面白い企業メルマガの事例と作り方|読まれるコンテンツの秘訣

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/22

メルマガが読まれず、開封率が上がらない悩み

「メルマガを定期配信しているが、開封率が低い」「読者からの反応がほとんどない」「面白いコンテンツを作りたいが、何を書けばいいか分からない」――こうした悩みを抱えるマーケティング担当者は少なくありません。

メルマガは顧客とのコミュニケーション手段として重要ですが、売り込み色が強すぎると読者に削除されてしまい、継続的な関係構築ができません。読者にとって有益で、面白く、読み続けたくなるメルマガを作るには、どうすればいいのでしょうか。

この記事では、面白い企業メルマガの特徴、具体的な成功事例、読者を虜にするコンテンツの作り方、配信設計のポイントまで、実務に役立つ情報を網羅的に解説します。

この記事のポイント:

  • 面白いメルマガの特徴は「読者視点のコンテンツ」「企業の個性表現」「読みやすい文章」の3つ
  • 売り込み色が強いと削除されるため、読者にとって有益な情報を優先する
  • 成功事例:MB(月額550円、ファッション情報)、札幌ビール(セグメント配信)、ZOZOTOWN(購入履歴最適化)、Airbnb(火曜日配信)など
  • BtoB向けは顧客導入事例、業界インサイダー情報、ホワイトペーパー、顧客Q&A、ランキング、スタッフコンテンツが効果的
  • 件名テクニック:売り込み臭さを消す、短く、無料+欲しい物

1. 企業メルマガを面白くする重要性

メルマガを面白くすることは、開封率・クリック率の向上だけでなく、顧客との長期的な関係構築につながります。

(1) 開封率・クリック率の向上と顧客エンゲージメント強化

面白いメルマガは、開封率・クリック率が高く、読者のエンゲージメント(関与度)を強化します。読者が「次のメルマガが楽しみ」と感じるようになれば、長期的な関係性が構築され、購買意欲や問い合わせにつながりやすくなります。

エンゲージメント強化のメリット:

  • リピート購入率の向上
  • ブランドロイヤルティの形成
  • 口コミによる新規顧客獲得

(2) 売り込み色が強いと削除される現実

企業の売り込み色が前面に出たメルマガは、読者に削除されてしまいます。「商品を買ってください」「セミナーに参加してください」といった一方的なメッセージだけでは、読者は興味を失い、配信停止ボタンを押してしまう可能性があります。

削除される典型的なパターン:

  • 毎回セールス情報だけを配信
  • 読者のニーズを無視した一方的な情報発信
  • 件名が誇張されており、内容とのギャップが大きい

(3) 読者にとって有益な情報提供が最優先

面白いメルマガの基本は、読者にとって有益な情報を提供することです。業界ニュース、課題解決のノウハウ、事例紹介、豆知識など、読者が「読んで良かった」と感じる内容を優先することで、信頼関係が構築されます。

その結果、売り込みではなく「この企業は信頼できる」と感じてもらい、自然と購買や問い合わせにつながるのが理想的な流れです。

2. 面白いメルマガの3つの特徴

面白いメルマガには、共通する3つの特徴があります。

(1) 読者視点のコンテンツ(読者の課題解決・興味に応える)

読者視点のコンテンツとは、企業が伝えたいことではなく、読者が知りたいこと・解決したい課題に焦点を当てることです。

読者視点の例:

  • 企業視点(NG): 「当社の新商品が発売されました!ぜひご購入ください」
  • 読者視点(OK): 「業務効率化に悩む中小企業のために、導入事例をご紹介します」

読者の課題や興味に応える情報を提供することで、「このメルマガは自分にとって役立つ」と感じてもらえます。

(2) 企業の個性表現(ブランディング・差別化)

企業の個性を表現することで、他社との差別化ができ、ブランディングにもつながります。堅い業界でも、企業の裏側やスタッフのエピソードを紹介することで、親近感が生まれます。

個性表現の例:

  • スタッフの日常やプロジェクトの裏話
  • 創業者・経営者のメッセージ
  • 企業の価値観やミッション

個性的なコンテンツは、読者に「この企業は面白い」と感じてもらい、ファン化につながります。

(3) 読みやすい文章(感情に訴えるストーリー、具体的な事例)

論理的なデータだけでは、読者が具体的なメリットをイメージしにくいため、感情に訴えるストーリーや事例を交えることが効果的です。

感情に訴える例:

  • データのみ(NG): 「当社のツールは業務効率を30%向上させます」
  • ストーリー付き(OK): 「導入前は毎日2時間かかっていた作業が、導入後は30分に短縮。担当者の佐藤さんは『家族との時間が増えた』と喜んでいます」

