)が発行
  • 「注文を受けた」ことを証明し、契約成立を示す
  • 発注書の内容と一致していることを確認する役割

これらの書類は、後々のトラブル防止や経理処理に不可欠です。

(参考: @Tovas「発注書と注文書の違いとは?取引における役割と作成方法を解説」)

3. 受発注業務の一般的なフロー

(1) 見積もりから発注・受注まで

受発注業務は、以下のようなフローで進行するケースが一般的です。

見積もり段階:

  1. 発注者(買い手)が受注者(売り手)に見積もりを依頼
  2. 受注者が見積書を発行(品目・数量・単価・納期・有効期限を明記)
  3. 発注者が見積内容を確認・承認

発注・受注段階: 4. 発注者が発注書を発行(正式な注文として) 5. 受注者が受注書(発注請書)を返送(契約成立) 6. 受注者が在庫確認・生産手配を開始

(2) 納品・請求・支払いまでの流れ

発注・受注が完了した後、以下のステップで取引が完結します。

納品段階: 7. 受注者が商品・サービスを納品(納品書を発行) 8. 発注者が検品・受領確認

請求・支払い段階: 9. 受注者が請求書を発行(納品後、または月末締め) 10. 発注者が支払い(銀行振込・手形など)

このフロー全体を効率化するために、受発注システムやWeb-EDI(インターネット経由のデータ交換)が活用されています。

(参考: CASIO「受発注業務とは?受注・発注の意味や違い、一般的な流れを解説」)

4. 受発注システム導入のメリット

(1) 人的ミスの削減・24時間受付対応

受発注システムを導入することで、以下のメリットが期待できます。

人的ミスの削減:

  • 手入力の削減により、数量・金額・納期の入力ミスが減少
  • 発注データから自動的に受注データ・納品書・請求書を生成できる
  • 在庫データと連動し、欠品・過剰在庫のリスクを低減

24時間受付対応:

  • 取引先が営業時間外でも発注できる(BtoB ECサイト)
  • 電話・FAX対応の負担が軽減され、営業担当者がコア業務に集中できる

(参考: ASPIC Japan「受発注システムの比較14選!メリットや3タイプ別の選び方」)

(2) リアルタイムデータ把握・業務効率化

受発注システムでは、取引データがリアルタイムで可視化されます。

リアルタイムデータ把握:

  • 受注状況・在庫状況・納期をいつでも確認できる
  • 売上見込み・発注履歴の分析が容易になり、経営判断に活用できる

業務効率化:

  • 電話・FAX・Excelでの手作業が削減され、業務時間が短縮される
  • 取引先ごとに異なる帳票フォーマットを統一でき、業務が標準化される

(参考: ecbeing「受発注業務のフローと効率化を実現する4つの方法!具体的な手法も含めて解説!」)

(3) RPA・Web-EDI連携による自動化

最近のシステムでは、RPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)やWeb-EDI連携により、さらなる自動化が進んでいます。

RPA活用:

  • 定型業務(発注書作成・データ入力・帳票出力)をソフトウェアロボットが自動実行
  • 人手を介さず、24時間稼働で業務を処理

Web-EDI連携:

  • インターネット経由で企業間の受発注データを電子的にやり取り
  • 取引データから自動処理・帳票作成を実現

(参考: ecbeing「受発注業務のフローと効率化を実現する4つの方法!具体的な手法も含めて解説!」)

5. システム選定と導入時の注意点

(1) クラウド型とパッケージ型の比較

受発注システムには、クラウド型とパッケージ型の2つのタイプがあります。

クラウド型:

  • 初期費用が低い(0円〜数十万円)、月額数千円〜数万円
  • インターネット環境があればすぐに利用開始できる
  • サーバー管理・セキュリティ更新はベンダーが実施

パッケージ型:

  • 初期費用が高い(50万円〜数百万円)
  • 自社サーバーにインストールし、カスタマイズが可能
  • 既存の基幹システムとの連携が必要な大企業向け

企業規模・予算・既存システムとの連携要件に応じて選定することが重要です。

(参考: 受発注ラボ「【2024年最新】受注管理システムおすすめ20選!選び方も解説」)

(2) 取引先の協力と業務フロー見直し

受発注システムの効果は、取引先の協力に大きく依存します。

取引先の理解と合意:

  • 導入前に主要取引先にシステムを説明し、理解を得る
  • 取引先もシステムを使いやすいかを確認(操作が複雑だと浸透しない)
  • 一部取引先はFAX・メール対応を残し、段階的にシステム化を進めるのも有効

業務フロー見直し:

  • 既存の業務プロセスをそのまま移行すると、非効率が残る
  • システム導入を機に、不要な承認フロー・帳票を削減する

(参考: ASPIC Japan「受発注システムの比較14選!メリットや3タイプ別の選び方」)

(3) セキュリティ対策(暗号化・多要素認証)

クラウド型システムを導入する際は、セキュリティ対策が重要です。

セキュリティ強化策:

  • データ暗号化(通信時・保存時)で情報漏洩リスクを低減
  • 多要素認証(パスワード + SMS認証など)で不正アクセスを防止
  • アクセス権限の適切な設定(部署・役職ごとに閲覧・編集権限を制御)

2024年以降、クラウド型受発注システムではセキュリティ機能が標準装備されるケースが増えています。

(参考: 受発注ラボ「【2024年最新】受注管理システムおすすめ20選!選び方も解説」)

6. まとめ:自社に合った受発注業務の効率化

受発注業務の効率化では、発注と受注の違いを理解し、業務フローを整理した上で、自社の規模・予算・取引先の状況に合ったシステムを選定することが重要です。

次のアクション:

  • 現在の受発注業務の課題を洗い出す(人的ミス・時間のかかる作業・在庫管理の課題)
  • クラウド型・パッケージ型のシステムを3〜5社比較する
  • 主要取引先にシステム導入の可能性を相談する
  • 無料トライアル・デモで実際の操作性を確認する

※システム導入コスト・機能は2025年1月時点の情報です。最新情報は各社公式サイトをご確認ください。

自社に合った受発注業務の効率化で、営業担当者の負担軽減とリアルタイムデータ把握を実現しましょう。

よくある質問

Q1受発注システムの導入コストはどれくらい?

A1クラウド型は月額数千円〜数万円、パッケージ型は初期費用50万円〜数百万円が一般的です。企業規模・取引量により変動します。無料トライアルで試すのが推奨されます。

Q2小規模企業でも受発注システムは必要?

A2月間受発注件数が100件以上、または電話・FAX・Excel管理で人的ミスが発生しているなら効果的です。それ以下ならExcel管理の改善から始めるのも選択肢です。

Q3取引先がシステムに対応できない場合は?

A3導入前に取引先の理解を得ることが重要です。一部取引先はFAX・メール対応を残しつつ、対応可能な取引先からシステム化を進める段階的導入も有効です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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