MAツールを導入したいけれど、どれを選べばいいか分からない...
マーケティング活動を効率化したいと考えているBtoB企業の多くが、MAツール選びに悩んでいます。「機能はどう違うの?」「コストはどれくらい?」「うちの会社に合うのはどれ?」といった疑問は尽きません。
2025年、日本のマーケティングオートメーション市場は737億円規模に拡大すると予測されており、選択肢も増え続けています。しかし、高機能なツールを選んでも使いこなせなければ投資が無駄になるため、自社の業務フローや課題に合ったツールを選ぶことが成功の鍵となります。
この記事では、国内シェアトップ5のMAツールを中心に、機能・料金・導入難易度を比較しながら、BtoB企業向けの選定基準を解説します。
この記事のポイント:
- MAツールは企業規模・予算・目的によって最適な選択肢が異なる
- 国内シェア1位はBowNow、2位はMarketing Cloud Account Engagement(旧Pardot)、3位はHubSpot
- 月額料金は数千円から数十万円まで幅広く、コンサルティング費用が別途かかる場合もある
- 高機能より自社で使いこなせる機能レベルのツールを選ぶことが重要
- 導入目的と運用体制を事前に明確化することが成功の鍵
MAツール選びが企業成長の明暗を分ける理由
MAツールの導入に成功した企業では、問い合わせフォームからの問い合わせが5.5倍に増加したり、1人のマーケターが年間新規問い合わせを100件から350件以上に増やしたりといった成果が報告されています。一方で、高機能なツールを選んでも使いこなせず、投資が無駄になるケースも少なくありません。
成功と失敗を分けるのは、ツールの機能の高さではなく、自社の業務フローや課題に合っているかという点です。導入する目的や導入後の運用について事前に明確化することが、MAツール選びで最も重要なポイントと言われています。
MAツールの分類と比較軸の設定
(1) MAツールの5つのタイプ分類
MAツールは大きく5つのタイプに分類されます:
BtoB向け高機能型(Adobe Marketo Engage、Marketing Cloud Account Engagementなど)
- 大企業向け、高度なリードスコアリング・セグメンテーション機能
- 月額数十万円以上が一般的
統合型プラットフォーム(HubSpotなど)
- MA・CRM・SFA・CMS・カスタマーサービスを一つのプラットフォームで管理
- 無料プランから利用可能
国産シンプル型(BowNow、SATORIなど)
- 日本語サポート充実、導入ハードルが低い
- 月額数千円から利用可能
メール配信特化型
- リード育成のメール配信に機能を絞ったツール
- 低価格で始めやすい
BtoC向けCCCM型
- 個人消費者向け、クロスチャネルキャンペーン管理
- BtoB企業には不向き
(2) 比較すべき軸(機能・料金・導入難易度・サポート)
MAツールを比較する際は、以下の軸を明確にすることが重要です:
機能面
- リード管理、メール配信、フォーム作成、ランディングページ作成(基本機能)
- リードスコアリング、ABM連携、SFA/CRM連携、詳細な分析機能(上位機能)
- 社内システムやデータベースとの連携機能
料金面
- 初期費用(0円〜数十万円)
- 月額費用(数千円〜数十万円)
- コンサルティング費用(別途月額数十万円かかる場合もある)
導入難易度
- 設定・運用開始までの期間(1〜3ヶ月が一般的)
- 専任担当者の必要性
- 既存システムとの連携の複雡さ
サポート体制
- 日本語サポートの有無
- オンボーディング支援の充実度
- コミュニティ・ユーザー会の活動
(3) BtoB向けとBtoC向けの違い
BtoB向けとBtoC向けでMAツールの特性は大きく異なります:
BtoB向けの特徴
- リード育成期間が長い(数ヶ月〜1年以上)
- 複数の意思決定者が関与
- 高額商材・長期契約が多い
- 営業との連携が重要(SFA/CRM連携が必須)
BtoC向けの特徴
- 購買決定が短期間(数日〜数週間)
- 個人の意思決定
- ECサイトとの連携が中心
- メール配信・LINE連携などのチャネル多様化
BtoB企業がBtoC向けツールを選ぶと、営業との連携が不十分で成果が出にくいため、自社のビジネスモデルに応じた選定が重要です。
主要MAツールの機能比較(国内シェアトップ5)
2025年の国内シェアトップ5のMAツールについて、機能・特徴を公平に比較します。
(1) BowNow:国内シェア1位の特徴
主な機能
- リード管理、メール配信、フォーム作成、ABMツール連携
