CRM、SFA、Salesforce…違いが分からず導入検討が進まない
B2B企業の営業部門やマーケティング担当者として、「CRMとSFAの違いって何?」「SalesforceってSFAのこと?」「どのツールを導入すればいいの?」といった疑問を持つ方は多いのではないでしょうか。
この記事では、CRMとSFAの役割の違い、Salesforceとの関係性、機能比較、ツール選定のポイントを詳しく解説します。
この記事のポイント:
- SFA=営業活動のプロセス(商談から受注まで)に焦点を当てた営業支援システム
- CRM=受注以降の顧客とのコミュニケーション管理がメイン
- Salesforce=米国のクラウドサービス提供企業の社名、SFA製品はSales Cloud
- 一般的なツールはCRMにSFAの機能が内包されたオールインワン型が多い
- ツール選定のポイント:使い勝手、連携性、コスト、サポート体制、カスタマイズ性
CRM・SFA・Salesforceの混同を解消する
(1) よくある混同:「SFA」「Salesforce」「CRM」の違い
B2B営業の現場では、「SFA」「CRM」「Salesforce」という3つの言葉が頻繁に使われますが、それぞれ異なる意味を持ちます:
- SFA(Sales Force Automation): 営業支援システムの総称
- CRM(Customer Relationship Management): 顧客関係管理システムの総称
- Salesforce(セールスフォース): 米国のクラウドサービス提供企業の社名
これらの違いを理解しないまま導入検討を進めると、「求める機能が実現できない」「過剰投資になる」といったリスクがあります。
(2) この記事で解決する疑問・学べること
この記事では、以下の疑問を解決します:
- SFAとCRMの役割の違いは何か?
- SalesforceとSFAはどう違うのか?
- Salesforce社のSFA製品は何という名称か?
- CRM・SFAツールを選ぶ際のポイントは?
- 連携するメリットは何か?
B2B企業の実務担当者として、社内で正確に説明でき、自社に適したツールを選定できるレベルの知識を身につけることが目標です。
CRMとSFAの定義:受注前vs受注後の役割分担
(1) SFA:営業活動のプロセス(商談から受注まで)に焦点
**SFA(Sales Force Automation)**とは、「営業支援システム」の総称で、営業活動のプロセス(商談から受注まで)を自動化・効率化するツールです(参照: Salesforce公式)。
SFAの主な役割:
- 商談の進捗状況を可視化
- 営業プロセスの標準化
- 売上予測の精度向上
- 営業担当者の活動効率化
ターゲット: 見込み客から商談成立までのフェーズ
(2) CRM:受注以降の顧客とのコミュニケーションがメイン
**CRM(Customer Relationship Management)**とは、「顧客関係管理」システムの総称で、受注以降の顧客とのコミュニケーションを管理し、顧客満足度やLTV(顧客生涯価値)を向上させる仕組みです(参照: サンブリッジ)。
CRMの主な役割:
- 顧客情報の一元管理
- コミュニケーション履歴の記録
- 顧客満足度の向上
- リピート購入・アップセルの促進
ターゲット: 受注後の既存顧客とのリレーションシップ構築
(3) 営業活動のフェーズにおける使い分け
営業活動のフェーズを整理すると、以下のように使い分けができます:
- マーケティング段階(リード獲得・育成) → MA(Marketing Automation)
- 営業活動段階(商談から受注まで) → SFA
- 受注後の顧客管理(リレーション構築・LTV向上) → CRM
ただし、実際には多くのツールがSFAとCRMの機能を統合したオールインワン型になっています(参照: サンブリッジ)。
Salesforceとは:社名とSFA製品(Sales Cloud)の関係
(1) Salesforceは米国のクラウドサービス提供企業
**Salesforce(セールスフォース)**は、米国カリフォルニア州に本社を置くクラウドサービス提供企業の社名です(参照: 日立ソリューションズ)。
Salesforceとは:
- 社名: Salesforce, Inc.
