Google アナリティクス 4(GA4)とは?基礎から活用方法まで解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/19

GA4に移行したけれど、活用できていない...

BtoB企業のマーケティング担当者・Web担当者の多くが「GA4に移行したものの、使い方が分からない」「UAとの違いが理解できていない」という悩みを抱えています。2024年7月にUAが完全サービス終了し、GA4が標準となった今、GA4を効果的に活用することが求められています。

この記事では、GA4(Google アナリティクス 4)の基礎知識から、UAとの違い、主要機能、BtoB企業特有の活用ポイント、設定方法まで、実務担当者の目線で解説します。

この記事のポイント:

  • GA4は次世代のアクセス解析ツールで、Web×アプリのクロスプラットフォーム計測が可能
  • UAはセッションベース、GA4はイベントベースで計測方法が根本的に異なる
  • BigQuery連携が無料化され、高度なデータ分析が可能に
  • AI・機械学習による予測機能(購入可能性・離脱可能性)を活用できる
  • BtoB企業はリード獲得計測・長い検討期間のトラッキング・オフラインコンバージョン連携に注力

1. GA4とは:次世代のアクセス解析ツール

(1) GA4の定義と登場背景

GA4(Google Analytics 4)は、Googleが提供する次世代アクセス解析ツールです。Webサイトとアプリのユーザー行動を横断的に計測・分析できる無料ツールとして、2020年10月に登場しました。

GA4が登場した背景:

  • プライバシー規制の強化: GDPR、CCPA等により、サードパーティCookieの規制が強化
  • クロスデバイス行動の増加: ユーザーがPC・スマートフォン・アプリを横断して行動するようになった
  • AI・機械学習の進化: 予測機能により、将来のユーザー行動を予測できるようになった

GA4は、これらの変化に対応するため、「将来の測定ツールを考慮して設計された新しいタイプのプロパティ」として開発されました(Google公式「次世代のアナリティクス、Google アナリティクス 4 のご紹介」より)。

(2) UAサービス終了とGA4への移行完了

UA(Universal Analytics/ユニバーサルアナリティクス)は、GA4以前のGoogleアナリティクスの旧バージョンです。

UAのサービス終了スケジュール:

  • 2023年7月1日: UAのデータ計測終了
  • 2024年7月1日: UAの完全サービス終了(データにアクセス不可)

現在はすべての企業がGA4への移行を完了している状況です。UAで収集した過去データはGA4に引き継げないため、移行前に必要なデータをエクスポートしておく必要がありました。

(3) GA4が目指す将来のアクセス解析

GA4は、以下の方向性を目指しています。

プライバシーファースト:

  • クッキーレス測定、行動モデリング、キーイベントモデリングなどのプライバシーコントロール機能
  • Google Consent Mode V2(2024年3月6日から必須)により、ユーザーの同意に基づいたデータ収集を実現

クロスプラットフォーム計測:

  • Web×アプリのユーザー行動を一元的に計測・分析
  • PCで情報を見た後にスマートフォンのアプリで商品を購入するユーザーの行動を1ユーザーとして集計

AI・機械学習の活用:

  • 「購入の可能性」「離脱の可能性」「予測収益」の3つの予測機能
  • データから自動的にインサイトを抽出し、意思決定を支援

2. UAとGA4の主な違い

(1) 計測方法の根本的変更(セッションベース→イベントベース)

UAとGA4の最も大きな違いは、計測方法が根本的に異なる点です。

UA(セッションベース):

  • Webサイトへの訪問(セッション)を基準に計測
  • ページビュー、直帰率、セッション時間等をセッション単位で集計

GA4(イベントベース):

  • ユーザーのあらゆる行動(ページビュー、クリック、スクロール等)を「イベント」として計測
  • 「スクロール数」「離脱クリック」「サイト内検索」「動画エンゲージメント」などを自動計測
  • 追加の設定なしで詳細なユーザー行動を把握できる

