HubSpotのMAツール機能を徹底解説|特徴・料金・導入に向いている企業とは

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/14

MAツールの導入を検討しているけれど、HubSpotは自社に合うのか?

マーケティング活動を効率化したいB2B企業の多くが、MAツール(マーケティングオートメーション)の導入を検討しています。その中でも特に注目されているのがHubSpotですが、「他のMAツールと何が違うの?」「料金体系はどうなっている?」「自社に合うのか?」といった疑問を持つ方が少なくありません。

この記事では、HubSpotのMAツール機能を客観的に解説し、特徴・料金・他ツールとの違い、そして導入に向いている企業の特徴を詳しく紹介します。

この記事のポイント:

  • HubSpotは世界120か国以上18万社が利用し、アジアで導入No.1のMAツールとして成長中
  • CRM・SFA・MA・CMS・Operationsがオールインワンで一元管理でき、ツール切替不要
  • ドラッグ&ドロップで操作可能、専門知識やITノウハウ不要で使いやすい
  • 無料プラン(最大5ユーザー)から段階的に導入でき、リスクを抑えられる
  • 料金はシート数とマーケティングコンタクト数で変動、2024年3月に価格改訂済み
  • HubSpot=中小企業向け、Marketo=中堅企業向け、Pardot=大企業向けという棲み分け
  • 日本企業の導入事例では、WEBトラフィック3倍、問い合わせ5.5倍、MRR5倍などの成果あり

1. MAツール選定の重要性とHubSpot

(1) BtoBマーケティングにおけるMAツールの役割

MA(マーケティングオートメーション)とは、リード獲得から育成、営業部門への引き渡しまでのプロセスを効率化するツールです。以下のような機能を提供します:

  • リード獲得(ランディングページ、フォーム作成)
  • リード育成(メール配信、リードスコアリング)
  • 営業連携(商談化、SFA連携)
  • 分析・レポート(ROI測定、行動分析)

B2B企業では、リード数が増えるとマニュアル管理が限界を迎えます。MAツールを導入することで、見込み客の行動を自動で追跡し、購買意欲の高い顧客を特定して営業に引き渡すことができます。

(2) HubSpotの市場ポジション(世界120か国18万社、アジアNo.1)

HubSpotは2023年11月時点で世界120か国以上18万社が利用しており、アジアで導入No.1のMAツールとして成長しています(出典: ferret One「HubSpot(ハブスポット)とは? 評判と機能を解説」)。

特に中小企業から中堅企業にかけて支持されており、使いやすさとオールインワン性が評価されています。また、無料CRMを提供しており、初期投資を抑えながら段階的に導入できる点も大きな特徴です。

2. HubSpotとMAツールの基礎知識

(1) HubSpotとは(インバウンドマーケティングプラットフォーム)

HubSpotは、米国HubSpot社が提供するインバウンドマーケティングプラットフォームです。インバウンドマーケティングとは、コンテンツで顧客を惹きつけ、自然に購買につなげるマーケティング手法を指します。HubSpotはこの手法を提唱し、ツールとして具現化しています。

(2) MAツールの基本機能

MAツールには一般的に以下の機能があります:

基本機能:

  • メール配信(セグメント別、自動配信)
  • リードスコアリング(見込み客の購買意欲を数値化)
  • ワークフロー自動化(条件分岐で自動アクション実行)
  • フォーム・ランディングページ作成

上位機能:

  • ABテスト(メール・ページの最適化)
  • カスタムレポート(詳細な分析)
  • SNS管理(投稿スケジュール、エンゲージメント測定)
  • CRM・SFA連携(営業部門との情報共有)

(3) CRM・SFA・MA・CMS・Operationsの一元管理

HubSpotの最大の特徴は、オールインワンプラットフォームであることです。以下の5つのHubを提供しており、ツールを切り替えずに一元管理できます:

  • Marketing Hub: MA機能(メール配信、リードスコアリング等)
  • Sales Hub: SFA機能(営業支援、案件管理等)
  • Service Hub: カスタマーサービス機能(問い合わせ管理等)
  • CMS Hub: コンテンツ管理システム(Webサイト構築)
  • Operations Hub: データ統合・自動化

