非対面セールスの進め方|オンライン商談を成功させる手法とツール

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/15

非対面セールスが注目される背景

B2B企業の営業担当者の多くが、「対面営業からオンライン商談への移行に苦戦している」「非対面セールスで成約率を高める方法が分からない」といった課題を抱えています。COVID-19以降、Zoomなどのツールを使ったオンライン商談が主流になり、非対面セールスは特別な手法ではなく、営業活動の標準的な選択肢として定着しました。

この記事では、非対面セールスの基礎知識から、オンライン商談を成功させるテクニック、必要なツール選定、対面営業との戦略的な使い分けまで、B2B企業の実務担当者が知っておくべき知識を解説します。

この記事のポイント:

  • 非対面セールスは電話・メール・Web会議ツールを使った営業活動で、コスト削減と効率向上に効果的
  • Web会議ツール、電子契約サービス、SFA/CRMツールなどの準備が成功の鍵
  • 移動時間がないため、1日に対面営業の倍以上の件数をこなせる
  • 信頼関係構築の困難さをカバーするには、継続的なコミュニケーションとハイブリッド型営業が有効
  • 2024年時点では、非対面営業と対面営業を組み合わせたハイブリッド型が主流

非対面セールスの基礎知識と対面営業との違い

(1) 非対面セールスとは(電話・メール・Web会議)

非対面セールスとは、顧客と直接会うことなく、電話、メール、Web会議ツールなどを使って行う営業活動です。インサイドセールスや内勤営業とも呼ばれます。オフィスや自宅から営業活動を行うため、テレワークとの相性が良いのが特徴です。

主な手法:

  • 電話営業: 架電によるアポイント設定、商談、フォローアップ
  • メール営業: 資料送付、提案書の提示、契約書のやり取り
  • Web会議営業: Zoom、Microsoft Teams、Google Meetなどを使ったオンライン商談

(2) 対面営業との違い

非対面セールスと対面営業の主な違いは以下の通りです:

項目 非対面セールス 対面営業
場所 オフィス・自宅 顧客先
移動 不要 必要
コスト 交通費・宿泊費なし 交通費・宿泊費あり
営業件数 1日に倍以上可能 移動時間で制約
信頼関係構築 困難 容易
商品の魅力伝達 画面越しのみ 実物を見せられる

(3) メリット(コスト削減・営業効率向上・地理的制約なし)

非対面セールスの主なメリットは以下の通りです:

コスト削減:

  • 交通費・宿泊費がかからない
  • 移動時間を営業活動に充てられる

営業効率向上:

  • 1日に対面営業の倍以上の件数をこなせる
  • 移動時間がないため、より多くの顧客にアプローチ可能

地理的制約なし:

  • 全国・海外の顧客にもアプローチ可能
  • オフィスから離れた地域の顧客も対応できる

働き方の柔軟性:

  • テレワークが可能になり、営業職でもリモートワークができる
  • ワークライフバランスの向上

(4) デメリット(信頼関係構築の困難さ・商品魅力の伝達)

一方、非対面セールスには以下のデメリットがあります:

信頼関係構築の困難さ:

  • 対面営業に比べて、顧客との信頼関係を築くのが難しい
  • 表情や雰囲気が伝わりにくく、互いの意思疎通が困難な場合がある

商品魅力の伝達:

  • 商品を実際に手に取ってもらえないため、魅力が伝わりにくい場合がある
  • 画面越しでは細部が見えにくい

コミュニケーションロス:

  • 互いの意思疎通が難しく、誤解が生じやすい
  • インターネット接続の不具合で商談が中断されるリスクがある

これらのデメリットは、後述するハイブリッド型営業で対処することが可能です。

非対面セールスに必要なツールと準備

(1) Web会議ツール(Zoom・Microsoft Teams・Google Meet)

非対面セールスの中心となるのがWeb会議ツールです。主要なツールを比較します:

Zoom:

  • 画質・音質が良好で、操作が簡単
  • 無料プランでも1対1なら時間制限なし(3人以上は40分)
  • バーチャル背景、画面共有、録画機能などが充実

Microsoft Teams:

  • Microsoft 365との連携に強み
  • ビジネスチャット、ファイル共有、プロジェクト管理を統合
  • 企業向けセキュリティ機能が充実

Google Meet:

  • Google Workspaceとの連携に強み
  • ブラウザから簡単にアクセス可能
  • 無料プランでも1時間まで利用可能

選定のポイント:

