HubSpotメールトラッキングの設定に悩んでいませんか?
HubSpot CRM/Marketing Hubを導入している企業の多くが、メールの効果測定・フォローアップ改善に課題を抱えています。「送ったメールが開封されたか分からない」「どのリンクがクリックされたか知りたい」「最適なフォローアップタイミングが分からない」といった疑問が尽きません。
この記事では、HubSpotメールトラッキングの設定方法・活用シナリオ・注意点を、2024年のGoogle新ポリシーやGDPR対応も含めて解説します。B2B企業の営業担当・マーケティング担当の方が、メールトラッキングを効果的に活用し、営業効率化を実現できるよう、実務視点での情報をお伝えします。
この記事のポイント:
- HubSpot Salesメール拡張機能(Gmail、Outlook対応)でメール開封・クリックを追跡
- 1ピクセル画像による開封トラッキング、Sales Hubシート保有者はクリック追跡も可能
- リアルタイム通知でタイムリーなフォローアップが実現
- 2024年のGoogle新ポリシーでトラッキングピクセルがフラグされる可能性、プレーンテキストメール検討を
- GDPR規制下では受信者のオプトインが必要、プライバシー保護を重視
HubSpotメールトラッキングが必要な背景:営業効率化とフォローアップ改善
(1) メール送信後のフォローアップタイミングの課題
営業担当がメールを送信した後、「いつフォローアップすべきか」のタイミング判断は難しい課題です:
- 開封されたか分からない:メールが読まれたかどうか不明なまま、数日後にフォローアップ
- 興味があるか判断できない:リンクをクリックしたか分からず、関心度を測定できない
- フォローアップが早すぎる・遅すぎる:開封直後にフォローすれば効果的だが、タイミングが分からない
HubSpotメールトラッキングでは、メール開封・リンククリックのリアルタイム通知により、最適なフォローアップタイミングを逃さず対応できます。
(2) 顧客の興味関心度を可視化する重要性
B2B営業では、リードの優先度付けが重要です。HubSpotメールトラッキングでは、以下の指標で関心度を可視化できます:
- 開封回数:同じメールを複数回開封した場合、高い関心度を示す
- クリック率:メール内のリンク(製品ページ、資料DL等)をクリックした場合、購買意欲が高い
- 開封タイミング:送信直後に開封した場合、緊急性の高い案件の可能性
これらの指標をCRMと統合することで、営業担当がリード優先度を判断し、効率的に営業リソースを配分できます。
(3) 営業活動の属人化とCRMデータ不足の問題
メールのやり取りがメールクライアント(Gmail、Outlook等)に閉じていると、以下の問題が発生します:
- 営業活動が属人化:営業担当がどの顧客にどんなメールを送ったか、他のメンバーが把握できない
- CRMデータ不足:Salesforceに顧客とのコミュニケーション履歴が記録されず、引き継ぎ時に情報が失われる
- チーム全体の効率低下:誰がどのリードをフォローしているか不明瞭で、重複対応や対応漏れが発生
HubSpotメールトラッキングとCRM統合により、メール送受信履歴がCRM上で蓄積され、営業活動の可視化と脱属人化が実現できます。
HubSpotメールトラッキングの基礎知識:仕組みと対応メールクライアント
(1) メールトラッキングの仕組み(1ピクセル画像による開封追跡)
HubSpotメールトラッキングは、メール送信時に1ピクセルの透明画像(トラッキングピクセル)を挿入することで、開封を追跡します:
- メール送信:HubSpot拡張機能を使って営業担当がメール送信
- トラッキングピクセル挿入:メール本文に1ピクセルの透明画像を自動挿入
- 開封検知:受信者がメールを開封すると、画像がHubSpotのサーバーから読み込まれる
- リアルタイム通知:HubSpotが開封を検知し、営業担当にデスクトップ通知・メール通知
この仕組みにより、営業担当は「メールが開封された瞬間」を把握し、即座にフォローアップできます。
(2) 対応メールクライアント(Gmail、Google Workspace、Outlook、Office 365)
HubSpot Salesメール拡張機能は、以下のメールクライアントに対応しています:
- Gmail・Google Workspace:Chrome拡張機能をインストール
- Outlook(Windows版):デスクトップアドインをインストール
- Office 365(Web版):ブラウザ拡張機能をインストール
インストール後、メール作成時に「トラックボックス」にチェックを入れるだけで、メールトラッキングが有効化されます。
(3) HubSpot Sales拡張機能とリアルタイム通知機能
HubSpot Sales拡張機能をインストールすると、以下の機能が利用可能です:
- リアルタイム開封通知:1対1メールが開封された瞬間、デスクトップ通知が表示される
- CRM自動記録:送信したメールがHubSpot CRMに自動記録され、顧客とのコミュニケーション履歴を蓄積
- テンプレート機能:よく使うメールテンプレートを保存し、1クリックで挿入
