アナリティクスGA4とは?基本機能と従来版との違いを徹底解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/24

GA4への移行、何から始めればいいかわからない...

Universal Analytics(UA)が2023年7月に終了し、多くのB2Bマーケティング担当者がGoogleアナリティクス4(GA4)への移行を進めています。しかし、「画面が変わりすぎて使い方がわからない」「UAのデータは引き継げるの?」「今まで見ていた指標がなくなっている」といった悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。

この記事では、GA4の基本機能とUAとの違いを徹底解説します。B2Bマーケティング担当者が押さえておくべきポイントを、実務的な視点でお伝えします。

この記事のポイント:

  • GA4はイベントベースの計測モデルを採用し、ユーザー行動をより詳細に追跡できる
  • UAのデータはGA4に引き継がれないため、早期導入が重要
  • 直帰率・離脱率は廃止され、エンゲージメント率などの新指標が導入された
  • BigQueryとの無料連携により、高度なデータ分析が可能
  • GTM(Googleタグマネージャー)を使った導入が推奨される

GA4(Googleアナリティクス4)とは何か

GA4は、Googleが提供する無料のアクセス解析ツールの最新版です。2020年10月にリリースされ、従来のUniversal Analytics(UA)に代わる次世代のアナリティクスとして位置づけられています。

(1) GA4の基本概念とリリース背景

GA4は、プライバシー保護の強化とCookieレス時代への対応を目的として開発されました。従来のUAではサードパーティCookieに依存した計測が主流でしたが、GA4ではファーストパーティデータを重視した設計に変更されています。

また、GA4はWebサイトとモバイルアプリを統合して計測できる「クロスプラットフォーム計測」に対応しており、ユーザーの行動をより包括的に把握できるようになっています。

(2) UAサービス終了の経緯と影響

UAは2023年7月1日にデータ収集を停止し、2024年7月1日にはデータ処理も完全に終了しました。これにより、UAのデータを閲覧することも現在はできなくなっています。

重要な注意点として、UAのデータはGA4に引き継がれません。UAとGA4は計測モデルが根本的に異なるため、過去のデータを移行することは技術的に不可能です。UAのデータを保存したい場合は、事前にエクスポートしておく必要がありました。

(3) GA4の主要な画面構成(ホーム・レポート・探索・広告・管理)

GA4の画面は5つのセクションで構成されています:

ホーム: ダッシュボード形式で主要な指標を一覧表示します。リアルタイムデータや最近のトレンドを素早く確認できます。

レポート: 標準レポートが表示されます。ユーザー属性、集客、エンゲージメント、収益化などのカテゴリに分かれています。

探索: カスタムレポートを作成できる高度な分析機能です。ファネル分析やセグメント比較など、詳細な分析が可能です。

広告: Google広告との連携データを確認できます。コンバージョン経路やアトリビューション分析に活用します。

管理: アカウント設定やプロパティ設定、データストリームの管理などを行います。

GA4とUA(ユニバーサルアナリティクス)の主な違い

GA4とUAでは、データの計測方法から表示される指標まで、多くの点で違いがあります。UAに慣れている方は、この違いを理解しておくことが重要です。

(1) 計測軸の変更:セッション中心からユーザー中心へ

UAでは「セッション」を計測の基本単位としていましたが、GA4では「ユーザー」を中心とした計測モデルに変更されています。

この変更により、同一ユーザーが複数回訪問した場合でも、一貫したユーザー体験として分析できるようになりました。B2Bマーケティングでは、検討期間が長くリピート訪問が多いため、この変更は分析の精度向上に寄与すると考えられています。

(2) イベントベース計測モデルの導入

GA4の最大の特徴は、すべてのユーザー行動を「イベント」として計測するイベントベースの計測モデルです。

UAではページビュー、イベント、トランザクションなど異なる種類のヒットがありましたが、GA4ではすべてがイベントとして統一されています。例えば:

  • ページビュー → page_viewイベント
  • スクロール → scrollイベント
  • クリック → clickイベント
  • フォーム送信 → form_submitイベント(カスタム設定)

このモデルにより、ユーザー行動をより柔軟に計測・分析できるようになっています。

(3) 指標の変更点:直帰率・離脱率の廃止と新指標

GA4では、UAでよく使われていた「直帰率」「離脱率」といった指標が廃止されました。代わりに導入されたのが「エンゲージメント率」です。

エンゲージメント率とは: 10秒以上の滞在、コンバージョンイベントの発生、または2ページ以上の閲覧があったセッションの割合を示します。

直帰率が「サイトを離脱した割合」というネガティブな指標だったのに対し、エンゲージメント率は「積極的に関与した割合」というポジティブな指標として設計されています。

(4) データの引き継ぎ不可と移行時の注意点

前述の通り、UAのデータはGA4に引き継がれません。計測モデルが根本的に異なるため、単純な移行は不可能です。

移行時の注意点:

