MAとSFAの違いとは?機能・連携方法・使い分けを徹底解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/16

営業とマーケティング、どうすれば連携できる?

B2B企業で「営業とマーケティングの連携がうまくいかない」という悩みは珍しくありません。「マーケティングが獲得したリードが商談につながらない」「営業が何をしているか見えない」「顧客情報が部門間で共有されていない」といった課題を抱える企業は多いものです。

こうした課題を解決するツールとして注目されているのが、MA(Marketing Automation)とSFA(Sales Force Automation)です。この記事では、MAとSFAの違い、それぞれの機能、連携するメリット、導入の進め方まで徹底解説します。

この記事のポイント:

  • MAはリード獲得・育成・選別を担当し、SFAは商談管理・営業活動を担当する
  • MAとSFAを連携することで、営業・マーケ間のデータ共有がシームレスになる
  • 導入順序は企業の課題によって異なり、オールインワン型と個別ツールの選択肢がある
  • 連携方法は「標準連携」「iPaaS」「API・Webhook」の3パターン
  • CRMを含めた3ツールの統合運用が営業効率を最大化する

1. MAとSFAとは?基本的な定義と役割の違い

まずは、MAとSFAの基本的な定義と、それぞれが担う役割の違いを理解しましょう。

(1) MA(Marketing Automation)の定義と役割

MA(マーケティングオートメーション)は、マーケティング活動を自動化し、リード(見込み客)の獲得・育成・選別を効率化するツールです。

MAの主な役割:

  • リードの獲得(Webフォーム、ランディングページ作成)
  • リードの育成(メール配信、コンテンツ提供)
  • リードの選別(スコアリング、行動トラッキング)
  • マーケティング施策の分析・効果測定

主に使用する部門: マーケティング部門

担当する営業プロセス: 見込み客の発掘から、商談化の手前まで

米国では2000年頃からMAツールが登場し、日本では2010年頃から本格的に普及が始まりました。

(2) SFA(Sales Force Automation)の定義と役割

SFA(セールスフォースオートメーション)は、営業活動を効率化し、顧客情報・商談進捗をデータベース化して情報共有を促進するツールです。

SFAの主な役割:

  • 顧客・案件情報の一元管理
  • 商談の進捗管理・ステータス管理
  • 営業活動の記録・共有
  • 売上予測・パイプライン管理

主に使用する部門: 営業部門

担当する営業プロセス: 商談の開始から、受注・契約完了まで

2. MAとSFAの機能比較:担当領域と主要機能

MAとSFAはそれぞれ異なる営業プロセスを担当し、主要機能も異なります。また、CRM(顧客関係管理)との関係性も理解しておくことが重要です。

(1) MAの主要機能(リード獲得・育成・スコアリング)

リード獲得機能:

  • ランディングページ作成・管理
  • Webフォーム作成・データ収集
  • 広告・SNS連携

リード育成(ナーチャリング)機能:

  • メールマーケティング(ステップメール、セグメント配信)
  • コンテンツ配信の自動化
  • シナリオ設計・ワークフロー

リード選別機能:

  • リードスコアリング(行動履歴に基づく点数化)
  • 行動トラッキング(Web閲覧、メール開封など)
  • ホットリードの自動抽出

(2) SFAの主要機能(商談管理・売上予測・活動管理)

商談管理機能:

  • 案件・商談のステータス管理
  • 商談履歴の記録・共有
  • 見積もり・提案書管理

売上予測・分析機能:

  • パイプライン管理(売上予測)
  • 目標達成率のモニタリング
  • 営業レポート・ダッシュボード

活動管理機能:

  • 訪問・電話・メールの活動記録
  • スケジュール・タスク管理
  • 上司・チームへの報告・共有

(3) CRMとの関係性と3ツールの位置づけ

MA・SFA・CRMは、それぞれ営業・マーケティングプロセスの異なる段階を担当します。

3ツールの役割分担:

ツール 担当領域 主な目的
MA リード獲得〜育成〜選別 見込み客を商談化する
SFA 商談開始〜受注・契約 営業活動を効率化する
CRM 顧客関係全体 顧客情報を一元管理する