- ミーティング予約リンク:メール内にカレンダー予約リンクを挿入し、商談設定を効率化
(4) 開封トラッキングとクリックトラッキングの違い(Sales Hubシート保有者のみクリック追跡可能)
開封トラッキング:
- HubSpot無料版・有料版すべてで利用可能
- メールが開封されたことを検知
クリックトラッキング:
- Sales Hubシート保有者のみ利用可能(有料プラン)
- メール内のリンクがクリックされたことを検知
- どのリンクが何回クリックされたか詳細に分析可能
クリックトラッキングを利用することで、「製品ページのリンクをクリックした」「資料DLリンクをクリックした」といった行動を把握し、より精度の高いリード優先度付けが可能になります。
HubSpotメールトラッキングの設定手順と活用方法
(1) HubSpot Salesメール拡張機能のインストール(Chrome拡張機能/デスクトップアドイン)
Gmailの場合(Chrome拡張機能):
- Chrome ウェブストアにアクセス
- 「HubSpot Sales」を検索
- 「Chromeに追加」をクリック
- HubSpotアカウントでログイン
Outlookの場合(デスクトップアドイン):
- HubSpot公式サイトからアドインをダウンロード
- Outlookにインストール
- HubSpotアカウントでログイン
インストール完了後、メール作成画面にHubSpotのアイコンが表示されます。
(2) トラックボックスへのチェック設定
メールトラッキングを有効化するには、メール作成時に「トラックボックス」にチェックを入れます:
- メール作成画面を開く
- HubSpotアイコンをクリック
- 「Track」(トラック)にチェック
- メール送信
これだけで、メール開封・クリックのトラッキングが有効化されます。
(3) リアルタイム通知によるタイムリーなフォローアップ
メールが開封されると、以下の通知が届きます:
- デスクトップ通知:「〇〇さんがメールを開封しました」とポップアップ表示
- メール通知:営業担当のメールアドレスに通知メール送信
- HubSpot CRM内の通知:HubSpot管理画面の「通知」タブに開封履歴を表示
営業担当は、開封通知を受け取ったタイミングで即座にフォローアップ(電話、追加メール送信等)を行うことで、商談成功率を高めることができます。
(4) CRMとの自動連携で顧客リレーションを可視化
HubSpotメールトラッキングとCRMが自動連携することで、以下のメリットが得られます:
- コミュニケーション履歴の蓄積:送信したメール・開封履歴・クリック履歴がCRMに自動記録
- 顧客リレーションの可視化:「いつ・誰が・どんなメールを送ったか」をチーム全体で共有
- 営業の脱属人化:営業担当が変わっても、過去のコミュニケーション履歴を引き継ぎ可能
(5) 開封率・クリック率の分析と営業改善
HubSpot CRMでは、メールの開封率・クリック率を分析できます:
- 開封率(Open Rate):送信したメールのうち、何%が開封されたか
- クリック率(Click Rate):メール内のリンクが何%クリックされたか
- 返信率(Reply Rate):メールに対して何%が返信したか
これらの指標を分析することで、「件名の工夫」「メール本文の改善」「最適な送信時間」を特定し、営業メールの効果を継続的に改善できます。
メールトラッキングツールの比較:HubSpot vs 他製品
(1) 2025年メールトラッキングツール市場の概況(14製品比較)
ITreviewによると、2025年時点でメールトラッキングツールは14製品が提供されています。主要な製品は以下の通りです:
- HubSpot:CRM統合、無料版提供、営業支援機能との連携
- Mailtrack:Gmail専用、シンプルなUI、無料プランあり
- Saleshandy:メール配信・追跡・自動化を統合
- Yesware:Salesforce統合、チーム向け機能充実
- Streak:Gmail内でCRM操作可能
(2) HubSpotの強み:CRM統合、無料版の提供、営業支援機能との連携
HubSpotの最大の強みは、以下の点です:
- CRM統合:メールトラッキングだけでなく、リード管理・営業パイプライン管理・タスク管理を統合
- 無料版の提供:基本的なメールトラッキング機能は無料で利用可能
- 営業支援機能との連携:ミーティング予約、テンプレート、シーケンス(自動フォローアップメール)等と統合
これにより、HubSpotはメールトラッキング単体ではなく、営業活動全体を最適化するプラットフォームとして機能します。
(3) 他製品の特徴(Mailtrack、Saleshandy等)
Mailtrack:
- Gmail専用の軽量ツール
- 開封通知がシンプル(✓マークで表示)
- 無料プラン:月50トラッキングまで
Saleshandy:
- メール配信・追跡・自動化を統合
- A/Bテスト機能でメール効果を比較
- 料金:月額約$25/ユーザー〜
Yesware:
- Salesforce統合に強み
- チーム向けレポート機能が充実
- 料金:月額約$15/ユーザー〜
