LP(ランディングページ)の意味が分からず、Web広告施策がうまくいかない…
B2Bマーケティング担当者の多くが「LP」という言葉を耳にしますが、その正確な意味や役割を理解せずに施策を進めてしまうケースが見られます。「LPって何?ホームページと何が違うの?」「Web広告を出したけど成果が出ない…」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
この記事では、LPの基本的な意味と役割、ホームページとの違い、効果的な活用法を、B2Bデジタルプロダクト企業の実務担当者向けに解説します。
この記事のポイント:
- LPは「ランディングページ」の略で、Web広告や検索結果から訪問者が最初に着地するページを指す
- 広義のLP(あらゆる着地ページ)と狭義のLP(コンバージョン特化型の単一ページ)の2つの定義がある
- ホームページは総合的な情報提供型、LPは単一目的のコンバージョン特化型という違いがある
- LP作成ツール(Canva、Wix等)を使えば、HTMLやCSSの知識がなくても作成できる
- LPO(ランディングページ最適化)により、CVRを継続的に改善することが重要
1. LP(ランディングページ)が重要視される背景
(1) デジタルマーケティングにおけるLPの役割
デジタルマーケティングの現場では、Web広告やメールマーケティングからの訪問者を効率的にコンバージョン(資料請求、商談申込、無料トライアル等)に導くことが求められています。
この目的を達成するために、訪問者が最初に着地する「ランディングページ(LP)」の最適化が重要視されています。一般的なホームページは複数のページで構成され、訪問者が自由に情報を回遊する設計ですが、LPはページ遷移を最小限に抑え、特定のアクションに誘導する設計が特徴です。
(2) コンバージョン最大化の重要性
Web広告を出稿する場合、クリック単価(CPC)や表示単価(CPM)のコストがかかります。B2B企業の場合、1クリックあたり数百円〜数千円のコストがかかることも珍しくありません。
広告費を効率的に活用するためには、訪問者をできるだけ高い確率でコンバージョンに導く必要があります。そのため、LPのデザインやコンテンツを最適化し、コンバージョン率(CVR)を向上させることが重要な課題となっています。
2. LPの基礎知識:定義と意味
(1) LPとは何か:広義と狭義の定義
「LP」は「Landing Page」の略で、直訳すると「着地ページ」です。LPには2つの定義があります。
広義のLP:
- ユーザーが検索エンジンやWeb広告、SNS等から訪問して最初に着地したページ全般
- トップページ、記事ページ、商品ページ等、あらゆるページが該当する
- Google Analyticsでは「ランディングページレポート」として、訪問者が最初に閲覧したページを分析できる
狭義のLP:
- コンバージョン獲得に特化した単一ページ
- Web広告やメールマーケティングからの訪問者を特定のアクション(資料請求、購入等)に誘導することが目的
- 1ページ完結型の縦長デザインが一般的
Webマーケティングの実務では、**狭義のLP(コンバージョン特化型の単一ページ)**を指すことが一般的です。本記事でも、以降は狭義のLPについて解説します。
(2) LPの主な目的とターゲットアクション
LPの最も重要な目的は、訪問者に特定のアクションを促し、コンバージョン率を最大化することです。
B2C企業の主なターゲットアクション:
- 商品購入
- 無料トライアル申込
- 会員登録
- アプリダウンロード
B2B企業の主なターゲットアクション:
- 資料請求・ホワイトペーパーダウンロード
- 無料デモ・トライアル申込
- ウェビナー参加申込
- 商談・問い合わせ申込
LPは「1ページ1アクション」が基本です。複数のアクションを同時に促すと訪問者が迷い、離脱率が高まる傾向があります。
(3) B2BマーケティングにおけるLP活用
