CRMを導入したいけれど、費用感がわからない...
「CRMの導入を検討しているが、どのくらいの予算が必要かわからない」「月額料金以外にどんな費用がかかるのか不安」——こうした悩みを抱えるB2B企業の担当者は少なくありません。
CRMツールの価格は、タイプ(クラウド型・オンプレミス型)や機能・規模によって大きく異なります。調査データによると、CRMの平均月額料金は約4,200円(1ユーザーあたり)、初期費用の平均は約25,000円とされていますが、高機能なエンタープライズ向けツールでは月額数万円に達することもあります。
この記事では、CRMの料金体系や価格相場から、月額料金以外の隠れコスト、予算別のおすすめツールまで詳しく解説します。
この記事のポイント:
- クラウド型CRMは初期費用無料〜10万円、月額1,000〜5,000円/ユーザーが相場
- オンプレミス型CRMは初期費用50万〜200万円と高額で大企業向け
- 調査データによるとCRMの平均月額料金は約4,200円、初期費用平均は約25,000円
- 月額料金以外にアドオン費用(ストレージ、API、AI機能等)が発生する場合がある
- 無料トライアルで操作性を確認してから導入判断するのがおすすめ
1. CRM導入における費用の重要性
CRM(顧客関係管理)ツールは、顧客情報を一元管理し、営業・マーケティング活動を効率化するためのシステムです。B2B企業にとって顧客管理は重要な課題であり、CRM導入への関心は高まっています。
(1) 中小企業のCRM導入状況(約半数が導入済み・検討中)
2025年時点で、中小企業のデジタル化が進展しており、約半数の中小企業がCRMを導入済みまたは導入検討中とされています。
CRM導入の主なメリット:
- 顧客情報の一元管理による業務効率化
- 営業活動の可視化とチーム間での情報共有
- 顧客対応の品質向上と顧客満足度の改善
- データに基づく意思決定の実現
一方で、導入を躊躇する理由として「費用感がわからない」という声が多く聞かれます。
(2) 費用感がわからないことによる導入障壁
CRM導入を検討する企業が抱える費用面の不安として、以下のようなものが挙げられます:
- 初期費用がどのくらいかかるのか不明
- 月額料金以外にどんな費用が発生するのか把握しにくい
- 自社の規模に合った価格帯がわからない
- 導入後の費用対効果が見積もれない
これらの不安を解消するため、CRMの料金体系と価格相場を正しく理解することが重要です。
2. CRMの料金体系と種類
CRMの料金体系は、提供形態や課金モデルによって大きく異なります。自社に適した選択をするために、まずは種類ごとの特徴と費用感を把握しましょう。
(1) クラウド型CRM(初期費用無料〜10万円、月額1,000〜5,000円/ユーザー)
クラウド型CRMは、インターネット経由で利用するサービス型のCRMです。サーバーの構築・運用はベンダーが行うため、導入が容易で初期費用を抑えられる点が特徴です。
クラウド型CRMの費用相場:
| 費用項目 | 相場 |
|---|---|
| 初期費用 | 無料〜10万円 |
| 月額費用(1ユーザーあたり) | 1,000〜5,000円 |
| 月額費用(固定プラン) | 5万〜7万円/月 |
中小企業にはクラウド型CRMが適していると言われており、導入事例も多い傾向があります。
(2) オンプレミス型CRM(初期費用50万〜200万円、年間保守費5万〜30万円/人)
オンプレミス型CRMは、自社サーバーにシステムを構築するタイプのCRMです。カスタマイズ性が高く、セキュリティ要件が厳格な企業に適していますが、初期費用は高額です。
オンプレミス型CRMの費用相場:
| 費用項目 | 相場 |
|---|---|
| 初期費用(ライセンス購入) | 50万〜200万円(20人程度) |
| 年間保守・運用費 | 1人あたり5万〜30万円 |
オンプレミス型は大企業や、独自のセキュリティポリシーが求められる業種に向いています。
(3) 個社開発型CRM(費用は最も高額)
自社の業務に合わせてゼロからCRMを開発する方法もあります。ただし、開発費用は数百万〜数千万円に達することもあり、費用と開発期間の両面で最もハードルが高い選択肢です。
