MAツール選びでMarketoが気になるけれど、実際どうなのか...
マーケティングオートメーション(MA)ツールの導入を検討していると、必ず候補に挙がるのがMarketo(マルケト)です。世界6,000社以上、日本でも5,000社以上が導入していると言われるこのツール。「高機能」「エンタープライズ向け」という評判は聞くものの、実際のところどんな機能があり、どれくらいのコストがかかるのか、他のツールとどう違うのか、疑問は尽きません。
この記事では、Marketoの概要から主要機能、料金体系、他のMAツールとの比較まで、導入検討に必要な情報を整理します。
この記事のポイント:
- Marketoは2018年にAdobeが買収し、現在は「Adobe Marketo Engage」として提供
- 10個のアプリケーション機能を統合し、オムニチャネルキャンペーンに強み
- 料金プランは4種類(Select・Prime・Ultimate・Enterprise)だが、価格は非公開で見積もり相談が必要
- 多機能ゆえの複雑さがあり、専任のマーケティング担当者がいる企業に向いている
- HubSpot、Pardotなど他ツールとの違いを理解して選定することが重要
Marketo Engageとは何か
Marketo Engageは、Adobeが提供するB2B向けマーケティングオートメーションツールです。2006年に米国で創業したMarketo社は、2018年にAdobeに買収され、現在はAdobe Experience Cloudの一部として提供されています。
Marketo Engageの概要:
- 開発元:Adobe(2018年に買収)
- 主な用途:B2Bマーケティングオートメーション
- 導入企業数:世界6,000社以上、日本5,000社以上と言われている
- 日本語ユーザーコミュニティ:約2,200名
Adobe買収後は、Adobe Experience Cloudの他製品(Adobe Analytics、Adobe Targetなど)との連携が強化され、より統合的なマーケティングプラットフォームとして進化しています。
Marketoの主要機能と特徴
Marketoは多機能なMAツールとして知られています。特にパーソナライゼーションとオムニチャネル対応に強みがあります。
10個のアプリケーション機能の全体像
Marketoには10個のアプリケーション機能が統合されています。
主要なアプリケーション機能:
| 機能 | 概要 |
|---|---|
| マーケティングオートメーション | リード獲得・育成・スコアリングの自動化 |
| メールマーケティング | パーソナライズドメールの配信 |
| モバイル | プッシュ通知、SMSマーケティング |
| ソーシャル | SNS連携、ソーシャルキャンペーン |
| デジタル広告 | リターゲティング、広告連携 |
| Web | ランディングページ、フォーム作成 |
| ABM(アカウントベースドマーケティング) | 特定企業アカウントへのターゲティング |
| リード管理 | リード情報の一元管理 |
| アナリティクス | キャンペーン効果測定、レポート |
| 予測分析 | AIによる行動予測 |
これらの機能を組み合わせることで、複数チャネルをまたいだオムニチャネルキャンペーンを設計・実行できます。
パーソナライゼーションとAI機能
Marketoの大きな特徴は、高度なパーソナライゼーション機能です。
パーソナライゼーション機能:
- 統合顧客プロファイル管理:顧客情報を一元管理
- エンゲージメント履歴蓄積:行動履歴に基づく分析
- GUIベースのオーディエンスセグメンテーション:直感的なセグメント作成
- AIを活用した最適コンテンツ配信:受信者に応じたコンテンツ出し分け
AI機能(プレディクティブ分析):
- 見込み客の行動予測
- 最適な送信タイミングの提案
- 成約確度の予測
これらの機能により、顧客一人一人に最適な情報を的確なタイミングで提供する「1対1コミュニケーション」が実現できます。
700以上の外部システム連携
Marketoは700以上の外部システムと連携可能です。
主な連携先:
- CRM:Salesforce、Microsoft Dynamics、Oracle
- ウェビナー:Zoom、Webex、On24
- 広告:Google Ads、Facebook、LinkedIn
- 分析:Google Analytics、Adobe Analytics
- その他:Slack、Teams、各種MAツール
既存のITシステムとの統合がスムーズに実現できるため、大規模な企業でも導入しやすい点がメリットです。
料金体系と導入コストの目安
Marketoの料金は非公開であり、正確な金額は見積もり相談が必要です。
4つの料金プラン(Select・Prime・Ultimate・Enterprise)
Marketoには4つの料金プランが用意されています。
料金プランの構成:
| プラン | 対象 | 特徴 |
|---|---|---|
| Select | 中小規模 | 基本的なMA機能 |
| Prime | 中規模 | 高度な機能追加 |
| Ultimate | 大規模 | フル機能 |
| Enterprise | エンタープライズ | カスタマイズ対応 |
料金の目安:
- 料金は非公開で、見積もりは公式サイトから問い合わせが必要
- 一般的にエンタープライズ向けMAツールとして高額な傾向
- 年間契約が基本
※正確な料金はAdobe公式サイトからお問い合わせください。
導入支援・トレーニング費用の考慮
Marketoは多機能なツールであるため、導入支援やトレーニングにも費用がかかることを考慮すべきです。
追加で考慮すべき費用:
- 初期導入支援:ベンダーによる設定支援、既存システムとの連携構築
