Googleアナリティクス4(GA4)入門|設定方法から基本的な使い方まで

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/24

GA4(Google アナリティクス 4)を使い始める前に知っておくべきこと

「GA4に移行したけど使い方がわからない」「UAと何が違うのか」という声は多く聞かれます。Google アナリティクス 4(GA4)は従来のユニバーサルアナリティクス(UA)とは設計思想から異なるため、新たに学ぶべき点が多いツールです。

この記事では、GA4の基本概念から設定方法、画面の見方、よく使うレポート機能まで、初めてGA4を使う方向けにステップバイステップで解説します。

この記事のポイント:

  • GA4はイベントベースの計測に変更され、ユーザー行動をより詳細に追跡可能
  • UAは2024年7月1日に完全終了し、GA4が唯一の選択肢に
  • データ保持期間はデフォルト2ヶ月、最大14ヶ月に短縮(長期分析はBigQuery連携を推奨)
  • 画面は5つの要素(ホーム、レポート、探索、広告、管理)で構成
  • 探索レポートで自由度の高いカスタム分析が可能

(1) GA4とは何か―次世代アクセス解析ツールの位置づけ

GA4(Google Analytics 4)は、Googleが2020年10月にリリースした次世代のアクセス解析ツールです。従来のユニバーサルアナリティクス(UA)に代わる新しいプラットフォームとして位置づけられています。

GA4の主な特徴:

  • イベントベースの計測: すべてのユーザー行動をイベントとして計測
  • ユーザー中心の分析: セッションではなくユーザーを軸とした分析
  • クロスプラットフォーム対応: Webとアプリを統合して計測可能
  • プライバシー対応: Cookieに依存しない計測への対応
  • 機械学習機能: 予測指標による将来行動の予測

従来のUAとは設計思想が大きく異なるため、「UAの延長」ではなく「新しいツール」として捉えることが重要です。

(参考: Google公式「次世代のアナリティクス、Google アナリティクス のご紹介」)

(2) UAのサポート終了とGA4への移行必須(2024年7月1日UA完全終了)

ユニバーサルアナリティクス(UA)は2023年7月1日にサポートが終了し、2024年7月1日には完全終了しました。現在はGA4への移行が必須となっています。

UAサポート終了のタイムライン:

  • 2023年7月1日: UAの新規データ収集が停止
  • 2024年7月1日: UA完全終了(過去データへのアクセスも不可)

まだGA4を導入していない場合は、早急に設定を行う必要があります。

(出典: Web担当者Forum「さよならUAまで3か月! 2024年7月1日以降、Google アナリティクスは完全終了」)

(3) データ移行不可の理由と新規計測開始の重要性

UAからGA4へのデータ移行ができない点は重要な注意事項です。これは、両ツールのデータ収集の仕組みが根本的に異なるためです。

データ移行ができない理由:

  • UAはセッションベース、GA4はイベントベースの計測
  • 指標の定義が異なる(直帰率、エンゲージメントなど)
  • データ構造自体が互換性がない

対策:

  • GA4での計測を早期に開始してデータを蓄積
  • 比較分析が必要な場合は並行運用期間のデータを活用
  • 長期的な過去データはBigQueryなどに別途保管

GA4とUA(ユニバーサルアナリティクス)の5つの主な違い

UAに慣れている方がGA4を使いこなすためには、両者の違いを理解することが重要です。

(1) 分析軸の変更(セッション中心→ユーザー中心へ)

最も大きな変更点は、分析の軸がセッションからユーザーに変わったことです。

UA(旧): セッション(訪問)を基準に分析

  • 「このセッションでどのページを見たか」
  • 同じユーザーでも別セッションは別カウント

GA4(新): ユーザーを基準に分析

  • 「このユーザーが過去どのような行動をしたか」
  • 複数セッションを横断してユーザー行動を追跡

これにより、カスタマージャーニー全体を把握しやすくなっています。

(2) 計測方法の変更(セッションベース→イベントベース)