重要な注意点: UAとGA4で計測方法が異なるため、並行で収集した値が一致しません。過去のUAデータと単純比較できない点に注意が必要です。

(2) クロスプラットフォーム計測(Web×アプリ統合)

GA4では、Webサイトとアプリのユーザー行動を一元的に計測できます。

メリット:

  • PCで情報収集→スマートフォンアプリで購入、といったクロスデバイス行動を1ユーザーとして集計
  • Web・iOS・Androidのデータストリームを統合し、全体のユーザージャーニーを把握

BtoB企業での活用:

  • Webサイトでホワイトペーパーをダウンロード→営業アプリで商談、といった行動を追跡
  • 営業担当者向けアプリとマーケティングWebサイトのデータを統合し、リード育成プロセスを可視化

(3) BigQuery連携の無料化

GA4では、BigQuery(Googleのクラウド型データウェアハウス)との連携が無料で利用できます。

UAとの違い:

  • UA: BigQuery連携は有料版(Google Analytics 360)のみ
  • GA4: 無料版でもBigQuery連携が可能

BigQuery連携のメリット:

  • 生データをエクスポートし、SQLで高度な分析が可能
  • 複雑なセグメント分析(例: 3回以上訪問したユーザーの商談化率)
  • 他データとの統合(SFA・MAデータと結合してROIを測定)
  • 長期データ保管(GA4のデータ保持期間は最大14ヶ月だが、BigQueryなら無期限)

(4) 過去データ引き継ぎ不可の注意点

UAからGA4への移行では、過去データを引き継げません。

対応策:

  • 移行前にUAの過去データをエクスポートし、CSV・Excel形式で保管
  • BigQueryにUAデータをエクスポートし、長期保管
  • UAとGA4を並行運用し、移行前後のデータを比較(ただし値は一致しない)

3. GA4の主要機能と指標

(1) イベントベース計測と自動計測機能

GA4では、ユーザーのあらゆる行動を「イベント」として計測します。

自動計測されるイベント:

  • ページビュー(page_view): ページが表示されたとき
  • スクロール(scroll): ページを90%スクロールしたとき
  • 離脱クリック(click): 外部リンクをクリックしたとき
  • サイト内検索(view_search_results): サイト内検索を実行したとき
  • 動画エンゲージメント(video_start, video_progress, video_complete): 動画を再生・視聴したとき

カスタムイベント:

  • 問い合わせフォーム送信、資料請求、ホワイトペーパーダウンロード等、ビジネス上重要な行動を独自に設定

(2) キーイベント(旧コンバージョン)の設定

GA4では、ビジネス上重要なユーザー行動を「キーイベント」として設定します。

名称変更の経緯: 2024年3月に、「コンバージョン」の名称が「キーイベント」に変更されました。これは、Google広告と紐付かないものについて、より適切な名称に変更されたためです。

BtoB企業でのキーイベント例:

  • 問い合わせ完了
  • 資料請求
  • ホワイトペーパーダウンロード
  • セミナー申込
  • 無料トライアル申込

(3) AI・機械学習による予測機能(購入可能性・離脱可能性・予測収益)

GA4では、Google製のAI技術を活用した3つの予測機能を利用できます。

1. 購入の可能性(Purchase Probability):

  • 過去7日間にアクティブだったユーザーが、今後7日間以内に購入する確率を予測
  • BtoB企業では「商談化の可能性」として活用できる

2. 離脱の可能性(Churn Probability):

  • 過去7日間にアクティブだったユーザーが、今後7日間以内に離脱する確率を予測
  • 離脱リスクの高いユーザーに対してリテンション施策を実行

3. 予測収益(Predicted Revenue):

  • 過去28日間にアクティブだったユーザーが、今後28日間以内に生成する収益を予測
  • BtoB企業では「予測契約金額」として活用できる

(4) 2024年の新機能(異常検出・保存された比較等)

2024年には、GA4に以下の新機能が追加されました。

異常検出(Anomaly Detection):

  • データの予期しないスパイクや低下を自動的にフラグ表示
  • トラフィック急増・急減の原因を素早く特定

保存された比較(Saved Comparisons):

