freeeとSalesforceの連携方法|会計・顧客管理を統合するメリットと設定手順

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/13

freeeとSalesforce連携が注目される背景

「営業が受注したのに、経理が請求書を発行するまで時間がかかる...」「入金状況を確認するたびに、営業と経理でやり取りが発生する...」

B2B企業の経理・営業企画担当者の多くが、営業部門と経理部門間の情報連携の非効率さに悩んでいます。Salesforceで商談を管理し、freeeで会計処理を行っている企業では、データの二重入力や確認作業が業務負担となっています。

この記事では、freeeとSalesforceを連携させる方法と、連携によって実現できる業務効率化について解説します。

この記事のポイント:

  • freee for SalesforceをAppExchangeから導入することで、Salesforce上から直接請求書を発行できる
  • 入金状況がSalesforceに自動反映され、営業と経理間の確認作業が不要になる
  • 公式アプリとAPI連携の2つの連携方法があり、ニーズに応じて選択可能
  • 導入事例では「同じ人員で2倍の業務量を処理」といった効果も報告されている
  • 導入にはfreee会計とSalesforceの両方の契約と特定プランが必要

(1) 営業と経理の連携における課題

営業部門と経理部門が別々のシステムを使用している場合、以下のような課題が発生します。

データの二重入力: 営業がSalesforceに商談情報を入力し、経理がfreeeに請求書情報を再入力する必要があります。

確認作業の発生: 請求書発行や入金確認のたびに、営業と経理がメール・電話でやり取りする必要があります。

リアルタイム性の欠如: 入金状況がSalesforceに反映されないため、営業担当者が売掛金管理をリアルタイムで把握できません。

(2) 会計システムとCRM連携のメリット

会計システムとCRMを連携することで、二重入力作業の解消と業務プロセスの自動化が実現できます。freeeはKintone、Zoho CRM、Salesforce、cyzenなどのCRMと連携可能です。

freeeとSalesforce連携の基礎知識

freeeとSalesforceの連携を理解するために、基本的な用語と仕組みを確認しましょう。

(1) freeeとSalesforceの概要

freee: クラウド会計ソフトです。銀行口座データを自動取得して仕訳・決算書を作成し、経理業務を効率化します。

Salesforce: クラウド型CRM(顧客関係管理)プラットフォームです。営業・顧客管理を効率化し、商談の進捗や顧客情報を一元管理します。

(2) freee for Salesforceとは

freee for Salesforceは、freeeとSalesforceを連携するAppExchange公式アプリです。Salesforceの商談・商品データと連携して見積書・請求書を作成し、入金消込まで対応します。

AppExchange: Salesforce公式のアプリマーケットプレイスです。サードパーティ製のアプリやコンポーネントを検索・インストールできます。

(3) 連携によって実現できること

freeeとSalesforceを連携することで、以下の業務が効率化されます。

請求業務の効率化: Salesforce上で商談から請求書発行まで完結し、経理部門への依頼が不要になります。

キャッシュフローの健全化: 入金状況がリアルタイムでSalesforceに反映され、営業担当者が売掛金管理を自ら行えるようになります。

営業と経理の連携強化: 営業部門と経理部門間の請求・入金確認連絡が不要になり、コミュニケーションコストが削減されます。

freee for Salesforceの主要機能

freee for Salesforceに搭載される主要機能を解説します。

(1) 見積書・請求書の作成機能

Salesforceオブジェクト(商談、商品等)から直接、見積書・請求書・取引を作成できます。営業担当者がSalesforce上で操作を完結できるため、経理部門への依頼が不要になります。

複数レコードからの一括請求書作成: 複数の商談やオーダーから一括で請求書を作成できます。

合算請求書作成: 複数の案件を1枚の請求書にまとめて発行できます。

(2) 入金状況の自動反映

freee会計が銀行口座データを自動取得し、入金消込を行います。入金状況がSalesforceに自動反映されるため、営業と経理間の確認作業が不要になります。

入金消込: 入金データと請求データを照合して消し込む経理作業です。freeeが自動で行い、結果がSalesforceに反映されます。

(3) マスタ情報の同期

マスタ情報(勘定科目・税区分・取引先・部門など)をfreeeからSalesforceへ同期できます。システムの基礎となるデータを統一することで、データの整合性が保たれます。

(4) 一括請求・合算請求機能

複数の商談やオーダーをまとめて請求する場合、一括請求書作成機能や合算請求書作成機能を活用できます。月次請求や複数案件をまとめた請求が効率化されます。

連携方法の選択肢と設定手順

freeeとSalesforceの連携方法には、公式アプリとAPI連携の2つの選択肢があります。

(1) 公式アプリ(freee for Salesforce)の導入

freee for SalesforceをAppExchangeからインストールし、認証設定を行うことで連携できます。

導入ステップ:

  1. AppExchangeで「freee for Salesforce」を検索
  2. アプリをインストール
  3. 認証設定を行い、freeeアカウントとSalesforceを接続
  4. アクセス許可セットの設定を行う

freee公式サポートドキュメントが2025年11月に更新されており、最新の設定手順が提供されています。

対象プラン: freee for Salesforceを利用するには特定のプランが必要です。全てのプランで利用できるわけではないため、導入前に公式サイトで要件を確認しましょう。

(2) API連携による独自実装

API連携を活用することで、独自のカスタマイズも可能です。

API連携: アプリケーション間でデータをやり取りする仕組みです。カスタマイズ可能ですが、開発コストがかかります。

Apex: Salesforceのプログラミング言語です。カスタマイズやAPI呼び出しに使用します。

実装例: Apex POST Calloutでfreee APIを呼び出して請求書を作成する方法があります。freeeは無料の開発者環境を提供しており、APIエンドポイントは「https://api.freee.co.jp」です。

注意点: API連携を独自実装する場合、開発者環境での事前テストが必須です。また、freeeとSalesforce両方のAPI仕様変更に対応する保守コストが発生する可能性があります。

(3) 初期設定の手順(認証設定とアクセス許可)

freee for Salesforceの初期設定では、以下の手順が必要です。

認証設定: freeeアカウントとSalesforceを接続し、データ連携を許可します。

アクセス許可セットの設定: Salesforceユーザーがfreee for Salesforceの機能を利用できるよう、アクセス許可を設定します。

最新の設定手順はfreee公式サポートドキュメントで確認できます(2025年11月更新)。

導入事例と導入時の注意点

freeeとSalesforceの連携による効果と、導入時の注意点を解説します。

(1) 導入事例(業務効率化の実績)

医療系企業Medleyでは、会計ソフトとCRMの連携により「同じ人員で2倍の業務量を処理」できるようになったと報告されています。

具体的な効果:

  • 二重入力作業の解消
  • 営業と経理間の確認連絡が不要に
  • リアルタイムな売掛金管理が可能に

ただし、導入事例の効果は企業規模・業種・既存システムにより異なります。自社での効果を見極めるため、導入前に要件を整理し、トライアルで検証することが推奨されます。

(2) 導入時の注意点とプラン要件

freee for Salesforceを導入する際の注意点を確認しましょう。

両方の契約が必要: freee会計とSalesforceの両方の契約が必要です。

特定プランが必要: freee for Salesforceを利用するには特定のプランが必要であり、全てのプランで利用できるわけではありません。導入前に公式サイトで最新情報を確認しましょう。

料金の変更可能性: 料金は変更される可能性があるため、導入前に公式サイトで最新情報を確認してください。

※この記事は2025年1月時点の情報です。最新情報は各社公式サイトをご確認ください。

(3) 保守・運用のポイント

連携アプリを利用しない独自実装の場合、保守・運用コストが発生する可能性があります。

公式アプリのメリット:

  • freeeとSalesforceの仕様変更に自動対応
  • 公式サポートが受けられる
  • アップデートが自動適用される

API連携のデメリット:

  • API仕様変更への対応が必要
  • 開発者のメンテナンスが必要
  • セキュリティ対応を自社で実施

標準的な機能で十分な場合は、公式アプリの利用が推奨されます。

まとめ:自社に合った連携方法の選び方

freeeとSalesforceの連携により、請求業務の効率化、キャッシュフローの健全化、営業と経理の連携強化が実現できます。

連携方法は、公式アプリ(freee for Salesforce)とAPI連携の2つの選択肢があります。標準的な機能(見積書・請求書作成、入金反映等)で十分なら公式アプリが推奨されます。独自のカスタマイズが必要な場合はAPI連携ですが、開発・保守コストが発生します。

次のアクション:

  • 自社の要件(必要な機能、カスタマイズの必要性)を整理する
  • freee会計とSalesforceの契約プランを確認し、freee for Salesforceの利用要件を満たしているか確認する
  • 公式サイトで最新の機能・料金を確認する
  • AppExchangeで「freee for Salesforce」のレビューや詳細情報を確認する
  • 導入前にトライアルで実際の操作性と効果を検証する

freeeとSalesforceの連携で、営業と経理の業務効率を大幅に向上させましょう。

よくある質問

Q1freee for Salesforceを使うには両方の契約が必要?

A1はい、freee会計とSalesforceの両方の契約が必要です。また、freee for Salesforceを利用するには特定のプランが必要なため、導入前に公式サイトで要件を確認してください。

Q2公式アプリとAPI連携のどちらを選ぶべき?

A2標準的な機能(見積書・請求書作成、入金反映等)で十分なら公式アプリが推奨されます。独自のカスタマイズが必要な場合はAPI連携ですが、開発・保守コストが発生します。

Q3連携によってどのくらい効率化できる?

A3導入事例では「同じ人員で2倍の業務量を処理」といった効果も報告されています。営業と経理間の確認作業が不要になることで、業務時間の大幅削減が期待できます。ただし、効果は企業規模・業種により異なります。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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