メルマガで成果を出すために知っておくべきこと
メルマガ(メールマガジン)は、B2Bマーケティングにおいて重要なコミュニケーション手段の一つです。しかし、「開封率が低い」「クリックされない」といった課題を抱えている担当者は少なくありません。
この記事では、メルマガの書き方について、件名の作成から本文構成、効果測定・改善方法まで実践的なテクニックを解説します。
この記事のポイント:
- 2024年時点でメルマガの平均開封率は32.55%、業界によって大きく異なる
- 受信者の50.8%は件名で開封を判断するため、タイトル最適化が最重要
- 基本構成7要素を理解しテンプレート化することで作成効率が向上
- 5つのKPIを設定し、A/Bテストで継続的に改善することが成果への近道
(1) メルマガの役割とB2Bマーケティングにおける位置づけ
メルマガは、見込み顧客との関係構築や既存顧客へのフォローアップに有効な手段とされています。B2Bマーケティングでは、以下のような目的で活用されるケースが多いです。
- リードナーチャリング: 見込み顧客への情報提供を通じた関係構築
- サービス・製品情報の発信: 新機能やアップデート情報の周知
- イベント・セミナー集客: ウェビナーや展示会への参加促進
- コンテンツ配信: ホワイトペーパーやブログ記事への誘導
SNSと異なり、メルマガは配信リストに直接届けられるため、プラットフォームのアルゴリズム変更に左右されにくいという特徴があります。
(2) 平均開封率の現状と業界別ベンチマーク(2024年版)
Benchmark Emailの調査(2024年8月時点)によると、メルマガの平均開封率は32.55%と報告されています。ただし、業界によって開封率は大きく異なります。
業界別開封率の傾向:
- 保育・託児関連: 47.17%(高い傾向)
- 教育・研修関連: 比較的高い傾向
- 製造・物流: 低い傾向
自社の開封率を評価する際は、全体平均ではなく、同業界のベンチマークと比較することが重要です。
(出典: Benchmark Email「メルマガ平均開封率レポート【2024年版】」)
(3) 読者の54.1%は選択的に読む―冒頭訴求力の重要性
調査データによると、読者の54.1%はメルマガを選択的に読み、35.3%はほとんど読まないとされています。つまり、タイトルと冒頭部分で興味を引けなければ、内容がいくら良くても読まれない可能性が高いということです。
メルマガが読まれないケース:
- 件名が不明確で内容が想像できない
- 冒頭で読むメリットが伝わらない
- 受信者にとって関連性が低い内容
メルマガの基本構成7要素とテンプレート化のメリット
効果的なメルマガを作成するためには、基本構成を理解し、一定のフォーマットを維持することが重要です。
(1) 7要素の基本構成(件名・ヘッダー・導入文・本文・見出し・CTA・署名)
メルマガは一般的に以下の7要素で構成されます。
- 件名: 開封率を左右する最重要要素
- ヘッダー: 差出人名やブランド認識を高める部分
- 導入文: 本題に入る前の挨拶・アイスブレイク
- 本文: 伝えたい情報の中核部分
- 見出し: 本文を読みやすく区切る要素
- CTA(Call to Action): 読者に求める行動を明示
- 署名: 差出人情報・問い合わせ先
各要素の役割を理解した上で、バランスよく配置することが大切です。
(2) 5Wフレームワークで編集方針を決める
シナジーマーケティングが提唱する5Wフレームワークを活用すると、メルマガの方向性を明確にできます。
- Who(誰に): ターゲットとなる読者層
- When(いつ): 配信タイミング
- Where(どこで): 読まれるデバイス・環境
- Why(なぜ): 配信の目的
- What(何を): 伝えるべきメッセージ
執筆を始める前にこれらを明確にしておくと、ブレのない内容を作成しやすくなります。「編集の方向性が決まれば仕事の8割が完了する」とも言われています。
(参考: シナジーマーケティング「もっと読まれるメルマガ、書き方のコツを伝授」)
(3) テンプレート活用による作成効率化
テンプレートを活用することで、以下のメリットが得られます。
- 作成時間の短縮: 毎回ゼロから構成を考える必要がない
- 品質の安定: 一定のクオリティを維持しやすい
- 担当者間の統一: 複数人で運用する場合も品質がブレにくい
テンプレートはあくまで「型」であり、内容によって柔軟にアレンジすることが重要です。
開封率を左右する件名の書き方(4Uの原則と文字数最適化)
件名は開封率に最も影響を与える要素です。この章では、効果的な件名の作り方を解説します。
(1) 受信者の50.8%は件名で開封を判断―最重要要素
WEBCASの調査によると、受信者の50.8%はメールの件名だけで開封するかどうかを判断するとされています。つまり、どれだけ内容に力を入れても、件名で興味を引けなければ読んでもらえません。
件名で失敗しやすいパターン:
- 抽象的で何の内容か分からない(例: 「お知らせ」「ご案内」)
- 長すぎて途切れる
- 読者にとってのメリットが伝わらない
(2) 4Uの原則(有益性・緊急性・具体性・独自性)の活用
ferret Oneが紹介する「4Uの原則」は、効果的な件名を作成するためのフレームワークです。
- Useful(有益性): 読者にとってのメリットを示す
- Urgent(緊急性): 今読むべき理由を伝える
- Ultra Specific(具体性): 数字や具体例を含める
- Unique(独自性): 他社と差別化できる要素
例:
- 「メルマガ開封率を上げる7つのコツ【2024年最新版】」
