CVR(コンバージョン率)とは?マーケティングにおける重要性
Webマーケティングにおいて、CVR(コンバージョン率)は成果を測定する重要な指標です。「広告を出しているけれど成果につながらない」「LPの効果を改善したいけれど、何から始めればいいか分からない」といった課題を持つ担当者の方も多いのではないでしょうか。
この記事では、CVRの基本概念から計算方法、業界別の平均値、具体的な改善施策まで、B2Bマーケティング担当者向けに実践的に解説します。
この記事のポイント:
- CVR(Conversion Rate)は、Webサイト訪問者のうち目標アクションに至った割合を示す指標
- 基本計算式は「CVR(%)= コンバージョン数 ÷ セッション数 × 100」
- 全業界平均CVRは1.82%、B2B検索広告は2.41%が目安(調査データによる)
- CVRが低い主な原因は、ターゲット不一致、CVポイントの乖離、導線設計の問題
- 改善にはページ表示速度、ファーストビュー、フォーム設計の最適化が有効
(1) CVRの定義と基本概念
CVR(Conversion Rate、コンバージョンレート)とは、Webサイトを訪問したユーザーのうち、購入、資料請求、会員登録、問い合わせなどの「目標アクション(コンバージョン)」に至った割合を示す指標です。日本語では「顧客転換率」とも呼ばれます。
Webマーケティングにおいて、CVRは広告やLPの成果を測定し、改善するための基本指標となります。
(2) CTRとCVRの違い
混同されやすい指標として「CTR(Click Through Rate、クリック率)」があります。両者の違いを整理します。
| 指標 | 意味 | 計算式 |
|---|---|---|
| CTR | 広告表示からクリックまでの割合 | クリック数 ÷ 表示回数 × 100 |
| CVR | サイト訪問から成果までの割合 | コンバージョン数 ÷ セッション数 × 100 |
ポイント:
- CTRは「広告を見た人がどれだけクリックしたか」
- CVRは「サイトに来た人がどれだけ成果に至ったか」
- CVRの方が最終成果に直結する指標
CVRの計算方法と計算例
CVRを正しく計算するためには、分母の設定が重要です。目的に応じて適切な指標を選択します。
(1) 基本計算式(セッション数・クリック数基準)
基本計算式:
CVR(%)= コンバージョン数 ÷ セッション数 × 100
計算例:
- セッション数: 2,000
- コンバージョン数: 20
- CVR: 20 ÷ 2,000 × 100 = 1%
分母の選択肢:
| 分母 | 使用シーン |
|---|---|
| セッション数 | サイト全体のCVRを測定したい場合(一般的) |
| ユーザー数 | リピーターを含めた実人数ベースで測定したい場合 |
| 広告クリック数 | 広告の費用対効果を把握したい場合 |
注意: 分母は「ページビュー(PV)数」ではなく「セッション数」を使用するのが一般的です。PV数は同一ユーザーが複数ページを閲覧した場合にカウントが増えるため、CVRが低く計算されてしまいます。
(2) B2BとB2CでのCVR計算の違い
B2Bの特徴:
- 検討期間が長く、複数回の訪問を経て成果に至ることが多い
- コンバージョンポイントが「資料請求」「問い合わせ」など中間指標
- CVRは低めになる傾向(検索広告で2.41%程度が目安)
B2Cの特徴:
- 即決購入が多く、セッション内でコンバージョンしやすい
- コンバージョンポイントが「購入」「会員登録」など最終成果
- ECサイトでは5%程度のCVRが見られる業界もある
B2Bでは、ファネル段階ごと(認知→興味→検討→商談)にCVRを分解して管理することが効果的です。
CVRの平均値:業界別・広告種類別データ
自社のCVRが適切かどうかを判断するためには、業界平均を参考にします。ただし、商品単価やターゲット層により大きく異なるため、あくまで参考値として扱いましょう。
(1) 業界別CVR平均値(EC・B2B・サービスなど)
以下は各種調査データに基づく業界別の目安です。
| 業界 | CVR平均(目安) |
|---|---|
| 全業界平均 | 1.82% |
| ECサイト | 5.0%前後 |
| 美容・アパレル | 3%台 |
| B2B | 2%前後 |
| 高額商品(不動産・車など) | 1%台 |
※Contentsquare調査(460億セッション、25カ国対象)などのデータを参考
傾向:
- 緊急性が高い商品・サービスほどCVRが高い傾向
- 商品単価が高いほどCVRは低くなる傾向
- B2Bは検討期間が長いためCVRは低め
(2) 広告種類別CVR平均値(検索広告・ディスプレイ広告)
WordStreamの調査データによると、広告種類によってCVRに大きな差があります。
| 広告種類 | CVR平均 |
