Googleタグマネージャーとアナリティクス連携の重要性
Webサイトのトラッキング環境を整備したいけれど、「タグの管理が煩雑」「エンジニアに毎回依頼するのが大変」と悩んでいませんか?
Googleタグマネージャー(GTM)とGoogle Analytics 4(GA4)を連携すると、HTMLを編集せずにタグを一元管理でき、マーケティング担当者が自律的にトラッキング設定を変更できるようになります。
この記事では、GTMとGA4の連携方法を設定手順からカスタムイベント計測、トラブルシューティングまで実践的に解説します。
この記事のポイント:
- GTMはタグ管理ツール、GA4はアクセス解析ツール(役割が異なる)
- GTMで「Googleタグ」を作成し、GA4の測定IDを入力して連携する
- トリガーは「Initialization - All Pages」を選択してページ全体でトラッキングを有効化
- プレビュー機能を使って公開前にタグの発火をテストし、誤設定を防ぐ
- カスタムイベントでボタンクリックやフォーム送信などのユーザー行動を詳細に計測できる
(1) デジタルマーケティング市場の拡大(2024年3,672億円、2025年4,190億円見込み)
デジタルマーケティング市場は急速に成長しており、矢野経済研究所の調査によると2024年の市場規模は3,672億円、2025年には4,190億円に達すると見込まれています(出典: 矢野経済研究所「デジタルマーケティング市場に関する調査(2025年)」)。
利用部門の拡大が市場成長の主要因となっており、マーケティング担当者が自律的にデータ分析できる環境整備の重要性が高まっています。
(2) タグ管理の課題とGTM導入のメリット
従来のタグ管理では、以下のような課題がありました:
従来の課題:
- タグを追加・編集するたびにHTMLファイルを直接編集する必要がある
- エンジニアに依頼するため、対応に時間がかかる
- 複数のタグが混在し、どこに何があるか管理が煩雑
GTM導入のメリット:
- 管理画面でタグを追加・編集でき、HTMLファイルを触らなくて済む
- マーケティング担当者が自律的にタグ管理できる
- バージョン管理機能で過去の設定を保存・復元できる
- プレビュー機能で公開前にテストできる
(3) HTMLを編集せずにタグを管理できる利便性
GTMを導入すると、Webサイトに設置するのはGTMのコンテナタグ1つだけで済みます。その後のGA4タグ、広告タグ、ヒートマップツールタグなどは、すべてGTM管理画面で追加・編集できます。
エンジニア不在でもマーケティング担当者が自律的にトラッキング環境を整備できるため、施策のスピードが大幅に向上します。
GTMとGA4の基礎知識
(1) GTM(Googleタグマネージャー)とは
GTMは、Googleが提供する無料のタグ管理ツールです。Webサイトに設置する各種タグ(アクセス解析、広告トラッキング、ヒートマップツールなど)を一元管理できます。
主な特徴:
- 完全無料(Googleアカウントがあれば利用可能)
- Web知識が少なくても使いやすいUI
- バージョン管理とプレビュー機能で安全に運用できる
(2) GA4(Google Analytics 4)とは
GA4は、Googleの最新アクセス解析ツールです。Webサイトやアプリのユーザー行動データを収集・可視化し、マーケティング施策の効果測定に活用します。
主な特徴:
- イベントベースのデータ収集(従来のページビュー中心から進化)
- AIによる予測機能(購入確率、離脱確率など)
- Webとアプリのデータをまとめて分析できる
(3) GTMとGA4の役割の違い(タグ管理 vs アクセス解析)
| 項目 | GTM(タグ管理) | GA4(アクセス解析) |
|---|---|---|
| 役割 | Webサイトに設置するタグを一元管理 | ユーザー行動データを収集・分析 |
| 機能 | タグの追加・編集・公開・バージョン管理 | アクセス数・ユーザー属性・コンバージョン分析 |
| 利用者 | マーケティング担当者、エンジニア | マーケティング担当者、経営層 |
GTMはタグを「管理する」ツール、GA4はデータを「分析する」ツールです。両者を連携することで、効率的にトラッキング環境を構築できます。
