CRM導入を検討しているけれど、HubSpotとSalesforceのどちらを選べばいいか分からない
B2B企業でCRMの導入または乗り換えを検討する際、最も比較されるのがHubSpotとSalesforceです。「どちらが自社に合っているのか?」「料金体系はどう違うのか?」「導入後の運用はどれくらい大変なのか?」といった疑問を持つ担当者は多いでしょう。
この記事では、HubSpotとSalesforceの機能・料金・使いやすさの違いを、B2B企業のマーケティング・営業責任者向けに公平に解説します。
この記事のポイント:
- HubSpotは統一されたUIで使いやすさを重視、無料プランでスモールスタートが可能
- Salesforceは高い拡張性とカスタマイズ性で複雑なビジネスプロセスに対応
- HubSpotの料金は無料〜月額15ドル/ユーザーから、Salesforceは月額25ドル/ユーザーから
- マーケティング機能はHubSpotが統合型、SalesforceはPardot(月額1,250ドル〜、約18万円、2025年1月時点)を別途導入
- 中小企業にはHubSpot、複雑なワークフローが必要な大企業にはSalesforceが適している傾向
1. HubSpotとSalesforceの比較が重要な理由
CRM市場では、HubSpotとSalesforceが特に注目されています。
(1) CRM市場でのシェア(Salesforce 21.8%、HubSpot急成長)
Salesforceは2024年度、CRM市場シェア21.8%で348.6億ドルの収益を達成し、市場トップを維持しています。一方、HubSpotは2024年度に26億ドルの収益と21.6万社以上の顧客を獲得し、急成長を続けています。
(出典: Datamation「HubSpot CRM vs. Salesforce: Head-To-Head Comparison (2024)」)
(2) 両ツールの基本的なポジショニング
両ツールは、異なるコンセプトで設計されています:
HubSpot:
- 使いやすさと統合性を重視
- マーケティング、営業、カスタマーサービスの各機能が連携しやすいよう設計
- 無料のCRMを提供し、段階的な導入が可能
Salesforce:
- 拡張性とカスタマイズ性を重視
- 企業独自のビジネスプロセスに合わせた柔軟な調整が可能
- 製品ごとに契約し、必要な機能を組み合わせて利用
(出典: 100INC.「HubSpotとSalesforceの違いとは?どちらが自社に最適なのか比較、口コミ、連携のメリットをわかりやすく解説」)
2. 基本機能とアーキテクチャの違い
HubSpotとSalesforceは、設計思想が大きく異なります。
(1) HubSpot:統一されたUIと使いやすさ重視
HubSpotは、統一されたUIにより操作性が高く、専門家なしでも利用できる点が特徴です。マーケティング、営業、カスタマーサービスの各部門が同じプラットフォーム上で連携できるため、データの統合がスムーズです。
主な特徴:
- 直感的なUI設計で専門トレーニングが不要
- 無料のCRMを基盤に、必要に応じて機能を追加
- リードジェネレーション(見込み客獲得)機能が充実
(出典: 100INC.「HubSpotとSalesforceの違いとは?どちらが自社に最適なのか比較、口コミ、連携のメリットをわかりやすく解説」)
(2) Salesforce:高い拡張性とカスタマイズ性
Salesforceは、カスタマイズ性が高く、企業独自のビジネスプロセスに合わせた調整が可能です。ただし、カスタマイズには専門知識が必要なため、導入後も専門の管理部署やトレーニングが必要になることが一般的です。
主な特徴:
- AppExchangeで5,246以上の統合が利用可能(2024年)
- 複雑な営業プロセスや顧客情報の詳細管理に対応
- エンタープライズ向けの高度な分析・レポート機能
(出典: HubSpot公式「Salesforce Sales Cloud vs HubSpot | Why HubSpot is the Best Alternative」)
(3) マーケティング機能の違い(HubSpot統合型 vs Salesforce Pardot別途導入)
マーケティングオートメーション(MA)機能の提供方法が異なります:
HubSpot:
- MA機能がCRMに統合されており、追加コストなしで利用可能
- メール配信、リードスコアリング、フォーム作成などが一体化
Salesforce:
- MA機能はPardot(現Marketing Cloud Account Engagement)を別途導入する必要
- Pardotの料金は月額1,250ドル(約18万円、2025年1月時点)から(1万コンタクトまで)
(出典: GMOサイン「SalesforceとHubSpotの違いを9項目で比較!機能や料金、CRMツールの選び方を解説」)
3. 料金体系の比較
料金体系は両ツールで大きく異なります。
(1) HubSpot:無料プランと段階的な料金体系
HubSpotは、無料プラン(5ユーザーまで)を提供しており、段階的に機能を追加できます。
料金プラン:
- 無料プラン: 5ユーザーまで、基本的なCRM機能
- Starter: 月額15ドル/ユーザーから
- Professional: 月額90ドル/ユーザーから(Breeze AI機能を含む)
- Enterprise: 月額150ドル/ユーザーから
(出典: Zapier「HubSpot vs. Salesforce: Which is right for you? [2025]」)
(2) Salesforce:エディション別の料金プラン
Salesforceは、エディション別の料金プランを提供しています。無料プランはなく、30日間の無料トライアルのみです。
料金プラン:
- Essentials: 月額25ドル/ユーザーから(小規模企業向け)
- Professional: 月額80ドル/ユーザーから
- Enterprise: 月額165ドル/ユーザーから
- Unlimited: 月額330ドル/ユーザーから