- 「明日締切!無料ウェビナー参加枠残りわずか」
4要素すべてを盛り込む必要はなく、2-3要素を意識するだけでも効果が期待できます。
(参考: ferret One「メルマガのタイトルで開封率を上げる方法」)
(3) 30文字程度・最初の14文字に重要情報を配置
件名の文字数は30文字程度が目安とされています。これは、多くのメールソフトで表示される文字数の上限に関係しています。
文字数のポイント:
- スマートフォンでは15-20文字程度で途切れることが多い
- 人間の脳が瞬時に理解できるのは14文字程度と言われている
- 最も重要な情報は最初の14文字に配置する
良い例と改善例:
- ✕「弊社サービスのアップデートに関するお知らせ」
- ○「【新機能追加】請求書の一括送信が可能に」
読みやすく行動を促す本文の書き方
件名で開封されても、本文が読みにくければ離脱されてしまいます。読みやすさと行動促進の両立が重要です。
(1) 35文字以内の改行と3-4行ごとの空行で可読性向上
メルマガ本文の読みやすさは、視覚的な構成に大きく依存します。
可読性を高めるポイント:
- 1行あたり35文字以内で改行する
- 3-4行ごとに空行を挟む
- 箇条書きを活用して情報を整理する
- 重要な部分は太字やハイライトで強調する
スマートフォンでの閲覧を想定すると、さらに短めの改行を意識するとよいでしょう。
(2) CTAの配置と行動を促すコピーライティング
CTA(Call to Action)は、読者に求める行動を明確に示す部分です。
効果的なCTAの特徴:
- 行動内容が明確(「詳しくはこちら」より「事例集をダウンロード」)
- ボタン形式で視認性を高める
- 本文中とフッター付近の2箇所に配置
- 1メール1CTAの原則(複数あると迷いが生じる)
CTAの文言例:
- 「無料で資料をダウンロード」
- 「ウェビナーに申し込む」
- 「詳細を確認する」
(3) セグメント配信とパーソナライゼーションの活用
全員に同じ内容を送るよりも、属性や行動履歴に応じて内容を変えることで、反応率の向上が期待できます。
セグメント配信の例:
- 業種別: 製造業向け、IT企業向けなど
- 検討段階別: 情報収集段階、比較検討段階など
- 行動履歴別: 資料ダウンロード済み、未開封者への再送など
MA(マーケティングオートメーション)ツールを導入すると、これらの施策を自動化できますが、運用難易度と費用が上がる点に注意が必要です。
開封率・クリック率を測定・改善する方法
メルマガは配信して終わりではなく、効果測定と改善を繰り返すことで成果を高めていきます。
(1) 設定すべき5つのKPI(配信成功率・開封率・クリック率・コンバージョン率・購読解除率)
メルマガ運用では、以下の5つのKPIを設定するのが一般的です。
| KPI | 内容 | 目安 |
|---|---|---|
| 配信成功率 | エラーにならず届いた割合 | 95%以上が目標 |
| 開封率 | 開封された割合 | 業界平均約30% |
| クリック率(CTR) | リンクがクリックされた割合 | 開封率の約1/10 |
| コンバージョン率 | 目標行動に至った割合 | 目標による |
| 購読解除率 | 配信停止された割合 | 0.1-0.2%以下 |
購読解除率が0.2%を超える場合は、配信頻度や内容の見直しが必要かもしれません。
(2) 配信タイミングの最適化(朝4時が最高、夜9時~朝3時は低い)
配信時間帯によって開封率は変動します。一般的な傾向として、以下が報告されています。
時間帯別の傾向:
- 朝4時: 最も高い開封率(早朝出勤者・朝型の人が開封)
- 午前中(9-11時): ビジネス層の開封が多い
- 夜9時~朝3時: 低い傾向
ただし、これはあくまで一般的な傾向であり、ターゲット層や業界によって最適な時間帯は異なります。自社データに基づいて検証することが重要です。
(参考: WEBCAS「メルマガの開封率を上げる方法とは?」)
(3) A/Bテストによる継続的な改善サイクル
A/Bテストとは、2つのパターンを用意して効果を比較する手法です。
A/Bテストで検証できる要素:
- 件名のパターン(数字あり/なし、疑問形/断定形など)
- 配信時間帯
- CTAの文言・デザイン
- 本文の長さ
A/Bテストの進め方:
- 検証したい仮説を1つ決める
- 2パターンを用意する
- リストをランダムに分割して配信
- 結果を比較し、効果の高いパターンを採用
- 次の仮説を検証
一度に複数の要素を変えると、何が効果に影響したか分からなくなるため、検証は1要素ずつ行うのが基本です。
まとめ:メルマガ運用で成果を上げるための3つのポイント
メルマガで成果を出すためには、以下の3つのポイントを押さえることが重要です。
1. 件名に最も力を入れる 受信者の50%以上が件名で開封を判断します。4Uの原則を意識し、最初の14文字に重要な情報を配置しましょう。
2. 基本構成を理解しテンプレート化する 7要素の基本構成を理解し、テンプレートを活用することで、品質を維持しながら効率的に作成できます。
3. 測定と改善を継続する 配信して終わりではなく、5つのKPIを設定し、A/Bテストで継続的に改善することが成果への近道です。
次のアクション:
- 自社の現在の開封率を業界平均と比較する
- 4Uの原則を意識した件名を3パターン作成してみる
- 次回配信でA/Bテストを実施する
※この記事は2024-2025年時点の情報です。ツールの機能・料金などは変更される可能性があるため、最新情報は各社公式サイトでご確認ください。