ストーリーや事例を活用することで、読者が「自分も同じ効果を得られるかも」とイメージしやすくなります。

3. 面白い企業メルマガの成功事例

実際の成功事例から、面白いメルマガの作り方を学びましょう。

(1) 有料メルマガ:MB(月額550円、男性ファッション情報)、堀江貴文(テキスト形式、2010年から人気)

MB「美しい大人の情報源」: 月額550円で男性向けファッション情報を提供する有料メルマガです。コーディネート提案、ブランド紹介、ファッション業界の裏話など、専門性の高い情報を配信し、多くのファンを獲得しています。

成功のポイント:

  • ターゲットを明確化(男性ファッションに興味がある層)
  • 専門性と実用性を兼ね備えた情報提供
  • 有料にすることで質の高いコンテンツを維持

堀江貴文「ブログでは言えない話」: テキスト形式で2010年から配信されている人気メルマガです。経営、投資、最新テクノロジーなど幅広いテーマを扱い、堀江氏の独自の視点が読者を引きつけています。

成功のポイント:

  • 著名人の個性と視点を前面に出す
  • テキスト形式でシンプル、読みやすさを重視
  • 長期的な配信で信頼関係を構築

(2) BtoC企業:札幌ビール(1997年からセグメント配信)、ZOZOTOWN(購入履歴・会員情報で商品最適化)、Airbnb(火曜日配信)

札幌ビール: 1997年からセグメント配信を実施し、地域や興味に応じてコンテンツを切り替えています。受信者の属性に合わせた情報を提供することで、開封率とクリック率を向上させています。

成功のポイント:

  • セグメント配信による最適化
  • 長期的な継続配信で顧客との関係維持

ZOZOTOWN: クーポン配信とタイムセール告知に注力し、購入履歴や会員情報(性別・年齢)に基づいて商品を最適化しています。パーソナライゼーションにより、個々の読者に関連性の高い商品を提示し、購買率を高めています。

成功のポイント:

  • パーソナライゼーション(購入履歴・会員情報活用)
  • クーポンやタイムセールで即効性のある行動喚起

Airbnb: 読者の居住地に基づき、火曜日(週末旅行を計画するタイミング)に配信しています。配信タイミングを最適化することで、開封率と予約率を向上させています。

成功のポイント:

  • 配信タイミングの最適化(火曜日配信)
  • 読者の行動パターンを考慮した戦略

(3) BtoB企業:キーエンス(業界ニュース)、すららネット(ステップメール35通)

キーエンス: 業界ニュースや専門知識を提供するメルマガで、高い信頼性と開封率を獲得しています。自社製品の宣伝よりも、読者にとって有益な情報提供を優先することで、専門性をアピールし、長期的な関係性を構築しています。

成功のポイント:

  • 売り込みより情報提供を優先
  • 業界ニュース・専門知識で専門性をアピール

すららネット: セミナー情報・導入事例・最新情報を組み合わせた35通のステップメールを配信し、購読者8000人まで成長しました。段階的に情報を提供することで、見込み客を育成し、契約につなげています。

成功のポイント:

  • ステップメールで段階的に情報提供
  • 複数のコンテンツタイプを組み合わせて飽きさせない

(4) その他:JESEA地震予測(地図・グラフで視認性向上)、Evernote(優先度付きで簡潔)

JESEA「週刊MEGA地震予測」: 地図・グラフ・写真・色分けを使い視認性を高め、月額220円で配信しています。HTMLメールのビジュアル活用により、複雑な情報を分かりやすく伝えています。

成功のポイント:

  • HTMLメールでビジュアル活用
  • 地図・グラフで視認性向上

Evernote: 優先度をつけて内容を簡潔にまとめており、読者が短時間で重要な情報を把握できるよう設計されています。

成功のポイント:

  • 優先度付きで簡潔に情報整理
  • 読者の時間を尊重した設計

4. 読者を虜にするメルマガコンテンツの作り方

面白いメルマガを作るための具体的なコンテンツ設計方法を紹介します。

(1) BtoB向けコンテンツ7選:顧客導入事例、業界インサイダー情報、ホワイトペーパー、顧客Q&A、ランキング、スタッフコンテンツ、季節・記念日ネタ

BtoB企業のメルマガでは、以下のコンテンツが特に効果的です:

