kintoneとSalesforceの比較・連携とは?業務アプリ構築とCRMの違いと使い分け

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/7

「kintoneとSalesforce、どっちがいいの?」という疑問を整理します

業務効率化ツールの導入を検討する際、kintoneとSalesforceの比較は定番の悩みです。「kintoneは安くて使いやすい」「Salesforceは高いけど機能が豊富」というイメージはあるものの、実際に自社にはどちらが適しているのか判断が難しいという声も多く聞かれます。

この記事では、kintoneとSalesforceの特徴・違い・連携方法を整理し、企業規模や目的別の使い分け基準をお伝えします。両ツールは「目的が異なる」という点を理解することで、最適な選択ができるようになります。

この記事のポイント:

  • kintoneは「業務改善プラットフォーム」、Salesforceは「CRM/SFA特化」と目的が異なる
  • 料金はkintone月額約780円/ユーザー、Salesforce Enterprise月額約15,000円/ユーザーと差がある
  • kintoneはノーコードで自社カスタマイズ向き、Salesforceはコンサルタント導入支援が一般的
  • ZapierやASTERIA Warpで両ツールの連携・併用も可能
  • 単純な二択ではなく、自社の課題と目的で判断することが重要

1. kintoneとSalesforceを比較する背景

業務効率化やDX推進を進める企業にとって、適切なツール選定は大きな課題です。特にkintoneとSalesforceは、どちらも「顧客情報を管理できる」「営業活動を効率化できる」という点で比較されやすいツールです。

しかし、両ツールは根本的な設計思想が異なります。

kintone: サイボウズが提供する「業務改善プラットフォーム」。営業、人事、経理、総務など、あらゆる部門の業務アプリをノーコードで構築可能。

Salesforce: 世界シェアNo.1のCRM/SFAプラットフォーム。顧客管理・営業支援に特化し、高度な分析・レポート機能を提供。

この違いを理解せずに「どちらが優れているか」を比較すると、自社に合わないツールを選んでしまう可能性があります。

2. kintone(業務改善プラットフォーム)の特徴と得意分野

(1) ノーコードで業務アプリを構築できる強み

kintone(キントーン)は、サイボウズが提供する業務改善プラットフォームです。プログラミング知識がなくても、ドラッグ&ドロップで業務アプリを作成できます。

kintoneの特徴:

  • ノーコードで業務アプリを構築
  • 日本語でフィールド名を設定可能(Salesforceは英数字のAPI名が必要)
  • 顧客管理、案件管理、日報、タスク管理など100種類以上のテンプレート
  • コミュニケーション機能(スレッド、メンション)が標準装備

導入のしやすさ: kintoneは自社での導入・カスタマイズがしやすく、コンサルタントに依頼せずに運用を開始できるケースが多いです。G2のユーザー評価では「Ease of Use(使いやすさ)」「Ease of Setup(設定のしやすさ)」でSalesforceより高評価を獲得しています。

(2) 営業以外の部門にも対応できる汎用性

kintoneは営業部門だけでなく、バックオフィス業務にも幅広く対応できる点が強みです。

対応できる業務例:

  • 営業:顧客管理、商談管理、見積管理
  • 人事:採用管理、勤怠管理、人事評価
  • 経理:経費精算、請求書管理、予算管理
  • 総務:備品管理、施設予約、問い合わせ管理
  • 開発:課題管理、進捗管理、ナレッジ共有

このような汎用性から、「営業部門だけでなく、全社的に業務効率化を進めたい」という企業に向いています。

3. Salesforce(CRM特化)の特徴と得意分野

(1) 営業支援・顧客管理の豊富な機能

Salesforceは世界シェアNo.1のCRM/SFAプラットフォームです。顧客管理・営業支援に特化しており、以下のような機能が標準で搭載されています。

Salesforceの主要機能:

  • リード管理(見込み客の追跡・スコアリング)
  • 商談管理(パイプライン管理、売上予測)
  • 取引先・連絡先管理
  • 契約・見積管理
  • キャンペーン管理
  • ワークフロー自動化