費用の高い順:個社開発型 > オンプレミス型 > クラウド型
特別な理由がない限り、中小〜中堅企業にはクラウド型CRMがおすすめです。
(4) ユーザー数課金型と月額固定費の違い
クラウド型CRMの料金体系は、主に2種類に分かれます:
ユーザー数課金型:
- 利用するユーザー数に応じて月額料金が変動
- 1ユーザーあたり1,000〜5,000円程度
- 少人数での利用に適している
- ユーザー数が増えるとコストが膨らむ点に注意
月額固定費型:
- ユーザー数に関わらず一定の月額料金
- 5万〜7万円/月程度が相場
- 利用ユーザー数が多い企業に適している
自社の利用人数に応じて、どちらの課金体系がコストパフォーマンスに優れるかを比較することをおすすめします。
3. 価格帯別CRMツール比較
代表的なCRMツールを価格帯別に紹介します。ツール選定の参考にしてください。
(1) 無料CRM(HubSpot無料プラン、Zoho CRM 3ユーザーまで無料)
無料でCRMを導入したい場合、以下のような選択肢があります:
HubSpot CRM(無料プラン)
- 基本的なCRM機能が無料で利用可能
- 連絡先管理、取引管理、タスク管理など
- 有料プランへのアップグレードで機能拡張
Zoho CRM(3ユーザーまで無料)
- 3ユーザーまでは無料で利用可能
- 顧客管理、商談管理の基本機能を提供
- 4ユーザー以上は有料プラン
無料プランは機能制限があるため、本格運用前の試用期間として活用するのがおすすめです。
(2) 月額〜5,000円のCRM(Zoho CRM 1,680円〜、HubSpot 1,980円〜)
中小企業に人気の価格帯である月額5,000円以下のCRMを紹介します:
Zoho CRM
- 月額費用: 1,680円/ユーザー〜
- 年払いで34%割引が適用される場合あり
- 豊富な機能を低価格で提供
HubSpot Sales Hub(Starter)
- 月額費用: 1,980円/ユーザー〜
- 無料CRMからのアップグレードも容易
- マーケティング機能との連携が強み
kintone(サイボウズ)
- 月額費用: 780〜1,500円/ユーザー
- 業務アプリ作成プラットフォームとしても利用可能
- カスタマイズ性が高い
(3) 月額5,000円以上のCRM(Salesforce 3,000〜39,600円)
機能やサポートが充実した中〜上位価格帯のCRMを紹介します:
Salesforce Sales Cloud
- 月額費用: 3,000〜39,600円/ユーザー(プランにより異なる)
- 世界で最も利用されているCRMの一つ
- 高度なカスタマイズ性と豊富なエコシステム
eセールスマネージャー
- 月額費用: 3,000〜11,000円/ユーザー
- 国産CRM/SFAツール
- 日本企業の商習慣に対応
※料金は2025年時点の情報です。最新の料金は各サービスの公式サイトでご確認ください。
4. 月額料金以外の隠れコスト
CRM導入時には、月額料金以外にもさまざまな費用が発生する可能性があります。総所有コスト(TCO)を見積もる際は、これらの隠れコストも考慮しましょう。
(1) 初期費用とセットアップコスト
導入時に発生する可能性のある費用:
- 初期設定費用: システムのセットアップ、データ移行など
- カスタマイズ費用: 自社の業務フローに合わせた設定変更
- コンサルティング費用: 導入支援サービスを利用する場合
クラウド型CRMは初期費用無料のケースも多いですが、データ移行やカスタマイズを依頼する場合は別途費用が発生することがあります。
(2) アドオン費用(追加ストレージ、API、AI機能等)
月額料金に含まれない追加機能を利用する場合、アドオン費用が発生します:
- 追加ストレージ: 添付ファイルや履歴データの保存容量を増やす場合
- APIアクセス: 外部システムとの連携を行う場合
- AI機能: 予測分析、レコメンデーション機能など
- マーケティングツール連携: MA(マーケティングオートメーション)機能追加
必要な機能が標準プランに含まれているかどうか、事前に確認することをおすすめします。
(3) トレーニング費用とサポート費用
導入後の運用定着に関わる費用も考慮が必要です:
- トレーニング費用: 利用者向けの研修・教育