UAではページビューを中心に計測していましたが、GA4ではすべてのユーザー行動をイベントとして計測します。

イベントベース計測のメリット:

  • ページビューだけでなく、クリック、スクロール、動画視聴なども統一的に計測
  • カスタムイベントの設定が柔軟
  • ユーザー行動をより詳細に把握可能

自動計測イベントの例:

  • page_view(ページビュー)
  • scroll(90%スクロール)
  • click(外部リンククリック)
  • file_download(ファイルダウンロード)
  • site_search(サイト内検索)

これらは設定画面でスイッチをONにするだけで計測を開始できます。

(3) 指標の変更(直帰率廃止、エンゲージメント率導入)

UAで重要視されていた「直帰率」はGA4では廃止され、代わりに「エンゲージメント率」が導入されました。

エンゲージメント率とは: 以下のいずれかを満たすセッションの割合

  • 10秒以上継続したセッション
  • コンバージョンイベントが発生したセッション
  • 2ページ以上閲覧したセッション

変更の背景:

  • 直帰率は「1ページだけ見て離脱」を計測するが、コンテンツを読了して満足した離脱も直帰にカウントされる問題があった
  • エンゲージメント率は「ユーザーがサイトに関与したか」をより正確に測定

(参考: HubSpot「GA4とUAの5つの違いを徹底比較」)

(4) データ保持期間の短縮(デフォルト2ヶ月、最大14ヶ月)

GA4ではデータ保持期間が大幅に短縮されています。これはプライバシー保護の観点からの変更です。

設定 期間
デフォルト 2ヶ月
最大設定 14ヶ月

注意点:

  • 年単位の前年比較などが標準機能では難しくなる
  • 探索レポートで使用できるデータ期間が制限される
  • 標準レポート(集計データ)は保持期間の影響を受けない

対策:

  • 管理画面でデータ保持期間を14ヶ月に設定変更
  • 長期分析が必要な場合はBigQuery連携を活用

(5) BigQuery無料連携とクロスプラットフォームトラッキング

GA4では、以下の機能が無料版でも利用可能になりました。

BigQuery連携(無料):

  • UAでは有料版(360)のみで提供されていた機能
  • 生データをBigQueryにエクスポートして高度な分析が可能
  • データ保持期間の制約を回避できる

クロスプラットフォームトラッキング:

  • Webサイトとスマートフォンアプリのデータを統合
  • 同一ユーザーが複数デバイスで行動しても追跡可能
  • データストリームという仕組みで実現

(参考: AIアナリスト「GA4の設定方法|メリット・デメリット」)

GA4の初期設定とアカウント作成手順

GA4を利用するための初期設定手順を解説します。

(1) Google Tag Managerでの設定または直接コード挿入の2つの方法

GA4のトラッキングコードを設置する方法は主に2つあります。

方法1: Google Tag Manager(GTM)を使用

  • タグの管理が容易
  • コード編集なしでタグの追加・変更が可能
  • 他のタグ(広告タグなど)と一元管理できる
  • 推奨される方法

方法2: 直接トラッキングコードを挿入

  • HTMLのタグ内にコードを貼り付け
  • シンプルで分かりやすい
  • 変更のたびにコード編集が必要

複数のタグを管理する予定がある場合や、今後の拡張性を考慮するとGTMの利用が推奨されます。

(2) データストリームの設定(Web・iOS・Android)

GA4では「データストリーム」という単位でデータ収集を設定します。

データストリームの種類:

  • ウェブ: Webサイトからのデータ収集
  • iOS: iOSアプリからのデータ収集
  • Android: Androidアプリからのデータ収集

ウェブデータストリームの設定手順:

  1. GA4の管理画面にアクセス
  2. プロパティ列の「データストリーム」を選択
  3. 「ストリームを追加」→「ウェブ」を選択
  4. WebサイトのURLとストリーム名を入力
  5. 「ストリームを作成」をクリック
  6. 表示された測定IDをサイトに設置