※マーケティング機能(Pardot)は別途月額1,250ドル(約18万円、2025年1月時点)から
(出典: Salesforce公式「Salesforce vs Hubspot for Sales & Marketing」)
(3) AI機能の価格差(HubSpot月額90ドル vs Salesforce月額500ドル)
AI機能の価格には大きな差があります:
HubSpot Breeze AI:
- Professionalプランで月額90ドル/ユーザー
- メール生成、リードスコアリング、予測分析などを提供
Salesforce Einstein 1 Sales:
- 月額500ドル/ユーザー
- 高度な予測分析、推奨アクション、インサイト生成を提供
(出典: Salesforce公式「Salesforce vs Hubspot for Sales & Marketing」)
※2025年1月時点の料金です。最新情報は各社公式サイトでご確認ください。
4. 機能・使いやすさの比較
実務で重要な操作性や統合機能を比較します。
(1) 操作性とトレーニング要否(HubSpot直感的 vs Salesforce専門トレーニング必要)
HubSpot:
- 直感的なUIで専門トレーニングが不要
- オンボーディングが簡単で、短期間で利用開始可能
- ユーザー評価: Gartner Peer Insightsで4.5星(348レビュー、2024年)
Salesforce:
- UIや機能が複雑で、専門トレーニングが推奨される
- 中小企業やノウハウ・経験者がいない企業には導入が難しい
- ユーザー評価: Gartner Peer Insightsで4.4星(145レビュー、2024年)
(出典: Resonatehq「HubSpot vs Salesforce: A Comprehensive Comparison for 2025」)
(2) 統合機能(Salesforce 5,246統合 vs HubSpot 1,840統合)
既存システムとの連携数を比較すると:
Salesforce AppExchange:
- 5,246以上の統合(2024年)
- エンタープライズ向けの高度な統合が充実
HubSpot App Marketplace:
- 1,840以上の統合(2024年)
- 主要なマーケティング・営業ツールとの統合が充実
(出典: HubSpot公式「Salesforce Sales Cloud vs HubSpot | Why HubSpot is the Best Alternative」)
(3) カスタマイズの自由度と必要スキル
HubSpot:
- 使いやすさを重視した設計のため、カスタマイズの自由度は限定的
- 複雑なビジネスプロセスには対応しきれない場合がある
Salesforce:
- 高い拡張性で、ほぼすべての要件に対応可能
- カスタマイズには専門知識(Salesforce認定資格保有者など)が必要
- 初期導入費用15万円から、カスタマイズにより数百万円規模になる可能性
(出典: Magic Moment「Salesforce と HubSpot の違いを徹底比較 自社のビジネスに適切な CRM は?」)
5. 企業規模・業態別の向き不向き
どちらのCRMが適しているかは、企業の状況により異なります。
(1) 中小企業:HubSpotのメリット(無料プラン、使いやすさ、コスト)
中小企業にHubSpotが適している理由:
- 無料プラン(5ユーザーまで)でスモールスタート可能
- 専門知識不要で短期間に導入・運用開始
- 月額15ドル/ユーザーからと、初期コストを抑えられる
- マーケティング機能が統合されており、追加コストなし
(出典: Zapier「HubSpot vs. Salesforce: Which is right for you? [2025]」)
(2) 大企業:Salesforceのメリット(カスタマイズ性、複雑なプロセス対応)
大企業にSalesforceが適している理由:
- 複雑な営業プロセスや承認フローに柔軟に対応
- 高度な分析・レポート機能で大量データを処理
- AppExchangeで5,000以上の統合を活用可能
- エンタープライズ向けのセキュリティ・ガバナンス機能
(出典: GMOサイン「SalesforceとHubSpotの違いを9項目で比較!機能や料金、CRMツールの選び方を解説」)
(3) 両ツールの連携活用という選択肢
どちらか一方を選ぶのではなく、両方を連携して活用するという選択肢もあります:
連携のメリット:
- HubSpotでマーケティング活動(リード獲得・育成)を実施
- Salesforceで営業活動(商談管理・顧客管理)を実施
- データを双方向で同期し、マーケティング〜営業のプロセスを統合
(出典: 100INC.「HubSpotとSalesforceの違いとは?どちらが自社に最適なのか比較、口コミ、連携のメリットをわかりやすく解説」)
6. まとめ:自社に適したCRMの選び方
HubSpotとSalesforceは、それぞれ異なる強みを持つCRMです。
HubSpotが適している企業:
- 中小企業で、無料プランまたは低コストでスタートしたい
- 専門知識が限られており、直感的なUIを重視する
- マーケティング機能を統合的に活用したい
- 短期間でCRMを導入・運用開始したい
Salesforceが適している企業:
- 大企業で、複雑な営業プロセスや承認フローがある
- 高度なカスタマイズや拡張性を重視する
- 専門の管理部署やSalesforce認定資格保有者がいる
- 既存システムとの高度な統合が必要
次のアクション:
- 自社の予算・企業規模・ビジネスプロセスの複雑さを整理する
- HubSpotの無料プラン、Salesforceの30日間無料トライアルで実際の操作性を試す
- 導入・運用コストを長期的に見積もる(カスタマイズ費用・トレーニング費用を含む)
- 社内のスキルセットと運用体制を確認する
- 必要に応じて両ツールの連携活用も検討する
自社に合ったCRMで、営業・マーケティング活動の効率化を実現しましょう。