B2Bマーケティングでは、購買プロセスが長く、複数の意思決定者が関与するため、一度の訪問で商談や契約に至ることは稀です。そのため、LPを通じてリード(見込み客)情報を獲得し、メールマーケティングやインサイドセールスでリードナーチャリング(育成)を行うプロセスが一般的です。
B2BマーケティングにおけるLP活用例:
- 認知段階: ウェビナー集客LP、ホワイトペーパーダウンロードLP
- 比較検討段階: 製品資料請求LP、無料デモ申込LP
- 導入検討段階: 商談申込LP、無料トライアル申込LP
それぞれの購買ステージに応じたLPを用意し、訪問者の関心度合いに応じたアクションを促すことが効果的です。
3. HPとの違い:LPの特徴を理解する
(1) ホームページとランディングページの構造比較
ホームページ(HP):
- 複数のページで構成され、訪問者が自由に情報を回遊できる設計
- ナビゲーションメニューやリンクが多数配置されている
- 企業情報、サービス紹介、事例、ブログ等、多様な情報を提供
- 目的: 総合的な情報提供、ブランディング、自然検索(SEO)からの流入獲得
ランディングページ(LP):
- 1ページ完結型の縦長デザイン
- ナビゲーションメニューを最小限に抑え、離脱を防ぐ設計
- 特定のアクション(資料請求、商談申込等)に誘導する構成
- 目的: コンバージョン率の最大化、Web広告からの成果獲得
(2) ページ遷移なしの1ページ完結型設計
LPの大きな特徴は、訪問者にページ遷移させず、1ページ内で情報提供からアクション誘導まで完結させることです。
1ページ完結型のメリット:
- ページ遷移による離脱を防げる
- 訪問者の集中力を維持しやすい
- 情報の順序をコントロールし、説得力のあるストーリーを展開できる
注意点:
- 情報量が多すぎると、訪問者が途中で離脱する可能性がある(適切な長さに調整が必要)
- ページ読み込み速度が遅いと離脱率が高まる(画像最適化、不要なスクリプト削除等が重要)
(3) コンバージョン特化型の強み
ホームページは訪問者が自由に情報を探索できる反面、意図しないページに遷移したり、離脱したりするリスクがあります。一方、LPはコンバージョンに特化した設計により、以下の強みがあります。
LPの強み:
- 明確なCTA(Call To Action): ページ全体が特定のアクションに誘導する設計
- 説得力のあるストーリー: 訪問者の課題提示 → 解決策提示 → 信頼性の証明 → アクション誘導の流れ
- A/Bテストがしやすい: 1ページ完結型のため、要素の変更とテストが容易
ただし、LPはSEO効果が限定的です。単一ページ構成のため、通常のWebサイトに比べて検索エンジン評価が低くなる傾向があります。そのため、LPは主にWeb広告経由の訪問者向けに活用し、自然検索からの流入獲得にはホームページやブログを併用することが推奨されます。
4. LPの構成要素と作成の基本手順
(1) LP制作の7ステップ(ゴール設定〜改善)
LP制作の基本的な流れは以下の7ステップです。
Step 1: ゴール設定
- LPで達成したい目標(資料請求件数、商談申込件数等)を明確にする
- ターゲットとするコンバージョン率(CVR)の目安を設定する(業種により異なるが、1-5%が一般的)
Step 2: ペルソナ分析
- ターゲットとなる訪問者の属性(業種、企業規模、役職、課題等)を明確化
- 訪問者が求めている情報や、コンバージョンの障壁となる要素を洗い出す
Step 3: ワイヤーフレーム作成
- LPの構成を示す設計図(ワイヤーフレーム)を作成
- 情報の配置順序、見出し、CTA配置等を決定
Step 4: コンテンツ作成
- キャッチコピー、本文、画像、動画等のコンテンツを準備
- 訪問者の課題に寄り添い、解決策を提示する内容にする
Step 5: デザイン
- ブランドイメージに合ったデザインを作成
- 視認性、可読性、CTAボタンの目立ちやすさを重視
Step 6: コーディング(または作成ツール利用)
- HTML/CSSでコーディング、またはLP作成ツール(Canva、Wix、ペライチ等)を利用
- レスポンシブデザイン(スマートフォン対応)を必ず実装
Step 7: 公開後の改善