  • GA4は導入後のデータしか取得できないため、早期導入が重要
  • UAとGA4のデータは計測方法が異なるため、単純比較はできない
  • 過去データが必要な場合は、UAのエクスポートデータを別途保管する

GA4の主要機能とメリット

GA4には、UAにはなかった新機能が多数搭載されています。B2Bマーケティングで特に有用な機能を紹介します。

(1) クロスプラットフォーム計測(Web×アプリ統合)

GA4では、Webサイトとモバイルアプリのデータを統合して分析できます。一人のユーザーがPCで調査し、後日スマートフォンから問い合わせるといった行動も追跡可能です。

B2B企業でもアプリを提供している場合、この機能によりカスタマージャーニー全体を把握できるようになります。

(2) 機械学習による予測指標(購入確率・離脱確率)

GA4では、機械学習を活用した予測指標が利用可能です:

  • 購入確率: 今後7日間でコンバージョンする可能性
  • 離脱確率: 今後7日間でサイトを離脱する可能性
  • 収益予測: 今後28日間で発生する収益の予測

これらの予測指標を活用することで、確度の高いリードへのアプローチやリテンション施策の優先順位付けが可能になります。ただし、一定量のデータが蓄積されるまで機能しない点に注意が必要です。

(3) BigQueryとの無料連携による高度な分析

GA4では、Googleのクラウドデータウェアハウス「BigQuery」との無料連携が可能です。UAでは有料版のみで提供されていた機能が、GA4では無料で利用できるようになりました。

BigQuery連携のメリット:

  • 生データへのアクセス(サンプリングなし)
  • SQLを使った高度なデータ分析
  • 他のデータソースとの統合分析
  • 長期間のデータ保存(GA4の標準保持期間は最大14ヶ月)

(4) 探索レポート機能の活用

探索レポートは、GA4の高度な分析機能です。ドラッグ&ドロップでカスタムレポートを作成でき、以下のような分析テンプレートが用意されています:

  • 自由形式: 柔軟なクロス集計表やグラフの作成
  • ファネル分析: コンバージョンまでのステップ分析
  • 経路データ探索: ユーザーの行動経路の可視化
  • セグメントの重複: 複数セグメントの重複分析
  • コホート分析: 特定期間に獲得したユーザーの追跡

GA4の導入・設定方法

GA4の導入方法と、初期設定のポイントを解説します。

(1) タグ直接埋め込みとGTM使用の2つの導入方法

GA4の導入には2つの方法があります:

方法1: タグを直接埋め込む HTMLのタグ内にGA4の計測タグを直接記述する方法です。シンプルですが、タグの追加・変更のたびにHTMLを編集する必要があります。

方法2: Googleタグマネージャー(GTM)を使用(推奨) GTMを経由してGA4を導入する方法です。タグの追加・変更がGTM上で完結するため、運用が容易になります。多くの専門家がこの方法を推奨しています。

(2) データストリームの設定手順

GA4ではデータストリームという概念が導入されています。これは、データを収集するソース(Webサイトやアプリ)ごとに設定する単位です。

基本的な設定手順:

  1. GA4プロパティを作成
  2. データストリームを追加(Web、iOSアプリ、Androidアプリから選択)
  3. 計測タグを設置(直接埋め込みまたはGTM経由)
  4. データ収集が開始されていることを確認

詳細な手順は、Google公式ヘルプ(https://support.google.com/analytics/answer/9304153?hl=ja)を参照することをおすすめします。

(3) 初期設定のポイントと注意事項

GA4導入後に行うべき初期設定:

  • データ保持期間の変更: デフォルトは2ヶ月ですが、最大14ヶ月に変更可能
  • Googleシグナルの有効化: クロスデバイス計測の精度向上
  • コンバージョン設定: 問い合わせフォーム送信などをコンバージョンとして設定
  • 除外フィルター: 社内アクセスの除外設定

(4) 早期導入の重要性(過去データは取得不可)

GA4は導入後のデータしか取得できません。導入前のデータを遡って取得することは不可能です。

そのため、まだGA4を導入していない場合は、できるだけ早く導入することをおすすめします。データが蓄積されるまで分析の精度は限定的ですが、早く始めることで将来の分析に活用できるデータが増えます。