- 匿名顧客へのアプローチ機能は限定的
メリット
- 国内シェア1位で導入実績が豊富
- 日本語サポートが充実
- 低価格プランから利用可能
デメリット
- 高機能なリードスコアリング機能は上位プランが必要
- 海外展開している企業には不向き
向いている企業
- 中小〜中堅企業(従業員50〜500人)
- 初めてMAツールを導入する企業
- 予算が限られている企業
(2) Marketing Cloud Account Engagement(旧Pardot):Salesforce連携
主な機能
- リード管理、メール配信、リードスコアリング、ABM機能
- Salesforceとのネイティブ連携
メリット
- Salesforceとの連携が強力
- BtoB向けの高機能
- グローバル展開に対応
デメリット
- 導入コストが高い(月額数十万円以上)
- Salesforceを使っていない場合はメリットが半減
- 設定・運用が複雑で専任担当者が必要
向いている企業
- Salesforceを既に導入している企業
- 大企業(従業員500人以上)
- グローバル展開している企業
(3) HubSpot:無料プランと統合型プラットフォーム
主な機能
- MA・CRM・SFA・CMS・カスタマーサービスを統合
- リード管理、メール配信、ランディングページ作成、詳細な分析機能
メリット
- 無料プランから利用可能
- 統合型プラットフォームで一元管理
- 使いやすいインターフェース
- 日本語サポートあり
デメリット
- 高機能なプランは月額数十万円
- 既存のSFA/CRMと併用する場合は重複する可能性
向いている企業
- スタートアップ〜中堅企業
- 複数のツールを一元化したい企業
- まずは無料で試したい企業
(4) Adobe Marketo Engage:高機能・カスタマイズ性
主な機能
- 高度なリードスコアリング、セグメンテーション、ABM機能
- AI・機械学習による顧客行動予測
- 豊富なカスタマイズオプション
メリット
- BtoB向けの最高峰の機能
- AI統合が進んでいる
- グローバル対応
デメリット
- 導入コストが高い(月額数十万円以上)
- 設定・運用が複雑で専門知識が必要
- 中小企業には過剰機能
向いている企業
- 大企業(従業員500人以上)
- 高度なマーケティング施策を実施したい企業
- 専任のマーケティングチームがある企業
(5) SATORI:匿名顧客へのアプローチ
主な機能
- リード管理、メール配信、匿名顧客へのアプローチ機能
- 国内企業向けに特化
メリット
- 国産ツールで日本語サポートが充実
- 匿名顧客(個人情報を取得していない訪問者)にもアプローチ可能
- 導入事例が豊富(1人のマーケターが年間問い合わせを100件から350件以上に増加)
デメリット
- 海外展開には不向き
- 高度なABM機能は限定的
向いている企業
- 中小〜中堅企業
- 国内BtoB企業
- 匿名顧客からのリード獲得を強化したい企業
※ツール仕様や料金プランは更新される可能性があるため、導入前に各社の公式サイトで最新情報を必ず確認してください。
MAツールの料金体系と価格相場
(1) 初期費用と月額費用の相場
MAツールの料金体系は幅広く、企業規模や必要な機能によって大きく異なります:
小規模企業向け(従業員50人未満)
- 初期費用:0円
- 月額費用:数千円〜5万円
- 代表的なツール:BowNow(低価格プラン)、HubSpot(無料〜Starterプラン)
中堅企業向け(従業員50〜500人)
- 初期費用:0円〜数十万円
- 月額費用:10万円〜30万円
- 代表的なツール:HubSpot(Professionalプラン)、SATORI、BowNow(上位プラン)
大企業向け(従業員500人以上)
- 初期費用:数十万円〜
- 月額費用:30万円〜100万円以上
- 代表的なツール:Marketing Cloud Account Engagement、Adobe Marketo Engage
(2) コンサルティング費用の注意点
月額料金とは別に、コンサルティング費用が月額数十万円かかる場合があります。これは以下のようなサービスを含みます:
- 初期設定支援
- 運用戦略の立案
- シナリオ設計
- データ分析・レポート作成
- 定期的な運用改善提案
特に大企業向けの高機能ツールでは、専門のコンサルタントによる支援が必要になるケースが多く、月額料金だけでなく総コストを確認することが重要です。
(3) 企業規模別の予算目安
年間予算の目安
- 小規模企業:年間10万円〜60万円
- 中堅企業:年間120万円〜360万円