- Google Analytics等で効果測定(CVR、直帰率、滞在時間等)
- A/Bテストやヒートマップ分析で改善ポイントを特定し、継続的に最適化
(2) 主要な構成要素(ヘッダー・訴求・CTA等)
効果的なLPには、以下の構成要素が含まれることが一般的です。
ファーストビュー(First View):
- キャッチコピー(訪問者の課題や興味を引く見出し)
- サブコピー(具体的なメリットや解決策を提示)
- メインビジュアル(商品画像、サービスイメージ等)
- CTAボタン(資料請求、無料トライアル申込等)
ボディ部分:
- 課題提示(訪問者が抱えている悩みを明確化)
- 解決策提示(商品・サービスの特徴やメリット)
- 信頼性の証明(導入実績、お客様の声、受賞歴等)
- 料金・プラン(明確な価格情報またはお問い合わせへの誘導)
- FAQ(よくある質問と回答)
クロージング:
- CTAボタン(再度アクションを促す)
- 緊急性の演出(期間限定、残り枠数等)※ただし、誇大表現は避ける
(3) LP作成ツールとノーコード化の流れ
近年、LP作成ツールの進化により、HTMLやCSSの知識がなくても直感的にLPを作成できる環境が整ってきています。
主なLP作成ツール(2024年時点):
- Canva: デザインツール大手。豊富なテンプレートとドラッグ&ドロップ操作で初心者でも作成可能
- Wix: ホームページ作成サービス。LP専用テンプレートも充実
- ペライチ: 日本製のLP作成ツール。日本語サポートが充実
- STUDIO: デザイナー向けのノーコードツール。高度なデザインが可能
ツール選びのポイント:
- 料金プラン(月額数千円〜無料プランもあり)
- テンプレートの豊富さ(業種・目的に合ったテンプレートがあるか)
- レスポンシブ対応(スマートフォン表示の最適化)
- A/Bテスト機能(複数パターンの効果検証ができるか)
- フォーム連携(CRM・MAツールとの連携が可能か)
※各ツールの料金や機能は変更される可能性があります。導入前に公式サイトで最新情報をご確認ください。
5. LPO(最適化)による継続的な改善
(1) LPOとは:分析→施策→検証のサイクル
LPO(Landing Page Optimization:ランディングページ最適化)とは、LPのコンバージョン率を向上させるために、継続的にLPを改善する施策を指します。
LPOの基本サイクル:
- 分析: Google Analytics、ヒートマップ等でLPのパフォーマンスを分析
- 施策立案: 改善ポイントを特定し、具体的な施策(キャッチコピー変更、CTAボタンの色変更等)を立案
- 検証: A/Bテストで施策の効果を検証し、成果が出た施策を本採用
このサイクルを繰り返すことで、CVRを継続的に改善できます。LPOの成功事例として、「たった一つの工夫で問い合わせを10倍にした」という報告もありますが、業種・商材・ターゲットにより結果は大きく異なる点に留意してください。
(2) 効果測定の指標(CVR・直帰率・滞在時間)
LPの効果測定では、以下の指標を確認することが重要です。
CVR(コンバージョン率):
- LP訪問者のうち、目標とするアクションを完了した割合
- 計算式: CVR = コンバージョン数 ÷ 訪問者数 × 100(%)
- 目安: B2B企業の資料請求LPで1-5%程度(業種により変動)
直帰率:
- LPを1ページだけ閲覧して離脱した訪問者の割合
- LPは1ページ完結型のため、直帰率が高くなりがち(60-90%程度)
- ただし、コンバージョンが発生していれば問題ない
滞在時間:
- 訪問者がLPに滞在した平均時間
- 滞在時間が短すぎる場合、ファーストビューで離脱している可能性がある
- 目安: 1-3分程度(LPの長さにより変動)
ヒートマップ:
- 訪問者のクリック位置、スクロール行動を色で可視化するツール
- 読まれていないセクション、クリックされていないCTAボタンを特定できる
これらの指標を総合的に分析し、改善ポイントを見つけることが重要です。
(3) A/Bテストとヒートマップの活用
