デザイン性の高いHTMLメルマガを作りたい、でも作り方が分からない...
BtoB企業のマーケティング担当者やWeb担当者にとって、「HTMLメールでデザイン性の高いメルマガを配信したいけれど、作り方が分からない」という悩みは少なくありません。テキストメールとの違いや、表示崩れ対策、デザインのコツなど、知っておくべきことは多岐にわたります。
この記事では、HTMLメルマガの基礎知識から作成方法、デザインのコツ、配信時の注意点まで、実践的に解説します。
この記事のポイント:
- HTMLメールは画像・装飾が可能で視覚的訴求力が高く、開封率・クリック率の測定も可能
- 企業の約80%がHTMLメールを採用(2023年調査時点)
- 作成方法は3つ:コーディング、テンプレート活用、エディターツール。初心者はエディターツール推奨
- デザインは「70:25:5の法則」と「レスポンシブ対応」が基本
- 2024年にGmail・Yahoo!メールがセキュリティフィルタを厳格化。配信設定の見直しが必要
HTMLメルマガとは
(1) HTMLメールの定義
HTMLメールとは、HTML(Hypertext Markup Language)形式で作成されたメールです。Webページと同様に、画像・動画の挿入、文字の装飾(色・サイズ・フォント)、自由なレイアウト設計が可能です。
一般的なメルマガの多くはHTMLメール形式で配信されており、視覚的に訴求力のあるコンテンツを届けることができます。
(2) テキストメールとの違い
HTMLメールとテキストメールの違いは以下の通りです。
| 項目 | HTMLメール | テキストメール |
|---|---|---|
| 画像・動画 | 挿入可能 | 不可 |
| 文字装飾 | 色・サイズ・フォント変更可能 | 不可 |
| レイアウト | 自由に設計可能 | 文字のみ(シンプル) |
| 開封率測定 | 可能 | 不可 |
| 容量 | 大きい | 軽い |
| 表示崩れリスク | あり | なし |
| 作成の手間 | かかる | 簡単 |
(3) 使い分けの基準(営業 vs メルマガ)
HTMLメールとテキストメールは、用途によって使い分けることが推奨されます。
HTMLメールが適している場面:
- 企業メルマガ・ニュースレター
- ECサイトの商品案内・キャンペーン告知
- セミナー・イベントの案内
- 開封率・クリック率を測定したい場合
テキストメールが適している場面:
- 営業メール・ビジネス上のやり取り
- 1対1のコミュニケーション
- 表示崩れを避けたい場合
- シンプルな情報伝達
一般的に、営業メールや仕事上のやり取りはテキスト、企業メルマガやショップ案内はHTML形式が主流とされています。
(4) 2024年の利用状況(企業の約80%が採用)
2023年の調査によると、企業の79.7%がHTMLメールを採用しているとされています。また、EC上位50社の61.5%がHTML形式のみで配信しているというデータもあります。
HTMLメールは現在、企業のメルマガ配信において主流の形式となっています。
HTMLメルマガのメリット・デメリット
(1) メリット(視覚的訴求力・開封率測定・情報量)
HTMLメルマガのメリットは以下の通りです。
1. 視覚的訴求力が高い
- 画像・動画で商品・サービスを魅力的に訴求できる
- ブランドカラーやロゴを活用したデザインが可能
- 読者の目を引くレイアウトが作れる
2. 開封率・クリック率を測定可能
- HTMLメールには透明な1×1pxの画像(トラッキングピクセル)を埋め込み可能
- 画像が読み込まれた時点で開封を記録
- 効果検証・改善に活用できるデータを取得
3. 瞬時に多くの情報を伝えられる
- テキストだけでは伝わりにくい情報を視覚的に表現
- 商品画像、グラフ、図解などを活用可能
(2) デメリット(表示崩れリスク・容量の大きさ・作成の手間)
一方で、HTMLメルマガにはデメリットも存在します。
1. 表示崩れのリスク
- 受信環境(Gmail、Outlook、Thunderbird等)により見え方が異なる
- 古いメーラーでは文字化け・表示不可の可能性
2. 容量が大きい
- 画像・動画を多用すると送受信に時間がかかる
- 受信者の通信環境によっては負担になる
3. 作成に手間がかかる
- テキストメールより作成工数がかかる
- デザインスキルが求められる場合がある
(3) テキストメールのメリット・デメリット
比較として、テキストメールのメリット・デメリットも整理します。
テキストメールのメリット:
- 容量が軽く、送受信が速い
- 表示崩れがない(端末依存性が低い)
- 作成が簡単で工数が少ない
テキストメールのデメリット:
- 視覚的訴求力が低い
- 開封率・クリック率の測定が困難
- 情報量が限られる
HTMLメルマガの作成方法
(1) 3つの作成方法(コーディング・テンプレート・エディターツール)
HTMLメルマガの作成方法は主に3つあります。
| 作成方法 | 特徴 | 対象者 |
|---|---|---|
| 自身でコーディング | 自由度が高い、専門知識必要 | エンジニア・コーダー |
| テンプレート活用 | ある程度の自由度、HTMLの基礎知識必要 | Web担当者 |
| エディターツール使用 | ドラッグアンドドロップで簡単 | 初心者・マーケ担当者 |
初心者の方には、HTMLの知識不要で直感的に作成できる「エディターツール」の活用が推奨されます。
(2) 初心者におすすめのエディターツール
HTMLの知識不要でHTMLメールを作成できるツールには、以下のようなものがあります。
