サイボウズとSalesforceの違いを知りたい方へ
「サイボウズとSalesforce、どちらを導入すべき?」「両者の違いは何?」といった疑問をお持ちのB2B企業の実務担当者は少なくありません。グループウェアとSFA/CRMツールの選定は、業務効率化や営業成果に直結する重要な意思決定です。
この記事では、サイボウズ(Garoon・kintone)とSalesforceの製品ポジション、機能、料金、選定基準、連携方法を比較しながら解説します。自社の規模・予算・目的に合った選択肢を見つけるためのポイントを整理してお伝えします。
この記事のポイント:
- サイボウズはグループウェア・業務改善プラットフォーム、SalesforceはSFA/CRM特化ツール
- kintoneは月額780円〜、Salesforceは月額3,000円〜36,000円/ユーザー
- 中小企業はkintoneが低コスト、大企業・グローバル展開はSalesforceが適する
- iPaaS(BizteX Connect等)で両ツールの連携が可能
- SalesforceからkintoneへIの乗り換えでコスト1/10削減の事例あり
サイボウズとSalesforceの製品カテゴリと位置づけ
サイボウズとSalesforceは、どちらもB2B企業の業務効率化を支援するクラウドツールですが、製品カテゴリと主要機能が異なります。
(1) サイボウズ(Garoon・kintone)の製品ポジション
サイボウズは日本のソフトウェア企業で、主に以下の製品を提供しています:
Garoon:
- グループウェア(スケジュール管理、掲示板、ワークフロー等)
- 社内コミュニケーション・情報共有が主目的
- 中小〜中堅企業に広く導入されている
kintone(キントーン):
- クラウド型業務改善プラットフォーム
- プログラミング不要(ノーコード)で業務アプリを作成可能
- CRM・案件管理・在庫管理など幅広い用途に対応
- 30,000社以上の導入実績(2024年時点)
(2) Salesforce(Sales Cloud等)の製品ポジション
Salesforceはセールスフォース・ジャパンが提供する世界シェアNo.1のSFA/CRMプラットフォームです:
Sales Cloud:
- SFA(営業支援システム)・CRM(顧客関係管理)に特化
- 商談管理、顧客管理、売上予測、レポート機能が充実
- 大企業・グローバル展開する企業に広く採用されている
その他のクラウドサービス:
- Service Cloud(カスタマーサポート)
- Marketing Cloud(マーケティングオートメーション)
- Commerce Cloud(EC・D2C)など
(3) グループウェアとSFA/CRMの違い
グループウェア(サイボウズGaroon等):
- 社内コミュニケーション・情報共有を円滑にするツール
- 全社員が利用することを想定
SFA/CRM(Salesforce等):
- 営業活動・顧客情報管理を効率化するツール
- 主に営業部門・マーケティング部門が利用
kintoneは「業務改善プラットフォーム」として、両方の用途に対応できる柔軟性を持っています。
kintoneとSalesforceの機能比較
サイボウズの中でもSalesforceと比較されることが多いkintoneを中心に、機能面を比較します。
(1) CRM/SFA機能の充実度比較
Salesforce:
- 標準で充実したSFA/CRM機能を搭載
- リードトラッキング、商談管理、売上予測、ダッシュボード等が最初から利用可能
- 営業プロセスに特化した設計で、すぐに使い始められる
kintone:
- 標準機能にSFA/CRMは含まれない
- ノーコードで自社の営業プロセスに合わせたCRMアプリを構築可能
- 200種類以上のプラグインで機能拡張ができる
- 既存のスプレッドシートやExcel運用をそのままアプリ化しやすい
(2) カスタマイズ性と拡張性(プラグイン vs 標準機能)
Salesforce:
- 高機能だが、カスタマイズには専門知識が必要なケースが多い
- AppExchangeで多数のサードパーティアプリが提供されている
- 大規模な業務改革を伴う導入では、コンサルタント支援が推奨される
kintone:
- ノーコードでアプリを作成・変更できるため、非エンジニアでもカスタマイズしやすい
- kintone専用のプラグイン・連携サービスが充実
- 導入障壁が低く、スモールスタートしやすい
(3) ノーコード開発の容易さ
kintone:
- プログラミング不要で業務アプリを作成できる設計
- ドラッグ&ドロップでフォーム作成が可能
- 非エンジニアの担当者でも運用・改善しやすい
Salesforce:
- 標準機能は充実しているが、カスタマイズはApex(独自言語)やVisualforceなど専門知識が必要
- ローコード開発ツール「Lightning App Builder」もあるが、kintoneほど直感的ではない
料金・導入コストの比較
料金面でも両ツールには大きな違いがあります。
(1) 月額料金の比較(kintone: 780円〜、Salesforce: 3,000円〜36,000円)
kintone:
- スタンダードコース: 月額780円/ユーザー
- ライトコース: 月額300円/ユーザー(機能制限あり)
- 初期費用は不要
Salesforce:
- Essentials: 月額3,000円/ユーザー(最大10ユーザーまで)
- Professional: 月額9,600円/ユーザー
- Enterprise: 月額19,800円/ユーザー
- Unlimited: 月額36,000円/ユーザー
- 初期費用は不要だが、プランによって機能差が大きい
※2024年時点の料金です。最新情報は各社公式サイトをご確認ください。
(2) 導入支援コスト(コンサルタント費用等)
kintone:
- 中小企業ではコンサルタント不要で導入できるケースが多い
- パートナー企業による導入支援サービスも利用可能(有償)
Salesforce:
- 大規模導入ではコンサルタント費用が発生しやすい
- 認定パートナーによる支援が推奨される
- 導入支援費用は企業規模・要件により数十万円〜数百万円
(3) 乗り換えによるコスト削減事例(1/10削減)
株式会社メックは、SalesforceからkintoneへIの乗り換えでコストを1/10以下に削減した事例があります(サイボウズ公式導入事例)。
削減のポイント:
- 月額ユーザー料金の差(Salesforceは高額プラン必須だったがkintoneはスタンダードで対応)
- コンサルタント費用の削減(kintoneはノーコードで自社運用)
- 保守・運用コストの削減
ただし、コスト削減効果は企業規模・業種・利用状況により異なるため、自社の要件を整理した上で検討することが重要です。
目的別の選定基準と使い分け
サイボウズとSalesforceのどちらを選ぶべきかは、企業規模・予算・目的によって異なります。
(1) 中小企業・スタートアップ向けの選定ポイント
kintoneが適するケース:
- 初期費用・月額料金を抑えたい
- 営業だけでなく、総務・人事・経理など全社で業務改善したい
- 非エンジニアでもアプリを作成・運用したい
- スモールスタートして段階的に拡張したい
Salesforceが適するケース:
- 営業部門の本格的なSFA/CRM導入が最優先
- 標準機能で充実したレポート・ダッシュボードが必要
- グローバル展開を見据えている(Salesforceは多言語対応が充実)
(2) 大企業・グローバル展開する企業向けの選定ポイント
Salesforceが適するケース:
- 大規模な営業組織で統一されたSFA/CRMが必要
- グローバル拠点での利用を想定
- 高度な売上予測・分析機能が必要
- 他のSalesforceクラウド(Marketing Cloud等)との連携が必要
kintoneが適するケース:
- 営業以外の部門でも業務改善ツールを統一したい
- 日本国内での利用が中心
- 各部門が独自に業務アプリを作成・運用したい
(3) 両ツール併用のメリット・デメリット
メリット:
- SalesforceでSFA/CRM、kintoneで社内業務アプリと役割分担できる
- iPaaS連携でデータの二重入力を回避できる
デメリット:
- 月額料金が両方発生する
- 連携設定・運用の手間がかかる
- スケジュール等の二重入力が発生しやすい(連携設定次第)
サイボウズとSalesforceの連携方法
両ツールを併用する場合、iPaaSを使った連携が有効です。
(1) iPaaS(BizteX Connect等)を使った連携
iPaaS(Integration Platform as a Service)とは:
- 複数のクラウドサービスを連携するための統合プラットフォーム
- ノーコード・ローコードで連携設定が可能
主な連携ソリューション:
- BizteX Connect(プログラミング知識なしで連携可能)
- PIMSYNC(kintoneとSalesforce専用の連携サービス)
- SkyOnDemand(Garoonとの連携にも対応)
(2) Garoonとの連携によるスケジュール自動登録
BizteX Connectを使えば、以下のような連携が実現できます:
- Salesforceの商談情報をGaroonのスケジュールに自動登録
- kintoneの案件情報をGaroonのスケジュールに自動登録
- スケジュール変更時の双方向同期
これにより、営業担当者はSalesforceで商談を登録するだけで、Garoonのスケジュールに自動反映されるため、二重入力の手間が省けます。
(3) 連携運用時の注意点
データ整合性の確保:
- 連携設定ミスによるデータ不整合に注意
- 定期的な同期確認が必要
運用ルールの明確化:
- どちらのツールをマスターデータとするか決める
- 担当者間で運用ルールを共有する
コスト:
- iPaaSサービスは別途月額料金が発生する
- 連携設定・保守の工数も考慮する
まとめ:自社に最適なツール選定のために
サイボウズ(Garoon・kintone)とSalesforceは、製品カテゴリと主要機能が異なるため、目的に応じた使い分けが重要です。
選定のポイント:
- 中小企業・低コスト重視 → kintone
- 大企業・営業特化・グローバル → Salesforce
- 両ツール併用 → iPaaS連携で運用効率化
次のアクション:
- 自社の予算・必要機能を整理する
- 公式サイトで最新の料金・機能を確認する
- 無料トライアルで実際に試す(kintone: 30日間、Salesforce: 14日間)
- 導入実績のある企業の事例を参考にする
自社の規模・予算・目的に合ったツールを選定し、業務効率化と営業成果の最大化を目指しましょう。