A/Bテストとは:
- 2つの異なるバージョンのLPを用意し、どちらがより高いCVRを達成するかを比較検証する手法
- 変更箇所は1つに絞る(キャッチコピーのみ、CTAボタンの色のみ等)
- 一度に複数箇所を変更すると、どの変更が効果を生んだか判別できない
A/Bテストで検証すべき要素:
- キャッチコピー(訪問者の課題に刺さる表現か)
- CTAボタンの色・文言(「資料請求」vs「無料で資料をダウンロード」等)
- ファーストビューの画像・動画
- フォームの項目数(項目が多いと離脱率が上がる傾向)
ヒートマップの活用:
- 訪問者がどこまでスクロールしているか(読まれていないセクションを特定)
- どこをクリックしているか(CTAボタン以外をクリックしている場合は導線改善が必要)
- どこで離脱しているか(離脱率が高いセクションを改善)
A/Bテストとヒートマップ分析を組み合わせることで、データに基づいた改善が可能になります。
6. まとめ:LP活用で成果を出すために
LP(ランディングページ)は、Web広告や検索結果から訪問者が最初に着地するページを指し、特にコンバージョン獲得に特化した単一ページを指すことが一般的です。ホームページが総合的な情報提供を目的とするのに対し、LPは特定のアクション(資料請求、商談申込等)に訪問者を誘導する設計が特徴です。
LP作成ツール(Canva、Wix等)の進化により、HTMLやCSSの知識がなくても直感的にLPを作成できる環境が整っています。ただし、公開して終わりではなく、LPO(ランディングページ最適化)により、CVRを継続的に改善することが重要です。
次のアクション:
- 自社のマーケティング施策におけるLPの役割を明確にする
- LP作成ツールの無料トライアルを試して、操作性を確認する
- 既存のLPがある場合、Google AnalyticsやヒートマップでCVRを分析する
- A/Bテストで改善施策を検証し、データに基づいた最適化を進める
LPを効果的に活用し、Web広告やマーケティング施策の成果を最大化しましょう。
よくある質問:
Q: LPとホームページの違いは何ですか? A: LPは単一ページで特定のコンバージョン(資料請求、購入等)に特化した設計です。一方、ホームページは複数ページで総合的な情報提供を目的とし、訪問者が自由に情報を回遊できる構造になっています。LPは訪問者を1つのアクションに誘導し、HPは情報回遊型という違いがあります。
Q: LP制作にどのくらいの費用がかかりますか? A: LP作成ツール(Canva、Wix等)を利用する場合、月額数千円〜無料プランもあります。制作会社に依頼する場合は、10万円〜数百万円と幅があります(デザイン・機能・ページ数により変動)。初心者はツールから始め、成果が出たらプロに依頼する段階的アプローチが推奨されます。なお、料金や機能は変更される可能性があるため、公式サイトで最新情報をご確認ください。
Q: LPのSEO効果は期待できますか? A: LPは単一ページ構成のため、通常のWebサイトに比べてSEO効果は限定的です。LPは主にWeb広告経由のコンバージョン獲得を目的とし、自然検索からの流入獲得にはホームページやブログを併用する役割分担が一般的です。
Q: LPの効果測定はどうすればいいですか? A: CVR(コンバージョン率)、直帰率、滞在時間をGoogle Analytics等で計測します。ヒートマップでユーザー行動を可視化し、読まれていないセクションやクリックされていないCTAボタンを特定することも有効です。A/Bテストで改善施策を検証し、データに基づいた最適化を進めましょう。CVRの目安は業種により異なりますが、B2B企業の資料請求LPで1-5%程度が一般的です。
Q: 広義のLPと狭義のLPの違いは? A: 広義のLPは、ユーザーが最初に着地したページすべてを指します(トップページ、記事ページ等を含む)。一方、狭義のLPはコンバージョン特化の単一ページを指します。Webマーケティングの実務では、狭義の意味(コンバージョン特化型)で使われることが多い点に留意してください。
