GA4への移行が必須な理由:UAは2024年7月完全終了
Webサイトのアクセス解析に欠かせないGoogleアナリティクスが、2023年7月から新バージョンのGA4(Google Analytics 4)へ完全移行しました。旧バージョンのUA(Universal Analytics)は2024年7月1日をもって完全終了し、現在はGA4が唯一のGoogleアナリティクスとなっています。
この記事では、GA4の基礎知識、初期設定の手順、基本レポートの見方、B2B企業向けの実践的な分析手法について、初心者向けに解説します。
この記事のポイント:
- UAは2024年7月1日に完全終了し、GA4が唯一のGoogleアナリティクスに
- GA4とUAはデータ計測の仕組みが異なり、過去データの移行はできない
- 初心者は5つの基本ページ(ユーザー、集客、行動、コンバージョン、リアルタイム)を見れば基本的な分析が可能
- データ保持期間を初期設定の2ヶ月から14ヶ月に変更することで過去データ分析ができる
- GTM(Googleタグマネージャー)を使った設定が推奨される
(1) 2023年7月:UA計測終了
2023年7月1日をもって、UAによる新規データの計測が終了しました。この時点から、GA4による計測のみが有効になりました。
(2) 2024年7月1日:UAデータアクセス完全終了
2024年7月1日をもって、UAに蓄積された過去データへのアクセスも完全に終了しました。それ以降、UAのデータを閲覧することはできなくなっています。
(3) GA4へのデータ移行は不可:過去データはエクスポート必須
GA4とUAは仕組み自体が異なるため、UAのデータをGA4に移行したり、設定をそのまま使うことはできません。過去データが必要な場合は、2024年7月1日までにエクスポートしておく必要がありました。
GA4の基礎知識:UAとの違いと主要な変更点
(1) GA4とは:イベントベースのデータモデルを採用した次世代アナリティクス
GA4は、2023年7月からUAに代わる新しいGoogleアナリティクスで、イベントベースのデータモデルを採用しています。従来のページビュー中心の計測から、ユーザーの操作(ページビュー、クリック、スクロールなど)をすべて「イベント」として計測する方式に変わりました。
これにより、より柔軟で詳細なデータ分析が可能になりました。
(2) UAとGA4の4つの違い:セッション軸 vs ユーザー軸、機械学習強化、クロスデバイス測定
UAとGA4の主な違いは以下の4点です:
| 項目 | UA(旧版) | GA4(新版) |
|---|---|---|
| データモデル | セッション軸で計測 | ユーザー軸・イベントベースで計測 |
| 機械学習 | 限定的 | 強化(将来のコンバージョン予測など) |
| クロスデバイス測定 | 限定的 | Googleシグナルでスマホ・PC横断計測が可能 |
| データ移行 | 可能 | 不可(仕組みが異なるため) |
GA4では、ユーザーがスマートフォンとPCの両方でサイトを訪問した場合でも、同一ユーザーとして認識できるクロスデバイス測定が強化されています。
(3) 2024年の主要アップデート:約100件の変更(ユーザー獲得レポート改善など)
2024年には約100件のアップデートがあり、以下のような大幅な変更がありました:
- 2024年6月: ユーザー獲得レポート改善
- 2024年9月: キーイベントレポート廃止
GA4の仕様は頻繁に更新されるため、最新情報は公式サイトで確認することをおすすめします。
(4) 主要な用語解説:GA4・UA・ユーザー・セッション・エンゲージメント率・イベント・GTM・Googleシグナル
- GA4(Google Analytics 4): 2023年7月からUAに代わる新しいGoogleアナリティクス
- UA(Universal Analytics): 旧バージョンのGoogleアナリティクスで、2024年7月1日に完全終了
- ユーザー: サイトを訪問したユニークな訪問者数(同一ユーザーの複数訪問は1とカウント)
- セッション: ユーザーがサイトを訪問してから離脱するまでの一連の行動(30分以上操作がないと新セッション)
- エンゲージメント率: GA4でユーザーのサイト滞在や操作の深さを測る指標(UAの直帰率に代わる指標)
- イベント: GA4でユーザーの操作(ページビュー、クリック、スクロールなど)を計測する単位
- GTM(Googleタグマネージャー): Webサイトのタグを一元管理するツール、GA4設定に推奨
