HubSpotリスト機能の使い方と活用方法【セグメント作成からワークフロー連携まで】

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/8

なぜHubSpotのリスト機能(セグメント)が重要なのか

HubSpotを導入したものの、「全員に同じメールを送っている」「顧客を属性別に分けられていない」「ワークフローと連携できていない」といった課題を感じている方は多いのではないでしょうか。

HubSpotのリスト機能(2024年11月以降は「セグメント」に名称変更)を活用すれば、顧客の属性や行動に基づいてグループを作成し、ターゲットに合わせたマーケティング施策を実行できるようになります。

この記事では、HubSpotのリスト機能の基礎知識から、具体的な作成方法、活用事例、注意点までを解説します。

この記事のポイント:

  • HubSpotのリストは「動的リスト」と「静的リスト」の2種類がある
  • 2024年11月にリストは「セグメント」に名称変更され、AI機能が追加
  • リストを活用すればメール配信、ワークフロー、広告配信のターゲティングが可能
  • 動的リストは自動更新、静的リストは手動管理という違いを理解して使い分ける
  • 条件設定のミスに注意し、定期的な見直しを行うことが重要

リスト機能の基礎知識(種類・仕組み・名称変更)

(1) 動的リストと静的リストの違い

HubSpotのリスト機能には、「動的リスト(Dynamic List)」と「静的リスト(Static List)」の2種類があります。

動的リスト(Dynamic List):

  • 設定した条件を満たすコンタクトが自動的に追加・削除される
  • ライフサイクルステージ、エンゲージメントスコアなど頻繁に変化する属性に適している
  • 例: 「過去30日以内にWebサイトを訪問したMQL」「今週メールを開封した人」

静的リスト(Static List):

  • 一度作成されると自動更新されない
  • 手動でコンタクトを追加・削除する
  • 特定のキャンペーン対象者、イベント参加者など固定メンバーの管理に適している
  • 例: 「2024年11月のセミナー参加者」「特定の展示会で名刺交換した人」

使い分けのポイント:

用途 適切なリストタイプ
頻繁に変化する条件(ライフサイクル、エンゲージメント) 動的リスト
固定メンバーの管理(イベント参加者、特定キャンペーン) 静的リスト
ワークフローで常に最新の対象を参照したい 動的リスト
一度限りのメール配信対象 静的リスト

(2) 2024年11月の名称変更(リスト→セグメント)

2024年11月、HubSpotは「リスト」を「セグメント」に名称変更しました。基本的な機能は従来のリストと同じですが、新たな機能が追加されています。

名称変更による変化:

  • UI上の表記が「リスト」から「セグメント」に変更
  • AI搭載のオーディエンス発見機能の追加
  • 高度な構築ロジックのサポート
  • 外部データソースとの連携機能の拡張

古いドキュメントや情報源では「リスト」、新しいドキュメントでは「セグメント」と表記されている場合がありますが、基本的な操作方法は同じです。

(3) AI搭載のオーディエンス発見機能

2024年11月のアップデートにより、HubSpotのセグメント機能にはAI搭載のオーディエンス発見機能が追加されました。

主な機能:

  • 類似オーディエンスの自動検出
  • セグメント条件の提案
  • パフォーマンス予測

これらのAI機能を活用することで、効果的なセグメントを効率的に作成できるようになっています。

リストの作成方法と条件設定の手順

(1) リスト作成画面へのアクセス

HubSpotでリスト(セグメント)を作成する基本的な手順は以下の通りです。

手順:

  1. HubSpotにログイン
  2. 左側メニューから「コンタクト」を選択
  3. 「リスト」(または「セグメント」)をクリック
  4. 「リストを作成」(または「セグメントを作成」)ボタンをクリック
  5. 「動的リスト」または「静的リスト」を選択

(2) フィルター条件の追加と設定

リスト作成後、フィルター条件を追加してコンタクトを絞り込みます。

フィルター条件の種類:

カテゴリ 条件例
コンタクトプロパティー 会社名、役職、業種、ライフサイクルステージ
行動履歴 ページ閲覧、フォーム送信、メール開封、リンククリック
リスト所属 他のリストのメンバーかどうか
ワークフロー 特定のワークフローに登録されているかどうか
取引 商談金額、ステージ、クローズ日