(3) 最初に設定すべき項目(データ保持期間、コンバージョン、自動計測イベント)

GA4導入時に最初に設定すべき重要な項目を紹介します。

1. データ保持期間の変更:

  • 管理 → プロパティ → データ設定 → データ保持
  • デフォルト2ヶ月を14ヶ月に変更

2. コンバージョンの設定:

  • 問い合わせ完了、資料ダウンロードなどをコンバージョンとして設定
  • 管理 → イベント → 該当イベントを「コンバージョンとしてマーク」

3. 拡張計測機能の確認:

  • データストリーム → 拡張計測機能
  • スクロール、離脱クリック、サイト内検索などの自動計測をON/OFF

4. Googleシグナルの有効化(オプション):

  • クロスデバイストラッキングを有効化
  • 管理 → データ設定 → データ収集

GA4の画面構成と基本的な見方(5つの要素)

GA4の画面は5つの主要な要素で構成されています。それぞれの役割を理解しましょう。

(1) ホーム:サイト全体のパフォーマンス概要

ホーム画面では、サイト全体のパフォーマンスを一目で把握できます。

表示される主な情報:

  • ユーザー数、新規ユーザー数
  • 平均エンゲージメント時間
  • 過去30分間のリアルタイムユーザー数
  • 最近アクセスしたレポートへのショートカット

日々のパフォーマンスをざっくり確認する際に便利です。

(2) レポート:標準レポートで基本指標を確認

レポートセクションでは、あらかじめ用意された標準レポートを閲覧できます。

主な標準レポートカテゴリ:

  • ユーザー属性: 年齢、性別、地域、言語など
  • テクノロジー: デバイス、ブラウザ、OS
  • 集客: 流入元、チャネル、キャンペーン
  • エンゲージメント: ページビュー、イベント、コンバージョン
  • 収益化: eコマースの売上、商品パフォーマンス

定型的な分析はこの標準レポートで十分対応できます。

(3) 探索:カスタムレポート作成と詳細分析

探索セクションでは、自由度の高いカスタムレポートを作成できます。UAの「カスタムレポート」に相当する機能です。

探索レポートの特徴:

  • ドラッグ&ドロップで直感的にレポート作成
  • 8つのテンプレートから選択可能
  • 複数のディメンションと指標を組み合わせ可能

標準レポートでは見られない詳細な分析を行う際に活用します。

(4) 広告:広告パフォーマンス測定

広告セクションでは、Google広告などの広告キャンペーンのパフォーマンスを確認できます。

主な機能:

  • アトリビューション分析
  • コンバージョン経路の確認
  • 広告ROIの測定

Google広告とGA4を連携している場合に特に有用です。

(5) 管理:アカウント設定とプロパティ管理

管理セクションでは、アカウントやプロパティの各種設定を行います。

主な設定項目:

  • データストリームの管理
  • データ保持期間の設定
  • コンバージョンの設定
  • ユーザーアクセス権限の管理
  • Google広告・BigQueryとの連携

初期設定や運用中の変更はこのセクションで行います。

(参考: 株式会社クリエル「【図解】GA4の使い方や見方をわかりやすく解説」)

GA4でよく使うレポートと探索機能の活用

実務で活用頻度の高いレポートと探索機能を紹介します。

(1) 標準レポートでの全体把握(ユーザー属性、集客、エンゲージメント、収益化)

日常的なモニタリングには標準レポートを活用します。

B2Bで特に見るべきレポート:

レポート 確認ポイント
集客 → トラフィック獲得 流入元別のセッション数・コンバージョン
エンゲージメント → ページとスクリーン よく見られているページ
エンゲージメント → コンバージョン コンバージョン数と経路
ユーザー属性 → ユーザー属性の詳細 訪問者の地域・デバイス

