Google提供のCRMツール選択肢:機能比較と導入判断のポイント

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/5

Google CRMを探す企業が抱える課題と背景

BtoB企業の営業・マーケティング担当者にとって、顧客情報を効率的に管理するCRM(顧客関係管理)ツールの選定は重要な課題です。特にGoogle Workspace(Gmail、Googleカレンダー、Googleドライブ等)を日常的に使用している企業では、「Google系のCRMはないのか?」「Google Workspaceと連携できるCRMはどれか?」といった疑問が生まれます。

しかし、実はGoogleは独自のCRMツールを提供していません。Googleコンタクトは基本的な連絡先管理ツールのみで、本格的な営業・マーケティング管理には対応していません。

この記事では、Google Workspace環境で顧客管理を効率化したい企業向けに、Google Workspace連携可能なCRM(Copper CRM、Zoho CRM、NetHunt CRM、HubSpot、Salesforce等)を公平に比較し、選定のポイントを解説します。

この記事のポイント:

  • Googleは独自のCRMツールを提供していない(Googleコンタクトは基本的な連絡先管理のみ)
  • Google Workspace連携可能なCRMとして、Copper CRM(Google推奨アプリ)、Zoho CRM(最もダウンロード数が多い)などが主要選択肢
  • Google SheetsをCRMとして活用可能(小規模企業・コスト重視の場合)
  • Google CloudとSalesforceの提携強化により、BigQueryとCRMデータの直接分析が可能に(2023年6月発表)
  • 企業規模・目的に応じてCRMを選定することが重要

Google純正CRMは存在しない:Google Workspaceでの顧客管理の選択肢

(1) Googleコンタクトの限界と専用CRMの必要性

Googleコンタクトは、Gmailアドレスや電話番号を保存できる基本的な連絡先管理ツールです。しかし、以下のような営業・マーケティング管理機能は提供されていません:

Googleコンタクトで不足する機能:

  • 商談管理(案件ごとの進捗・受注確度管理)
  • SFA機能(営業活動の記録・予実管理)
  • リードスコアリング(見込み客の関心度を数値化)
  • マーケティングオートメーション(メール配信・キャンペーン管理)
  • 詳細な分析・レポート機能

このため、本格的な営業・マーケティング管理にはサードパーティ製CRMの導入が必要です。

(2) Google Sheetsを簡易CRMとして使う方法

小規模企業やコスト重視の場合、Google Sheetsを簡易CRMとして活用することも可能です。

Google SheetsをCRMとして使うメリット:

  • 無料で利用可能(Google Workspaceの範囲内)
  • カスタマイズ性が高い(自社の営業プロセスに合わせて自由に設計)
  • Google Workspaceとの連携がスムーズ(Google Apps Scriptで自動化可能)

Google SheetsをCRMとして使うデメリット:

  • データ量増加・複雑化に対応しきれない
  • 営業活動の自動化が限定的
  • 複数人での同時編集時にデータ整合性の問題が発生する可能性
  • セキュリティ・アクセス権限の管理が複雑

Google Sheetsは、顧客数が100件未満の小規模企業には有効ですが、100件以上になると専用CRMの導入が推奨されます。

(3) サードパーティ製CRMとGoogle Workspaceの連携

Google Workspaceと連携可能なCRMは、Google Workspace Marketplace(Googleが提供するアプリストア)から探すことができます。主要なCRMは以下の機能を提供しています:

Google Workspace連携機能:

  • Gmail統合(メール履歴を自動でCRMに記録)
  • Googleカレンダー同期(商談予定を双方向で同期)
  • Googleドライブ連携(顧客ごとにファイルを自動整理)
  • Googleコンタクト同期(顧客情報を自動で同期)
  • シングルサインオン(Googleアカウントで直接ログイン)

これらの連携機能により、タブを切り替えずにリード追加・会話追跡・ファイル検索・ワークフロー管理が可能になります。

Google Workspace連携CRMの主要選択肢と機能比較

(1) Copper CRM:唯一のGoogle推奨アプリ

Copper CRMは、唯一のGoogle推奨アプリ(Google公式パートナー)であり、Chrome Enterprise Partner、Google出資企業として、Google Workspaceとの統合が最も深いCRMです。

Copper CRMの特徴:

  • Gmail、Googleカレンダー、Googleドライブ、Gemini(Google AI)とシームレスに統合
  • タブを切り替えずにリード追加・会話追跡・ファイル検索・ワークフロー管理が可能
  • Google Workspaceのインターフェースに近いUIで、学習コストが低い

