freee for Salesforceとは?連携で実現できること
(1) freee for Salesforceの概要(Salesforce AppExchange公式アプリ)
freee for Salesforceは、freee株式会社が提供するSalesforce AppExchange公式の連携アプリです。Salesforceの商談・取引先データとfreee会計を連携し、営業管理から請求書作成・入金消込までを一元管理できます。
freeeとSalesforceは、技術面だけでなくビジネス面でも関係が深く、Salesforce Venturesからfreeeへの出資も行われています。両社の連携強化により、B2B企業の業務効率化を支援する体制が整っています。
(2) 連携で解決できる業務課題(二重入力・請求書作成・入金消込)
freee for Salesforceは、以下のような業務課題を解決します:
課題1: 受注データの二重入力
- Salesforceで受注した商談データをfreeeに手入力する手間を削減
- 取引先マスタの二重入力を防ぎ、情報の一元管理が可能
課題2: 請求書作成の効率化
- Salesforceの商談データから見積書・請求書を数クリックで作成
- 商品情報・金額・取引先情報が自動反映され、入力ミスを防止
課題3: 入金確認の手間
- 銀行口座の入金データを自動取得し、入金ステータスをSalesforceに自動同期
- 営業担当者が経理に「入金確認されましたか?」と問い合わせる手間を削減
(3) freeeとSalesforceの関係性(Salesforce Venturesからの出資)
freee自身がSalesforceのユーザーであり、Salesforce Venturesから出資を受けています。この関係性により、両製品の連携は今後も強化される見込みです。
また、freee for Salesforce以外にも「freeeサイン for Salesforce」という電子契約連携製品が登場するなど、エコシステムが拡大しています。
freee for Salesforceの主要機能と業務フロー
(1) Salesforce商談データから見積書・請求書を数クリックで作成
freee for Salesforceでは、Salesforceの商談・商品データを連携することで、freee会計上で見積書・請求書を数クリックで作成できます。
業務フロー:
- Salesforceで商談を「受注」ステータスに変更
- freee for Salesforceが商談データを自動取得
- freee会計で請求書を作成(商品・金額・取引先情報が自動反映)
- 請求書をPDFで発行・送付
従来は営業担当者から経理担当者への情報伝達が必要でしたが、この連携により伝達の手間とミスを削減できます。
(2) 銀行口座入金データの自動取得と入金ステータス自動同期
freee会計は銀行口座と自動連携し、入金データを取得します。freee for Salesforceはこの入金データをもとに、Salesforceの商談の入金ステータスを自動更新します。
業務フロー:
- 顧客が銀行振込で入金
- freee会計が銀行口座データを自動取得
- freee for Salesforceが該当の請求書と入金を自動マッチング
- Salesforceの商談ステータスを「入金済み」に自動更新
営業担当者はSalesforce上で入金状況をリアルタイムに確認でき、経理への問い合わせが不要になります。
(3) 取引先マスタの自動連携と適格請求書対応
Salesforceの取引先情報をfreeeに自動連携する機能により、取引先マスタの二重入力を防ぎます。また、適格請求書発行事業者登録番号の管理にも対応しており、インボイス制度に準拠した請求書を発行できます(2024年時点)。
(4) 売上取引・支出取引・試算表データの連携
freee for Salesforceでは、見積書・請求書連携以外に、以下のデータ連携も可能です:
- 売上取引のみの連携: 請求書作成は不要だが、売上データをSalesforceに記録したい場合
- 支出取引の連携: freee会計の経費データをSalesforceで確認
- 試算表データの連携: 経営者がSalesforceのダッシュボードで財務状況を把握
自社の業務要件に応じて、連携範囲をカスタマイズできます。
freee for Salesforceの導入手順と初期設定
(1) 必要なプラン(freee法人プロフェッショナル以上)
freee for Salesforceを利用するには、freee法人プランのプロフェッショナルまたはエンタープライズが必要です。freee単体の料金に加えて、freee for Salesforceの利用料(最低40,000円から)が発生します。
Salesforce側では、特定のエディション制限はありませんが、管理者権限を持つアカウントが必要です。
(2) 初期設定の3ステップ(freee管理者有効化→Salesforce管理者設定→全ユーザー認証)
freee for Salesforceの初期設定は、以下の3ステップで進めます:
ステップ1: freee管理者による有効化
- freee管理画面でfreee for Salesforceを有効化
- Salesforceとの連携を許可
ステップ2: Salesforce管理者による初期設定
- Salesforce AppExchangeからfreee for Salesforceをインストール
- freeeとの認証設定、マスタ連携、カスタムフィールド作成
ステップ3: 全ユーザーによる認証設定
- 各ユーザーがSalesforceアカウントとfreee会計アカウントを個別に連携
- ユーザー数が多いと初期設定の工数が増加
(3) 認証設定・マスタ連携・カスタムフィールド作成の詳細
Salesforce管理者が実施する設定には、以下が含まれます:
- 認証設定: freeeとSalesforceのOAuth認証設定
