メルマガの作り方|企画から配信までの手順と成果を出すコツ

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/24

メルマガを始める前に知っておくべきこと

「メルマガを始めたいけれど、何から手をつければいいかわからない」という声はよく聞かれます。メルマガは正しく運用すれば、B2Bマーケティングにおいて効果的な顧客接点となります。

この記事では、メルマガの目的設定から企画、作成、配信、効果測定まで、初めてメルマガを始める方向けに具体的な手順を解説します。

この記事のポイント:

  • メルマガの目的は「情報伝達」「送客」「購買促進」の3つに分類される
  • 件名は4U原則(有用性・緊急性・具体性・独自性)で約30文字を目安に作成
  • 本文は全角35文字で改行し、3~4行ごとに空白行を入れて読みやすくする
  • 特定電子メール法の遵守は必須(違反すると法人は最大3,000万円の罰金)
  • 配信ツールを活用することで、登録・配信停止の自動化が可能

(1) メルマガの役割と2024年の最新状況(HTML化の進展)

メルマガは、見込み顧客や既存顧客との継続的なコミュニケーション手段として、多くの企業で活用されています。

メルマガの主な役割:

  • 情報発信: 新商品・サービス、イベント情報などの周知
  • 関係構築: 定期的な接点による信頼関係の醸成
  • リード育成: 見込み顧客の購買意欲を段階的に高める
  • サイト誘導: Webサイトやコンテンツへのトラフィック獲得

2024年の状況:

  • 2023年の調査によると、国内EC売上上位50社の61.5%がHTMLメールのみで配信
  • Gmailのガイドライン変更により、なりすまし対策(SPF、DKIM、DMARC)の重要性が増加
  • 無料のメール配信ツールが充実し、始めやすい環境が整っている

(参考: cuenote「メルマガは時代遅れなのか?2024年最新状況とともに解説」)

(2) 特定電子メール法の遵守(罰則:法人は最大3,000万円)

メルマガを配信する際は、特定電子メール法(特電法)の遵守が必須です。

遵守すべき4つの義務:

  1. 事前承諾の取得: 配信前に受信者の同意を得る(オプトイン)
  2. 配信停止依頼への即時対応: 配信停止の申し出があれば速やかに対応
  3. 送信者情報の表示: 送信者の氏名または名称、住所、連絡先を明記
  4. 配信停止リンクの設置: 簡単に配信停止できる仕組みを用意

違反時の罰則:

  • 個人: 1年以下の懲役または100万円以下の罰金
  • 法人: 3,000万円以下の罰金

法令遵守は企業としての信頼にも関わるため、必ず確認しておきましょう。

(出典: ワンマーケティング「メルマガ担当者の基礎知識。メルマガに関する法律と制作時の注意点とは?」)

(3) HTML形式とテキスト形式の違いと選び方

メルマガには主に2つの形式があります。

項目 HTML形式 テキスト形式
デザイン 画像・装飾・ボタンを使用可能 文字のみ
作成難易度 デザインスキルが必要 簡単
開封率測定 可能 不可
表示の安定性 メーラーにより表示が異なる場合あり どの環境でも同じ表示
ファイルサイズ 大きくなりやすい 小さい

選び方の目安:

  • HTML形式: 視覚的な訴求が重要な場合、クリック率を高めたい場合
  • テキスト形式: 初めてメルマガを始める場合、リソースが限られている場合

最近はHTMLメールが主流ですが、テキスト形式から始めて慣れてからHTMLに移行するのも一つの方法です。

メルマガの目的設定とターゲット選定

メルマガを成功させるためには、まず目的とターゲットを明確にすることが重要です。

(1) 3つの目的(情報伝達・送客・購買促進)を明確にする

メルマガの目的は大きく3つに分類できます。

1. 情報伝達:

  • 新商品・サービスのお知らせ
  • イベント・セミナーの告知
  • 業界ニュースや役立つ情報の共有

2. 送客:

  • Webサイトへの誘導
  • ブログ記事やホワイトペーパーへの誘導
  • ランディングページへの誘導

3. 購買促進:

  • キャンペーンの告知
  • 商談・問い合わせの促進
  • アップセル・クロスセルの提案

目的を明確にすることで、コンテンツの方向性やCTA(行動喚起)の設計がしやすくなります。

(2) ターゲットの設定(顧客属性・購買段階・関心テーマ)

ターゲットを具体化することで、刺さるコンテンツを作りやすくなります。

ターゲット設定の軸:

  • 顧客属性: 業種、企業規模、役職、部門
  • 購買段階: 情報収集段階、比較検討段階、導入準備段階
  • 関心テーマ: 課題解決したい領域、興味のあるトピック

セグメント配信の考え方:

  • 全員に同じ内容を送るのではなく、属性に応じて内容を変える
  • 例:製造業向け事例、IT業界向け事例など
  • 配信ツールのセグメント機能を活用

(3) 配信リストの構築方法と管理

配信リストの質がメルマガの成果を左右します。

リストの構築方法:

  • Webサイト経由: 資料請求フォーム、メルマガ登録フォーム
  • イベント経由: セミナー・展示会での名刺交換(同意を得て登録)
  • 商談経由: 過去の取引先、商談先(同意を得て登録)

リスト管理のポイント:

  • 定期的にエラーアドレスをクリーニング
  • 配信停止者は速やかにリストから除外
  • 登録経路や属性を記録しておく

注意点:

  • 名刺交換しただけでは配信同意とはみなされない
  • 必ず明示的な同意(オプトイン)を取得する

メルマガの企画とコンテンツ設計(4U原則)

効果的なメルマガを作るための企画とコンテンツ設計のポイントを解説します。

(1) 1通につき1つのメッセージに絞る

メルマガで複数のトピックを詰め込むと、読者が何をすべきか分からなくなります。

1通1メッセージの原則:

  • メインテーマは1つに絞る
  • CTAも1つに絞る(迷いを減らす)
  • 補足情報は最小限に

例:

  • ✕ 「新商品のお知らせ」+「セミナー告知」+「ブログ更新」
  • ○ 「新商品のお知らせ」に絞り、詳細ページへ誘導

複数の情報を伝えたい場合は、別々のメルマガとして配信することを検討しましょう。

(2) 4U原則(有用性・緊急性・具体性・独自性)で件名を作る

件名は開封率を左右する最も重要な要素です。4U原則を意識して作成しましょう。

4U原則:

  1. Useful(有用性): 読者にとってのメリットを示す
  2. Urgent(緊急性): 今読むべき理由を示す
  3. Ultra-specific(具体性): 数字や具体例を含める
  4. Unique(独自性): 他にはない情報であることを示す

件名の例:

  • 「【本日締切】B2Bマーケティングセミナー無料参加枠」(緊急性+有用性)
  • 「開封率を30%上げた5つの改善策」(具体性+有用性)
  • 「〇〇業界限定:成功事例レポート公開」(独自性+有用性)

(参考: SATORI「【例文つき】読まれやすいメルマガの書き方と注意点」)

(3) 配信頻度の設定(週1回または月2-4回が一般的)

配信頻度は、リソースと読者の期待値を考慮して設定します。

一般的な配信頻度:

  • 週1回: 継続的な接点を維持しやすい
  • 月2~4回: リソースが限られている場合の目安
  • 月1回: 最低限の頻度(これより少ないと存在感が薄れる)

配信頻度を決める際のポイント:

  • 不規則な配信は避け、曜日・時間を固定する
  • 読者が期待するペースを考慮する
  • まずは月1~2回から始め、リソースに応じて増やす

注意点:

  • 頻度が高すぎると購読解除が増える可能性
  • 頻度が低すぎると忘れられる可能性

メルマガの作成手順(件名・本文・CTA)

具体的な作成手順を解説します。

(1) 件名の書き方(約30文字、最初の14文字に重要情報)

件名は開封率に最も影響を与える要素です。

件名作成のポイント:

  • 文字数: 約30文字を目安に
  • 重要情報の配置: 最初の14文字に最も伝えたいことを配置
  • 記号の活用: 【】や「」で目立たせる(ただし多用は避ける)

避けるべき件名:

  • 「お知らせ」「ご案内」など抽象的なもの
  • 長すぎて途切れるもの
  • 煽りすぎてスパムと間違われるもの

良い件名の例:

  • 「【限定資料】SEO対策の成功事例集を無料公開」
  • 「来週開催!マーケ担当者向け無料ウェビナー」

(2) 本文の構成(導入文・本文・CTA・署名の基本7要素)

メルマガ本文は、基本的に以下の7要素で構成されます。

メルマガの7要素:

  1. ヘッダー: ブランドロゴや差出人名(HTML形式の場合)
  2. 導入文: 挨拶、今回のテーマの導入
  3. 見出し: 本文を区切る小見出し
  4. 本文: メインコンテンツ
  5. CTA: 行動を促すボタンやリンク
  6. フッター: 会社情報、連絡先
  7. 配信停止リンク: 法律で義務付けられている

CTA設計のポイント:

  • 行動内容を明確に示す(「詳しくはこちら」より「資料をダウンロード」)
  • 目立つ位置に配置する(本文中と末尾の2箇所が効果的)
  • 1通につき1つのCTAに絞る

(3) 読みやすさのコツ(全角35文字改行、3-4行ごとに空白行)

メルマガは流し読みされることが多いため、視覚的な読みやすさが重要です。

読みやすくするコツ:

  • 改行: 全角35文字程度で改行する
  • 空白行: 3~4行ごとに空白行を挟む
  • 箇条書き: 複数の情報は箇条書きで整理
  • 太字・強調: 重要な部分は太字で目立たせる(HTML形式の場合)

スマートフォン対応:

  • スマホで閲覧されることを想定し、短めの改行を意識
  • 画像は表示されない場合も考慮してテキストで補足

(参考: WEBCAS「メルマガの作り方を徹底解説!手順から成功事例までご紹介」)