適している企業:

  • Google Workspaceを中心に業務を行っている中小〜中堅企業
  • Google推奨アプリとしての信頼性を重視する企業

(2) Zoho CRM:最もダウンロード数が多いCRM

Zoho CRMは、Google Workspace Marketplaceで最もダウンロード数が多いCRMアプリです。

Zoho CRMの特徴:

  • Gmail、Googleカレンダー、Googleドライブ、その他Googleサービスとシームレスに統合
  • Googleアカウントでシングルサインオン
  • Google広告リード自動取得、双方向カレンダー同期
  • 日本語サポート充実

適している企業:

  • Google Workspace連携とコストパフォーマンスを両立したい企業
  • 日本語サポートを重視する企業

(3) NetHunt CRM:Gmail統合型CRM

NetHunt CRMは、Gmailを強力なCRMシステムに変換することに特化したCRMです。

NetHunt CRMの特徴:

  • Gmail内で直接CRM機能を利用可能(タブ切り替え不要)
  • シングルサインインでメールアカウントにアクセス
  • メールトラッキング、コンタクト管理、自動ワークフロー機能をGmail内で実現

適している企業:

  • メール中心の営業活動を行っている企業
  • Gmail内で完結する顧客管理を希望する企業

(4) HubSpot・Salesforce等の主要CRM

HubSpot:

  • 無料プランあり(小規模企業向け)
  • Google Workspace連携可能
  • マーケティングオートメーション機能が充実
  • 日本語サポートあり

Salesforce:

  • 世界最大級のCRMプラットフォーム
  • Google CloudとSalesforceの提携強化により、BigQueryとCRMデータの直接分析が可能(2023年6月発表)
  • 大企業向けの高機能ツール

その他の選択肢:

  • サテライトオフィス・クラウドCRM(日本語対応のGoogle Workspace専用CRM、Googleパートナーアワード受賞)
  • Salesflare、Nimble、Pipedrive、Capsule CRM等(Google Workspace統合CRM)
  • Senses、kintone等(国産CRM、日本語サポート充実)

これらのCRMは、それぞれ異なる強みを持っているため、自社の目的・予算・企業規模に応じて選定することが重要です。

各CRMの料金体系と導入コスト

(1) 無料プランの有無と基本料金

Google Workspace連携CRMの料金体系は以下の通りです:

無料プランあり:

  • HubSpot CRM: 無料プラン(基本機能のみ、有料プランは月額1,800円〜)
  • Google Sheets: 無料(Google Workspaceの範囲内)

有料プランのみ:

  • Copper CRM: 月額29ドル〜(約4,000円〜)
  • Zoho CRM: 月額1,680円〜
  • NetHunt CRM: 月額24ドル〜(約3,500円〜)
  • Salesforce: 月額3,000円〜(機能により大幅に変動)
  • サテライトオフィス・クラウドCRM: 月額500円〜(Google Workspace専用)

※料金は2024年時点の目安です。最新情報は各社公式サイトで確認してください。

(2) 料金変動要因(ユーザー数・機能・データ量)

CRMの料金は以下の要因で変動します:

主な料金変動要因:

  • ユーザー数(営業担当者の人数)
  • 機能(SFA、マーケティングオートメーション、AI分析等のオプション機能)
  • データ量(リード件数、メールアドレス数)
  • サポート体制(電話サポート、専任担当者の有無)

導入前に詳細な見積もりを取得し、想定外のコストが発生しないよう確認することが重要です。

(3) 企業規模別の予算目安

企業規模別の予算目安は以下の通りです:

小規模企業(従業員10人未満):

  • 予算: 月額0円〜1万円
  • 推奨CRM: HubSpot無料プラン、Google Sheets、サテライトオフィス・クラウドCRM

中小企業(従業員10〜100人):

  • 予算: 月額1万円〜10万円
  • 推奨CRM: Zoho CRM、Copper CRM、NetHunt CRM、HubSpot有料プラン

中堅企業(従業員100〜500人):

  • 予算: 月額10万円〜50万円
  • 推奨CRM: Salesforce、HubSpot Professional以上、Zoho CRM Enterprise

大企業(従業員500人以上):

  • 予算: 月額50万円以上
  • 推奨CRM: Salesforce、HubSpot Enterprise

※料金は2024年時点の目安です。企業の利用人数・機能要件により大幅に変動します。

Google Workspace統合の最新トレンドと導入事例

(1) 2023-2024年の主要アップデート

2024-2025年にかけて、Google Workspace統合型CRMが拡充されています:

主要アップデート:

  • NetHunt CRM、Copper CRM、Salesflare、Capsule CRM等が機能強化
  • Google Workspaceマーケットプレイスに日本語対応CRM(サテライトオフィス・クラウドCRM、Zoho CRM、HubSpot等)が増加
  • Gmail、Googleカレンダー、Googleドライブとの双方向同期機能が標準化

(2) Google CloudとSalesforceの提携強化

2023年6月にGoogle CloudとSalesforceが戦略的提携を強化しました:

提携内容:

  • Salesforceのクラウドからデータを移動せずにBigQuery(Googleのデータウェアハウス)でAI分析が可能に
  • Google CloudのAI機能をSalesforce CRMで直接利用可能
  • 大企業向けのデータ分析基盤が大幅に強化

この提携により、Salesforceを利用している企業は、Google CloudのAI・分析機能を活用した高度なデータ分析が可能になりました。

(3) 国内企業の導入事例

国内企業のGoogle Workspace連携CRM導入事例は以下の通りです:

中小企業の事例:

  • Google Workspaceを中心に業務を行っている企業が、Copper CRMやZoho CRMを導入し、Gmail・カレンダーとの統合により営業効率が向上した事例が多い

大企業の事例:

  • Google CloudとSalesforceの提携により、BigQueryとCRMデータの統合分析を実施し、マーケティングROIの可視化に成功した事例がある

導入事例は企業規模・業種・運用体制により結果が異なるため、自社の状況に照らして参考にすることが重要です。

まとめ:企業規模・目的別のCRM選定ガイド

Google Workspaceと連携可能なCRMは多数存在しますが、Googleは独自のCRMツールを提供していません。サードパーティ製CRM(Copper CRM、Zoho CRM、NetHunt CRM、HubSpot、Salesforce等)から、自社の企業規模・予算・目的に応じて選定する必要があります。

CRM選定のポイント:

  • 小規模企業: HubSpot無料プラン、Google Sheets、サテライトオフィス・クラウドCRM
  • 中小企業: Zoho CRM、Copper CRM、NetHunt CRM
  • 大企業: Salesforce、HubSpot Enterprise
  • Google推奨アプリを重視: Copper CRM
  • ダウンロード数を重視: Zoho CRM
  • Gmail統合を重視: NetHunt CRM
  • 無料プランを重視: HubSpot CRM

次のアクション:

  • 自社の予算と必要機能を整理する
  • 3〜5社の公式サイトで詳細を確認する(Google Workspace連携機能を重点的にチェック)
  • 無料トライアルで実際に操作性を試す
  • Google Workspaceとの統合度合いを確認する

自社に合ったCRMで、顧客管理の効率化と営業・マーケティング活動の最大化を目指しましょう。

※この記事は2024年11月時点の情報です。最新情報は各社公式サイトをご確認ください。

よくある質問

Q1Googleは独自のCRMツールを提供していますか?

A1Googleは独自のCRMツールを提供していません。Googleコンタクトは基本的な連絡先管理ツールのみで、本格的な営業・マーケティング管理には対応していません。サードパーティ製CRMの導入が必要です。

Q2Google Workspaceに最も相性の良いCRMはどれですか?

A2Copper CRMはGoogle推奨アプリで統合度が高く、Zoho CRMは最もダウンロード数が多いCRMです。目的に応じて、NetHunt CRM(Gmail統合)、HubSpot(無料プランあり)、Salesforce(BigQuery連携)なども選択肢になります。

Q3Google SheetsをCRMとして使えますか?

A3小規模企業・コスト重視なら可能です。顧客数が100件未満なら有効ですが、データ量増加・複雑化に対応しきれないため、100件以上になると専用CRMの導入が推奨されます。

Q4無料で使えるGoogle対応CRMはありますか?

A4HubSpot CRMは無料プラン(基本機能のみ)を提供しています。また、Google Sheetsを簡易CRMとして活用することも可能です(Google Workspaceの範囲内で無料)。

Q5Google CloudとSalesforceの提携内容は?

A52023年6月にGoogle CloudとSalesforceが提携強化を発表し、Salesforceのクラウドからデータを移動せずにBigQuery(Googleのデータウェアハウス)でAI分析が可能になりました。大企業向けのデータ分析基盤が大幅に強化されています。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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