MAツールの導入を検討しているけれど、HubSpotは自社に合うのか?
マーケティング活動を効率化したいB2B企業の多くが、MAツール(マーケティングオートメーション)の導入を検討しています。その中でも特に注目されているのがHubSpotですが、「他のMAツールと何が違うの?」「料金体系はどうなっている?」「自社に合うのか?」といった疑問を持つ方が少なくありません。
この記事では、HubSpotのMAツール機能を客観的に解説し、特徴・料金・他ツールとの違い、そして導入に向いている企業の特徴を詳しく紹介します。
この記事のポイント:
- HubSpotは世界120か国以上18万社が利用し、アジアで導入No.1のMAツールとして成長中
- CRM・SFA・MA・CMS・Operationsがオールインワンで一元管理でき、ツール切替不要
- ドラッグ&ドロップで操作可能、専門知識やITノウハウ不要で使いやすい
- 無料プラン(最大5ユーザー)から段階的に導入でき、リスクを抑えられる
- 料金はシート数とマーケティングコンタクト数で変動、2024年3月に価格改訂済み
- HubSpot=中小企業向け、Marketo=中堅企業向け、Pardot=大企業向けという棲み分け
- 日本企業の導入事例では、WEBトラフィック3倍、問い合わせ5.5倍、MRR5倍などの成果あり
1. MAツール選定の重要性とHubSpot
(1) BtoBマーケティングにおけるMAツールの役割
MA(マーケティングオートメーション)とは、リード獲得から育成、営業部門への引き渡しまでのプロセスを効率化するツールです。以下のような機能を提供します:
- リード獲得(ランディングページ、フォーム作成)
- リード育成(メール配信、リードスコアリング)
- 営業連携(商談化、SFA連携)
- 分析・レポート(ROI測定、行動分析)
B2B企業では、リード数が増えるとマニュアル管理が限界を迎えます。MAツールを導入することで、見込み客の行動を自動で追跡し、購買意欲の高い顧客を特定して営業に引き渡すことができます。
(2) HubSpotの市場ポジション(世界120か国18万社、アジアNo.1)
HubSpotは2023年11月時点で世界120か国以上18万社が利用しており、アジアで導入No.1のMAツールとして成長しています(出典: ferret One「HubSpot(ハブスポット)とは? 評判と機能を解説」)。
特に中小企業から中堅企業にかけて支持されており、使いやすさとオールインワン性が評価されています。また、無料CRMを提供しており、初期投資を抑えながら段階的に導入できる点も大きな特徴です。
2. HubSpotとMAツールの基礎知識
(1) HubSpotとは(インバウンドマーケティングプラットフォーム)
HubSpotは、米国HubSpot社が提供するインバウンドマーケティングプラットフォームです。インバウンドマーケティングとは、コンテンツで顧客を惹きつけ、自然に購買につなげるマーケティング手法を指します。HubSpotはこの手法を提唱し、ツールとして具現化しています。
(2) MAツールの基本機能
MAツールには一般的に以下の機能があります:
基本機能:
- メール配信(セグメント別、自動配信)
- リードスコアリング(見込み客の購買意欲を数値化)
- ワークフロー自動化(条件分岐で自動アクション実行)
- フォーム・ランディングページ作成
上位機能:
- ABテスト(メール・ページの最適化)
- カスタムレポート(詳細な分析)
- SNS管理(投稿スケジュール、エンゲージメント測定)
- CRM・SFA連携(営業部門との情報共有)
(3) CRM・SFA・MA・CMS・Operationsの一元管理
HubSpotの最大の特徴は、オールインワンプラットフォームであることです。以下の5つのHubを提供しており、ツールを切り替えずに一元管理できます:
- Marketing Hub: MA機能(メール配信、リードスコアリング等)
- Sales Hub: SFA機能(営業支援、案件管理等)
- Service Hub: カスタマーサービス機能(問い合わせ管理等)
- CMS Hub: コンテンツ管理システム(Webサイト構築)
- Operations Hub: データ統合・自動化
これらを統合したCustomer Platform(旧CRM Suite)を契約すれば、各Hub単体よりも安く多くの機能を利用できます。
(4) インバウンドマーケティングの考え方
インバウンドマーケティングは、従来の「プッシュ型」営業(テレアポ、飛び込み営業)ではなく、「プル型」で顧客を惹きつける手法です:
- Attract(惹きつける): SEO・ブログ・SNSで潜在顧客を集める
- Engage(関係構築): メール・コンテンツで信頼関係を築く
- Delight(満足させる): 購入後もサポート・情報提供を続ける
HubSpotはこの3段階を支援するツールとして設計されています。
3. HubSpot Marketing Hubの主な機能と特徴
(1) メール配信・リードスコアリング・ワークフロー自動化
メール配信:
- セグメント別にメール配信(役職・業種・行動履歴でセグメント)
