マーケティングオートメーションとWeb施策の連携|リード獲得の仕組み

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/12

MAツールを導入したが、Webサイトとの連携がうまくいかない...

B2B企業のマーケティング担当者にとって、MAツールの導入は重要な一歩です。しかし、「MAツールを導入したものの、Webサイトとの連携がうまくいかない」「リード獲得の仕組みが思うように機能しない」といった悩みを抱えている方も少なくありません。

MAツールとWeb施策を効果的に連携させるには、フォーム連携、Web行動の追跡、リードスコアリング、他システムとの統合など、複数のポイントを押さえる必要があります。この記事では、MAとWeb施策の連携方法、具体的な手法、効果測定、よくある失敗を解説します。

この記事のポイント:

  • MA導入だけでは成果が出ない、Web集客施策(SEO、広告等)との組み合わせが必須
  • MAツールはWebサイト訪問者の行動(閲覧ページ、滞在時間、訪問頻度)を解析し、顧客情報と結び付けて管理
  • MAは「顧客軸の行動」、Google Analyticsは「Webサイト軸の顧客行動」を把握(使い分けが重要)
  • CMS、SFA、CRMとAPIで連携し、見込み顧客情報を自動転送することで効果的なマーケティングが実現
  • MAツール市場は2022年52.1億ドルから2030年135億ドルに成長予測(IT TREND調査)

マーケティングオートメーションとWeb施策の関係

(1) Web集客とMA導入の必要性

マーケティングオートメーション(MA)は、マーケティング活動を自動化・効率化するツールです。しかし、MA単体では成果を出すことは困難です。Web集客施策(SEO、Web広告、コンテンツマーケティング等)と組み合わせることで、以下のような効果が期待できます。

Web集客とMAの関係:

  • Web集客: SEO、Web広告、SNS等でWebサイトに訪問者を集める
  • MA: 訪問者の行動を追跡・分析し、リードを獲得・育成・選別
  • 営業: 購買確度の高いリードを営業に引き渡し、商談化

MAツールを効果的に活用するには、まずWeb集客でリードを獲得する仕組みを構築することが前提となります。

(2) リード獲得・育成・選別のプロセス自動化

BtoBマーケティングにおいて、デマンドジェネレーション(リード獲得から育成、選別までの一連の活動)を効率化することが重要です。MAツールは、以下のプロセスを自動化します。

デマンドジェネレーションの3つのステップ:

  1. リード獲得: Webフォーム、ホワイトペーパーダウンロード、ウェビナー等でリード情報を取得
  2. リード育成: メール配信、コンテンツ提供、Webサイト訪問追跡でリードの関心を高める
  3. リード選別: リードスコアリングで購買確度を数値化し、営業に引き渡す

これらのプロセスを手作業で行うと膨大な工数がかかりますが、MAツールを活用することで効率化が可能です。

MAとWebサイト連携の全体像

(1) フォーム連携とリード情報の自動取得

MAツールとWebサイトを連携させる最初のステップは、フォーム連携です。Webサイトの問い合わせフォーム、資料請求フォーム、ウェビナー申込フォーム等にMAツールのトラッキングコードを埋め込むことで、リード情報(企業名、担当者名、メールアドレス等)を自動取得できます。

フォーム連携のメリット:

  • 手動でのデータ入力作業を削減
  • リード情報をリアルタイムでMAツールに蓄積
  • フォーム送信後の自動メール配信(サンクスメール、資料送付等)

(2) Webサイト訪問者の行動(閲覧ページ、滞在時間、訪問頻度)解析

MAツールは、Webサイト訪問者の行動を追跡・解析する機能を持ちます。従来のメールツールと異なり、メール開封・クリックだけでなく、以下のようなWeb行動を収集・管理できます。

追跡可能なWeb行動:

  • Webサイト訪問(初回訪問、再訪問)
  • 閲覧ページ(どのページを見たか)
  • 滞在時間(各ページの閲覧時間)
  • 訪問頻度(何回訪問したか)
  • ホワイトペーパーダウンロード
  • 動画視聴

