GA4(Googleアナリティクス4)の使い方と設定方法を解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/21

GA4に移行したけれど、どう使いこなせばいいか分からない...

B2Bマーケティング担当者の多くが、2024年7月のユニバーサルアナリティクス(UA)サービス終了に伴い、GA4(Google Analytics 4)への移行を完了しました。しかし、「画面の見方が全く違う」「どの指標を見ればいいのか分からない」「UAのように使えない」といった声は多く聞かれます。

GA4はUAとは根本的に異なる設計思想で作られており、単に操作方法を覚えるだけでなく、新しい計測概念を理解する必要があります。一方で、機械学習による予測機能やクロスプラットフォーム計測など、UAにはなかった強力な機能も多数搭載されています。

この記事では、GA4の基本的な使い方から、B2Bサイトで重視すべき指標、リード獲得改善に活かす分析手法、2025年の最新機能まで、実務で役立つ情報を体系的に解説します。

この記事のポイント:

  • UAは2024年7月1日にサービス終了済み。GA4への移行は必須
  • GA4は計測の軸がセッションからイベントに変更。すべての行動がイベントとして記録される
  • 導入は3ステップ:アカウント・プロパティ作成→データストリーム設定→トラッキングコード設置
  • 初期設定で必須なのはGoogleシグナル有効化、データ保持期間設定、内部トラフィック除外、クロスドメイン設定
  • 2025年は Analytics Advisor(Gemini搭載AIアシスタント)やAI生成インサイトが追加され、データ分析がより簡単に

1. GA4が必要な理由:UAサービス終了と新しいアクセス解析

(1) UAは2024年7月1日にサービス終了済み

ユニバーサルアナリティクス(UA)は2024年7月1日にデータ計測を停止し、サービスが終了しました。過去データの閲覧は2024年12月31日まで可能でしたが、現在は新規データの収集ができません。

UAサービス終了の背景:

  • プライバシー規制の強化(GDPR、Cookie規制等)への対応
  • モバイル・アプリとウェブの統合的な計測ニーズ
  • 機械学習・予測機能の必要性

(2) GA4への移行が必須となった背景

GA4は、UAの後継として2020年10月に正式リリースされました。Googleが唯一提供する無料アクセス解析ツールとして、GA4への移行は事実上必須となっています。

移行が必須となった理由:

  • UAの新規データ収集が停止
  • UAとGA4のデータは統合できない(別ツール扱い)
  • 今後の新機能はGA4にのみ追加

(3) GA4の3つの主要メリット

GA4には、UAにはなかった以下の3つの主要メリットがあります。

メリット①:クロスプラットフォーム計測 ウェブサイトとモバイルアプリのデータを統合して計測できます。ユーザーがアプリとウェブを行き来する行動を一貫して追跡できるため、より正確なユーザー理解が可能です。

メリット②:予測機能(機械学習) Googleの機械学習技術を活用し、以下のような予測指標が利用できます:

  • 購入見込み
  • 離脱の可能性
  • 予測収益

これらの予測指標を活用することで、優先的にアプローチすべきユーザーを特定できます。

メリット③:プライバシー重視の設計 Cookie規制やGDPRなどのプライバシー規制に対応した設計となっており、将来的な法規制変更にも柔軟に対応できます。

2. GA4の基礎知識:定義・UAとの違い・イベント計測の概念

(1) GA4とは:Googleの次世代アクセス解析ツール

GA4(Google Analytics 4)は、Googleが提供する無料のアクセス解析ツールです。ウェブサイトやアプリの訪問者の行動を詳細に分析し、マーケティング施策の改善に役立てることができます。

GA4の基本情報:

  • リリース時期: 2020年10月
  • 料金: 基本的に無料
  • 対応デバイス: ウェブサイト、iOS・Androidアプリ
  • データ保持期間: 最大14ヶ月(無料版)

(2) UAとGA4の5つの主要な違い

UAからGA4への変更点は多岐にわたりますが、主要な違いは以下の5点です。

違い①:計測の軸が「セッション」から「イベント」に変更 UAではセッション(訪問)を中心に計測していましたが、GA4ではすべての行動を「イベント」として記録します。ページビュー、クリック、スクロールなど、すべてがイベントとして扱われます。