条件設定の例:

  • 「ライフサイクルステージ」が「MQL」に等しい
  • 「過去30日以内」に「資料ダウンロード」フォームを送信した
  • 「業種」が「IT」に等しい AND 「従業員数」が100人以上

(3) 条件の組み合わせ(AND/OR)

複数の条件を組み合わせる場合、AND条件とOR条件を使い分けます。

AND条件(すべての条件を満たす):

  • 例: 「業種がIT」AND「ライフサイクルがMQL」
  • 結果: IT業界かつMQLのコンタクトのみ抽出

OR条件(いずれかの条件を満たす):

  • 例: 「資料Aをダウンロード」OR「資料Bをダウンロード」
  • 結果: どちらかの資料をダウンロードしたコンタクトを抽出

条件が複雑になる場合は、グループ機能を使って論理構造を整理できます。条件設定後は、プレビュー機能で意図したコンタクトが含まれているか確認することをおすすめします。

リスト機能の活用事例(メール配信・ワークフロー連携)

(1) ターゲット別メール配信

リスト機能を活用することで、セグメントごとにパーソナライズされたメールを配信できます。

活用例:

  • 資料ダウンロード者向け: ダウンロード資料に関連するフォローアップメール
  • 休眠顧客向け: 過去6ヶ月アクションがない顧客への再エンゲージメントメール
  • 業種別: IT業界向け事例紹介、製造業向け事例紹介
  • ライフサイクル別: リード向けナーチャリングメール、MQL向けセミナー案内

(2) ワークフローによる自動化

動的リストとワークフローを連携させることで、マーケティングオートメーションを実現できます。

ワークフロー連携の例:

  • 「資料ダウンロードリスト」に追加されたら自動でフォローアップメール送信
  • 「MQLリスト」に追加されたら営業担当にタスクを自動作成
  • 「休眠顧客リスト」に追加されたら再エンゲージメントワークフローを開始
  • 「セミナー申込者リスト」に追加されたらリマインダーメールを自動送信

ワークフローのトリガーとしてリストを設定することで、条件を満たしたタイミングで自動的にアクションが実行されます。

(3) 営業リスト・休眠顧客の抽出

営業活動やカスタマーサクセスにもリスト機能は活用できます。

活用例:

  • ホットリード抽出: 直近1週間でサイトを複数回訪問した見込み客
  • 商談フォローアップ: 提案中の商談で1週間以上更新がない案件
  • 休眠顧客: 契約後6ヶ月以上ログインがない顧客
  • アップセル対象: 現在のプランを1年以上利用している顧客

これらのリストを営業チームと共有することで、優先度の高い顧客への対応を効率化できます。

リスト作成時の注意点とベストプラクティス

(1) 動的リストの自動削除に注意

動的リストは、条件を満たさなくなったコンタクトが自動的にリストから削除されます。この挙動を理解していないと、意図しない問題が発生することがあります。

注意すべきケース:

  • 「過去30日以内にメールを開封した人」のリストは、31日目に対象外になる
  • 「ライフサイクルがMQL」のリストは、SQLに変更された時点で除外される
  • ワークフローのトリガーに動的リストを使用する場合、再度条件を満たしても重複実行される可能性

対策:

  • 条件を設定する前に、どのタイミングで追加・削除されるかを想定する
  • 履歴として残したい場合は静的リストを使用する
  • ワークフローの「1回のみ実行」設定を活用する

(2) 条件設定の複雑化を避ける

条件が複雑になると、意図しないコンタクトが含まれたり、逆に必要なコンタクトが漏れたりする可能性があります。

ベストプラクティス:

  • 1つのリストには3〜5個程度の条件に抑える
  • 複雑な条件は複数のリストに分割する
  • 条件設定後は必ずプレビューで確認する
  • 条件の意図をリスト名やメモに記録する

(3) 定期的なリストの見直し

作成したリストは、定期的に見直しを行うことが重要です。

見直しのポイント:

  • 使用されていないリストがないか確認(不要なら削除)
  • 条件が古くなっていないか確認(プロパティー値の変更など)
  • リストのサイズが想定通りか確認
  • パフォーマンス(リスト更新速度)に問題がないか確認

2024年4月のアップデートでリスト通知設定が追加され、リストのサイズが特定の閾値に達したタイミングで通知を受け取ることも可能になっています。

まとめ:目的別リスト設計のポイント

HubSpotのリスト(セグメント)機能を活用することで、ターゲットに合わせたマーケティング施策を効率的に実行できます。

目的別リスト設計:

目的 リストタイプ 条件例
ナーチャリングメール配信 動的リスト ライフサイクル、エンゲージメント
イベントフォローアップ 静的リスト 手動追加した参加者
ワークフロー自動化 動的リスト 行動履歴、プロパティー変更
営業へのリード引き渡し 動的リスト MQL条件、スコア閾値
休眠顧客の再エンゲージメント 動的リスト 最終活動日、ログイン履歴

次のアクション:

  • まずは1つ動的リストを作成して動きを確認する
  • 既存のメール配信先をリスト化してセグメント配信を試す
  • ワークフローと連携して自動化を実装する
  • 定期的にリストを棚卸しして不要なものを整理する

※この記事は2025年1月時点の情報に基づいています。HubSpotの機能・仕様は更新される可能性があります。最新情報は公式サイト(hubspot.jp)でご確認ください。


よくある質問:

Q: 動的リストと静的リストはどう使い分ければよいですか? A: 動的リストは、ライフサイクルステージやエンゲージメント状況など頻繁に変化する条件に基づいてコンタクトを管理する場合に適しています。条件を満たすと自動で追加・削除されるため、常に最新の対象者を維持できます。一方、静的リストは特定のキャンペーン対象者やイベント参加者など、固定メンバーを管理する場合に適しています。一度追加されたら自動削除されないため、履歴として残したい場合にも有効です。

Q: リストとセグメントの違いは何ですか? A: 2024年11月にHubSpotでは「リスト」が「セグメント」に名称変更されました。基本的な機能(動的・静的の区別、フィルター条件の設定など)は従来のリストと同じです。ただし、名称変更に伴い、AI搭載のオーディエンス発見機能、高度な構築ロジック、外部データソースとの連携機能が追加されています。古い情報源では「リスト」、新しいドキュメントでは「セグメント」と表記されている場合があります。

Q: HubSpot無料版でもリスト機能は使えますか? A: はい、HubSpotの無料版でもリスト(セグメント)機能は利用可能です。ただし、作成できるリスト数や一部の高度な機能については、有料プラン(Starter、Professional、Enterprise)で制限が異なる場合があります。詳細な制限内容や料金プランについては、HubSpot公式サイトで最新情報をご確認ください。

よくある質問

Q1動的リストと静的リストはどう使い分ければよいですか?

A1動的リストは、ライフサイクルステージやエンゲージメント状況など頻繁に変化する条件に基づいてコンタクトを管理する場合に適しています。条件を満たすと自動で追加・削除されるため、常に最新の対象者を維持できます。一方、静的リストは特定のキャンペーン対象者やイベント参加者など、固定メンバーを管理する場合に適しています。一度追加されたら自動削除されないため、履歴として残したい場合にも有効です。

Q2リストとセグメントの違いは何ですか?

A22024年11月にHubSpotでは「リスト」が「セグメント」に名称変更されました。基本的な機能(動的・静的の区別、フィルター条件の設定など)は従来のリストと同じです。ただし、名称変更に伴い、AI搭載のオーディエンス発見機能、高度な構築ロジック、外部データソースとの連携機能が追加されています。

Q3HubSpot無料版でもリスト機能は使えますか?

A3はい、HubSpotの無料版でもリスト(セグメント)機能は利用可能です。ただし、作成できるリスト数や一部の高度な機能については、有料プラン(Starter、Professional、Enterprise)で制限が異なる場合があります。詳細な制限内容や料金プランについては、HubSpot公式サイトで最新情報をご確認ください。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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