  • 自社・顧客が使用しているツールに合わせる
  • セキュリティ要件(暗号化、アクセス制限など)
  • 必要な機能(画面共有、録画、バーチャル背景など)

ツール選定時は、公式サイトで最新の料金・機能を確認してください。(この記事は2025年11月時点の情報です)

(2) 電子契約サービス

電子契約サービスを導入すると、契約書の印刷・郵送・押印の手間を削減し、オンラインで契約を完結できます。

主な機能:

  • 契約書の作成・送信・署名をオンラインで完結
  • 法的有効性のある電子署名
  • 契約書の一元管理とアーカイブ

メリット:

  • 契約締結までの時間を大幅に短縮
  • 書面のコピーや郵送の手間を削減
  • 印紙代の削減(一部の契約書)

(3) ビジネスチャットツール(Slack・Chatwork)

ビジネスチャットツールは、メールよりも迅速なコミュニケーションを実現します。

Slack:

  • チャンネル機能で話題ごとに整理
  • 外部ツール(Google Drive、Salesforceなど)との連携に強み
  • 検索機能が強力で過去のやり取りをすぐに見つけられる

Chatwork:

  • 日本企業向けに最適化されたインターフェース
  • タスク管理機能を標準搭載
  • 無料プランでも基本機能が利用可能

(4) SFA/CRMツールによる情報管理・共有

SFA(営業支援システム)やCRM(顧客関係管理)ツールは、非対面営業における情報管理・共有・分析を効率化します。

SFA(Sales Force Automation):

  • 営業活動を効率化するツール
  • 商談管理、予測分析、営業プロセスの可視化

CRM(Customer Relationship Management):

  • 顧客情報を一元管理するシステム
  • 顧客とのやり取り履歴、購買履歴、対応履歴を記録

非対面営業での活用:

  • 顧客情報を営業チーム全体で共有
  • オンライン商談の履歴を記録し、次回の商談に活用
  • 見込み度の高いリードを優先順位付け

適切なITツールへの投資が非対面営業成功の鍵と言われています。

オンライン商談を成功させるテクニック

(1) システム・ツールの事前習熟

Web会議ツールの操作に事前に習熟しておくことで、商談中のトラブルを防げます。

事前準備のチェックリスト:

  • カメラ・マイク・スピーカーの動作確認
  • インターネット接続の安定性確認
  • 画面共有の操作方法の習得
  • バーチャル背景の設定(必要に応じて)
  • 録画機能の操作方法の確認

商談直前の確認:

  • 背景に余計なものが映っていないか
  • 照明は適切か(顔が暗くなっていないか)
  • ノイズが入っていないか

(2) 1日に対面の倍以上の件数をこなす効率化

非対面営業では移動時間がないため、1日に対面営業の倍以上の件数をこなせます。これを活用して営業効率を最大化しましょう。

スケジュール管理のコツ:

  • 30分刻みでオンライン商談を設定
  • 商談と商談の間に15分のバッファを設ける(議事録作成、次回準備)
  • 午前・午後で5-6件の商談をこなす

効率化のポイント:

  • 商談前に顧客情報をSFA/CRMで確認
  • よく使う資料は画面共有しやすい場所に配置
  • 商談後すぐに議事録を作成(記憶が鮮明なうちに)

(3) 継続的なコミュニケーションで信頼関係を構築

非対面営業では信頼関係の構築が対面営業に比べて困難ですが、継続的なコミュニケーションで可能です。

信頼関係構築のテクニック:

  • 定期的なフォローアップ(メール、電話、チャット)
  • 顧客の課題に寄り添う姿勢を示す
  • 有益な情報(業界動向、事例など)を提供
  • レスポンスを早くする(24時間以内に返信)

オンライン商談での注意点:

  • カメラ目線で話す(画面ではなくカメラを見る)
  • 相手の話をしっかり聞く(うなずき、相槌)
  • 表情を豊かにする(画面越しでは伝わりにくいため)

非対面と対面の戦略的な使い分け(ハイブリッド営業)

(1) 低額サービスは非対面、高額サービスは対面

低額サービスは非対面営業、高額サービスは対面営業という使い分けが有効です。

低額サービス(非対面営業):

  • 月額数万円以下のサービス
  • 意思決定が早く、オンライン商談で完結しやすい
  • 移動コストをかけずに効率的に営業できる

高額サービス(対面営業):