違い②:クロスプラットフォーム計測が標準機能 UAではウェブサイト専用でしたが、GA4ではウェブとアプリを統合して計測できます。

違い③:機械学習による予測機能 UAにはなかった予測指標(購入見込み、離脱可能性等)がGA4では標準搭載されています。

違い④:BigQueryとの無料連携 UAではBigQuery連携は有料版(GA360)のみでしたが、GA4では無料版でも利用可能です。これにより、長期的なデータ保存や高度な分析が可能になります。

違い⑤:レポート画面の大幅な変更 UAの標準レポートとは異なり、GA4では「レポート」と「探索」の2つの画面でデータを確認します。UAに慣れていると最初は戸惑うかもしれませんが、慣れれば柔軟な分析が可能です。

(3) イベントベース計測の概念と利点

GA4の最大の特徴は、すべての行動を「イベント」として記録する点です。

イベントベース計測のメリット:

  • より柔軟なデータ収集(どんな行動でもイベントとして定義可能)
  • カスタマイズ性が高い(必要なデータだけを収集)
  • ユーザー行動の詳細な追跡が可能

主要なイベントの例:

  • page_view:ページ閲覧
  • scroll:ページスクロール(90%到達時など)
  • click:特定要素のクリック
  • form_submit:フォーム送信
  • purchase:購入完了(ECサイトの場合)

3. GA4の導入と初期設定:アカウント作成から必須設定まで

(1) GA4導入の3ステップ(アカウント・プロパティ作成、データストリーム設定、トラッキングコード設置)

GA4の導入は以下の3ステップで進めます。

ステップ1:アカウント・プロパティ作成

  1. Google Analyticsにログイン(https://analytics.google.com/)
  2. 「管理」→「アカウント作成」をクリック
  3. アカウント名、プロパティ名を設定
  4. 「GA4プロパティを作成」を選択

ステップ2:データストリーム設定

  1. プラットフォームを選択(ウェブ、iOS、Android)
  2. ウェブサイトのURLを入力
  3. ストリーム名を設定
  4. 測定IDを取得

ステップ3:トラッキングコード設置 既存のgtag.jsがある場合は新規埋め込み不要です。測定IDを既存のgtagに追加するだけで計測開始できます。

<!-- 既存のgtagがある場合 -->
<script async src="https://www.googletagmanager.com/gtag/js?id=G-XXXXXXXXXX"></script>
<script>
  window.dataLayer = window.dataLayer || [];
  function gtag(){dataLayer.push(arguments);}
  gtag('js', new Date());
  gtag('config', 'G-XXXXXXXXXX');
</script>

(2) 初期設定で必須の4項目(Googleシグナル、データ保持期間、内部トラフィック除外、クロスドメイン設定)

GA4導入後、以下の初期設定を行うことが推奨されます。

必須設定①:Googleシグナルの有効化 Googleアカウントにログインしたユーザーのクロスデバイス行動を追跡できます。

設定方法:「管理」→「データ設定」→「データ収集」→「Googleシグナルを有効にする」

必須設定②:データ保持期間の設定 デフォルトは2ヶ月ですが、最大14ヶ月に延長することが推奨されます。

設定方法:「管理」→「データ設定」→「データ保持」→「14ヶ月」を選択

必須設定③:内部トラフィックの除外 自社からのアクセスをレポートから除外し、正確なデータを収集します。

設定方法:「管理」→「データストリーム」→「タグ設定を行う」→「すべて表示」→「内部トラフィックの定義」

必須設定④:クロスドメイン設定(複数ドメインがある場合) 複数のドメインを運用している場合、ユーザーの行動を統合して追跡できます。

設定方法:「管理」→「データストリーム」→「タグ設定を行う」→「ドメインの設定」

(3) Google Tag Managerとgtag.jsの使い分け

トラッキングコードの設置方法には2つの選択肢があります。

gtag.js(直接埋め込み):

  • メリット: シンプルで初心者向け、設置が簡単
  • デメリット: タグ管理が煩雑(複数のツールを使う場合)
  • 向いているケース: GA4のみを使う、小規模サイト