|---|---|
| 検索広告 | 3.75% |
| ディスプレイ広告 | 0.77% |
| B2B検索広告 | 2.41% |
| B2Bディスプレイ広告 | 0.46% |
検索広告の方がCVRが高い傾向にあります。これは、検索ユーザーは能動的に情報を探しているため、コンバージョン意欲が高いことが要因と考えられています。
(3) デバイス別CVR傾向
| デバイス | CVR傾向 |
|---|---|
| デスクトップ | 2%超 |
| タブレット | 2%超 |
| モバイル | 1.5%程度 |
モバイルはCVRがやや低い傾向があります。フォーム入力のしにくさや、検討段階での閲覧が多いことが要因として挙げられます。
CVRが低い原因と改善施策
CVRが低い場合、まずは原因を特定してから改善施策を検討することが重要です。
(1) CVRが低下する3つの主な原因
原因1: ターゲットユーザーが適切に集客できていない
- 広告のターゲティングがズレている
- キーワード選定がターゲットの検索意図と合っていない
- 流入経路のミスマッチ
原因2: CVポイント(コンバージョンポイント)がユーザー目的と乖離
- ユーザーが求める情報とLPの内容が合っていない
- CVのハードルが高すぎる(いきなり購入を求めるなど)
- 信頼性・安心感が不足している
原因3: CVポイントまで到達していない(途中離脱)
- ページ表示速度が遅い
- 導線が分かりにくい
- フォーム項目が多すぎる
(2) すぐに実践できるCVR改善施策
技術面の改善:
- ページ表示速度の改善(目安: 3秒以内)
- ブラウザ・OS対応の確認
- モバイル対応(レスポンシブデザイン)
コンテンツ面の改善:
- ファーストビューの最適化(課題提起→解決策を明確に)
- キャッチコピーの改善(ユーザーの悩みに寄り添う)
- 信頼性の訴求(導入実績、お客様の声、メディア掲載など)
フォーム設計の改善:
- 入力項目の削減(必要最小限に)
- 入力補助の実装(郵便番号→住所自動入力など)
- エラー表示の分かりやすさ
リマインド施策:
- リターゲティング広告(一度訪問したユーザーへ再アプローチ)
- カゴ落ちメール(ECサイトの場合)
- ステップメールでのナーチャリング(B2Bの場合)
CVR改善に役立つ分析ツールと活用方法
CVR改善には、データに基づいた仮説立案と効果測定が重要です。代表的な分析ツールを紹介します。
(1) Google Analyticsでのコンバージョン分析
できること:
- コンバージョン数・CVRの計測
- 流入経路別のCVR比較
- デバイス別・地域別の分析
- コンバージョンまでの経路分析
活用のポイント:
- 目標設定でコンバージョンポイントを定義
- 流入経路別にCVRを比較し、効果の高いチャネルを特定
- 離脱ページを特定し、改善優先度を決定
Google Analytics(GA4)は無料で利用でき、基本的なCVR分析には十分な機能を備えています。
(2) ヒートマップツールの活用
できること:
- クリック位置の可視化(どこがクリックされているか)
- スクロール深度の把握(どこまで読まれているか)
- ユーザー行動の録画・再生
代表的なツール:
- Microsoft Clarity(無料)
- Hotjar(無料プランあり)
- Ptengine(有料)
活用のポイント:
- CTAボタンがクリックされているか確認
- ファーストビューで離脱していないか確認
- ユーザーが迷っている箇所を特定
まとめ:CVR改善で成果を出すための考え方
CVRは、Webマーケティングの成果を測定し改善するための基本指標です。改善に取り組む際には、以下のポイントを意識しましょう。
CVR改善の基本ステップ:
- 現状のCVRを計測し、把握する
- 業界平均と比較して、自社の位置を確認
- CVRが低い原因を特定する(データ分析)
- 仮説を立て、改善施策を実行
- 効果測定を行い、PDCAを回す
注意点:
- CVRだけを追求すると、ターゲットを絞りすぎて流入が減る可能性がある
- CVR向上のためにハードルを下げすぎると、質の低いリードが増えることも
- CVRとCPA(顧客獲得単価)のバランスを見ながら最適化を進める
次のアクション:
- Google Analyticsで現状のCVRを確認する
- 流入経路別にCVRを比較し、効果の高いチャネルを特定
- ファーストビュー・フォーム設計を見直す
- A/Bテストで仮説検証を行う
CVR改善は一度で完了するものではなく、継続的な改善サイクルが重要です。データに基づいて仮説を立て、検証と改善を繰り返すことで、着実に成果を向上させていきましょう。
※本記事のCVR平均値は各種調査データを参考にしていますが、調査機関・時期により異なる場合があります。自社の業界・商品特性に応じた目標設定をお勧めします。