- 設立: 1999年
- 本社: 米国カリフォルニア州サンフランシスコ
- 主力製品: CRM、SFA、MAなどのクラウドサービス
Salesforce社は、CRM分野で高いマーケットシェアを保持しており、日本でもSFAツールとして広く利用されています(参照: 日立ソリューションズ)。
(2) Sales Cloud:Salesforce社のSFA製品
Salesforce社が提供するSFA製品は、**Sales Cloud(セールスクラウド)**という名称です(参照: Salesforce公式)。
Sales Cloudの主な機能:
- 商談管理
- 顧客管理
- 見込み客管理
- 営業プロセス管理
- 売上予測
- レポート出力
- モバイル連携
つまり、「Salesforceを導入する」という表現は厳密には曖昧で、正確には「Salesforce社のSales Cloud(SFA製品)を導入する」または「Salesforce社のService Cloud(カスタマーサービス製品)を導入する」というように、具体的な製品名を明示する必要があります。
(3) 2024年のGartner Magic Quadrantでリーダーとして認定
2024年、Salesforce社のSales CloudはGartner Magic Quadrant for Sales Force Automation Platformsでリーダーとして認定されました(参照: Salesforce公式)。
評価のポイント:
- ロードマップの充実
- GenAI(生成AI)機能の統合
- 予測機能の精度
- 部門横断での活用可能性(営業、サービス、マーケティング、コマース、IT等)
2024年時点では、Salesforce以外にもMicrosoft、Oracle、Zoho、Creatioなどが主要SFA/CRMベンダーとして評価されています(参照: CX Today)。
機能比較:CRMとSFAで何ができるのか
(1) SFAの主な機能:商談管理、顧客管理、見込み客管理、営業プロセス管理、売上予測
SFAの主な機能を具体的に見ていきます(参照: Salesforce公式):
1. 商談管理:
営業案件の進捗状況、受注確度、金額などを一元管理。商談がどのステージにあるか可視化できます。
2. 顧客管理:
取引先企業・担当者の情報を記録。営業担当者が変わっても、過去のやり取りを引き継げます。
3. 見込み客管理:
リード(見込み客)の情報を管理し、適切なタイミングでアプローチできます。
4. 営業プロセス管理:
営業活動のフローを標準化し、各ステップの進捗を可視化。営業ノウハウの属人化を防ぎます。
5. 売上予測:
過去のデータや商談状況から将来の売上を予測。経営判断の精度が向上します。
6. レポート出力:
営業活動の状況をリアルタイムでレポート化。KPI管理が容易になります。
7. モバイル連携:
スマートフォン・タブレットから外出先でも情報にアクセスできます。
(2) CRMの主な機能:顧客情報管理、コミュニケーション履歴、顧客満足度向上、LTV最大化
CRMの主な機能は、SFAとは異なる役割を果たします:
1. 顧客情報管理:
受注後の顧客情報を一元管理。購入履歴、問い合わせ履歴、契約内容などを記録します。
2. コミュニケーション履歴:
メール、電話、チャット、訪問記録などをすべて記録。顧客とのやり取りを時系列で把握できます。
3. 顧客満足度向上:
顧客からのフィードバックを分析し、サービス改善に活用。顧客満足度調査(NPS等)の管理も可能です。
4. LTV最大化:
リピート購入、アップセル、クロスセルの機会を発見し、顧客生涯価値(LTV)を最大化します。
5. サポート管理:
問い合わせ対応、トラブルシューティング、契約更新の管理など、カスタマーサクセス活動を支援します。
(3) オールインワン型ツールの特徴
一般的に提供されているシステムの多くは、CRMにSFAの機能が内包されたオールインワン型です(参照: サンブリッジ)。
オールインワン型のメリット:
- 営業活動(SFA)と顧客管理(CRM)を一つのシステムで実現
- データの一元管理でシームレスな情報共有
- 部門横断でのコラボレーション促進
代表的なオールインワン型ツール:
- Salesforce(Sales Cloud + Service Cloud + Marketing Cloud)