  • 月額数十万円以上、または初期費用が高額なサービス
  • 意思決定に時間がかかり、信頼関係が重要
  • 対面で商品の魅力を伝え、信頼関係を構築する

(2) 初回アプローチは非対面、見込み度の高いリードは対面

初回アプローチは非対面営業で多数接触し、見込み度の高いリードは対面営業に切り替える戦略が効果的です。

非対面営業(初回アプローチ):

  • 電話・メールでアポイントを取得
  • Web会議で初回商談を実施
  • 見込み度をスコアリング(SFA/CRMツールで管理)

対面営業(見込み度の高いリード):

  • 予算が確保されている
  • 意思決定者との商談が可能
  • 競合が少ない

このようなリードは対面営業に切り替え、信頼関係を構築して成約率を高めます。

(3) 2024年のハイブリッド型営業の定着

2024年時点では、非対面営業と対面営業を組み合わせたハイブリッド型が主流になっています。COVID-19以降、Zoomなどのツールを使ったオンライン商談が定着し、テレワーク普及により営業職でもリモートワークが可能になりました。

ハイブリッド型営業のメリット:

  • 非対面の効率性と対面の信頼関係構築を両立
  • 地理的制約がなくなり、全国・海外の顧客にアプローチ可能
  • 営業コストを削減しながら成約率を維持・向上

2つの営業方法を組み合わせることで新たな営業モデルの構築が可能と言われています。

まとめ:非対面セールス導入の成功ポイント

非対面セールスは、電話・メール・Web会議ツールを使った営業活動で、コスト削減と営業効率向上に効果的です。移動時間がないため、1日に対面営業の倍以上の件数をこなせます。

成功のポイント:

  • Web会議ツール、電子契約サービス、SFA/CRMツールなどの準備
  • システム・ツールの事前習熟(商談中のトラブル防止)
  • 継続的なコミュニケーションによる信頼関係構築
  • 低額サービスは非対面、高額サービスは対面という戦略的な使い分け
  • 初回アプローチは非対面、見込み度の高いリードは対面に切り替え

注意点:

  • 信頼関係構築の困難さは業界や商材によって異なる
  • ツール仕様・料金は変更の可能性があるため、公式サイトで最新情報を確認する
  • 非対面営業の定義は企業によって異なる場合がある

次のアクション:

  • 自社の営業プロセスを分析し、非対面営業が適している部分を特定する
  • Web会議ツールの無料プランで実際に試してみる
  • SFA/CRMツールを導入し、顧客情報を一元管理する
  • ノウハウを蓄積するシステムを構築し、営業チーム全体で共有する

非対面営業と対面営業を戦略的に組み合わせたハイブリッド型営業で、営業効率と成約率の両立を目指しましょう。

よくある質問

Q1非対面営業と対面営業、どちらがメリットが多い?

A1それぞれにメリット・デメリットがあり、戦略的に組み合わせて使うのが最適です。非対面営業は効率性(1日に倍以上の件数をこなせる、コスト削減)に強み、対面営業は信頼関係構築に強みがあります。低額サービスは非対面、高額サービスは対面という使い分けが有効です。

Q2非対面営業にはどんなツールが必要?

A2Web会議ツール(Zoom、Microsoft Teams、Google Meet)、電子契約サービス、ビジネスチャット(Slack、Chatwork)、SFA/CRMツールなどが必要です。適切なITツールへの投資が成功の鍵と言われています。公式サイトで最新の料金・機能を確認してください。

Q3非対面営業で信頼関係は築ける?

A3対面営業に比べて困難ですが、継続的なコミュニケーション(定期的なフォローアップ、有益な情報提供、迅速なレスポンス)で可能です。ハイブリッド型営業で見込み度の高いリードは対面に切り替えるのも有効な戦略です。

Q4非対面営業の成功のコツは?

A4システム・ツールの準備と事前習熟、対面営業との戦略的な組み合わせ(初回アプローチは非対面、見込み度の高いリードは対面)、ノウハウを蓄積するシステムの構築が重要です。カメラ目線で話す、表情を豊かにするなどのテクニックも効果的です。

Q5非対面営業はどの程度普及している?

A5COVID-19以降、Zoomなどのツールを使ったオンライン商談が主流になりました。2024年時点では、非対面営業と対面営業を組み合わせたハイブリッド型が定着しています。テレワーク普及により、営業職でもリモートワークが可能になりました。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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