  • レポート内で時間枠を並べて表示し保存
  • 前年同期比、前月比などの定点観測が容易に

トレンド変化検出インサイト(Trend Change Detection Insights):

  • Webサイトやアプリデータの重要で長期的な変化を特定
  • マーケティング施策の効果を自動的に検出

4. BtoB企業のためのGA4活用ポイント

(1) リード獲得計測の最適化

BtoB企業にとって、リード獲得の計測が最優先事項です。

計測すべきキーイベント:

  • 問い合わせフォーム送信完了
  • 資料請求完了
  • ホワイトペーパーダウンロード完了
  • セミナー・ウェビナー申込完了
  • 無料トライアル申込完了

流入元別のリード獲得率:

  • オーガニック検索、有料広告、SNS、メールマガジン等、流入元別のリード獲得率を測定
  • 効果の高い流入元に予算を集中

(2) 長い検討期間のトラッキング(マルチタッチアトリビューション)

BtoB企業では、検討期間が数ヶ月〜1年と長いため、マルチタッチアトリビューション(複数接点の貢献度測定)が重要です。

GA4のマルチタッチアトリビューション:

  • ユーザーが初回訪問から商談化・契約までに接触したすべてのチャネル(検索、広告、SNS等)の貢献度を測定
  • 最初のタッチポイント、最後のタッチポイント、すべてのタッチポイントの重み付けを変更可能

活用例:

  • オーガニック検索で初回訪問→有料広告でホワイトペーパーダウンロード→メールマガジンで商談化、といったジャーニーを可視化
  • 各チャネルの真の貢献度を測定し、マーケティング予算を最適化

(3) オフラインコンバージョンの連携

BtoB企業では、オフラインの商談・契約がコンバージョンとなるケースが多いです。

GA4とSFA・CRMの連携:

  • Measurement Protocol APIを使い、オフラインコンバージョン(商談化・契約)をGA4に送信
  • Webサイト訪問→オフライン商談→契約、といったジャーニー全体を測定

活用例:

  • Salesforce・HubSpot等のSFAと連携し、「Webサイトから流入したリードが商談化・契約に至った割合」を測定
  • マーケティングROI(広告費用対効果)を正確に算出

(4) BtoB特有の指標設定(問い合わせ・資料請求・セミナー申込等)

BtoB企業では、以下の指標をKPIとして設定します。

リード獲得関連:

  • 問い合わせ数
  • 資料請求数
  • ホワイトペーパーダウンロード数
  • セミナー・ウェビナー申込数
  • 無料トライアル申込数

エンゲージメント関連:

  • サービス詳細ページ閲覧数
  • 料金ページ閲覧数
  • 導入事例ページ閲覧数
  • サイト滞在時間

5. GA4の設定とレポート作成

(1) 初期設定の手順(データストリーム作成・トラッキングコード設置)

GA4の初期設定は以下の手順で行います。

1. GA4プロパティの作成:

  • Googleアナリティクス管理画面で「プロパティを作成」
  • プロパティ名、タイムゾーン、通貨を設定

2. データストリームの作成:

  • Webサイト、iOSアプリ、Androidアプリのいずれかを選択
  • Webサイトの場合、URLとストリーム名を入力

3. トラッキングコードの設置:

  • Googleタグマネージャー(GTM)経由での設置が推奨
  • または、直接Webサイトのタグ内にGA4測定コードを設置

4. データ収集の確認:

  • GA4管理画面の「リアルタイム」レポートで、データが正しく収集されているか確認

(2) キーイベント(コンバージョン)の設定方法

キーイベントは以下の手順で設定します。

1. イベントの作成:

  • GA4管理画面の「イベント」で、既存のイベントを確認
  • カスタムイベントを作成する場合は、GTMでイベントタグを設定

2. キーイベントとしてマーク:

  • 該当イベントの横にある「キーイベントとしてマーク」をオン

3. 目標値の設定:

  • リード1件あたりの価値を金額で設定(例: 問い合わせ1件 = 10,000円)