- Microsoft Dynamics 365
- Zoho CRM
- HubSpot CRM
これらのツールでは、「SFAだけ使いたい」「CRMだけ使いたい」という選択も可能ですが、併せてフルに活用することでより高い成果が期待できます(参照: サンブリッジ)。
連携のメリットとツール選定のポイント
(1) 連携のメリット:部門横断でのデータ共有、営業活動の一貫性
SFAとCRMを連携させることで、以下のメリットが得られます(参照: Salesforce公式):
1. 部門横断でのデータ共有:
営業部門(SFA)、カスタマーサクセス部門(CRM)、マーケティング部門(MA)がデータを共有し、顧客に一貫した体験を提供できます。
2. 営業活動の一貫性:
商談から受注、受注後のフォローまでをシームレスに管理。営業担当者の引き継ぎミスを防ぎます。
3. データに基づく意思決定:
営業データ(SFA)と顧客データ(CRM)を統合分析し、精度の高い戦略立案が可能になります。
(2) ツール選定のポイント:使い勝手、連携性、コスト、サポート体制、カスタマイズ性
CRM・SFAツールを選ぶ際、以下のポイントを確認することが重要です(参照: GENIEE):
1. 使い勝手:
ツールの使い勝手が悪いと現場に定着しません。導入前に現場の声を確認し、トライアルで実際に操作することが推奨されます。
2. 連携性:
既存のシステム(会計システム、メール、カレンダー等)との連携可否を念入りに確認します。連携できないと、データの分断が発生します。
3. コスト:
導入や維持にかかるコストは製品によって大きく異なります。予算に合ったツールを選ぶ必要があります。
4. サポート体制:
導入後のトレーニング、トラブル対応、アップデート情報の提供など、サポート体制が充実しているか確認します。
5. カスタマイズ性:
自社の業務プロセスに合わせてカスタマイズできるか、または標準機能で十分かを見極めます。
(3) 導入前の確認事項:現場のニーズ、既存システムとの連携可否
導入を成功させるために、以下を事前に確認することが重要です(参照: GENIEE):
1. 現場のニーズ:
営業担当者やカスタマーサクセス担当者が「何に困っているか」「どんな機能が欲しいか」をヒアリングします。
2. 既存システムとの連携可否:
現在使用している会計システム、メールシステム、カレンダーなどと連携できるか確認します。
3. トライアルの実施:
無料トライアル期間で実際に操作し、使い勝手や自社業務への適合性を確認します。
4. 段階的な導入:
初期段階では最低限の機能に絞り、運用しながら必要に応じて機能を追加していく方法が効率的です(参照: GENIEE)。
まとめ:CRM・SFAの使い分けと導入成功のカギ
(1) 役割の違いを理解し、目的に応じて選択
CRMとSFAの役割を整理すると、以下のようになります:
- SFA(営業支援システム): 営業活動のプロセス(商談から受注まで)を自動化・効率化
- CRM(顧客関係管理): 受注以降の顧客とのコミュニケーション管理、LTV向上
- Salesforce: 米国のクラウドサービス提供企業の社名
- Sales Cloud: Salesforce社のSFA製品
導入の判断基準:
- 営業プロセスの可視化・標準化が目的 → SFA
- 顧客満足度向上・リピート購入促進が目的 → CRM
- 両方を統合的に実現したい → オールインワン型ツール(Salesforce、Microsoft、Zoho等)
(2) 次のステップ:トライアルと導入準備
次のアクション:
- 自社の課題を明確にする(営業プロセスの可視化?顧客管理の一元化?)
- 現場の営業担当者・カスタマーサクセス担当者にニーズをヒアリングする
- 複数のツールの無料トライアルを試す(Salesforce、Microsoft、Zoho、HubSpot等)
- 既存システムとの連携可否を確認する
- 予算と必要機能のバランスを見極める
- 段階的に導入し、運用しながら機能を追加する
導入を成功させるカギは、明確な目標設定と現場での定着です(参照: GENIEE)。ツールを導入しても、現場が使わなければ投資対効果は得られません。そのため、導入前のヒアリング、トライアル、段階的な導入が重要です。
※この記事は2024年12月時点の情報です。ツール仕様や料金プランは変更される可能性があるため、最新情報は各社公式サイトをご確認ください。