(4) 料金体系の比較(HubSpotのシート制・無料版 vs 他製品)
| ツール | 無料プラン | 有料プラン料金 |
|---|---|---|
| HubSpot | ✅ あり(基本機能) | 月額数千円〜(シート制、2024年3月改定) |
| Mailtrack | ✅ あり(月50トラッキング) | 月額約$10/ユーザー〜 |
| Saleshandy | ❌ なし | 月額約$25/ユーザー〜 |
| Yesware | ❌ なし(14日間トライアル) | 月額約$15/ユーザー〜 |
HubSpotは無料版で基本的なメールトラッキングが利用できるため、小規模企業や導入初期段階では最もコストパフォーマンスが高いと言えます。
プライバシー・GDPR対応と2024年のGoogle新ポリシー
(1) GDPRにおけるメールトラッキングの規制(受信者のオプトイン必須)
EU一般データ保護規則(GDPR)では、メールトラッキングには以下の規制があります:
- 受信者のオプトイン(事前同意)が必須:メールトラッキングを行うことを受信者に通知し、同意を得る必要
- プライバシーポリシーでの明示:メールトラッキング技術を使用していることをプライバシーポリシーに明記
- 透明性のある同意取得プロセス:「同意する」ボタンを設置し、受信者が明示的に同意したことを記録
GDPR違反の場合、最大で全世界売上高の4%または2000万ユーロの罰金が科される可能性があるため、EU圏内の顧客にメールを送信する際は、必ずGDPR対応を実施してください。
(2) Googleの2024年新ポリシー(トラッキングピクセルのフラグ化)
2024年、Googleはメールトラッキングに関する新ポリシーを導入しました:
- トラッキングピクセルがフラグされる可能性:トラッキングピクセルを含むメールがスパムとして判定されやすくなる
- メール到達性への影響:トラッキングピクセルを多用すると、メールが受信トレイに届かず、迷惑メールフォルダに振り分けられる可能性
この新ポリシーにより、メールトラッキングツール各社は対応策を検討しています。
(3) プレーンテキストメールへの切り替え検討
Google新ポリシーに対応するため、以下の対策が推奨されています:
- プレーンテキストメール(HTMLなし)の使用:トラッキングピクセルを含まないため、スパム判定を回避
- 開封率よりも返信率を重視:開封率の測定精度が低下する中、返信率や商談数などの直接的な成果指標を重視
- トラッキングの選択的使用:重要なメール(例:商談提案メール)のみトラッキングを有効化し、一般的なフォローアップメールはトラッキングなし
(4) Apple Mail Privacy Protection機能と開封率測定精度の低下
Appleは2021年にMail Privacy Protection(MPP)機能を導入しました:
- メール開封を自動実行:ユーザーがメールを開封していなくても、Appleのサーバーが自動的にトラッキングピクセルを読み込む
- 開封率測定精度の低下:実際には開封されていないメールが「開封済み」として記録される
このため、Apple Mailユーザーの開封率は正確に測定できなくなっており、開封率のみに依存した営業戦略は見直しが必要です。
(5) 開封率よりも返信率・商談数などの直接成果指標を重視
メールトラッキングの精度低下に対応するため、以下の指標を重視することが推奨されています:
- 返信率(Reply Rate):メールに対して何%が返信したか
- 商談数(Meeting Booked):メール経由で何件の商談が設定されたか
- 成約率(Deal Closed):メール経由で何件の成約に至ったか
開封率は「興味の指標」として参考程度にとどめ、返信率・商談数といった直接的な成果指標を重視することで、より本質的な営業改善が可能になります。
まとめ:効果的なメールトラッキング活用のベストプラクティス
HubSpotメールトラッキングを効果的に活用するためのポイントは以下の通りです:
- リアルタイム通知を活用:開封通知を受け取ったタイミングで即座にフォローアップ
- CRMとの統合でコミュニケーション履歴を蓄積:営業の脱属人化と引き継ぎ効率化
- 開封率・クリック率を分析:メール件名・本文・送信時間を継続的に改善
- GDPR・プライバシー対応を重視:受信者のオプトインを取得し、透明性のある運用
- 開封率よりも返信率・商談数を重視:Apple MPPやGoogle新ポリシーにより開封率精度が低下する中、直接成果指標を優先
次のアクション:
- HubSpot Salesメール拡張機能をインストール(Gmail・Outlook対応)
- テストメールを送信し、開封通知・CRM記録を確認
- GDPR対応のため、プライバシーポリシーを更新(メールトラッキング使用を明記)
- 開封率・返信率を定期的に分析し、メール改善を実施
HubSpotメールトラッキングで、営業効率化とタイムリーなフォローアップを実現し、成約率向上を目指しましょう。
※この記事は2025年1月時点の情報です。HubSpotの料金体系は2024年3月に改定されています。最新情報はHubSpot公式サイトでご確認ください。