- Googleシグナル: Googleアカウントでログインしたユーザーのクロスデバイスデータを収集する機能
GA4の初期設定:導入から設定完了までの手順
(1) ステップ1:GA4プロパティの作成
まず、Googleアナリティクスの管理画面からGA4プロパティを作成します。
- Googleアナリティクスにログイン
- 「管理」をクリック
- 「プロパティを作成」をクリック
- プロパティ名を入力し、タイムゾーンを日本に設定
- 「次へ」をクリックして完了
(2) ステップ2:Googleタグマネージャー(GTM)での設定(推奨)
GA4の設定は、Googleタグマネージャー(GTM)を使う方法が推奨されます。直接タグを設置すると、複数ツール管理時に設定が複雑化しやすいためです。
GTMを使った設定手順:
- GTMにログインし、「タグ」→「新規」をクリック
- タグの種類で「Googleアナリティクス: GA4設定」を選択
- 測定IDを入力(GA4プロパティの「データストリーム」から取得)
- トリガーを「All Pages」に設定
- 保存して公開
小規模サイトの場合: 直接タグ設置でも問題ない場合があります。公式サイトのマニュアルを確認してください。
(3) ステップ3:イベント・キーイベント設定
GA4では、ユーザーの操作を「イベント」として計測します。重要なイベント(コンバージョンなど)を「キーイベント」として設定します。
B2B企業の例:
- 資料ダウンロード完了
- 問い合わせフォーム送信
- 無料トライアル申し込み
設定手順:
- 「管理」→「イベント」をクリック
- 「イベントを作成」をクリック
- イベント名とパラメータを設定
- 「キーイベント」にマーク
(4) ステップ4:Googleシグナル有効化
Googleシグナルを有効化することで、Googleアカウントでログインしたユーザーのクロスデバイスデータを収集できます。
設定手順:
- 「管理」→「データ設定」→「データ収集」をクリック
- 「Googleシグナルを有効にする」をクリック
(5) ステップ5:データ保持期間の調整(2ヶ月→14ヶ月)
GA4の初期設定では、データ保持期間が2ヶ月と短く設定されています。これを14ヶ月に変更することで、過去データの分析が可能になります。
設定手順:
- 「管理」→「データ設定」→「データ保持」をクリック
- 「イベントデータの保持」を「14か月」に変更
- 保存
(6) ステップ6:Google Search Consoleとの連携
Google Search Consoleと連携することで、検索クエリやクリック数などSEO関連データも確認できます。
設定手順:
- 「管理」→「Search Consoleのリンク」をクリック
- 「リンク」をクリック
- Search ConsoleのプロパティとGA4プロパティを選択
- 保存
GA4の基本レポートの見方:初心者が押さえるべき5つのページ
初心者は、以下の5つのページを見れば基本的な分析が可能です。
(1) ユーザーレポート:ユーザー数・新規 vs リピーター
「レポート」→「ユーザー」→「ユーザー属性」で、以下の情報を確認できます:
- ユーザー数: サイトを訪問したユニークな訪問者数
- 新規ユーザー: 初めてサイトを訪問したユーザー数
- リピーター: 過去に訪問したことがあるユーザー数
B2B企業の活用例: リピーター率が高い場合、コンテンツへの関心が高いと判断できます。
(2) 集客レポート:流入元・チャネル別の効果
「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」で、以下の情報を確認できます:
- 流入元: Google検索、SNS、広告など
- チャネル: Organic Search、Paid Search、Socialなど
B2B企業の活用例: どの流入経路が効果的か分析し、マーケティング戦略を最適化できます。
(3) 行動レポート:ページビュー・滞在時間・直帰率(エンゲージメント率)
「レポート」→「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」で、以下の情報を確認できます:
- ページビュー: ページが表示された回数
- 平均エンゲージメント時間: ユーザーがページに滞在した平均時間
- エンゲージメント率: ユーザーのサイト滞在や操作の深さを測る指標(UAの直帰率に代わる指標)