- サポートアップグレード: 優先サポートや専任担当者を付ける場合
- 運用サポート費用: 継続的な運用支援を受ける場合
特に初めてCRMを導入する企業では、トレーニングやサポートの有無が運用定着に影響するため、費用対効果を考慮して検討しましょう。
5. 予算別おすすめCRM
予算別に、中小〜中堅企業におすすめのCRMを整理します。
(1) 予算月額〜5,000円(中小企業向け)
月額予算が5,000円以下の場合:
| ツール | 月額費用(1ユーザー) | 特徴 |
|---|---|---|
| Zoho CRM | 1,680円〜 | 低価格で機能充実 |
| HubSpot CRM | 無料〜1,980円 | 無料プランあり |
| kintone | 780〜1,500円 | カスタマイズ性が高い |
この価格帯は、従業員10〜50名程度の中小企業に適しています。
(2) 予算月額5,000円以上(中堅企業向け)
月額予算が5,000円以上の場合:
| ツール | 月額費用(1ユーザー) | 特徴 |
|---|---|---|
| Salesforce | 3,000〜39,600円 | 高機能・拡張性が高い |
| eセールスマネージャー | 3,000〜11,000円 | 国産・日本語サポート充実 |
| Mazrica Sales | 要問い合わせ | SFA機能が充実 |
この価格帯は、従業員50〜200名程度の中堅企業や、高度な機能が必要な企業に適しています。
(3) 企業規模と機能要件のマッチング
予算だけでなく、以下の観点でも選定することをおすすめします:
- 必要な機能: 顧客管理、商談管理、レポート機能、外部連携など
- 利用ユーザー数: ユーザー数課金型か固定費型か
- 既存システムとの連携: SFA、MA、会計ソフトとの連携可否
- サポート体制: 日本語サポート、導入支援の有無
6. 費用対効果の判断基準
CRM導入の費用対効果を評価するための指標と判断基準を解説します。
(1) ROI(投資利益率)の計算方法
CRM導入のROIは以下の計算式で見積もることができます:
ROI(%)= (売上増加額 + コスト削減額 − 導入費用) ÷ 導入費用 × 100
具体例(中小企業・10人利用・月額5万円の場合):
- 年間導入費用: 60万円
- 売上増加効果: 年間100万円(商談管理の効率化による)
- コスト削減効果: 年間30万円(業務効率化による)
ROI = (100万円 + 30万円 − 60万円) ÷ 60万円 × 100 = 約117%
この例では、投資額を上回る効果が得られていることになります。
(2) 無料トライアルの活用と導入判断
多くのCRMツールは無料トライアルを提供しています。導入判断の前に以下を確認することをおすすめします:
無料トライアルで確認すべきポイント:
- 操作性・UI/UXの使いやすさ
- 自社の業務フローとの適合性
- データ入力の手間(営業担当者の負担)
- 既存システムとの連携可否
- サポート対応の質
無料トライアル期間中に実際のデータを入力し、運用をシミュレーションしてから導入判断することで、導入後のミスマッチを防ぐことができます。
まとめ:自社の予算と要件に合ったCRMを選ぼう
CRMの費用は、タイプ(クラウド型・オンプレミス型)や機能・規模によって大きく異なります。自社の予算と要件を明確にした上で、複数のツールを比較検討することが重要です。
CRM費用のポイント(再掲):
- クラウド型CRMは初期費用無料〜10万円、月額1,000〜5,000円/ユーザーが相場
- オンプレミス型CRMは初期費用50万〜200万円と高額
- 月額料金以外にアドオン費用・サポート費用も考慮
- 中小企業には月額5,000円以下のクラウド型CRMがおすすめ
次のアクション:
- 自社に必要な機能を洗い出す(顧客管理、商談管理、レポート機能など)
- 利用ユーザー数と予算を設定する
- 3〜5社のCRM公式サイトで料金・機能を比較する
- 無料トライアルで実際の使い勝手を試す
- 隠れコスト(初期費用、アドオン費用等)も含めて総コストを見積もる
※本記事に記載の料金は2025年時点の情報です。最新の料金・機能は各サービスの公式サイトでご確認ください。