(4) タグ・トリガー・変数の基本用語
GTMを使う上で重要な3つの用語を理解しましょう:
タグ(Tag): WebページにJavaScriptで埋め込むコードのこと。アクセス解析や広告トラッキングなどに使用します。
トリガー(Trigger): タグを発火させる条件。「全ページ閲覧時」「特定のボタンクリック時」など、どのタイミングでタグを実行するかを指定します。
変数(Variable): タグやトリガーで使用する値を格納する箱。ページURL、クリック要素などを動的に取得します。
GTMでGA4を連携する設定手順
(1) GTMアカウントとコンテナの作成
- Googleタグマネージャー公式サイトにアクセス
- Googleアカウントでログイン
- 「アカウントを作成」をクリック
- アカウント名(企業名など)を入力
- コンテナ名(Webサイトのドメイン名など)を入力
- ターゲットプラットフォームで「ウェブ」を選択
- 利用規約に同意して「作成」をクリック
- 表示されたGTMコンテナタグをWebサイトの
<head>内と<body>直後にそれぞれ設置
(2) Googleタグの作成と測定IDの設定
2023年9月以降、GTM内のGA4設定用タグは「Googleタグ」に統一されました。以下の手順で設定します:
- GTM管理画面で「タグ」メニューから「新規」をクリック
- タグの設定で「Googleタグ」を選択
- タグID欄にGA4の測定ID(
G-で始まる文字列)を入力- 測定IDはGA4管理画面の「データストリーム」で確認できます
- タグ名を「GA4 - Googleタグ」など分かりやすい名前に設定
(参考: Google公式ヘルプ「タグ マネージャーで Google アナリティクスを設定する」)
(3) トリガー設定(Initialization - All Pages)
- タグ設定画面で「トリガー」をクリック
- 「Initialization - All Pages(初期化)」を選択
- このトリガーはページ全体でトラッキングを有効化します
- 保存をクリック
(4) プレビュー機能でテスト
公開前にタグが正しく発火するかテストします:
- GTM管理画面右上の「プレビュー」をクリック
- WebサイトのURLを入力して「Connect」
- 別タブでWebサイトが開き、GTMデバッグモードが起動
- 「Tags Fired」にGA4タグが表示されているか確認
- 正しく発火していれば設定完了
(5) 公開とバージョン管理
- GTM管理画面右上の「公開」をクリック
- バージョン名(例: 「GA4連携初期設定」)を入力
- 説明欄に変更内容を記載(例: 「GA4のGoogleタグを追加」)
- 「公開」をクリック
バージョン管理機能により、過去の設定を保存しておけるため、設定ミス時のロールバックが容易です。
カスタムイベントの計測設定
(1) カスタムイベントとは
カスタムイベントは、ボタンクリックやフォーム送信など、特定のユーザー行動をトラッキングするイベントです。GA4ではページビュー以外のユーザー行動を詳細に計測できます。
(2) ボタンクリックのトラッキング設定
- GTM管理画面で「変数」メニューから「設定」をクリック
- 「組み込み変数」で「Click - Click Element」「Click - Click Classes」にチェック
- 「タグ」メニューから新規タグを作成
- タグタイプで「Googleアナリティクス: GA4イベント」を選択
- 測定IDを入力(Googleタグと同じID)
- イベント名を入力(例:
button_click) - トリガーで「すべての要素のクリック」を選択し、条件を設定(例: Click Classes に
cta-buttonを含む) - 保存して公開
(3) フォーム送信のトラッキング設定
- 「トリガー」メニューから新規トリガーを作成
- トリガータイプで「フォームの送信」を選択
- 条件を設定(例: Page Path に
/contactを含む) - 「タグ」メニューから新規タグを作成
- タグタイプで「Googleアナリティクス: GA4イベント」を選択