- トレーニング:管理者・ユーザー向けの操作研修
- 運用コンサルティング:効果的な活用のためのアドバイス
- カスタマイズ開発:企業固有の要件への対応
これらの費用を含めた総保有コスト(TCO)で予算を検討することが推奨されます。
他のMAツールとの比較
Marketoを検討する際は、他のMAツールとの違いを理解することが重要です。
HubSpotとの比較(機能・価格帯・適性)
比較ポイント:
| 項目 | Marketo Engage | HubSpot Marketing Hub |
|---|---|---|
| 主な対象 | 大企業・エンタープライズ | 中小〜大企業 |
| 価格帯 | 高額(非公開) | 中〜高額(公開) |
| 機能 | 多機能・高度なパーソナライゼーション | バランスの取れた機能、使いやすさ重視 |
| 学習コスト | 高い(トレーニング推奨) | 比較的低い(直感的なUI) |
| CRM連携 | 複数CRMに対応 | HubSpot CRM(無料)と統合 |
選び方の目安:
- 大規模・複雑なマーケティングを実施したい → Marketo
- 使いやすさとコストバランスを重視 → HubSpot
Pardot(Account Engagement)との比較
比較ポイント:
| 項目 | Marketo Engage | Pardot(Account Engagement) |
|---|---|---|
| 主な対象 | 大企業・エンタープライズ | 中〜大企業 |
| 価格帯 | 高額 | 中〜高額(月額15万円〜) |
| 機能 | 多機能・ABM強化 | シンプル・Salesforce特化 |
| CRM連携 | 複数CRMに対応 | Salesforce専用 |
| 学習コスト | 高い | 中程度 |
選び方の目安:
- 複数チャネル・ABMを活用した高度なマーケティング → Marketo
- Salesforceを中心としたシンプルなMA → Pardot
SATORI・List Finderなど国内ツールとの違い
国内MAツールとの比較:
| 項目 | Marketo Engage | 国内MAツール |
|---|---|---|
| 主な対象 | 大企業 | 中小企業 |
| 価格帯 | 高額 | 中〜低価格帯 |
| 機能 | 多機能・グローバル対応 | シンプル・日本企業に特化 |
| サポート | 英語中心(日本語対応は限定的) | 日本語サポート充実 |
| 学習コスト | 高い | 低い |
国内ツールの例:
- SATORI:月額148,000円〜、日本語サポート充実
- List Finder:月額39,800円〜、中小企業向け
- BowNow:無料プランあり、導入しやすい
選び方の目安:
- グローバル展開・高度な機能が必要 → Marketo
- 日本語サポート重視・コスト抑制 → 国内MAツール
導入時の注意点とよくある課題
Marketoは高機能なツールですが、導入時に注意すべき点もあります。
習得に時間がかかる多機能ゆえの複雑さ
Marketoは多機能であるがゆえに、使いこなすまでに時間がかかります。
よくある課題:
- 機能が多すぎて何から始めればよいかわからない
- 設定項目が複雑で、初期構築に時間がかかる
- 効果的な使い方を習得するまでに数ヶ月かかることも
対策:
- 導入前にトレーニングを受講
- まず基本機能から始めて段階的に拡張
- ベンダーの導入支援サービスを活用
運用体制と専門人材の確保
Marketoを効果的に運用するには、専門的なマーケティング知識と技術スキルを持った人材が必要です。
必要な体制:
- マーケティング戦略を立案できる担当者
- ツールの設定・運用を担当できる人材
- データ分析・レポーティングができる人材
注意点:
- 専任のマーケティング担当者がいない企業では、機能を使いこなせず導入効果が得られないリスクがある
- 外部のMA運用代行サービスを活用する選択肢もある
日本語対応の現状
Marketoは元々米国発のツールであり、日本語対応が不十分な部分があります。
日本語対応の課題:
- インターフェースに直訳調の表現が含まれる場合がある
- 英語のドキュメントを参照する必要があるケースも
- サポート対応が英語中心になることも
対策:
- 日本語ユーザーコミュニティ(約2,200名)を活用
- 日本のパートナー企業による導入支援を利用
- 英語に抵抗がないチームメンバーを確保
まとめ:Marketoが向いている企業・向かない企業
Marketoは高機能なMAツールですが、すべての企業に適しているわけではありません。
Marketoが向いている企業:
- 従業員100名以上の中〜大規模企業
- 専任のマーケティング担当者がいる
- 複数チャネルを横断したオムニチャネルマーケティングを実施したい
- ABM(アカウントベースドマーケティング)を本格的に導入したい
- 既に複数のITシステムを運用しており、連携が必要
- 導入・運用に十分な予算を確保できる
Marketoが向かない企業:
- 従業員50名未満の小規模企業
- マーケティング担当者が不在または兼任
- MAツールの導入が初めてで、シンプルなツールから始めたい
- 日本語サポートを重視する
- コストを抑えたい
次のアクション:
- Adobe公式サイトから見積もりを取得
- 自社のマーケティング戦略と必要機能を整理
- 他のMAツール(HubSpot、Pardot、国内ツール)とも比較検討
- 導入支援・トレーニング費用も含めた総予算を検討
- デモや無料トライアル(提供されている場合)で操作性を確認
※この記事は2024年時点の情報です。料金プランや機能は変更される可能性があるため、最新情報はAdobe公式サイトでご確認ください。
