MAとCRMの違いとは?連携効果・選定基準・主要ツール比較を完全解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/6

なぜMAとCRMの違いが重要なのか:混同がもたらすリスク

「MAとCRMって何が違うの?」「どっちを先に導入すればいいの?」

B2B企業でマーケティングや営業の効率化を検討する際、こうした疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。MAツールとCRMは、どちらも顧客管理に関わるシステムですが、役割・使用タイミング・目的が大きく異なります。

この記事では、MAとCRMの違い、連携メリット、主要ツール比較、企業規模別の導入判断基準を解説します。

この記事のポイント:

  • MAは見込み客の獲得・育成に、CRMは既存顧客の管理・分析に使用する明確な役割分担がある
  • MAとCRMを連携することで、顧客情報と行動データを一元管理でき、部門間連携が強化される
  • HubSpotは統合型プラットフォーム、Salesforce + Marketo等は個別ツール連携の代表例
  • リード数が月50件以下ならCRM優先、50件以上ならMAとCRMの同時導入を検討
  • 連携によりROIは導入後6ヶ月〜1年で回収できるケースが多い

(1) MAとCRMの混同で起こる導入失敗パターン

よくある失敗例:

  • CRMだけ導入したが、新規リード獲得が進まず営業活動が停滞
  • MAだけ導入したが、商談化後の顧客管理ができず受注率が低迷
  • 両方導入したがデータが分断され、リード管理の全体像が見えない
  • 高額なツールを導入したが使いこなせず、スプレッドシートに逆戻り

これらの失敗は、MAとCRMの役割の違いを理解せずに導入したことが原因です。

(2) カスタマージャーニーにおけるMA・CRMの役割

B2Bのカスタマージャーニーは、以下のように分類できます:

見込み客フェーズ(MA担当):

  1. リード獲得(Webサイト訪問、資料請求、展示会)
  2. リード育成(メール配信、セミナー案内、コンテンツ提供)
  3. 商談創出(スコアリングで関心度を定量化、営業へパス)

顧客フェーズ(CRM担当): 4. 商談管理(提案、見積、契約交渉) 5. 受注後の顧客管理(アップセル、クロスセル提案) 6. 顧客満足度の維持・向上(問い合わせ対応、継続率向上)

MAとCRMは、このカスタマージャーニーの異なるフェーズを担当します。

(3) 本記事で解説する内容

本記事では以下の内容を解説します:

  • MAとCRMの定義と役割の違い
  • MAとCRM連携がもたらす3つのメリット
  • 主要ツール比較(HubSpot、Salesforce、Marketo、Pardot)
  • 企業規模別の導入判断ポイントと失敗事例
  • 次のアクション(無料トライアル、デモ依頼)

MAとCRMの基礎知識:それぞれの定義と役割の違い

(1) MA(マーケティングオートメーション)とは:見込み客の獲得・育成

**MA(Marketing Automation)**は、見込み客(リード)の獲得・育成・管理を自動化するツールです。

主要機能:

  • リード獲得(Webフォーム、ランディングページ作成)
  • メール配信自動化(セグメント配信、ステップメール)
  • リードスコアリング(Webサイト訪問、メール開封などの行動を数値化)
  • リードナーチャリング(見込み客を育成し、商談化する活動)
  • キャンペーン管理(展示会、セミナー、ウェビナー等の効果測定)

使用目的:

  • 新規リードの獲得数を増やす
  • リードの関心度を定量化し、優先順位をつける
  • 営業担当に商談化可能なリードを渡す

(2) CRM(顧客関係管理)とは:既存顧客の管理・分析

**CRM(Customer Relationship Management)**は、顧客情報を一元管理し、長期的な関係を構築するシステムです。

主要機能:

  • 顧客情報管理(企業情報、担当者、商談履歴)
  • 商談管理(提案、見積、契約交渉のフェーズ管理)
  • 顧客分析(購買履歴、趣味・嗜好の把握)
  • 問い合わせ管理(カスタマーサポート履歴)
  • レポート・ダッシュボード(売上予測、成約率の可視化)