1. 顧客導入事例・実装事例: 実際に導入した企業の成功事例や成果を紹介することで、読者が「自社でも同じ効果が得られるかも」とイメージできます。

2. 業界インサイダー情報: 業界の最新トレンド、規制変更、市場動向など、専門的な情報を提供することで、専門家としての地位を確立します。

3. ホワイトペーパー・技術資料: 詳細な調査レポートや技術資料をメルマガで紹介し、ダウンロードを促すことで、リード情報を獲得できます。

4. 顧客Q&A: 読者からよくある質問とその回答をまとめることで、読者の疑問を解消し、信頼性を高めます。

5. ランキング: 「今月の人気記事TOP5」「よく読まれたホワイトペーパーTOP3」など、ランキング形式で情報を提示すると、読者の興味を引きやすくなります。

6. スタッフコンテンツ: スタッフの日常やプロジェクトの裏話を紹介することで、企業の人間性が伝わり、親近感が生まれます。

7. 季節・記念日ネタ: 「年末に向けた業務効率化のヒント」「新年度の予算申請に役立つ資料」など、季節やイベントに合わせたコンテンツは関心が高い傾向があります。

(2) ネタ切れ対策12選:業界トレンド、新商品紹介、顧客レビュー、過去の人気コンテンツ再配信、季節イベント等

メルマガのネタ切れに困った際は、以下の12個のネタから選ぶことができます:

  1. 業界トレンド: 最新のニュースや市場動向
  2. 新商品紹介: 新サービスや機能のリリース情報
  3. 顧客Q&A: よくある質問とその回答
  4. 顧客レビュー: お客様の声や導入事例
  5. ランキング: 人気記事、人気商品のTOP5
  6. 過去の人気コンテンツ再配信: 読まれた記事を再度紹介
  7. 季節イベント: クリスマス、年末年始、新年度などに合わせた情報
  8. 記念日ネタ: 企業の創立記念日、サービスリリース周年など
  9. スタッフインタビュー: 社員の紹介や仕事の裏側
  10. 豆知識: 業界の小ネタやトリビア
  11. SNSで話題のネタ: TwitterやLinkedInで話題のテーマ
  12. セミナー・イベント告知: オンライン・オフラインイベントの案内

注意点: 宗教や政治など機微な話題は誤解やトラブルを招く可能性があるため避けるべきです。

(3) 開封率を上げる件名テクニック(売り込み臭さを消す、短く、無料+欲しい物)

件名(タイトル)は、受信者が開封判断する最も重要な要素です。以下の3つのテクニックを活用しましょう:

1. 売り込み臭さを消す: プライベートの連絡のように見せることで、読者が警戒せずに開封しやすくなります。

  • NG: 「【広告】今すぐ購入してください!」
  • OK: 「佐藤さん、先日お話しした資料をお送りします」

2. なるべく短く: 件名が長すぎると、スマートフォンで表示が途切れてしまいます。15-20文字程度を目安にしましょう。

3. 「無料」+「お客さんが欲しい物」: 無料で読者が欲しいもの(ノウハウ、資料、ツール等)を提供する場合は、売り込み臭くても開封率が高くなります。

  • 例: 「【無料】業務効率化ガイドをプレゼント」

(4) 感情に訴えるストーリーや事例の活用

感情に訴えるストーリーや事例を活用することで、読者の共感を得やすくなります。

ストーリーの構成例:

  1. 課題: 「導入前は毎日2時間かかっていた作業」
  2. 解決策: 「当社のツールを導入」
  3. 結果: 「作業時間が30分に短縮、担当者は家族との時間が増えた」

論理的なデータだけでなく、人間のエピソードを交えることで、読者が「自分もそうなりたい」と感じやすくなります。

5. 配信設計と双方向コミュニケーションの工夫

メルマガの配信設計と双方向コミュニケーションにより、読者との関係性を深めることができます。

(1) セグメント配信(顧客ステージ・興味関心別に最適化)

セグメント配信とは、顧客を属性・行動・興味関心などで分類し、各グループに最適化されたコンテンツを配信する手法です。

セグメント例:

  • 顧客ステージ別(見込み客、既存顧客、休眠顧客)
  • 興味関心別(製品A興味あり、製品B興味あり)
  • 行動履歴別(セミナー参加者、資料ダウンロード者)

セグメント配信により、読者一人ひとりに関連性の高い情報を提供でき、開封率・クリック率が向上します。

(2) 配信タイミング:BtoBは火曜~木曜の通勤時間帯・昼休み前

BtoB向けメルマガは、火曜~木曜の通勤時間帯や昼休み前の配信が開封率が高い傾向があります。ビジネスパーソンが出社後にメールチェックするタイミングや、昼休み前にメールを確認するタイミングを狙うことで、開封率を高めることができます。

BtoC向けの場合: BtoC向けは業種により異なりますが、夜間や週末も有効な場合があります。ターゲット層の生活パターンを考慮して、配信タイミングを最適化しましょう。