- マスタ連携: Salesforceの取引先・商談・商品データとfreeeの取引先・品目データのマッピング
- カスタムフィールド作成: freee for Salesforce専用のカスタムフィールドをSalesforceオブジェクトに追加
これらの設定にはSalesforce管理者の技術知識が必要です。
(4) 導入時の注意点とサポート活用
初期設定は複雑なため、以下のサポートを活用することが推奨されます:
- freee公式ヘルプセンター: 設定手順の詳細ドキュメント
- Salesforceサポート: AppExchangeアプリの導入支援
- 実装パートナー: freee認定パートナー(例: サンブリッジ)による設定代行
導入前に、freee・Salesforce両方のヘルプセンターで最新の設定手順を確認することが重要です(この記事は2024年時点の情報です)。
連携方法の比較(公式連携 vs API連携 vs ノーコードツール)
(1) 公式連携(freee for Salesforce)のメリット・デメリット
メリット:
- Salesforce AppExchange公式アプリで信頼性が高い
- 見積書・請求書作成、入金消込、取引先連携など主要機能が包括的に提供される
- freee公式サポートが受けられる
デメリット:
- freee法人プランのプロフェッショナル以上が必要(最低40,000円)
- freee単体の料金に加えて追加費用が発生
- 初期設定が複雑で、Salesforce管理者の技術知識が必要
(2) API連携による独自実装の選択肢
freeeとSalesforceは両方ともAPIを公開しており、独自に連携開発することも可能です。
メリット:
- freee法人プランの上位プラン(プロフェッショナル以上)が不要な場合がある
- 自社の業務要件に完全にカスタマイズできる
デメリット:
- 開発コストとメンテナンスコストが発生
- 技術的な専門知識が必要
freee for Salesforceの機能で不足する場合や、独自の業務フローに完全に合わせたい場合に選択肢となります。
(3) ノーコードツール(Yoom等)での連携
YoomなどのノーコードiPaaSツールは、freeeとSalesforceの連携テンプレートを提供しています。
メリット:
- ノーコードで連携を構築でき、開発スキル不要
- freee法人プランの上位プランが不要な場合がある
- 柔軟なワークフロー設定が可能(例: Salesforce商談成約時にfreee取引先を自動作成)
デメリット:
- ノーコードツールの月額料金が発生
- 公式連携ほど包括的な機能は提供されない場合がある
小規模企業や、特定のワークフロー自動化のみが目的の場合に適しています。
(4) 企業規模・予算・要件別の最適な選択
公式連携(freee for Salesforce)が適している企業:
- freee法人プランのプロフェッショナル以上を既に利用中または導入予定
- 見積書・請求書作成から入金消込までの包括的な連携が必要
- 公式サポートを重視
API連携が適している企業:
- 独自の業務要件が多く、カスタマイズが必須
- 開発リソースがあり、メンテナンスコストを許容できる
ノーコードツール(Yoom等)が適している企業:
- freee法人プランの上位プランは不要
- 特定のワークフロー自動化のみが目的
- 開発スキルがない
自社の規模・予算・要件を考慮し、複数の選択肢を比較検討することが重要です。
料金体系と費用対効果の考え方
(1) freee for Salesforceの料金(最低40,000円から)
freee for Salesforceの料金は、最低40,000円からです(2024年時点)。この料金はfreee法人プランの料金に加えて発生します。
※料金は変更される可能性があるため、導入前に公式サイト(Salesforce AppExchange、freee公式サイト)で最新情報を確認してください。
(2) freee法人プラン料金との合算コスト
freee for Salesforceを利用するには、freee法人プランのプロフェッショナル以上が必要です。合算コストは以下のようになります:
- freee法人プラン(プロフェッショナル): 月額数万円〜
- freee for Salesforce: 最低40,000円〜
合計で月額8万円〜が目安となりますが、ユーザー数・機能によって変動します。
(3) 業務効率化による工数削減とROI試算
freee for Salesforce導入による工数削減効果の試算例:
削減できる業務:
- 受注データの二重入力: 1件あたり5分 × 月100件 = 500分(約8.3時間)
- 請求書作成の手入力: 1件あたり10分 × 月50件 = 500分(約8.3時間)
- 入金確認の問い合わせ: 1件あたり3分 × 月50件 = 150分(約2.5時間)
合計: 約19時間/月の削減
月額8万円の投資で19時間の工数削減が実現できるとすると、時給4,200円程度でROIがプラスになります。経理・営業担当者の人件費を考慮すると、費用対効果は高いと言えます。
ただし、効果は企業規模・業種・運用体制により異なるため、自社の業務量をもとに試算することが重要です。
まとめ:freee-Salesforce連携で業務効率化を実現するために
freee for Salesforceは、商談管理から見積書・請求書作成、入金消込までをシームレスに連携し、B2B企業の業務効率化を実現する公式連携アプリです。導入に際しては、自社の規模・予算・要件を明確にし、複数の連携方法を比較検討することが重要です。
次のアクション:
- freee法人プランとSalesforceの契約状況を確認する
- 公式連携・API連携・ノーコードツールの3つの選択肢を比較検討する
- 初期設定の手順を確認し、必要に応じてサポートや実装パートナーの支援を検討する
- 自社の業務量をもとにROIを試算し、導入判断を行う
freee-Salesforce連携を効果的に活用し、経理・営業部門の業務効率化を実現しましょう。