(2) 探索レポート8つのテンプレート(ファネルデータ探索、経路データ探索など)

GA4の探索レポートには8つのテンプレートが用意されています。

主なテンプレート:

  • 自由形式: 最も汎用的、表やグラフを自由に作成
  • ファネルデータ探索: コンバージョンまでのステップ離脱を分析
  • 経路データ探索: ユーザーの行動パスを可視化
  • セグメントの重複: 複数セグメントの重なりを分析
  • コホートデータ探索: 同時期に獲得したユーザーの行動推移
  • ユーザーのライフタイム: 顧客生涯価値の分析

ファネルデータ探索の活用例:

  • サイト訪問 → サービスページ閲覧 → 問い合わせフォーム → 送信完了
  • 各ステップでの離脱率を把握し、改善ポイントを特定

(参考: やさしいGoogleアナリティクスブログ「GA4の探索レポートの使い方」)

(3) 予測指標の活用(7日以内の購入確率、離脱確率など)

GA4には機械学習を活用した予測機能が搭載されています。

利用可能な予測指標:

  • 購入確率: 7日以内に購入する確率
  • 離脱確率: 7日以内にサイトを離脱(再訪問しない)確率
  • 予測収益: 今後28日間で発生が予測される収益

活用方法:

  • 離脱確率の高いユーザーにリターゲティング広告を配信
  • 購入確率の高いユーザーに特別オファーを提示

注意点:

  • 予測指標を利用するには一定のデータ量が必要
  • 条件を満たさないプロパティでは利用不可

まとめ:GA4を使いこなすための3つのポイント

GA4は従来のUAとは異なる新しいツールです。以下の3つのポイントを押さえて活用しましょう。

1. イベントベースの計測を理解する すべてのユーザー行動がイベントとして計測される仕組みを理解することが第一歩です。自動計測イベントを活用し、必要に応じてカスタムイベントを設定しましょう。

2. 初期設定を確実に行う データ保持期間を14ヶ月に変更、コンバージョンの設定、拡張計測機能の確認など、初期設定を適切に行うことで、後の分析がスムーズになります。

3. 探索レポートを活用する 標準レポートでは見られない詳細な分析は探索レポートで行います。ファネルデータ探索や経路データ探索など、目的に応じたテンプレートを活用しましょう。

次のアクション:

  • GA4のデータ保持期間を14ヶ月に設定変更する
  • 自社サイトの主要コンバージョンを設定する
  • 探索レポートでファネル分析を試してみる
  • Google公式のアナリティクスアカデミーで学習を進める

※この記事は2024-2025年時点の情報です。GA4の機能やUIは継続的にアップデートされるため、最新情報はGoogle公式ヘルプでご確認ください。

よくある質問

Q1GA4とUAの最も大きな違いは何ですか?

A1分析軸がセッション中心からユーザー中心に変更され、計測方法がセッションベースからイベントベースに変更された点が最大の違いです。また、直帰率が廃止されエンゲージメント率が導入されるなど、指標の定義も大きく異なります。

Q2UAからGA4へのデータ移行はできますか?

A2データ収集の仕組みが根本的に異なるため、直接的なデータ移行は不可能です。UAは2024年7月1日に完全終了しているため、GA4での新規計測開始が必須です。過去データが必要な場合は、並行運用期間のデータを活用するか、BigQueryに別途保管する必要があります。

Q3GA4のデータ保持期間はどれくらいですか?

A3デフォルト2ヶ月、最大14ヶ月です。UAと比較して大幅に短縮されています。年単位の長期分析が必要な場合は、BigQuery連携(無料版でも利用可能)を活用することで対応できます。

Q4GA4は初心者でも使えますか?

A4自動計測機能やテンプレートレポートにより初心者でも利用しやすい設計になっています。ただし、UAとは操作方法や指標の定義が大きく異なるため、新たな学習コストは発生します。Google公式のアナリティクスアカデミーなどで学習することをおすすめします。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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