配信ツールの選び方と配信・効果測定

配信ツールの選び方と、配信後の効果測定について解説します。

(1) メール配信ツールの選び方(無料vs有料、機能比較)

メルマガ配信には専用のツールを使うことを推奨します。

配信ツールを使うメリット:

  • 登録・配信停止の自動化
  • 開封率・クリック率の測定
  • BCCミスによる情報漏洩の防止
  • HTMLメールの簡単作成(テンプレート)

選定時のチェックポイント:

項目 確認ポイント
配信数上限 月間の配信可能数
登録者数上限 管理できるリスト件数
機能 セグメント配信、ステップメール、A/Bテスト
料金体系 月額固定か従量課金か
サポート 日本語サポートの有無

無料ツールの例:

  • オレンジメール: 180日間全機能無料
  • まぐまぐ!: 無料でサポートサービスを提供

(参考: List Finder「【2025年最新】メール配信ツールおすすめ比較10選」)

(2) 必須設定(BCC設定、配信停止リンク、送信者情報、SPF/DKIM/DMARC)

配信を始める前に、以下の設定を必ず確認しましょう。

必須設定項目:

  1. BCC設定の確認

    • 手動配信の場合、BCCとCCを間違えないこと
    • CCで配信すると全員のアドレスが他者に漏洩
    • 配信ツールを使えばこのリスクを回避できる
  2. 配信停止リンク

    • メール本文内に必ず設置(法的義務)
    • ワンクリックで停止できる仕組みが望ましい
  3. 送信者情報の表示

    • 会社名、住所、連絡先を明記
    • フッターに記載するのが一般的
  4. SPF/DKIM/DMARCの設定

    • 送信元の正当性を証明する技術
    • 未設定だとGmailなどで迷惑メール扱いされる可能性
    • ツールベンダーの設定ガイドに従って対応

(3) 効果測定のKPI(開封率・クリック率・コンバージョン率・購読解除率)

配信後は効果を測定し、改善につなげることが重要です。

主要なKPI:

KPI 内容 目安
開封率 メールが開封された割合 業界平均20~30%
クリック率 リンクがクリックされた割合 開封率の1/10程度
コンバージョン率 目標行動(資料請求等)に至った割合 目的により異なる
購読解除率 配信停止された割合 0.1~0.2%以下が目安
配信成功率 エラーなく届いた割合 95%以上が目標

改善のポイント:

  • 開封率が低い → 件名を改善(A/Bテスト)
  • クリック率が低い → CTAの文言や配置を改善
  • 購読解除率が高い → 配信頻度や内容を見直し

まとめ:メルマガで成果を出すための3つのポイント

メルマガを成功させるために、以下の3つのポイントを押さえましょう。

1. 法令遵守を徹底する 特定電子メール法の遵守は必須です。事前承諾の取得、配信停止リンクの設置、送信者情報の表示を必ず行いましょう。

2. 目的とターゲットを明確にする 何のためにメルマガを送るのか、誰に届けたいのかを明確にすることで、コンテンツの方向性が定まります。

3. 配信ツールを活用して効率化する 手動でのBCC配信はリスクが高いため、配信ツールを活用しましょう。効果測定も自動化でき、改善につなげやすくなります。

次のアクション:

  • メルマガの目的を「情報伝達」「送客」「購買促進」のいずれかで定義する
  • 配信リストの構築方法を決める(Webフォーム設置など)
  • 無料の配信ツールを試してみる
  • 最初の1通を作成し、テスト配信を行う

※この記事は2024-2025年時点の情報です。配信ツールの機能・料金や法規制は変更される可能性があるため、最新情報は各公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q1メルマガのHTML形式とテキスト形式はどちらを選ぶべきですか?

A12024年時点ではHTML形式が主流で、国内EC売上上位50社の61.5%がHTMLのみで配信しています。視覚的訴求力が高くクリック率向上が期待できますが、デザインスキルが必要です。初心者はテキスト形式から始め、慣れてからHTML形式に移行するのも一つの方法です。

Q2メルマガ配信に法的な制約はありますか?

A2特定電子メール法の遵守が必須です。事前承諾の取得、配信停止依頼への即時対応、送信者情報の表示、配信停止リンクの設置が義務付けられています。違反すると、法人は最大3,000万円、個人は1年以下の懲役または100万円以下の罰金となります。

Q3無料で使えるメルマガ配信ツールはありますか?

A3オレンジメール(180日間全機能無料)、まぐまぐ!(サポートサービス提供)などがあります。ただし、配信数や機能に制限がある場合が多いため、リスト規模が大きくなったら有料ツールへの移行を検討することをおすすめします。

Q4メルマガの配信頻度はどのくらいが良いですか?

A4週1回または月2~4回が一般的です。不規則な配信は存在感が薄れるため、曜日・時間を固定した定期配信が重要です。リソースが限られている場合は、まず月1回から始め、徐々に増やすことを推奨します。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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