顧客接点の流れ: MA(リード獲得) → MA(リード育成) → SFA(商談化) → SFA(受注) → CRM(顧客管理)

3つのツールは独立して使うことも可能ですが、連携することで効果を最大化できます。

3. MAとSFAを連携するメリットと効果

MAとSFAを連携することで、営業・マーケティング部門間の協力が強化され、より効率的な活動が実現できます。

(1) 営業・マーケ間のデータ共有とシームレスな引き継ぎ

連携によるメリット:

  • MAが獲得・育成したリードをSFAに自動連携
  • 「商談見込みが高い」と判断したリードを営業に自動通知
  • マーケティング活動の履歴が営業にも共有される
  • 営業からのフィードバックがマーケ施策に反映される

具体的な効果:

  • リードの引き渡し漏れがなくなる
  • 営業が商談時にリードの関心事を把握できる
  • マーケは営業結果から施策を改善できる

(2) 二重入力の排除とリアルタイム可視化

業務効率化の効果:

  • 顧客情報の二重入力が不要になる
  • リアルタイムで顧客活動を可視化できる
  • 部門間でのデータ整合性が保たれる

連携がない場合の問題:

  • マーケと営業で別々に顧客情報を管理
  • データの転記ミス・入力漏れが発生
  • 部門間で情報のタイムラグが生じる

4. 導入パターン:どのツールをどの順序で導入すべきか

MAとSFAの導入順序は、企業の課題や状況によって異なります。

(1) 課題別の導入優先度

MA優先のパターン:

  • リード数が不足している
  • Webマーケティングを強化したい
  • マーケティング部門の業務を効率化したい

SFA優先のパターン:

  • 商談管理ができていない
  • 営業活動の可視化が必要
  • 売上予測の精度を上げたい

同時導入のパターン:

  • 営業・マーケ連携を一気に改善したい
  • 新規事業で営業プロセスを構築する
  • 既存ツールからの移行を検討している

(2) オールインワン型と個別ツール組み合わせの選択

オールインワン型:

  • MA・SFA・CRMが一体になった統合プラットフォーム
  • 連携設定が不要で、導入がスムーズ
  • 機能のカスタマイズ性は限定される場合がある

個別ツールの組み合わせ:

  • 各領域で最適なツールを選択できる
  • 連携設定が必要(標準連携、iPaaS、APIなど)
  • 柔軟性が高いが、運用コストが上がる可能性

選択のポイント:

  • 企業規模・予算に応じて判断
  • 既存システムとの連携要件を確認
  • 将来的な拡張性も考慮する

5. MA・SFAツールの選定基準と主要製品

MA・SFAツールを選定する際のチェックポイントと、主要製品の概要を紹介します。

(1) ツール選定の5つのチェックポイント

1. 連携性:

  • 他ツールとの連携方法(標準連携、API、iPaaS)
  • 既存システムとの互換性

2. 機能の充実度:

  • 自社の業務フローに必要な機能があるか
  • カスタマイズの柔軟性

3. 操作性・UI:

  • 現場担当者が使いこなせるか
  • 導入・定着のしやすさ

4. サポート体制:

  • 日本語サポートの有無
  • 導入支援・トレーニングの充実度

5. コスト:

  • 初期費用・月額費用の総額
  • ユーザー数・データ量による変動

(2) 主要MA・SFAツールの概要

主要MAツール:

ツール名 特徴
HubSpot Marketing Hub CRM統合、無料プランあり、中小企業向け
Marketo Engage 大企業向け、高機能、カスタマイズ性高い
Pardot(Account Engagement) Salesforce連携、B2B特化
SATORI 国産、匿名リード対応、日本語サポート充実
List Finder 国産、BtoB特化、コスパ重視

主要SFAツール:

ツール名 特徴
Salesforce Sales Cloud 業界標準、高機能、拡張性高い
HubSpot Sales Hub CRM統合、無料プランあり、使いやすさ重視
Mazrica Sales(旧Senses) 国産、AI営業支援、UIシンプル
kintone 国産、カスタマイズ自由、グループウェア統合
eセールスマネージャー 国産、定着率重視、サポート充実