エコシステムの強さ: AppExchangeというアプリマーケットプレイスを通じて、数千のサードパーティアプリと連携可能。MA(Marketing Cloud)、カスタマーサービス(Service Cloud)など、Salesforceファミリー内での統合も強みです。

(2) レポート・ダッシュボードの高度な分析力

Salesforceが特に優れているのは、レポート・ダッシュボード機能です。

分析機能の特徴:

  • リアルタイムでのデータ可視化
  • ドリルダウン分析(詳細データへの掘り下げ)
  • 自動集計・グラフ化
  • カスタムレポートの作成
  • AIによる予測分析(Einstein Analytics)

「営業パイプラインを可視化したい」「売上予測の精度を上げたい」「経営層への報告資料を自動化したい」といったニーズには、Salesforceが適しています。

4. kintoneとSalesforceの連携方法

(1) Zapier・ASTERIA Warpを使ったデータ同期

kintoneとSalesforceは、データ連携ツールを使って接続することが可能です。

主な連携ツール:

Zapier:

  • 海外発のノーコード連携ツール
  • 「トリガー」と「アクション」で自動連携を設定
  • Salesforceのリード情報をkintoneに自動転送するなどが可能

ASTERIA Warp:

  • 国産のデータ連携ツール(インフォテリア社)
  • kintoneとSalesforceの専用アダプタあり
  • 顧客情報、商談情報などをノーコードで同期

Integrately:

  • 海外発の連携ツール
  • Zapierより低価格で類似機能を提供

これらのツールを使えば、プログラミング知識がなくても両システム間のデータ同期が実現できます。

(2) 両ツール併用のユースケース

「kintoneかSalesforceか」という二択だけでなく、両ツールを併用するケースもあります。

併用パターン1:営業はSalesforce、バックオフィスはkintone

  • 営業部門:Salesforceで顧客管理・商談管理
  • 経理・人事・総務:kintoneで業務アプリを構築
  • 連携ツールで顧客情報を同期

併用パターン2:Salesforceで基幹CRM、kintoneで補完業務

  • 基幹システム:Salesforceで全社的な顧客管理
  • 補完業務:Salesforceでカバーしきれない細かな業務をkintoneで対応

併用の場合は、連携ツールの費用やデータ管理の複雑さを考慮する必要があります。

5. 企業規模・目的別の使い分け基準

(1) kintoneが向いている企業・シーン

企業規模:

  • 中小企業(従業員50〜300名程度)
  • 予算を抑えたい企業
  • IT専任者がいない企業

目的・シーン:

  • 営業以外の部門も含めた全社的な業務効率化
  • シンプルな顧客管理から始めたい
  • 自社でカスタマイズしながら運用したい
  • 日本語サポートを重視
  • 既存の業務フローを大きく変えずにデジタル化したい

コスト目安:

  • スタンダードコース:月額1,800円/ユーザー
  • ライトコース:月額780円/ユーザー(一部機能制限あり)

(2) Salesforceが向いている企業・シーン

企業規模:

  • 中堅〜大企業(従業員300名以上)
  • グローバル展開している企業
  • 営業組織が大きい企業

目的・シーン:

  • 営業・顧客管理を高度に効率化したい
  • パイプライン管理・売上予測の精度を上げたい
  • MA・カスタマーサービスとの統合を視野に入れている
  • 将来的な拡張性を重視
  • 導入支援を受けながら本格的に運用したい

コスト目安:

  • Starter:月額3,000円/ユーザー
  • Professional:月額9,600円/ユーザー
  • Enterprise:月額19,800円/ユーザー
  • Unlimited:月額39,600円/ユーザー

選定チェックリスト:

項目 kintone向き Salesforce向き
予算 月額1,000円台/ユーザー 月額1万円以上/ユーザー
対象部門 全社(営業以外含む) 営業・マーケティング中心
導入方法 自社で設定・運用 コンサルタント支援
カスタマイズ ノーコードで柔軟 高機能だが設定が複雑
分析機能 基本的なグラフ・集計 高度なダッシュボード・AI
サポート 日本語(サイボウズ) グローバル(日本法人あり)

6. まとめ:自社に合ったツールの選び方

kintoneとSalesforceは、どちらが優れているという単純な比較ではなく、「目的が異なるツール」という理解が重要です。

kintoneを選ぶべき企業:

  • 業務全般の効率化を目指している
  • 予算を抑えたい
  • 自社でカスタマイズしながら運用したい
  • 営業以外の部門もデジタル化したい

Salesforceを選ぶべき企業:

  • 営業・顧客管理を高度に効率化したい
  • 分析・レポート機能を重視
  • 将来的なMA・カスタマーサービス統合を視野に
  • グローバル展開・大規模組織での運用

次のアクション:

  • 自社の課題と目的を整理する
  • kintone公式サイトで30日間無料トライアルを試す
  • Salesforce公式サイトで30日間無料トライアルを試す
  • 導入事例(同業種・同規模)を調査する
  • 併用の可能性も含めて検討する

※この記事は2025年時点の情報です。料金は変更される可能性があるため、導入検討時は公式サイトで最新情報をご確認ください。

よくある質問:

Q: kintoneとSalesforceはどちらを選ぶべき? A: 目的によって異なります。業務全般の効率化ならkintone、営業・顧客管理に特化するならSalesforceが適しています。両者は目的が異なるツールなので、自社の課題を明確にして判断することが重要です。

Q: kintoneとSalesforceは併用できる? A: はい、ZapierやASTERIA Warpなどのデータ連携ツールで接続可能です。顧客情報の同期やリード管理の自動化が実現できます。営業部門はSalesforce、バックオフィスはkintoneという使い分けも選択肢の一つです。

Q: 料金はどちらが安い? A: kintoneは月額約780円〜1,800円/ユーザー、SalesforceのEnterpriseは月額約19,800円/ユーザーと、kintoneの方が低価格です。ただし、機能差があるため、単純な価格比較ではなく、自社に必要な機能で判断してください。

Q: どちらが導入しやすい? A: kintoneは設定が簡単で自社導入向き。ドラッグ&ドロップでカスタマイズ可能です。Salesforceは機能が豊富ですが調整が必要で、コンサルタント導入支援が一般的です。IT専任者がいない企業はkintoneの方が始めやすい傾向があります。

よくある質問

Q1kintoneとSalesforceはどちらを選ぶべき?

A1目的によって異なります。業務全般の効率化ならkintone、営業・顧客管理に特化するならSalesforceが適しています。両者は目的が異なるツールなので、自社の課題を明確にして判断することが重要です。

Q2kintoneとSalesforceは併用できる?

A2はい、ZapierやASTERIA Warpなどのデータ連携ツールで接続可能です。顧客情報の同期やリード管理の自動化が実現できます。営業部門はSalesforce、バックオフィスはkintoneという使い分けも選択肢の一つです。

Q3料金はどちらが安い?

A3kintoneは月額約780円〜1,800円/ユーザー、SalesforceのEnterpriseは月額約19,800円/ユーザーと、kintoneの方が低価格です。ただし機能差があるため、自社に必要な機能で判断してください。

Q4どちらが導入しやすい?

A4kintoneは設定が簡単で自社導入向き。Salesforceは機能が豊富ですが調整が必要で、コンサルタント導入支援が一般的です。IT専任者がいない企業はkintoneの方が始めやすい傾向があります。

B

B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

「B2Bデジタルプロダクト実践ガイド」は、デシセンス株式会社が運営する情報メディアです。B2Bデジタルプロダクト企業のマーケティング・営業・カスタマーサクセス・開発・経営に関する実践的な情報を、SaaS、AIプロダクト、ITサービス企業の実務担当者に向けて分かりやすく解説しています。