注意: GA4では「直帰率」の概念が「エンゲージメント率」に変更されています。
(4) コンバージョンレポート:目標達成状況
「レポート」→「エンゲージメント」→「コンバージョン」で、キーイベントの達成状況を確認できます。
B2B企業の活用例: 資料ダウンロード数、問い合わせ数を確認し、リード獲得の効果を測定できます。
(5) リアルタイムレポート:現在のサイト状況
「レポート」→「リアルタイム」で、現在サイトを訪問しているユーザー数や行動をリアルタイムで確認できます。
活用例: 新規記事公開後の反応や、広告配信直後の流入を確認できます。
(6) 初心者が覚えるべき9つの主要指標
GA4では、以下の9つの主要指標を覚えれば基本的な分析が可能です:
- ユーザー数: サイトを訪問したユニークな訪問者数
- セッション数: サイト訪問から離脱までの一連の行動の回数
- エンゲージメント率: ユーザーのサイト滞在や操作の深さ
- 平均エンゲージメント時間: ユーザーがサイトに滞在した平均時間
- ページビュー: ページが表示された回数
- コンバージョン数: 目標達成数
- コンバージョン率: セッションあたりの目標達成率
- 新規ユーザー率: 全ユーザーに対する新規ユーザーの割合
- 流入経路別ユーザー数: チャネル別のユーザー数
GA4でよく使う分析手法:B2B企業向けの実践例
(1) B2B特有のコンバージョン設定:資料ダウンロード・問い合わせフォーム送信
B2B企業では、以下のようなコンバージョンを設定するケースが多くあります:
- 資料ダウンロード完了: PDFダウンロードやホワイトペーパー取得
- 問い合わせフォーム送信: サンキューページ到達
- 無料トライアル申し込み: 登録完了ページ到達
設定方法: 「管理」→「イベント」から、上記のページ到達をイベントとして設定し、「キーイベント」にマークします。
(2) ランディングページ別の効果測定
「レポート」→「エンゲージメント」→「ページとスクリーン」で、各ページのパフォーマンスを確認できます。
分析例:
- 滞在時間が長いページ → コンテンツが魅力的
- エンゲージメント率が低いページ → 改善の余地あり
(3) 流入経路別のコンバージョン率分析
「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」で、流入経路別のコンバージョン率を確認できます。
分析例:
- Organic Search(自然検索)のコンバージョン率が高い → SEOが効果的
- Paid Search(広告)のコンバージョン率が低い → 広告の見直しが必要
(4) Search Consoleデータでのキーワード分析
Google Search Consoleと連携することで、「どのキーワードで検索されてサイトに来たか」を確認できます。
活用例: 狙っていないキーワードで流入が多い場合、そのキーワードに特化したコンテンツを追加することで、さらなる流入増加が期待できます。
まとめ:GA4習得のロードマップと継続学習のポイント
GA4は、UAから大幅に変更された新しいアナリティクスツールです。初心者は、まず5つの基本ページ(ユーザー、集客、行動、コンバージョン、リアルタイム)を見ることから始め、9つの主要指標を覚えることで基本的な分析が可能になります。
GA4習得のロードマップ:
- 初期設定を完了する(イベント・キーイベント設定、データ保持期間調整など)
- 5つの基本ページを毎日見る習慣をつける
- 9つの主要指標を覚える
- B2B特有のコンバージョン設定を行う
- 流入経路別の効果を分析し、改善施策を実施する
継続学習のポイント:
- GA4の仕様は頻繁に更新されるため、Google公式ヘルプや信頼できるメディアで最新情報を確認する
- 自社のビジネス目標に合わせた指標を定義し、定期的にレビューする
- 分析結果をもとに改善施策を実施し、効果を測定するPDCAサイクルを回す
次のアクション:
- GA4プロパティを作成し、初期設定を完了する
- GTMの設定を確認し、正しく計測できているかテストする
- データ保持期間を14ヶ月に変更する
- Google Search Consoleと連携し、SEOデータも確認できるようにする
- 自社のコンバージョンをキーイベントとして設定する
GA4を活用して、データドリブンなマーケティング施策の実施と成果の最大化を目指しましょう。
※この記事は2025年11月時点の情報です。GA4の仕様は頻繁に更新されるため、最新情報は公式サイトで確認してください。