これらの行動データを顧客情報と結び付けて管理することで、「誰が」「いつ」「何をしたか」を可視化し、パーソナライズされたアプローチが可能になります。

(3) リードスコアリングと購買確度の可視化

リードスコアリングは、見込み顧客の関心度や購買確度を数値化する手法です。MAツールでは、Web行動やメール反応に基づいてスコアを自動計算し、購買確度の高いリードを優先的に営業に引き渡すことができます。

スコアリングの例:

  • 製品ページ閲覧: +10点
  • 料金ページ閲覧: +20点
  • ホワイトペーパーダウンロード: +15点
  • メール開封: +5点
  • メールクリック: +10点

スコアが一定以上(例: 50点以上)に達したリードを「ホットリード」として営業に通知し、商談化の確率を高めることができます。

具体的な連携手法とWeb行動の追跡

(1) トラッキング機能による行動履歴の収集

MAツールのトラッキング機能を活用することで、リードのWeb行動履歴を詳細に収集できます。トラッキングコードをWebサイト全体に埋め込むことで、以下のような情報を取得できます。

トラッキングで取得できる情報:

  • 訪問者のIPアドレス(企業特定に活用)
  • 訪問日時
  • 流入元(検索エンジン、SNS、広告等)
  • デバイス(PC、スマートフォン、タブレット)
  • ブラウザ

これらの情報を活用することで、リードの関心領域や購買段階を把握し、適切なタイミングでアプローチできます。

(2) コンテンツパーソナライゼーション

MAツールでは、リードの属性や行動履歴に基づいて、Webサイトのコンテンツを動的に変更する「コンテンツパーソナライゼーション」が可能です。

パーソナライゼーションの例:

  • 初回訪問者には製品概要を表示、再訪問者には詳細資料を表示
  • 業種別に異なる事例を表示
  • 閲覧履歴に基づいて関連コンテンツをレコメンド

パーソナライゼーションにより、リードの関心に合わせた情報提供ができ、エンゲージメントを高めることができます。

(3) 動的セグメント化と個別アプローチ

MAツールは、リードの行動に基づいて「動的セグメント化」を行い、個別にアプローチすることが可能です。従来の静的なセグメント(業種、企業規模等)だけでなく、行動ベースのセグメント(特定ページを閲覧した、特定の資料をダウンロードした等)を作成できます。

動的セグメントの例:

  • 「料金ページを3回以上閲覧したが問い合わせしていない」リード → 料金に関するFAQ資料を送付
  • 「導入事例ページを閲覧した」リード → 業種別の導入事例資料を送付

動的セグメント化により、リードの関心に合わせたタイムリーなアプローチが実現します。

MAとGoogle Analyticsの違いと使い分け

(1) MAは「顧客軸の行動」、GAは「Webサイト軸の顧客行動」

MAツールとGoogle Analytics(GA)は、どちらもWeb行動を解析するツールですが、目的と視点が異なります。

MAツールの特徴:

  • 顧客軸の行動分析: 「誰が」「何をしたか」を追跡
  • リード情報と行動履歴を紐付けて管理
  • 個別リードへのアプローチが可能

Google Analyticsの特徴:

  • Webサイト軸の行動分析: 「どのページが」「どれだけ見られたか」を集計
  • 匿名のユーザー行動を全体として把握
  • サイト改善・SEO施策の効果測定に活用

(2) 両者の効果的な組み合わせ方

MAツールとGoogle Analyticsを組み合わせることで、より効果的な分析が可能になります。

組み合わせの例:

  • GAで流入元別のコンバージョン率を分析 → MAでリード育成施策を実施
  • MAで購買確度の高いリードを特定 → GAでそのリードの行動パターンを分析
  • GAでサイト改善ポイントを特定 → MAでリードの反応を測定

両者を使い分けることで、マクロ(全体傾向)とミクロ(個別リード)の双方から効果測定できます。

他システム連携とコスト・注意点

(1) CMS、SFA、CRMとのAPI連携

MAツールを本格的に活用するには、他のシステムとAPI連携することが推奨されます。

主な連携システム:

  • CMS(コンテンツ管理システム): Webサイトのコンテンツを管理し、MAと連携してパーソナライズ配信
  • SFA(営業支援システム): MAから購買確度の高いリードを自動転送し、営業活動を効率化
  • CRM(顧客関係管理): 顧客情報を一元管理し、MAと連携してアップセル・クロスセル施策を実施

API連携により、システム間でデータをリアルタイムに共有し、効果的なマーケティングが実現します。

(2) 本格活用による導入・運用コストの増加

MAツールを本格的に活用すると、連携すべきシステム・ツールが増え、導入・運用コストが上昇する可能性があります。

主なコスト:

  • MAツールのライセンス費用(月額数万円〜数十万円)
  • API連携の初期開発費用
  • 他システム(CMS、SFA、CRM)のライセンス費用
  • 運用担当者の人件費
  • トレーニング費用

コストを抑えるには、段階的に導入し、効果を測定しながら拡張していく戦略が推奨されます。

(3) Web集客施策(SEO、広告)との組み合わせの重要性

MA導入だけでは成果が出ません。Web集客施策(SEO、Web広告、SNS、コンテンツマーケティング等)と組み合わせることで、以下のような効果が期待できます。

組み合わせの効果:

  • SEOで自然検索からのリード獲得を増やす
  • Web広告でターゲット企業にリーチ
  • コンテンツマーケティングでリードの関心を育成
  • MAでリードを自動的にスコアリング・育成

Web集客施策とMAを統合し、一貫したマーケティング戦略を構築することが成功の鍵です。

まとめ:MA×Web施策で成果を出すために

マーケティングオートメーション(MA)とWeb施策を効果的に連携させることで、リード獲得・育成・選別のプロセスを自動化し、マーケティングROIを最大化できます。

主なポイント:

  • MA導入だけでは成果が出ない、Web集客施策(SEO、広告等)との組み合わせが必須
  • フォーム連携、Web行動追跡、リードスコアリングで購買確度を可視化
  • MAは「顧客軸の行動」、Google Analyticsは「Webサイト軸の顧客行動」を把握(使い分けが重要)
  • CMS、SFA、CRMとAPI連携し、見込み顧客情報を自動転送
  • 段階的に導入し、効果測定しながら拡張することでコストを最適化

次のアクション:

  • 自社のWeb集客施策(SEO、広告、コンテンツ)の現状を整理する
  • MAツールのトライアルで操作感を確認する(List Finder、HubSpot、Marketo等)
  • フォーム連携・トラッキングコード埋め込みを実施する
  • リードスコアリングの基準を設計する
  • 他システム(CMS、SFA、CRM)との連携計画を立てる

MAツールとWeb施策を統合し、効果的なデマンドジェネレーションを実現しましょう。

よくある質問

Q1マーケティングオートメーションとWeb集客の関係は?

A1Web集客で獲得したリードをMAで自動的にスコアリング・育成し、購買確度の高い顧客を営業に引き渡す仕組みです。MA導入だけでは成果が出ず、SEOや広告などのWeb集客施策との組み合わせが必須です。

Q2MAツールのWeb解析機能とGoogle Analyticsの違いは?

A2MAは「顧客軸の行動」(誰が何をしたか)、Google Analyticsは「Webサイト軸の顧客行動」(どのページがどれだけ見られたか)を把握します。両者を組み合わせることで効果的な分析が可能になります。

Q3どのようなWeb行動をMAで追跡できるか?

A3Webサイト訪問、閲覧ページ、滞在時間、訪問頻度、フォーム送信、メール開封、クリック、ホワイトペーパーダウンロードなどの行動を追跡・管理できます。

Q4MAとCMS/SFA/CRMをどう連携すればよいか?

A4APIで連携し、MAで獲得した見込み顧客情報を自動転送します。CMS(コンテンツ配信)、SFA(営業活動)、CRM(顧客管理)を統合することで効果的なマーケティングが実現します。

Q5Web初心者でもMAツールを使いこなせるか?

A5ツールによって学習難易度が異なります。国内BtoB向けのList Finderなど、初心者向けに設計されたツールを選べば使いこなしやすいです。トライアルで操作感を確認することが推奨されます。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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