- パーソナライゼーション(名前・企業名を自動挿入)
- ABテスト(件名・本文を複数パターンでテスト)
リードスコアリング:
- 見込み客の行動(ページ閲覧、メール開封、資料ダウンロード)を数値化
- 購買意欲の高い顧客を自動で特定
ワークフロー自動化:
- 条件分岐でアクションを自動実行(例: 資料ダウンロード後に自動でフォローメール送信)
- 営業部門への通知(スコアが一定以上になったら営業に通知)
(2) ランディングページ・フォーム・SNS管理
ランディングページ:
- ドラッグ&ドロップでページ作成(コーディング不要)
- ABテストで最適化
フォーム:
- 問い合わせフォーム、資料請求フォームを簡単作成
- 入力情報を自動でCRMに登録
SNS管理:
- Facebook・Twitter・LinkedInの投稿をHubSpotから一括管理
- エンゲージメント(いいね・シェア)を測定
(3) AI機能(Breeze Agents、Data Hub)
2025年10月に発表された最新アップデートでは、AI機能が大幅に強化されています(出典: MarTech「October 2025 HubSpot updates include faster files, cleaner data and smarter AI」):
- Breeze Agents: 18種類のAIエージェントがマーケティング・セールス業務を支援
- Data Hub: 外部データを統合し、AI活用でデータクレンジング・分析を自動化
- AI-powered CPQ機能: 見積もり作成を自動化(Commerce Hub)
これらのAI機能により、手作業を大幅に削減し、データドリブンな意思決定を支援します。
(4) ドラッグ&ドロップ操作(専門知識不要)
HubSpotは専門知識やITノウハウが不要で、ドラッグ&ドロップで操作可能です。HTMLやCSSの知識がなくても、ランディングページ・メール・フォームを作成でき、マーケティング担当者が自力で運用できる点が大きなメリットです。
(5) メリットとデメリット(使いやすさ vs 料金変動リスク)
メリット:
- 使いやすさ(ドラッグ&ドロップ、直感的UI)
- オールインワン(CRM・SFA・MA・CMS・Operationsを一元管理)
- 無料プランから始められる(リスク低)
- 段階的に拡張可能(Starter→Professional→Enterprise)
- 豊富な導入事例と日本語サポート
デメリット:
- シート数とマーケティングコンタクト数に応じて料金が変動し、利用規模拡大で大幅な追加費用が発生する可能性
- 2024年3月に価格改訂実施、今後も料金体系が変更される可能性あり
- 無料プランは5ユーザーまで、本格的なMA運用にはProfessional以上が必要な場合が多い
- 2025年9月に200以上の製品アップデートがあり、機能・料金体系が複雑化
4. HubSpotの料金プランと他のMAツールとの比較
(1) 料金プラン(無料・Starter・Professional・Enterprise)
HubSpotは4つの料金プランを提供しています(出典: HubSpot公式「マーケティングソフトウェアの価格表」):
無料プラン:
- 最大5ユーザー
- 基本的なCRM、メール配信、フォーム機能
- クレジットカード登録不要
Starter:
- 月額数万円〜(シート数・コンタクト数で変動)
- メール配信上限拡大、ABテスト、カスタムレポート
Professional:
- 月額10万円〜(シート数・コンタクト数で変動)
- 高度な自動化、リードスコアリング、カスタムワークフロー
Enterprise:
- 月額数十万円〜(シート数・コンタクト数で変動)
- エンタープライズ機能(高度なカスタマイズ、専任サポート、SSO等)
(2) シート数とマーケティングコンタクト数による課金
HubSpotの料金は「シート数(ユーザー数)」と「マーケティングコンタクト数(メール配信対象の顧客数)」に応じて変動します。利用規模が拡大すると、追加費用が発生するため、事前に見積もりを確認することが重要です。
(3) Customer Platform(Suite)のコスパ
Customer Platform(旧CRM Suite)は、Marketing Hub・Sales Hub・Service Hub・CMS Hub・Operations Hubを統合したパッケージプランです。各Hub単体で契約するよりも安く、多くの機能を利用できるため、複数部門で活用する企業にはコスパが良い選択肢です。
(4) 他ツール比較(HubSpot vs Marketo vs Pardot vs SATORI)
主要MAツールの比較(出典: BOXIL Magazine「MAツールのAccount Engagement(旧 Pardot)・Adobe Marketo Engage・HubSpot・SATORIを比較」):
HubSpot:
- ターゲット: 中小企業向け
- 特徴: 使いやすさ、オールインワン
- 料金: 無料〜月額数十万円
Adobe Marketo Engage:
- ターゲット: 中堅企業向け
- 特徴: 高度なマーケティング自動化、詳細な分析
- 料金: 月額数十万円〜
Account Engagement(旧 Pardot):
- ターゲット: 大企業向け
- 特徴: Salesforce連携が強み
- 料金: 月額数十万円〜
SATORI:
- ターゲット: 国内中小企業向け
- 特徴: 日本語サポート充実、匿名リード管理
- 料金: 月額10万円〜
(5) ターゲット企業規模(HubSpot=中小企業、Marketo=中堅、Pardot=大企業)
MAツールはターゲット企業規模によって棲み分けがあります:
- 小規模企業(従業員50人未満): HubSpot無料〜Starter、SATORI
- 中小企業(従業員50〜300人): HubSpot Professional、SATORI
- 中堅企業(従業員300〜1,000人): HubSpot Enterprise、Adobe Marketo Engage
- 大企業(従業員1,000人以上): Account Engagement(旧 Pardot)、Adobe Marketo Engage
自社の規模と必要機能を明確にし、適切なツールを選定することが重要です。
5. 導入事例とHubSpotに向いている企業
(1) 日本企業の導入事例(WEBトラフィック3倍、問い合わせ5.5倍、MRR5倍)
日本企業のHubSpot導入事例では、以下のような成果が報告されています(出典: 営業DX.jp「HubSpotの導入事例10選!利用の背景や成果を詳しく紹介!」):
- A社: WEBトラフィック3倍に増加
- B社: 問い合わせ数5.5倍に増加
- C社: MRR(月次経常収益)5倍に成長
ただし、これらの成果は企業規模・業種・運用体制により異なります。段階的に導入し、PDCAサイクルを回すことで効果を最大化することが推奨されます。
(2) 導入に向いている企業の特徴
HubSpotは以下のような企業に適しています:
- 中小企業から中堅企業(従業員50〜500人)
- 初めてMAツールを導入する企業(使いやすさ重視)
- オールインワンでツールを統合したい企業(CRM・SFA・MA・CMS・Operationsを一元管理)
- 段階的に導入したい企業(無料プランからスタート可能)
- インバウンドマーケティングに取り組みたい企業(コンテンツ・SEO重視)
(3) 段階的導入の推奨(無料CRM→Starter→Professional)
HubSpotは無料プランから始めて、段階的に有料プランへ移行できます:
ステップ1: 無料CRMで試す
- 5ユーザーまで無料、基本機能を試す
- クレジットカード登録不要、リスクゼロ
ステップ2: Starter導入
- メール配信上限拡大、ABテスト、カスタムレポートを活用
- 月額数万円でコストを抑える
ステップ3: Professional導入
- 本格的なMA運用(高度な自動化、リードスコアリング、カスタムワークフロー)
- ROIを測定し、さらに上位プランへの移行を検討
(4) 導入・運用プロセスのフェーズ別ガイド
HubSpot導入は以下のフェーズで進めることが推奨されます(出典: 才流「HubSpot Marketing Hubの導入・実装・運用プロセスをフェーズ別に解説」):
フェーズ1: 準備(1〜2ヶ月)
- 現状分析、目標設定、ペルソナ定義
- HubSpot無料プランで操作性確認
フェーズ2: 導入(2〜3ヶ月)
- CRM設定、既存データ移行
- ランディングページ・フォーム・メール配信設定
フェーズ3: 運用開始(3ヶ月〜)
- リード獲得・育成施策を実行
- 効果測定、PDCAサイクル
6. まとめ:導入判断のポイント
HubSpotは、中小企業から中堅企業向けのMAツールとして、使いやすさとオールインワン性が大きな強みです。無料プランから段階的に導入でき、リスクを抑えながら効果を確認できます。
ただし、料金はシート数とマーケティングコンタクト数で変動するため、利用規模拡大に伴う追加費用を事前に把握することが重要です。また、無料プランと有料プランの機能差が大きいため、本格的なMA運用にはProfessional以上のプランが必要な場合が多い点にも注意が必要です。
他のMAツール(Marketo、Pardot、SATORI)と比較し、自社の規模・予算・必要機能を明確にした上で、適切なツールを選定しましょう。
次のアクション:
- HubSpot無料プランに登録し、実際に操作性を試す
- 自社の目標(月間リード獲得数、問い合わせ数)を明確にする
- Customer Platform(Suite)を含む見積もりを公式サイトで確認する
- 他のMAツール(Marketo、Pardot、SATORI)と比較し、3〜5社に絞る
- 導入事例を参考に、自社の業種・規模で成果が出ているツールを選定する
- 段階的導入計画を立てる(無料CRM→Starter→Professional)
※この記事は2024年11月時点の情報です。HubSpotの料金・機能は頻繁に更新されるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。