(3) 双方向コミュニケーション(読者の意見募集、顧客の声紹介)

双方向コミュニケーションを意識することで、読者との愛着形成につながります。

双方向コミュニケーションの例:

  • 読者の意見を募集(「どんなテーマを取り上げてほしいですか?」)
  • 顧客の声をメルマガで紹介(「先月の読者アンケート結果をご紹介」)
  • Q&Aコーナーで読者の質問に回答

一方的な情報発信ではなく、読者が参加できる仕組みを作ることで、エンゲージメントが高まります。

(4) HTMLメールとクリック可能なボタン設置

HTMLメールを活用すると、テキストメールよりも視認性が高く、クリック率が向上する傾向があります。

HTMLメールの活用例:

  • 画像・色・レイアウトで視覚的に訴求
  • クリック可能なボタン(CTA)を設置(「資料をダウンロード」「セミナーに申し込む」)
  • 地図・グラフ・写真で複雑な情報を分かりやすく表示

HTMLメールは作成に手間がかかりますが、視覚的なインパクトが大きく、読者の行動を促しやすくなります。

6. まとめ:面白いメルマガで読者の心を掴む

面白いメルマガを作るには、読者視点のコンテンツ、企業の個性表現、読みやすい文章が不可欠です。売り込み色を抑え、読者にとって有益な情報を提供することで、長期的な信頼関係を構築できます。

成功のための重要ポイント:

  • 読者視点: 企業が伝えたいことではなく、読者が知りたいこと・課題を解決する情報を提供
  • 個性表現: スタッフの日常、企業の裏側など、個性的なコンテンツでファン化
  • 感情に訴える: ストーリーや事例を活用し、読者の共感を得る
  • セグメント配信: 顧客ステージ・興味関心別に最適化し、関連性を高める
  • 双方向コミュニケーション: 読者の意見募集、顧客の声紹介で愛着形成

次のアクション:

  • 自社のメルマガが「読者視点」か「企業視点」かを見直す
  • BtoB向けコンテンツ7選から、次回配信するネタを選ぶ
  • 件名テクニック(売り込み臭さを消す、短く)を実践
  • セグメント配信の仕組みを構築(顧客ステージ別にリスト分け)
  • 火曜~木曜の通勤時間帯・昼休み前に配信タイミングを調整
  • HTMLメールでクリック可能なボタンを設置

メルマガの成功事例は企業規模・業種・ターゲット層により再現性が異なるため、自社に合った内容にカスタマイズし、継続的に改善していくことが重要です。読者の反応を見ながらPDCAサイクルを回し、面白いメルマガで読者の心を掴みましょう。

よくある質問

Q1面白いメルマガとは?

A1読者にとって有益な情報を提供し、企業の個性を表現し、読みやすい文章で書かれたメルマガです。売り込み色を抑え、読者視点のコンテンツが重要です。感情に訴えるストーリーや事例を交えることで、読者の共感を得やすくなります。

Q2どのようなコンテンツが読者に好まれる?

A2BtoB企業では顧客導入事例、業界インサイダー情報、ホワイトペーパー、顧客Q&A、ランキング、季節・記念日ネタ、スタッフコンテンツなどが効果的です。BtoC企業ではクーポン、商品カタログ、セール情報が中心となります。

Q3件名(タイトル)はどう工夫すべき?

A3売り込み臭さを消し、プライベートの連絡のように見せることが重要です。なるべく短く(15-20文字程度)、具体的なメリットを示します。「無料」+「お客さんが欲しい物」であれば、売り込み臭くても開封率は高くなります。

Q4メルマガネタが切れたらどうすればよい?

A4業界トレンド、新商品紹介、顧客レビュー、過去の人気コンテンツ再配信、季節イベント、記念日などから選ぶことができます。顧客Q&Aやランキングも有効です。ただし、宗教や政治など機微な話題は避けるべきです。

Q5BtoBとBtoCでメルマガの作り方は異なる?

A5BtoB企業は導入事例や専門的な情報、ホワイトペーパーが効果的で、火曜~木曜の通勤時間帯配信が推奨されます。BtoC企業はクーポンや商品カタログ、セール情報が中心です。ターゲット層により最適なコンテンツと配信タイミングが異なります。

B

B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

「B2Bデジタルプロダクト実践ガイド」は、デシセンス株式会社が運営する情報メディアです。B2Bデジタルプロダクト企業のマーケティング・営業・カスタマーサクセス・開発・経営に関する実践的な情報を、SaaS、AIプロダクト、ITサービス企業の実務担当者に向けて分かりやすく解説しています。