HubSpotの導入を検討しているけれど、どこから始めればいいか分からない...
B2Bビジネスの成長に伴い、顧客管理やマーケティング活動の効率化が求められる場面が増えています。「ツールが多すぎて情報が分散している」「営業とマーケの連携がうまくいかない」といった課題を抱える企業は少なくありません。
この記事では、マーケティング・営業・カスタマーサクセスを統合するプラットフォームとして注目されるHubSpotについて、機能・料金・導入メリット・デメリットを詳しく解説します。
この記事のポイント:
- HubSpotは5つのHub(Marketing・Sales・Service・Content・Data)で構成される統合プラットフォーム
- 無料CRMからスタートし、事業成長に合わせて段階的にアップグレード可能
- 2024年3月の料金改訂でシートベースの価格体系に変更
- 導入成功の鍵は目的の明確化とプロジェクトオーナーの設置
- 日本語サポートや学習コストは事前確認が必要
なぜ今HubSpotが注目されるのか
HubSpotは2025年Q1の総収益が前年比16%増の7億1,410万ドルを記録し、継続的な成長を維持しています。2025年9月のINBOUNDカンファレンスでは200以上の製品アップデートを発表し、18の新Breeze AIエージェント(マーケティング7つ、営業6つ、カスタマーサービス5つ)をベータ版でリリースしました。
B2B企業がHubSpotに注目する主な理由は以下の通りです:
統合プラットフォームの利便性
- マーケティング・営業・カスタマーサービスのデータを一元管理
- ツール間の連携設定が不要で、情報の分散を防止
- 顧客接触の全段階を可視化し、部門間連携を促進
段階的な導入が可能
- 無料CRMから始めて、必要に応じて有料プランへ移行
- 中小企業のスモールスタートに適した設計
- 事業規模に合わせた柔軟なプラン選択
HubSpotの基礎知識
(1) HubSpotとは何か
HubSpotは、マーケティング、営業、カスタマーサービスを統合したオールインワンのカスタマープラットフォームです。すべてのツールが共通のCRMデータベースにリンクしており、顧客情報を一元管理できます。
HubSpotの構成要素:
- 無料CRM: 100万件の顧客情報登録、無制限のユーザー数・ストレージ
- 5つのHub: Marketing、Sales、Service、Content、Dataの各機能群
- 統合データベース: 全ツールで顧客データを共有
(2) インバウンドマーケティングとの関係
HubSpotは「インバウンドマーケティング」の概念を提唱した企業として知られています。インバウンドマーケティングとは、コンテンツやSEOを通じて顧客から見つけてもらうマーケティング手法です。
HubSpotのツール設計はこの思想に基づいており、以下のような機能を提供しています:
- ブログ・ランディングページの作成
- SEO最適化支援
- リード獲得フォーム
- メールナーチャリング
HubSpotの主要機能(5つのHub)
(1) Marketing Hub
Marketing Hubは、リード獲得から育成までのマーケティング活動を自動化するMA(マーケティングオートメーション)機能を提供します。
主な機能:
- ランディングページ作成
- フォーム作成・管理
- メール配信・自動化
- SNS管理
- 広告管理
- SEO分析
(2) Sales Hub
Sales Hubは、営業活動の効率化と可視化を支援する営業支援機能を提供します。
主な機能:
- 営業進捗管理(パイプライン)
- 予実管理
- 見積作成
- ミーティング予約
- セールスオートメーション
- 通話録音・分析
(3) Service Hub
Service Hubは、カスタマーサポートとカスタマーサクセスを支援する機能を提供します。
主な機能:
- チケット管理
- ナレッジベース
- Webチャット・チャットボット
- 顧客満足度調査
- カスタマーポータル
(4) Content Hub・Data Hub
Content Hub:
- ウェブサイトの作成・管理(CMS機能)
- ブログ管理
- SEO最適化
Data Hub(2025年ベータ版):
- 非構造化データの管理
- アプリ間のデータ同期
- データクレンジング
料金プランと導入コスト
(1) 無料プランでできること
2024年3月の料金改訂により、HubSpotはシートベースの価格体系に変更されました。無料プランの主な制限は以下の通りです:
無料プランの特徴:
- 最大5ユーザーまで利用可能
- 閲覧機能が中心(編集には有料シートが必要)
- 顧客情報の登録・管理は可能
- 基本的なフォーム・ランディングページ作成