使用目的:

  • 既存顧客との関係を維持・強化
  • アップセル・クロスセル提案
  • リピート購入の促進
  • 顧客満足度の向上

(3) SFAとの関係:営業支援システムの位置づけ

**SFA(Sales Force Automation)**は、営業活動を効率化し、案件管理や商談進捗を管理するツールです。

MA・CRM・SFAの関係:

ツール 対象 主要機能 使用部門
MA 見込み客 リード獲得・育成・スコアリング マーケティング
SFA 商談中の顧客 案件管理・商談進捗管理 営業
CRM 既存顧客 顧客情報管理・分析・関係構築 営業・カスタマーサクセス

実務では、SFAとCRMは統合されているケース(Salesforce Sales Cloud等)が多く、「CRM」と総称されることが一般的です。

(4) 使用タイミングの違い:顧客化前 vs 顧客化後

MAの使用タイミング:

  • 顧客化前(見込み客フェーズ)
  • Webサイト訪問、資料請求、展示会で獲得したリードの育成
  • メール配信、セミナー案内で関心度を高める

CRMの使用タイミング:

  • 顧客化後(商談〜受注〜既存顧客フェーズ)
  • 商談管理、契約交渉、受注後のフォロー
  • アップセル・クロスセル提案、問い合わせ対応

この「顧客化前 vs 顧客化後」の違いを理解することが、MAとCRM選定の第一歩です。

MAとCRM連携がもたらす3つのメリット

(1) 顧客情報・行動データの一元管理

MAとCRMを連携することで、Webサイト訪問、メール開封、商談履歴、受注情報などの幅広いデータを一元管理できます。

連携前:

  • MAにはWebサイト訪問、メール開封のデータ
  • CRMには商談履歴、受注情報
  • 両者が分断され、顧客の全体像が見えない

連携後:

  • リード獲得から受注までの行動履歴を時系列で確認
  • 「Webサイトで製品Aのページを3回閲覧→資料請求→セミナー参加→商談化→受注」という流れを可視化
  • 営業担当が顧客の関心度を把握し、適切なタイミングで提案できる

(2) 部門間連携の強化(マーケ・営業・カスタマーサクセス)

MAとCRMの連携により、部門間の垣根を越えて顧客情報を共有できます。

マーケティング部門:

  • MAでスコアリングしたリードを営業に渡す
  • CRMの受注データを分析し、効果的なキャンペーンを設計

営業部門:

  • MAのリードスコアで優先順位をつけて商談化
  • CRMで商談進捗を管理

カスタマーサクセス部門:

  • CRMで既存顧客の満足度を把握
  • MAで既存顧客向けのアップセル提案メールを配信

部門間の連携により、リード獲得から受注、顧客維持までの一貫したマーケティング施策を実施できます。

(3) ROI測定の精度向上:リード獲得から受注までの可視化

MAとCRMを連携することで、マーケティング施策のROI(投資対効果)を正確に測定できます。

連携前のROI測定:

  • 「展示会で100件のリードを獲得」まではMAで把握
  • その後の商談化率・受注率は不明
  • 施策の費用対効果が見えない

連携後のROI測定:

  • 「展示会で100件のリードを獲得→30件が商談化→10件が受注→売上3,000万円」
  • 展示会の費用が200万円なら、ROIは15倍
  • どのキャンペーンが効果的かを定量的に判断できる

ROI測定の精度向上により、予算配分の最適化が可能になります。

主要ツール比較:HubSpot・Salesforce・Marketo・Pardotの特徴

(1) HubSpot:MA/CRM統合プラットフォーム(中小〜中堅企業向け)

特徴:

  • MAとCRMの機能を一つのプラットフォームで提供
  • 無料プランあり(CRM機能のみ)
  • 使いやすさ重視、導入ハードルが低い

料金(2024-2025年時点):