- 大企業:年間360万円〜1,200万円以上
※コンサルティング費用を含む総コストで算出
ROI(投資対効果)は6ヶ月〜1年で評価するのが適切と言われています。問い合わせ数の増加、アポ獲得率の向上、契約率の改善などを指標に、自社に合った予算を設定しましょう。
※料金プランは変更の可能性があるため、公式サイトで最新情報を確認してください。(この記事は2025年11月時点の情報です)
導入事例と失敗しない選定のポイント
(1) 導入成功事例(問い合わせ5.5倍、350件以上等)
MAツール導入の成功事例をいくつかご紹介します:
事例1:問い合わせフォームからの問い合わせが5.5倍に増加
- 業種:BtoB SaaS企業
- 導入ツール:HubSpot
- 成果:問い合わせフォームからの問い合わせが5.5倍、アポイント獲得率がテレアポの10倍、契約率が1.8倍に向上
事例2:1人のマーケターが年間問い合わせを100件から350件以上に増加
- 業種:BtoB企業
- 導入ツール:SATORI
- 成果:マーケティング経験がない状態からでも、1人のマーケターが年間新規問い合わせを100件から350件以上に増やすことに成功
これらの事例に共通するのは、導入する目的や導入後の運用について事前に明確化していたという点です。
(2) 導入失敗の原因と回避策
一方で、MAツール導入に失敗するケースも少なくありません。主な原因と回避策は以下の通りです:
失敗原因1:高機能なツールを選んだが使いこなせなかった
- 回避策:自社で使いこなせる機能レベルのツールを選ぶ。まずは基本機能から始め、必要に応じて上位プランに移行する
失敗原因2:導入目的が不明確で運用が定着しなかった
- 回避策:導入前に「何のために導入するのか」「どの業務を効率化したいのか」を明確にし、PDCAサイクルを確立する
失敗原因3:営業部門との連携が不十分だった
- 回避策:SFA/CRM連携を重視し、マーケティング部門と営業部門で情報共有の仕組みを構築する
失敗原因4:専任担当者がおらず運用が止まった
- 回避策:専任担当者を配置するか、導入ハードルの低いシンプルなツールを選ぶ
(3) 2025年の最新トレンド(AI統合・CX重視)
2025年のMAツール市場では、以下のトレンドが注目されています:
AI・機械学習の統合
- 顧客行動予測の精度向上
- コンテンツレコメンデーションの自動化
- パーソナライズされたメッセージ生成
顧客体験(CX)重視のMA活用
- より高度なパーソナライゼーション
- クロスチャネルでの一貫した顧客体験
- リアルタイムでの顧客対応
プラットフォーム統合の需要増加
- MA・CRM・SFA・CMS・カスタマーサービスを一つのプラットフォームで管理
- データサイロの解消と一元管理
市場規模の拡大
- グローバル市場:2022年の52.1億ドルから2030年には135億ドルへ成長予測
- 日本市場:2025年に737億円規模へ
- デジタル化の加速により顧客の購買プロセスがデジタル完結
これらのトレンドを踏まえつつ、自社の現状の課題解決に必要な機能を優先することが重要です。
まとめ:企業規模・目的別のMAツール選定ガイド
MAツール選びでは、企業規模・予算・必要な機能を明確にすることが重要です。複数のツールを公平に比較し、無料トライアルで実際に試してから導入を決定しましょう。
企業規模別の選定ガイド
小規模企業(従業員50人未満)
- 推奨ツール:HubSpot(無料〜Starter)、BowNow(低価格プラン)
- 予算:年間10万円〜60万円
- ポイント:導入ハードルが低く、シンプルな機能のツールを選ぶ
中堅企業(従業員50〜500人)
- 推奨ツール:HubSpot(Professional)、SATORI、BowNow(上位プラン)
- 予算:年間120万円〜360万円
- ポイント:営業との連携機能、リードスコアリング機能を重視
大企業(従業員500人以上)
- 推奨ツール:Marketing Cloud Account Engagement、Adobe Marketo Engage
- 予算:年間360万円〜1,200万円以上
- ポイント:高度なABM機能、グローバル対応、AI統合を重視
次のアクション
- 自社の予算と必要機能を整理する
- 3〜5社の公式サイトで最新の料金・機能を確認する
- 無料トライアルで実際に操作性を試す
- 導入実績のある企業の事例を参考にする(自社と類似した条件の事例を優先)
- 導入目的と運用体制を明確にする
自社に合ったMAツールで、マーケティング活動の効率化とリード獲得の最大化を目指しましょう。