GA4を活用したB2Bマーケティングの実践

GA4をB2Bマーケティングでどのように活用するか、具体的な方法を紹介します。

(1) リード獲得経路の分析方法

GA4では、ユーザーがどの経路からサイトに訪問し、コンバージョンに至ったかを分析できます。

「レポート」→「集客」→「トラフィック獲得」で、チャネル別・参照元別の流入を確認できます。B2Bでは、オーガニック検索、直接流入、メールマーケティング、SNSなど、各チャネルの貢献度を把握することが重要です。

(2) コンバージョン設定とイベント追跡

B2Bサイトでは、以下のアクションをコンバージョンとして設定することが一般的です:

  • 問い合わせフォーム送信
  • 資料ダウンロード
  • ホワイトペーパーダウンロード
  • ウェビナー申し込み
  • 無料トライアル申し込み

GA4の管理画面から「イベント」を選択し、該当するイベントを「コンバージョンとしてマーク」することで設定できます。

(3) 探索レポートでの深掘り分析

B2Bマーケティングでは、探索レポートを活用した深掘り分析が効果的です:

ファネル分析の例:

  1. サイト訪問
  2. サービスページ閲覧
  3. 料金ページ閲覧
  4. 問い合わせフォーム表示
  5. フォーム送信完了

このファネルを設定することで、どの段階で離脱が多いかを把握し、改善ポイントを特定できます。

まとめ:GA4への移行で押さえるべきポイント

GA4はUAから大きく進化したアクセス解析ツールです。計測モデルの変更により学習コストはありますが、より詳細なユーザー行動分析が可能になっています。

今すぐ取り組むべきこと:

  • GA4が未導入の場合は、早急に導入する(過去データは取得不可)
  • GTMを使った導入で運用負荷を軽減する
  • コンバージョン設定を行い、リード獲得状況を計測する
  • データ保持期間を14ヶ月に変更する

GA4活用のポイント:

  • イベントベース計測を理解し、追跡したい行動をイベントとして設定する
  • 探索レポートで深掘り分析を行い、改善ポイントを特定する
  • BigQuery連携を活用し、より高度な分析に挑戦する

UAとの違いに戸惑うこともあるかもしれませんが、GA4は慣れれば強力な分析ツールになります。まずは基本機能から使い始め、徐々に高度な機能を活用していくことをおすすめします。

※この記事は2024年11月時点の情報に基づいています。最新の機能や設定方法については、Google公式ヘルプを参照してください。

よくある質問:

Q: GA4とUAの主な違いは何ですか? A: 計測軸がセッション中心からユーザー中心に変更され、イベントベースの計測モデルが採用されました。また、直帰率・離脱率などの指標が廃止され、エンゲージメント率などの新指標が導入されています。データの引き継ぎはできません。

Q: UAのデータはGA4に引き継げますか? A: いいえ、UAとGA4はデータ計測方法が異なるため、UAのデータはGA4に引き継がれません。UAサービスは2023年7月1日に終了し、データ処理も2024年7月1日に完全停止しました。移行前のデータはUA側を参照する必要がありましたが、現在は閲覧もできなくなっています。

Q: GA4の導入は難しいですか?専門知識は必要ですか? A: 基本的な導入は専門知識がなくても可能です。タグを直接埋め込む方法とGoogleタグマネージャー(GTM)を使用する方法の2種類があり、GTMが推奨されます。ただし、高度なカスタマイズには一定の技術知識が必要です。

Q: GA4で直帰率や離脱率は測定できますか? A: 直帰率は廃止されましたが、代わりにエンゲージメント率という指標が導入されています。離脱率も従来の形では提供されませんが、探索レポート機能を使えば同様の分析は可能です。GA4では、より詳細なユーザー行動を追跡できるイベントベースの計測に重点が置かれています。

よくある質問

Q1GA4とUAの主な違いは何ですか?

A1計測軸がセッション中心からユーザー中心に変更され、イベントベースの計測モデルが採用されました。また、直帰率・離脱率などの指標が廃止され、エンゲージメント率などの新指標が導入されています。データの引き継ぎはできません。

Q2UAのデータはGA4に引き継げますか?

A2いいえ、UAとGA4はデータ計測方法が異なるため、UAのデータはGA4に引き継がれません。UAサービスは2023年7月1日に終了し、データ処理も2024年7月1日に完全停止しました。

Q3GA4の導入は難しいですか?専門知識は必要ですか?

A3基本的な導入は専門知識がなくても可能です。タグを直接埋め込む方法とGoogleタグマネージャー(GTM)を使用する方法の2種類があり、GTMが推奨されます。ただし、高度なカスタマイズには一定の技術知識が必要です。

Q4GA4で直帰率や離脱率は測定できますか?

A4直帰率は廃止されましたが、代わりにエンゲージメント率という指標が導入されています。離脱率も従来の形では提供されませんが、探索レポート機能を使えば同様の分析は可能です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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