これらを統合したCustomer Platform(旧CRM Suite)を契約すれば、各Hub単体よりも安く多くの機能を利用できます。

(4) インバウンドマーケティングの考え方

インバウンドマーケティングは、従来の「プッシュ型」営業(テレアポ、飛び込み営業)ではなく、「プル型」で顧客を惹きつける手法です:

  • Attract(惹きつける): SEO・ブログ・SNSで潜在顧客を集める
  • Engage(関係構築): メール・コンテンツで信頼関係を築く
  • Delight(満足させる): 購入後もサポート・情報提供を続ける

HubSpotはこの3段階を支援するツールとして設計されています。

3. HubSpot Marketing Hubの主な機能と特徴

(1) メール配信・リードスコアリング・ワークフロー自動化

メール配信:

  • セグメント別にメール配信(役職・業種・行動履歴でセグメント)
  • パーソナライゼーション(名前・企業名を自動挿入)
  • ABテスト(件名・本文を複数パターンでテスト)

リードスコアリング:

  • 見込み客の行動(ページ閲覧、メール開封、資料ダウンロード)を数値化
  • 購買意欲の高い顧客を自動で特定

ワークフロー自動化:

  • 条件分岐でアクションを自動実行(例: 資料ダウンロード後に自動でフォローメール送信)
  • 営業部門への通知(スコアが一定以上になったら営業に通知)

(2) ランディングページ・フォーム・SNS管理

ランディングページ:

  • ドラッグ&ドロップでページ作成(コーディング不要)
  • ABテストで最適化

フォーム:

  • 問い合わせフォーム、資料請求フォームを簡単作成
  • 入力情報を自動でCRMに登録

SNS管理:

  • Facebook・Twitter・LinkedInの投稿をHubSpotから一括管理
  • エンゲージメント(いいね・シェア)を測定

(3) AI機能(Breeze Agents、Data Hub)

2025年10月に発表された最新アップデートでは、AI機能が大幅に強化されています(出典: MarTech「October 2025 HubSpot updates include faster files, cleaner data and smarter AI」):

  • Breeze Agents: 18種類のAIエージェントがマーケティング・セールス業務を支援
  • Data Hub: 外部データを統合し、AI活用でデータクレンジング・分析を自動化
  • AI-powered CPQ機能: 見積もり作成を自動化(Commerce Hub)

これらのAI機能により、手作業を大幅に削減し、データドリブンな意思決定を支援します。

(4) ドラッグ&ドロップ操作(専門知識不要)

HubSpotは専門知識やITノウハウが不要で、ドラッグ&ドロップで操作可能です。HTMLやCSSの知識がなくても、ランディングページ・メール・フォームを作成でき、マーケティング担当者が自力で運用できる点が大きなメリットです。

(5) メリットとデメリット(使いやすさ vs 料金変動リスク)

メリット:

  • 使いやすさ(ドラッグ&ドロップ、直感的UI)
  • オールインワン(CRM・SFA・MA・CMS・Operationsを一元管理)
  • 無料プランから始められる(リスク低)
  • 段階的に拡張可能(Starter→Professional→Enterprise)
  • 豊富な導入事例と日本語サポート

デメリット:

  • シート数とマーケティングコンタクト数に応じて料金が変動し、利用規模拡大で大幅な追加費用が発生する可能性
  • 2024年3月に価格改訂実施、今後も料金体系が変更される可能性あり
  • 無料プランは5ユーザーまで、本格的なMA運用にはProfessional以上が必要な場合が多い
  • 2025年9月に200以上の製品アップデートがあり、機能・料金体系が複雑化

4. HubSpotの料金プランと他のMAツールとの比較

(1) 料金プラン(無料・Starter・Professional・Enterprise)

HubSpotは4つの料金プランを提供しています(出典: HubSpot公式「マーケティングソフトウェアの価格表」):

無料プラン:

  • 最大5ユーザー
  • 基本的なCRM、メール配信、フォーム機能
  • クレジットカード登録不要

Starter:

  • 月額数万円〜(シート数・コンタクト数で変動)
  • メール配信上限拡大、ABテスト、カスタムレポート

Professional:

  • 月額10万円〜(シート数・コンタクト数で変動)
  • 高度な自動化、リードスコアリング、カスタムワークフロー

Enterprise:

  • 月額数十万円〜(シート数・コンタクト数で変動)
  • エンタープライズ機能(高度なカスタマイズ、専任サポート、SSO等)

(2) シート数とマーケティングコンタクト数による課金

HubSpotの料金は「シート数(ユーザー数)」と「マーケティングコンタクト数(メール配信対象の顧客数)」に応じて変動します。利用規模が拡大すると、追加費用が発生するため、事前に見積もりを確認することが重要です。

(3) Customer Platform(Suite)のコスパ

Customer Platform(旧CRM Suite)は、Marketing Hub・Sales Hub・Service Hub・CMS Hub・Operations Hubを統合したパッケージプランです。各Hub単体で契約するよりも安く、多くの機能を利用できるため、複数部門で活用する企業にはコスパが良い選択肢です。

(4) 他ツール比較(HubSpot vs Marketo vs Pardot vs SATORI)

主要MAツールの比較(出典: BOXIL Magazine「MAツールのAccount Engagement(旧 Pardot)・Adobe Marketo Engage・HubSpot・SATORIを比較」):

HubSpot:

  • ターゲット: 中小企業向け
  • 特徴: 使いやすさ、オールインワン
  • 料金: 無料〜月額数十万円

Adobe Marketo Engage:

  • ターゲット: 中堅企業向け
  • 特徴: 高度なマーケティング自動化、詳細な分析
  • 料金: 月額数十万円〜

Account Engagement(旧 Pardot):

  • ターゲット: 大企業向け
  • 特徴: Salesforce連携が強み
  • 料金: 月額数十万円〜

SATORI:

  • ターゲット: 国内中小企業向け
  • 特徴: 日本語サポート充実、匿名リード管理
  • 料金: 月額10万円〜

(5) ターゲット企業規模(HubSpot=中小企業、Marketo=中堅、Pardot=大企業)

MAツールはターゲット企業規模によって棲み分けがあります:

  • 小規模企業(従業員50人未満): HubSpot無料〜Starter、SATORI
  • 中小企業(従業員50〜300人): HubSpot Professional、SATORI
  • 中堅企業(従業員300〜1,000人): HubSpot Enterprise、Adobe Marketo Engage
  • 大企業(従業員1,000人以上): Account Engagement(旧 Pardot)、Adobe Marketo Engage

自社の規模と必要機能を明確にし、適切なツールを選定することが重要です。

5. 導入事例とHubSpotに向いている企業

(1) 日本企業の導入事例(WEBトラフィック3倍、問い合わせ5.5倍、MRR5倍)

日本企業のHubSpot導入事例では、以下のような成果が報告されています(出典: 営業DX.jp「HubSpotの導入事例10選!利用の背景や成果を詳しく紹介!」):

  • A社: WEBトラフィック3倍に増加
  • B社: 問い合わせ数5.5倍に増加
  • C社: MRR(月次経常収益)5倍に成長

ただし、これらの成果は企業規模・業種・運用体制により異なります。段階的に導入し、PDCAサイクルを回すことで効果を最大化することが推奨されます。

(2) 導入に向いている企業の特徴

HubSpotは以下のような企業に適しています:

  • 中小企業から中堅企業(従業員50〜500人)
  • 初めてMAツールを導入する企業(使いやすさ重視)
  • オールインワンでツールを統合したい企業(CRM・SFA・MA・CMS・Operationsを一元管理)
  • 段階的に導入したい企業(無料プランからスタート可能)
  • インバウンドマーケティングに取り組みたい企業(コンテンツ・SEO重視)

(3) 段階的導入の推奨(無料CRM→Starter→Professional)

HubSpotは無料プランから始めて、段階的に有料プランへ移行できます:

ステップ1: 無料CRMで試す

  • 5ユーザーまで無料、基本機能を試す
  • クレジットカード登録不要、リスクゼロ

ステップ2: Starter導入

  • メール配信上限拡大、ABテスト、カスタムレポートを活用
  • 月額数万円でコストを抑える

ステップ3: Professional導入

  • 本格的なMA運用(高度な自動化、リードスコアリング、カスタムワークフロー)
  • ROIを測定し、さらに上位プランへの移行を検討

(4) 導入・運用プロセスのフェーズ別ガイド

HubSpot導入は以下のフェーズで進めることが推奨されます(出典: 才流「HubSpot Marketing Hubの導入・実装・運用プロセスをフェーズ別に解説」):

フェーズ1: 準備(1〜2ヶ月)

  • 現状分析、目標設定、ペルソナ定義
  • HubSpot無料プランで操作性確認

フェーズ2: 導入(2〜3ヶ月)

  • CRM設定、既存データ移行
  • ランディングページ・フォーム・メール配信設定

フェーズ3: 運用開始(3ヶ月〜)

  • リード獲得・育成施策を実行
  • 効果測定、PDCAサイクル

6. まとめ:導入判断のポイント

HubSpotは、中小企業から中堅企業向けのMAツールとして、使いやすさとオールインワン性が大きな強みです。無料プランから段階的に導入でき、リスクを抑えながら効果を確認できます。

ただし、料金はシート数とマーケティングコンタクト数で変動するため、利用規模拡大に伴う追加費用を事前に把握することが重要です。また、無料プランと有料プランの機能差が大きいため、本格的なMA運用にはProfessional以上のプランが必要な場合が多い点にも注意が必要です。

他のMAツール(Marketo、Pardot、SATORI)と比較し、自社の規模・予算・必要機能を明確にした上で、適切なツールを選定しましょう。

次のアクション:

  • HubSpot無料プランに登録し、実際に操作性を試す
  • 自社の目標(月間リード獲得数、問い合わせ数)を明確にする
  • Customer Platform(Suite)を含む見積もりを公式サイトで確認する
  • 他のMAツール(Marketo、Pardot、SATORI)と比較し、3〜5社に絞る
  • 導入事例を参考に、自社の業種・規模で成果が出ているツールを選定する
  • 段階的導入計画を立てる(無料CRM→Starter→Professional)

※この記事は2024年11月時点の情報です。HubSpotの料金・機能は頻繁に更新されるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q1HubSpotの料金体系はどうなっていますか?

A1無料プラン(最大5ユーザー、基本機能)と3段階の有料プラン(Starter・Professional・Enterprise)があります。料金はシート数とマーケティングコンタクト数に応じて変動します。Customer Platform(Suite)は各Hub単体より安く多くの機能を利用できます。2024年3月に価格改訂済みで、最新情報は公式サイトで確認してください。

Q2HubSpotと他のMAツール(Marketo、Pardot)との違いは何ですか?

A2HubSpotは中小企業向けで、使いやすさとオールインワン性が特徴です。Marketo(Adobe Marketo Engage)は中堅企業向けで高度なマーケティング自動化を提供します。Pardot(Account Engagement)は大企業向けでSalesforce連携が強みです。各ツールはターゲット企業規模と機能の複雑さが異なります。

Q3無料プランと有料プランの違いは何ですか?

A3無料プランは5ユーザーまで利用でき、基本的なCRM・メール配信・フォーム機能を提供します。クレジットカード登録も不要です。有料プランでは高度な自動化・分析・ABテスト・カスタムレポート・優先サポートが利用できます。本格的なMA運用にはProfessional以上が必要な場合が多いです。

Q4HubSpot導入でどのような成果が期待できますか?

A4日本企業の導入事例では、WEBトラフィック3倍、問い合わせ5.5倍、MRR5倍成長などの成果が報告されています。ただし、企業規模・業種・運用体制により結果は異なります。段階的に導入し、PDCAサイクルを回すことで効果を最大化することが推奨されます。

Q5どの料金プランを選ぶべきですか?

A5企業規模・コンタクト数・必要機能で判断しましょう。小規模でテスト導入なら無料またはStarter、本格的なMA運用ならProfessional、エンタープライズ機能(高度なカスタマイズ・専任サポート)が必要ならEnterpriseが適しています。Marketing・Sales・Service全て使うならCustomer Platform(Suite)がコスパ良い場合もあります。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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