Google Tag Manager(GTM):

  • メリット: 複数のタグを一元管理、コード変更不要でタグ追加可能
  • デメリット: 初期設定がやや複雑
  • 向いているケース: 複数の計測ツールを使う、中規模以上のサイト

B2Bサイトでは、GA4以外にもMA(マーケティングオートメーション)ツールや広告タグを使うことが多いため、GTMの利用が推奨されます。

4. GA4の使い方:画面構成・レポート・探索機能の活用

(1) GA4の5つの画面構成(ホーム・レポート・探索・広告・管理)

GA4の管理画面は5つのセクションで構成されています。

①ホーム: 主要な指標を一覧表示。最初にアクセスする画面です。

②レポート: 事前定義されたレポート(リアルタイム、ユーザー属性、集客、エンゲージメント等)を確認できます。初心者はまずここから始めることが推奨されます。

③探索: カスタムレポートを作成し、詳細分析ができます。特定の指標を絞り込んで分析する際に使用します。

④広告: Google広告との連携データを確認できます。

⑤管理: アカウント・プロパティの設定、ユーザー権限管理等を行います。

(2) レポート画面で見るべき基本指標

GA4のレポート画面で、B2Bマーケティング担当者がまず確認すべき指標は以下の通りです。

リアルタイムレポート:

  • 現在のアクティブユーザー数
  • リアルタイムのイベント発生状況
  • キャンペーン効果の即時確認

ユーザー属性レポート:

  • ユーザーの国・地域
  • デバイス(デスクトップ・モバイル・タブレット)
  • 新規ユーザーとリピーター

集客レポート:

  • トラフィックソース(オーガニック検索、SNS、直接流入等)
  • 参照元メディア
  • キャンペーンのパフォーマンス

エンゲージメントレポート:

  • ページビュー
  • 平均エンゲージメント時間(UAのセッション時間に相当)
  • イベント数

(3) 探索レポートでの詳細分析方法

探索レポートは、GA4で特定の指標を絞り込んで詳細分析できる強力な機能です。

探索レポートのテンプレート:

  • 自由形式: 最も柔軟なカスタムレポート
  • 目標到達プロセス: コンバージョンまでのステップを可視化
  • 経路データ探索: ユーザーがどのページを経由したかを分析
  • セグメントの重複: 複数のユーザーセグメントの重複を確認

B2Bサイトでの活用例:

  • 「問い合わせフォーム」までの経路分析
  • 「資料ダウンロード」したユーザーの属性分析
  • 「特定の業界」からの流入状況の詳細分析

2025年3月から、探索レポートで作成したカスタムレポートを他のプロパティへコピーできるようになり、複数サイト運営時の効率が向上しました。

5. B2Bサイトでの活用方法:重視すべき指標とリード獲得改善

(1) B2Bサイトで重視すべきGA4指標

B2BサイトとB2Cサイトでは、重視すべき指標が異なります。

B2Bサイトで重視すべき指標:

  • コンバージョン数(問い合わせ、資料ダウンロード、デモ申込等)
  • コンバージョン率
  • 平均エンゲージメント時間(興味関心の高さを示す)
  • セッション数(流入経路別)
  • 新規ユーザー率(認知拡大の指標)
  • リピーター率(関心の継続性)

あまり重視しなくて良い指標:

  • 直帰率(GA4ではエンゲージメント率に置き換わった)
  • ページビュー数(B2Bでは量より質)

(2) コンバージョン設定とリード獲得の追跡

GA4でコンバージョンを設定することで、リード獲得の効果を正確に測定できます。

コンバージョン設定手順:

  1. 「管理」→「イベント」を開く
  2. 追跡したいイベント(例:form_submit)を確認
  3. 「コンバージョンとしてマークを付ける」をオンにする

B2Bサイトでよく設定されるコンバージョン:

  • 問い合わせフォーム送信
  • 資料ダウンロード
  • 無料トライアル申込
  • デモ・商談予約
  • ホワイトペーパーダウンロード

(3) 2025年の新機能(Analytics Advisor、AI生成インサイト)の活用

2025年にGA4に追加された新機能により、データ分析がより簡単になりました。

Analytics Advisor(2025年8月リリース): Gemini(Googleの生成AI)を搭載した会話型AIアシスタントです。GA4内で質問すると、データに基づいた回答を得られます。

活用例:

  • 「先月と比べて今月のコンバージョン率はどう変化したか?」
  • 「オーガニック検索からの流入が減っている原因は何か?」
  • 「最も効果的な集客チャネルはどれか?」

AI生成インサイト(2025年追加): 詳細レポート内にAIが自動でインサイト(データの意味や変化の要因)を表示します。データを深掘りする際の仮説立てに役立ちます。

キャンペーンデータインポート機能の拡張(2025年11月): コスト以外のデータ(インプレッション、クリック数等)もインポート可能になり、より詳細なキャンペーン分析ができるようになりました。

※これらの新機能の仕様は変更される可能性があるため、最新情報は公式ヘルプをご確認ください。

6. まとめ:GA4活用で成果を出すために

GA4は、UAとは根本的に異なるイベントベース計測の考え方を採用しており、最初は戸惑うかもしれません。しかし、機械学習による予測機能、クロスプラットフォーム計測、BigQueryとの無料連携など、UAにはなかった強力な機能が多数搭載されています。

B2Bサイトでは、ページビュー数よりもコンバージョン数、平均エンゲージメント時間、流入経路別のセッション数を重視し、探索レポートで詳細な分析を行うことが重要です。2025年に追加されたAnalytics AdvisorやAI生成インサイトを活用することで、データ分析がより効率的になります。

まずは基本的なレポート画面で主要指標を確認し、慣れてきたら探索レポートで深掘り分析を行いましょう。GA4を正しく活用することで、マーケティング施策の改善とリード獲得の最大化を実現できます。

次のアクション:

  • GA4のアカウント・プロパティ作成を完了させる(未導入の場合)
  • 初期設定4項目(Googleシグナル、データ保持期間、内部トラフィック除外、クロスドメイン設定)を実施
  • レポート画面で基本指標(集客、エンゲージメント)を週次で確認する習慣をつける
  • コンバージョンイベントを設定し、リード獲得数を正確に測定
  • 探索レポートで1つ以上のカスタムレポートを作成し、詳細分析を始める
  • Analytics Advisor(利用可能な場合)でデータに関する質問をして、インサイトを得る

GA4は頻繁にアップデートされるため、公式ヘルプや信頼できるメディアで最新情報をキャッチアップすることも重要です。

よくある質問

Q1GA4とUA(ユニバーサルアナリティクス)の違いは何か?

A1計測の軸がセッションからイベントに変更されました。GA4ではすべての行動(ページビュー含む)がイベントとして記録されます。また、機械学習による予測機能、クロスプラットフォーム計測、BigQueryとの無料連携がGA4では標準搭載されています。

Q2GA4は無料で使えるのか?

A2基本的に無料で利用できます。BigQuery連携も無料で利用可能です(UAでは有料版のみ)。ただし、データ保持期間は最大14ヶ月(無料版)のため、長期分析にはBigQuery連携が推奨されます。

Q3既存のUAデータをGA4に移行できるか?

A3UAとGA4は別ツールであり、データの統合はできません。UAは2024年7月1日にサービス終了し、過去データの閲覧も2024年12月31日までしかできませんでした。移行期間中は両方を並行運用することが推奨されていました。

Q4Google Tag Managerを使うべきか、直接gtagを埋め込むべきか?

A4GA4のみを使う小規模サイトならgtag.jsの直接埋め込みで十分です。複数の計測ツール(MA、広告タグ等)を使う中規模以上のB2BサイトではGoogle Tag Managerの利用が推奨されます。GTMならコード変更なしでタグを追加・管理できます。

Q5データ保持期間はどう設定すべきか?

A5デフォルトは2ヶ月ですが、最大14ヶ月に延長することが推奨されます。14ヶ月を超える長期分析が必要な場合は、BigQueryとの連携を設定しましょう。BigQuery連携は無料で利用でき、データを無期限に保存できます。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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