  • 無料プラン: CRM機能のみ
  • Starter: 月額2,000円〜(MA機能追加)
  • Professional: 月額96,000円〜(本格的なMA機能)

適する企業:

  • 中小〜中堅企業(従業員50〜500名)
  • MA/CRM連携の技術的なハードルを下げたい
  • 統合ツールでシンプルに運用したい

(2) Salesforce Pardot + Sales Cloud:大企業向けフル機能

特徴:

  • Pardot(MA)とSales Cloud(CRM)をSalesforce製品内で連携
  • 大企業の複雑な要件に対応
  • 高度なカスタマイズが可能

料金(2024-2025年時点):

  • Sales Cloud: 月額3,000円〜39,600円(ユーザーあたり)
  • Pardot: 月額150,000円〜(10,000リードまで)

適する企業:

  • 大企業(従業員500名以上)
  • 複雑な承認フロー、セキュリティ要件がある
  • Salesforce製品で統一したい

(3) Marketo + Salesforce:ベストオブブリード型連携

特徴:

  • Marketo(MA)とSalesforce(CRM)を個別ツールとして連携
  • それぞれのベストプラクティスを活用
  • API連携が必要

料金(2024-2025年時点):

  • Marketo: 月額150,000円〜(10,000リードまで)
  • Salesforce: 月額3,000円〜39,600円(ユーザーあたり)

適する企業:

  • 中堅〜大企業(従業員100名以上)
  • MAとCRMそれぞれで最高性能を求める
  • 導入パートナーのサポートを受けられる

(4) 統合型 vs 個別ツール連携:どちらを選ぶべきか

統合型ツール(HubSpot等)のメリット:

  • データ連携が不要(最初からリアルタイム同期)
  • 設定が簡単、導入ハードルが低い
  • 料金体系がシンプル

統合型ツールのデメリット:

  • 個別機能の専門性は個別ツールに劣る場合がある
  • 企業成長に伴い、機能不足を感じる可能性

個別ツール連携(Marketo + Salesforce等)のメリット:

  • MAとCRMそれぞれのベストプラクティスを活用
  • 高度なカスタマイズが可能
  • 大企業の複雑な要件に対応

個別ツール連携のデメリット:

  • API連携の技術的なハードルがある
  • 導入・運用コストが高額
  • データ同期に遅延が発生する場合がある

選定基準:

  • 中小〜中堅企業(従業員50〜500名): 統合型ツール(HubSpot等)
  • 大企業(従業員500名以上): 個別ツール連携(Marketo + Salesforce等)

※この記事は2024-2025年時点の情報です。最新の料金・機能は各社公式サイトでご確認ください。

導入判断のポイント:企業規模別の最適パターンと失敗事例

(1) 小規模企業(〜50名):CRM優先、MAは後回し

推奨パターン:

  • まずCRM導入(HubSpot無料版、Zoho CRM等)
  • リード数が月50件を超えたらMA機能を追加

理由:

  • リード数が少ない段階では、MAの自動化効果が限定的
  • 既存顧客管理(商談管理、受注後フォロー)が優先
  • スプレッドシートやメールでリード管理できる範囲

(2) 中堅企業(50〜500名):MA/CRM同時導入または連携

推奨パターン:

  • 統合ツール(HubSpot Professional等)
  • または個別ツール連携(Marketo + Salesforce等)

理由:

  • リード数が月50件以上なら、MAの自動化効果が高い
  • マーケティング・営業の部門間連携が必要
  • ROI測定の精度向上が求められる

(3) 大企業(500名以上):専用ツール + カスタマイズ連携

推奨パターン:

  • Salesforce Pardot + Sales Cloud
  • またはMarketo + Salesforce

理由:

  • 複雑な承認フロー、セキュリティ要件がある
  • 高度なカスタマイズが必要
  • 大量のリード・顧客データを管理

(4) よくある失敗事例:ツールを入れただけで使いこなせない

失敗パターン1: 高額ツールを導入したが設定が複雑で放置

  • 原因: 営業・マーケ担当のITリテラシーを考慮せず、高機能ツールを導入
  • 対策: 無料トライアルで実際に試す、導入パートナーの伴走支援を依頼

失敗パターン2: MAとCRMのデータが分断され、連携できない

  • 原因: API連携の技術的なハードルを過小評価
  • 対策: 統合ツール(HubSpot等)を選択、または導入パートナーに依頼

失敗パターン3: ツール導入後のROI測定をせず、効果が不明

  • 原因: KPI設定をせず、リード獲得数・商談化率・受注率を計測しない
  • 対策: 導入前にKPIを設定、定期的にレポートを作成

まとめ:MA・CRM導入の優先順位と次のステップ

MAは見込み客の獲得・育成に、CRMは既存顧客の管理・分析に使用する明確な役割分担があります。両者を連携することで、顧客情報と行動データを一元管理でき、部門間連携が強化されます。

企業規模・リード数に応じて、導入の優先順位を判断しましょう。

(1) リード数が月50件以下:CRMのみでOK

推奨ツール:

  • HubSpot無料版(CRM機能のみ)
  • Zoho CRM(月額1,680円〜)

理由:

  • MAの自動化効果が限定的
  • スプレッドシートやメールでリード管理できる範囲
  • まず既存顧客管理(商談管理、受注後フォロー)を優先

(2) リード数が月50件以上:MAとCRMの連携を検討

推奨ツール:

  • 統合型: HubSpot Professional(月額96,000円〜)
  • 個別ツール連携: Marketo + Salesforce(月額150,000円〜 + ユーザーあたり3,000円〜)

理由:

  • リード育成の自動化効果が高い
  • マーケティング・営業の部門間連携が必要
  • ROI測定の精度向上が求められる

(3) 次のアクション:無料トライアル・デモ依頼

推奨する次のステップ:

  1. 自社のリード数、企業規模を確認
  2. HubSpot、Salesforce、Marketo等の公式サイトで無料トライアルを申し込む
  3. 導入パートナーにデモを依頼し、実際の画面を確認
  4. KPI設定(リード獲得数、商談化率、受注率)
  5. 詳細見積もりを依頼(カスタマイズ費用、API連携費用含む)

自社の課題(新規リード獲得 vs 既存顧客管理)を明確にし、無料トライアルで実際に試してから導入を決定しましょう。

(参考: SATORI「MAとCRMの違いとは?」

よくある質問

Q1MAとCRM、どちらを先に導入すべきか?

A1リード数が月50件以下ならCRM優先です。50件以上ならMA・CRM同時導入を検討してください。既存顧客管理が課題ならCRM、新規リード獲得が課題ならMAから始めるのが一般的です。

Q2MAとCRMの連携は技術的に難しいか?

A2HubSpotのような統合ツールなら連携作業は不要です。Salesforce + Marketo等の組み合わせはAPI連携が必要ですが、主要ツール間は標準連携機能があります。導入パートナーに依頼するのが確実です。

Q3MAとCRM連携の費用対効果は?

A3リード管理の自動化で営業・マーケ担当の工数削減が期待できます(削減率は企業により異なります)。商談化率の向上により、ROIは導入後6ヶ月〜1年で回収できるケースが多いです(リード数が一定以上ある場合)。

Q4中小企業でもMAとCRMは必要か?

A4リード数が月50件以下、営業担当が5名以下ならスプレッドシートやメールで十分です。月50件以上のリードがあるならCRMは必須です。MAはリード育成が重要な業態(長期商談、高単価商材)で効果が高いです。

Q5MAとCRMのデータ同期はリアルタイムか?

A5統合ツール(HubSpot等)ならリアルタイム同期です。個別ツール連携の場合、APIで5分〜1時間ごとの同期が一般的です。バッチ処理では1日1回のケースもあり、要件に応じて設定可能です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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