- イベント名を入力(例:
form_submit) - 先ほど作成したフォーム送信トリガーを設定
- 保存して公開
(4) GA4イベントとして確認する方法
- GA4管理画面で「レポート」→「イベント」を開く
- 設定したカスタムイベント(
button_click、form_submitなど)が表示されているか確認 - リアルタイムレポートでテストクリック・送信が計測されているか確認
カスタムイベントにより、ユーザーがどのボタンをクリックしたか、どのフォームから問い合わせが多いかを詳細に分析できます。
トラブルシューティングと注意点
(1) タグが発火しない場合の原因と対処法
原因1: トリガー設定が誤っている
- 対処法: プレビューモードで「Tags Not Fired」を確認し、トリガー条件を見直す
原因2: 測定IDが間違っている
- 対処法: GA4管理画面で測定IDを再確認し、GTMタグ設定を修正
原因3: GTMコンテナタグが設置されていない
- 対処法: WebサイトのHTMLソースを確認し、
<head>と<body>にGTMタグが設置されているか確認
原因4: 広告ブロッカーが有効になっている
- 対処法: ブラウザの広告ブロッカーを一時的に無効化してテスト
(2) GTMで管理できないタグの種類
すべてのタグがGTMで管理できるわけではありません。以下のタグは対応していない場合があります:
- ページ構造に関わるタグ: ページレイアウトを変更するA/Bテストタグなど
- 同期処理が必要なタグ: ページ読み込み前に実行する必要があるタグ
- 特定のフレームワーク依存タグ: React、Vue.jsなどのSPA(シングルページアプリケーション)で動作が不安定なタグ
(参考: エックスサーバー「Googleタグマネージャーとは? できること・設定方法・使い方」)
(3) システム障害時のリスクと監視方法
GTMのシステム障害が発生すると、すべてのタグに影響が及ぶため、重要なタグの動作監視が必要です。
推奨される監視方法:
- GA4のリアルタイムレポートで定期的にデータが届いているか確認
- 異常を検知したらすぐに対応できる体制を整える
- 重要なコンバージョンタグは複数の経路でトラッキング(GTM経由とHTML直接設置の併用)
(4) 2025年4月の仕様変更(自動タグ読み込み)への対応
2025年4月から、Google広告・FloodlightタグがGoogleタグ(gtag.js)を自動読み込みする仕様に変更されます。GTM利用者は以下の点に注意してください:
- Google広告タグとGTMのGoogleタグが重複しないよう設定を見直す
- 公式ヘルプで最新の推奨設定を確認する
- テスト環境で動作確認を行ってから本番環境に適用する
(参考: アユダンテ「Googleタグマネージャー仕様変更:2025年4月からの自動タグ読み込みと実務対応」)
まとめ:効率的なタグ管理で成果を最大化
GoogleタグマネージャーとGA4を連携すると、HTMLを編集せずにトラッキング環境を整備でき、マーケティング施策のスピードが大幅に向上します。
この記事のポイント再掲:
- GTMで「Googleタグ」を作成し、GA4の測定IDを入力して連携する
- トリガーは「Initialization - All Pages」を選択してページ全体でトラッキングを有効化
- プレビュー機能を使って公開前にタグの発火をテストし、誤設定を防ぐ
- カスタムイベントでボタンクリック・フォーム送信を詳細に計測できる
- すべてのタグがGTMで管理できるわけではないことを理解し、適切に使い分ける
次のアクション:
- GTMアカウントを作成し、Webサイトにコンテナタグを設置する
- GA4の測定IDを確認し、Googleタグを作成する
- プレビューモードでタグの動作をテストする
- カスタムイベントを設定して、ユーザー行動を詳細に計測する
GTMとGA4の連携で、効率的なタグ管理とデータドリブンなマーケティング施策を実現しましょう。
※この記事は2024-2025年時点の情報です。GTMの機能や仕様は定期的にアップデートされるため、最新情報はGoogle公式ヘルプをご確認ください。