エディターツールの例:
- Benchmark Email: 無料プランあり、ドラッグアンドドロップでデザイン
- 配配メール: 国内ベンダー、サポートが充実
- HubSpot: MA機能と連携、無料ツールあり
- Mailchimp: 世界的に利用されるツール、テンプレート豊富
2024年9月には、シナジーマーケティングがHTMLメールを簡単に作成できる機能を追加するなど、ツールの充実が進んでいます。
※ツールの仕様・料金は変更される可能性があります。最新情報は各ツールの公式サイトをご確認ください。
(3) 無料テンプレートの活用
無料のHTMLメールテンプレートを提供しているサイトも多くあります。テンプレートを活用することで、デザインの工数を削減しつつ、一定の品質を保ったメルマガを作成できます。
テンプレート活用のポイント:
- 自社のブランドカラーに合わせてカスタマイズ
- レスポンシブ対応のテンプレートを選ぶ
- 主要メールクライアントで表示確認
デザインのコツ
(1) 70:25:5の法則(色配分)
HTMLメルマガのデザインでは、「70:25:5の法則」を基本に色配分することで統一感のあるデザインが作れます。
70:25:5の法則:
- メインカラー(70%): 背景・ベースとなる色
- サブカラー(25%): 見出し・セクション区切りなど
- アクセントカラー(5%): CTA(ボタン)・強調したい部分
ブランドカラーを基調にしながら、CTAボタンは目立つ色(補色など)を使うことでクリック率向上が期待できます。
(2) レスポンシブデザイン(スマホ対応)
スマホ・タブレットでの閲覧が増加している現在、レスポンシブデザイン(スマホ対応)は必須です。
レスポンシブ対応のポイント:
- 画面サイズに応じてレイアウトが自動調整される設計
- タップしやすいボタンサイズ(最低44×44px推奨)
- 読みやすいフォントサイズ(最低14px推奨)
(3) 横幅の最適化(600px/850px)
HTMLメルマガの横幅は、閲覧環境に応じて最適化することが推奨されます(2024年12月時点)。
推奨横幅:
- スマホ向け: 600px
- PC向け: 850px
※横幅の推奨サイズは端末・画面解像度の進化により変更される可能性があります。
(4) 過度な装飾を避ける(ユーザビリティ優先)
2025年はアニメーション等の最新技術活用が進むと言われていますが、過度な装飾は避け、「読みやすさ」「伝わりやすさ」を最優先することが重要です。
デザインの原則:
- 本質的な情報が伝わることを最優先
- 装飾はメッセージを補完する役割
- アニメーションは慎重に使用(表示崩れ・読み込み速度に注意)
配信時の注意点
(1) 表示崩れ対策(メールクライアント互換性)
HTMLメールは受信環境により表示が異なるため、事前の表示確認が重要です。
主要メールクライアント:
- Gmail(Webmail、アプリ)
- Outlook(デスクトップ、Web)
- Apple Mail
- Thunderbird
- Yahoo!メール
特にOutlookはHTML/CSSの対応が独自仕様のため、表示崩れが起きやすいとされています。配信前に複数の環境でテストすることを推奨します。
(2) スパム判定回避(画像多用を避ける、2024年セキュリティフィルタ厳格化)
2024年にGmailとYahoo!メールがセキュリティフィルタを厳格化しました。スパム判定を避けるための対策が必要です。
スパム判定回避のポイント:
- 画像多用を避ける(画像とテキストのバランスを取る)
- SPF・DKIM・DMARC等のメール認証を設定
- 送信者ドメインの信頼性を高める
- 定期的な配信リストのクリーニング
(3) マルチパート配信(HTML+テキスト両方)の推奨
HTMLメール非対応の古いメーラーや、画像をブロックする設定の受信者に対応するため、マルチパート配信が推奨されます。
マルチパート配信とは:
- HTML形式とテキスト形式の両方を含むメール配信
- 受信環境に応じて自動的に適切な形式が表示される
- 多くのメール配信ツールで対応可能
(4) 開封率・クリック率の効果測定
HTMLメールの大きなメリットである効果測定を活用しましょう。
測定できる主な指標:
- 開封率(Open Rate): 配信数に対する開封数の割合
- クリック率(CTR): 開封数に対するクリック数の割合
- コンバージョン率: クリック後の目標達成率
ただし、画像をブロックするユーザーの開封は測定できないため、開封率は参考値として活用することが適切です。
まとめ:効果的なHTMLメルマガ運用のポイント
HTMLメルマガは視覚的訴求力が高く、効果測定も可能な有効なマーケティング手法です。ただし、表示崩れリスクやスパム判定への対策も必要です。
運用のポイント:
- 初心者はエディターツールを活用して効率的に作成
- デザインは「70:25:5の法則」と「レスポンシブ対応」を基本に
- 2024年のセキュリティフィルタ厳格化に対応した配信設定を
- マルチパート配信で幅広い受信環境に対応
- 開封率・クリック率を測定し、継続的に改善
次のアクション:
- 自社のメルマガ目的と配信対象を整理する
- エディターツールの無料プランで試作してみる
- 主要メールクライアントで表示確認を行う
- SPF・DKIM・DMARC等のメール認証設定を確認する
※この記事の情報は2024年12月時点のものです。ツールの仕様・料金、メールクライアントの対応状況は変更される可能性があるため、最新情報は各公式サイトをご確認ください。