- HubSpotロゴの表示あり
(2) 有料プランの比較(Starter・Professional・Enterprise)
有料プランは各Hubごとに用意されており、必要な機能に応じて選択できます。
Starter(小規模向け):
- 月額数千円~
- 基本機能の拡張
- HubSpotロゴの削除
Professional(中堅企業向け):
- 月額数万円~
- 本格的なMA・SFA機能
- レポート・分析の強化
Enterprise(大企業向け):
- 月額数十万円~
- 高度なカスタマイズ
- 権限管理・セキュリティ強化
※料金は2025年時点の目安です。為替レートやプラン改訂により変動するため、最新情報は公式サイトでご確認ください。
(3) 導入支援費用の目安
ProfessionalまたはEnterpriseプランを導入する場合、必須の導入支援費用(オンボーディング)が別途発生します。
導入支援費用の目安:
- Professional: 36万円~
- Enterprise: 84万円~
この費用には初期設定、データ移行支援、操作トレーニングなどが含まれます。
導入のメリット・デメリットと注意点
(1) HubSpot導入のメリット
統合による効率化:
- マーケティング・営業・CSのデータを一元管理
- ツール間の連携設定が不要
- 部門間の情報共有がスムーズ
導入のしやすさ:
- シンプルで分かりやすいUI
- 無料CRMからのスモールスタートが可能
- 豊富なドキュメント・ナレッジベース
コスト効果:
- 複数ツールを個別に契約するより費用を抑えられる場合がある
- 株式会社soraプロジェクトは導入後コストを5分の1に削減した事例あり
(2) HubSpot導入のデメリット
学習コスト:
- 全機能を使いこなすには相応の学習時間が必要
- 特にEnterpriseプランは機能が膨大
日本語サポートの課題:
- 日本語対応はあるものの、不十分との口コミもあり
- 導入前に無料デモで確認することが推奨される
オーバースペックの可能性:
- 特定機能のみを求める企業には機能過多になる場合がある
- 専門特化型ツールの方が適している場合もある
(3) 導入時のよくある失敗パターン
失敗パターン1: 目的の不明確
- 導入すること自体が目的になってしまう
- 対策: 事前に自社の課題分析とゴール設定を明確化
失敗パターン2: プロジェクトオーナーの不在
- 責任者が不明確で運用が定着しない
- 対策: 導入時・運用時にプロジェクトオーナーを設置
失敗パターン3: データ品質の問題
- プロパティの重複、データのクレンジング不足
- 対策: インポート前に元データの整理を実施
失敗パターン4: 短期での成果期待
- 導入直後に成果を求めてしまう
- 対策: 運用・分析・改善のサイクルを繰り返すことを前提に計画
まとめ:HubSpot活用の成功ポイント
HubSpotはマーケティング・営業・カスタマーサクセスを統合するプラットフォームとして、特に中小企業の段階的なDX推進に適した選択肢です。一方で、導入目的の明確化、運用体制の整備、学習コストの確保が成功の鍵となります。
導入を検討する際の次のアクション:
- 自社の課題と導入目的を整理する
- 無料CRMを実際に試してみる
- 無料デモで操作性と日本語サポートを確認する
- 複数の導入パートナーから見積もりを取得する
- 導入実績のある同業種・同規模企業の事例を参考にする
※この記事は2025年時点の情報です。料金・機能は変更される可能性があるため、最新情報は各社公式サイトをご確認ください。
よくある質問:
Q: HubSpotの無料プランと有料プランの違いは? A: 無料プランは最大5ユーザーまで、閲覧中心の基本機能を提供します。編集機能やマーケティング自動化には有料シートが必要です。2024年3月の料金改訂でシートベースの価格体系に変更されました。
Q: HubSpotとSalesforceの違いは? A: HubSpotは初心者でも使いやすく、MA・CRM・CSを統合したオールインワン設計が特徴です。Salesforceは大企業向けで、高度なカスタマイズ性と拡張性が強みです。企業規模と必要な機能で選ぶのが適切です。
Q: 中小企業にHubSpotは向いているか? A: 向いています。無料CRMからスモールスタートし、事業成長に合わせて段階的にアップグレードできる設計になっています。ただし、特定機能のみを求める場合は専門特化型ツールの方が適している場合もあります。
Q: HubSpotの導入期間はどれくらい? A: 設定・運用開始まで1〜3ヶ月が一般的です。既存システムとの連携やデータ移行が必要な場合はさらに時間がかかることがあります。導入パートナーの伴走支援を活用することで、スムーズな立ち上げが期待できます。