(3) カスタムレポートとダッシュボード作成

GA4では、カスタムレポートとダッシュボードを作成できます。

カスタムレポートの作成:

  • 「探索」メニューで、自由形式、目標到達プロセス、経路の探索等のレポートを作成
  • ディメンション(流入元、デバイス、ページ等)とメトリクス(セッション数、キーイベント数等)を組み合わせて分析

ダッシュボード作成:

  • Looker Studio(旧Googleデータポータル)と連携し、ダッシュボードを作成
  • 経営層・マーケティングチーム向けにカスタマイズしたレポートを自動生成

(4) BigQuery連携の設定と活用

BigQuery連携は以下の手順で設定します。

1. BigQueryプロジェクトの作成:

  • Google Cloud Console でBigQueryプロジェクトを作成

2. GA4からBigQueryへのエクスポート設定:

  • GA4管理画面の「BigQueryリンク」でプロジェクトを選択
  • データのエクスポート頻度(日次・ストリーミング)を設定

3. BigQueryでのデータ分析:

  • SQLを使って、複雑なセグメント分析、ファネル分析、コホート分析等を実行
  • BIツール(Tableau、Looker等)と連携し、高度なダッシュボードを作成

6. まとめ:GA4で実現するデータドリブンマーケティング

GA4(Google アナリティクス 4)は、次世代のアクセス解析ツールとして、Web×アプリのクロスプラットフォーム計測、イベントベースの詳細な行動分析、AI・機械学習による予測機能を提供します。BtoB企業では、リード獲得計測、長い検討期間のトラッキング、オフラインコンバージョン連携に注力することで、マーケティングROIを最大化できます。

活用成功のポイント:

  • キーイベント(問い合わせ・資料請求等)を設定し、リード獲得を正確に計測する
  • マルチタッチアトリビューションで、各チャネルの真の貢献度を測定する
  • BigQuery連携で、高度なデータ分析を実現する
  • カスタムレポートとダッシュボードで、経営層・チームに分かりやすく情報共有する

次のアクション:

  • GA4の初期設定を完了し、データ収集を開始する
  • キーイベントを設定し、リード獲得計測を最適化する
  • BigQuery連携を設定し、長期データ保管と高度な分析の基盤を構築する
  • Looker Studioでダッシュボードを作成し、チーム内でデータを共有する

GA4を効果的に活用し、データドリブンマーケティングを実現しましょう。

※GA4の仕様・機能は継続的にアップデートされています。最新情報はGoogle公式サイトをご確認ください(この記事は2024-2025年時点の情報です)。

よくある質問

Q1UAとGA4の主な違いは何ですか?

A1計測方法が根本的に異なり、UAはセッションベース(訪問単位)、GA4はイベントベース(行動単位)です。GA4はWeb×アプリのクロスプラットフォーム計測が可能で、BigQueryとの連携が無料になりました。ただし、UAからGA4へ過去データは引き継げません。

Q2イベントベース計測とはどういう意味ですか?

A2ユーザーのあらゆる行動(ページビュー、クリック、スクロール、動画視聴等)を「イベント」として計測する方式です。GA4では「スクロール数」「離脱クリック」「サイト内検索」「動画エンゲージメント」などを自動計測し、追加設定なしで詳細なユーザー行動を把握できます。

Q3キーイベント(コンバージョン)の設定方法は?

A3GA4管理画面で、既存のイベントを「キーイベント」としてマークするか、カスタムイベントを作成してキーイベント化します。BtoB企業なら「問い合わせ完了」「資料請求」「セミナー申込」「ホワイトペーパーダウンロード」などを設定します。2024年3月に「コンバージョン」から「キーイベント」に名称変更されました。

Q4BigQuery連携のメリットは何ですか?

A4UAでは有料版のみだったBigQuery連携がGA4では無料です。生データをエクスポートし、SQLで高度な分析が可能になります。複雑なセグメント分析、他データとの統合、長期データ保管、カスタムレポート作成などに活用でき、BtoB企業の詳細なリード分析に有効です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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