連携方法の比較:

方法 難易度 コスト 柔軟性
標準連携
iPaaS
API・Webhook

※各ツールの料金・機能は変更される可能性があります。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。

6. まとめ:営業・マーケ連携を実現する運用ポイント

MAとSFAは、営業・マーケティングプロセスの異なる段階を担当する補完的なツールです。MAがリード獲得・育成・選別を担当し、SFAが商談管理・営業活動を担当することで、営業プロセス全体を効率化できます。

運用成功のポイント:

  • MA・SFA・CRMを連携し、データを一元管理する
  • 営業・マーケ間でKPIを共有し、定期的にレビューする
  • ツール導入だけでなく、部門間の連携プロセスも設計する
  • 現場担当者の定着・活用を重視する

導入前の確認事項:

  • 自社の課題(リード不足?商談管理?)を明確にする
  • 既存システムとの連携要件を洗い出す
  • オールインワン型か個別ツールかを検討する
  • 複数ツールの見積もりを取得して比較する

次のアクション:

  1. 自社の営業・マーケプロセスを可視化する
  2. 優先課題を特定し、MA/SFAどちらを先に導入するか決める
  3. 主要ツールの公式サイトで詳細を確認する
  4. 無料トライアルやデモで操作性を確認する

営業とマーケティングの連携は、ツール導入だけでは実現しません。組織的な協力体制と、継続的な改善が重要です。まずは自社の課題を整理し、適切なツール選定から始めてみてください。

(この記事は2025年1月時点の情報です。最新の料金・機能は各社公式サイトでご確認ください。)

よくある質問:

Q: MAとSFAとCRMの違いは?全部必要? A: MAはリード育成、SFAは商談管理、CRMは顧客関係管理を担当します。3つは営業プロセスの異なる段階を担っており、連携することで効果を最大化できます。すべて必須ではありませんが、営業・マーケ連携を強化したい場合は3ツールの統合運用が効果的です。

Q: MAとSFAはどちらを先に導入すべき? A: 課題によって異なります。リード数が不足しているならMA優先、商談管理が課題ならSFA優先です。多くの場合、オールインワンツールや同時導入が効率的ですが、予算や既存システムとの兼ね合いで判断してください。

Q: MAとSFAを両方導入する必要はある? A: 必須ではありませんが、連携により営業効率が大幅に向上します。マーケから営業へのリード引き渡しがシームレスになり、部門間協力が強化されます。企業規模や業務フローに応じて検討してください。

Q: MAとSFAのデータ連携方法は? A: 主に3つの方法があります。(1)標準連携機能(簡単だが機能制限あり)、(2)iPaaS(柔軟だが別コストがかかる)、(3)API・Webhook(自由度は高いが開発工数が必要)。自社のIT体制と予算に応じて選択してください。

よくある質問

Q1MAとSFAとCRMの違いは?全部必要?

A1MAはリード育成、SFAは商談管理、CRMは顧客関係管理を担当します。3つは営業プロセスの異なる段階を担っており、連携することで効果を最大化できます。すべて必須ではありませんが、営業・マーケ連携を強化したい場合は3ツールの統合運用が効果的です。

Q2MAとSFAはどちらを先に導入すべき?

A2課題によって異なります。リード数が不足しているならMA優先、商談管理が課題ならSFA優先です。多くの場合、オールインワンツールや同時導入が効率的ですが、予算や既存システムとの兼ね合いで判断してください。

Q3MAとSFAを両方導入する必要はある?

A3必須ではありませんが、連携により営業効率が大幅に向上します。マーケから営業へのリード引き渡しがシームレスになり、部門間協力が強化されます。企業規模や業務フローに応じて検討してください。

Q4MAとSFAのデータ連携方法は?

A4主に3つの方法があります。(1)標準連携機能(簡単だが機能制限あり)、(2)iPaaS(柔軟だが別コストがかかる)、(3)API・Webhook(自由度は高いが開発工数が必要)。自社のIT体制と予算に応じて選択してください。

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