CRM Analyticsの価格|Salesforce分析ツールの料金体系と導入コスト

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/11

CRM Analyticsの価格が気になるけど、どれくらいかかるの?

Salesforceを導入しているB2B企業の多くが、「CRMデータをもっと活用したい」「営業予測の精度を上げたい」と考える中で、CRM Analyticsの導入を検討しています。しかし、「価格体系が複雑で分かりにくい」「ライセンス費用以外にどんなコストがかかるのか」といった疑問を抱く担当者も少なくありません。

この記事では、CRM Analyticsの料金プラン、導入・運用にかかる総コスト(TCO)、他社BIツールとの価格比較、費用対効果を高めるポイントを詳しく解説します。

この記事のポイント:

  • CRM Analyticsは4つのエディション(月額9,000円〜26,400円/ユーザー)があり、必要な機能に応じて選択できる
  • Salesforce基盤製品(Sales CloudやService Cloud)の契約が前提となり、追加料金として発生する
  • ライセンス費用だけでなく、初期導入費用・サポート費用・運用費用を含めた総コスト(TCO)を把握することが重要
  • 他社BIツール(Tableau、Power BI等)と比較すると中〜高価格帯だが、Salesforce統合性とAI機能が強み
  • 無料トライアルで機能検証してから本契約し、必要最小限のエディションから開始することでROIを高められる

1. CRM Analyticsとは|Salesforce分析ツールの基礎知識

CRM Analyticsは、SalesforceのCRMデータを分析・可視化するBIツール(Business Intelligenceツール)です。旧称は「Tableau CRM」や「Einstein Analytics」で、現在は「CRM Analytics」に名称が統一されています。

(1) CRM Analyticsの概要(旧称:Tableau CRM/Einstein Analytics)

CRM Analyticsは、Salesforceに蓄積された営業・顧客データをリアルタイムで分析し、ダッシュボードで可視化する機能を提供します。営業担当者や経営層が、商談の進捗状況、売上予測、顧客行動のパターンなどを直感的に把握できることが特徴です。

(2) 主な機能:データ可視化・予測分析・AIインサイト

CRM Analyticsの主要機能は以下の通りです:

基本機能:

  • ダッシュボード作成:営業・顧客データを視覚的に表示
  • レポート生成:カスタマイズ可能なレポートをワンクリックで作成
  • モバイル対応:スマートフォン・タブレットからリアルタイムで確認

AI機能(Einstein Discovery):

  • 予測分析:商談成約率、売上予測をAIが自動算出
  • インサイト自動生成:データパターンを検出し、改善策を提案
  • 異常検知:通常とは異なる動きを自動でアラート

(3) Salesforce基盤製品(Sales Cloud/Service Cloud)が必須

CRM Analyticsを利用するには、Salesforceの基盤製品(Sales Cloud、Service Cloud等)の契約が前提となります。つまり、CRM Analyticsは「追加オプション」として、既存のSalesforceライセンスに上乗せされる形で費用が発生します。

※CRM Analyticsのみの単独契約はできないため、Salesforceを利用していない企業は、基盤製品の費用も含めて総コストを把握する必要があります。

2. CRM Analyticsの料金プラン一覧

CRM Analyticsは、4つのエディションが用意されており、企業の規模や必要な機能に応じて選択できます。(※2025年時点の情報。最新価格はSalesforce公式サイトをご確認ください)

(1) Einstein Predictions(月額9,000円/ユーザー)

対象:

  • 予測分析機能のみを使いたい企業
  • AIインサイトを営業プロセスに組み込みたい小〜中規模企業

主な機能:

  • 商談成約率予測
  • リード品質スコアリング
  • チャーンリスク予測

メリット:

  • 最も低価格で予測分析を導入可能
  • 既存のSalesforce画面に予測結果を表示

デメリット:

  • ダッシュボード作成機能は含まれない
  • 高度なカスタマイズは不可

(2) CRM Analytics Growth(月額14,400円/ユーザー)

対象:

  • 基本的なダッシュボード・レポート機能を使いたい企業
  • 営業・サービス部門で分析を始めたい中規模企業

主な機能:

  • ダッシュボード作成(標準テンプレート利用)
  • レポート生成
  • データ接続(Salesforceデータのみ)

メリット:

  • 標準テンプレートで迅速に導入可能
  • 初めてBIツールを使う企業に適している

デメリット:

  • カスタマイズの自由度が低い
  • 外部データソースとの連携は不可

(3) CRM Analytics Plus(月額18,000円/ユーザー)

対象:

  • 高度なダッシュボード・分析機能を必要とする企業
  • 外部データソースと連携したい中〜大企業

主な機能:

  • カスタムダッシュボード作成(自由度高)
  • 外部データソース連携(CSV、データベース等)
  • Einstein Discovery(AI予測分析)

メリット:

  • Salesforce以外のデータも統合可能
  • AI機能で高度な予測分析が可能

デメリット:

  • Growthプランより月額約3,600円高い
  • カスタマイズには一定のスキルが必要

(4) Revenue Intelligence(月額26,400円/ユーザー)

対象:

  • 営業組織全体の予測精度を高めたい大企業
  • パイプライン分析・フォーキャスト管理を強化したい企業

主な機能:

  • 営業フォーキャスト自動生成
  • パイプライン分析(商談の健全性チェック)
  • 営業活動の推奨アクション提示

メリット:

  • 営業マネージャーの予測精度が向上
  • 商談リスクを早期発見

デメリット:

  • 最も高価格(月額26,400円/ユーザー)
  • 営業組織が大規模でないと費用対効果が出にくい

(5) サポートプランの追加費用(Premierプランはライセンス料の30%)

Salesforceのサポートプランは別途費用が発生します:

  • Standard(標準サポート):無料(営業時間内のサポート)
  • Premier(プレミアムサポート):ライセンス料の30%が追加(24時間365日サポート、専任担当者付き)

※導入初期はサポート費用を予算に含めて計画することを推奨します。

3. 導入・運用にかかる総コスト(TCO)

CRM Analyticsの総コスト(Total Cost of Ownership: TCO)は、ライセンス費用だけでなく、初期導入費用・運用費用も含めて計算する必要があります。

(1) ライセンス費用(CRM Analytics + Salesforce基盤製品)

例:従業員20名の中小企業がCRM Analytics Growthを導入する場合

  • Sales Cloud Professional(月額9,000円/ユーザー)×20名 = 180,000円/月
  • CRM Analytics Growth(月額14,400円/ユーザー)×20名 = 288,000円/月
  • 合計:468,000円/月(年間約560万円)

(2) 初期導入費用(カスタマイズ・データ移行・トレーニング)

主な費用項目:

  • システム設定・カスタマイズ:50万円〜200万円(要件により変動)
  • 既存データ移行:30万円〜100万円(データ量により変動)
  • 社内トレーニング:20万円〜50万円(研修回数により変動)

合計:100万円〜350万円

(3) 運用費用(サポート・保守・追加開発)

年間の運用費用:

  • サポートプラン:Premierプランの場合、ライセンス料の30%が追加
  • 追加開発・カスタマイズ:年間50万円〜200万円(業務変化に応じて)
  • トレーニング・研修:年間20万円〜50万円

(4) 企業規模別の費用感(年間コストの目安)

企業規模 ユーザー数 年間ライセンス費用 初期導入費用 年間運用費用 年間総コスト(初年度)
小規模 10名 約280万円 100万円〜 50万円〜 430万円〜
中規模 50名 約1,400万円 200万円〜 100万円〜 1,700万円〜
大規模 200名 約5,600万円 350万円〜 200万円〜 6,150万円〜

※上記は目安です。契約条件・カスタマイズ内容により変動します。

4. 他社BIツールとの価格比較

CRM Analyticsは中〜高価格帯のBIツールに位置します。主要な競合製品と価格を比較してみましょう。

(1) Tableau:月額8,400円〜(Salesforceと連携可、CRM Analyticsより安価)

Tableau Creator(月額8,400円/ユーザー)

  • ダッシュボード作成・データ接続が可能
  • Salesforceデータとの連携も可能(別途設定必要)
  • CRM Analyticsより低価格だが、Salesforce統合性は劣る

メリット:

  • CRM Analyticsより約6,000円/月安い(Growthプランと比較)
  • データソースの自由度が高い

デメリット:

  • SalesforceのAI機能(Einstein Discovery)は使えない
  • Salesforce画面への埋め込みは別途開発が必要

(2) Microsoft Power BI:月額約1,200円〜(低価格だが機能は限定的)

Power BI Pro(月額約1,200円/ユーザー)

  • 基本的なダッシュボード作成・共有が可能
  • Microsoft製品との親和性が高い

メリット:

  • 圧倒的な低価格(CRM Analyticsの約1/12)
  • Excel・Teams等との連携が容易

デメリット:

  • Salesforceとの連携は手動設定が必要
  • AI予測分析機能はPower BI Premiumが必要(月額約20万円/組織)

(3) CRM Analyticsの位置づけ:中〜高価格帯、Salesforce統合性が強み

CRM Analyticsは、他社BIツールと比較すると中〜高価格帯ですが、以下の点で優位性があります:

CRM Analyticsの強み:

  • Salesforce完全統合:設定不要でCRMデータを即座に分析可能
  • AI予測分析(Einstein Discovery):追加費用なしでAI機能を利用可能
  • モバイル対応:Salesforceアプリから直接アクセス可能

どちらを選ぶべきか:

  • Salesforceを既に使っている→ CRM Analytics(統合性が高い)
  • Salesforce以外のデータも分析したい→ Tableau(データソースの自由度が高い)
  • コスト最優先→ Power BI(低価格だが連携に手間)

5. 費用対効果を高めるポイント

CRM Analyticsの導入効果を最大化し、ROI(投資対効果)を高めるためのポイントを紹介します。

(1) 無料トライアルで機能検証してから本契約

CRM Analyticsは無料トライアルが提供されています。本契約前に以下を確認しましょう:

確認すべきポイント:

  • 自社のSalesforceデータで必要なダッシュボードが作れるか
  • 操作性は担当者にとって使いやすいか
  • AI予測の精度は実用に耐えるか

※無料トライアル期間中に、営業・マネージャー・IT担当者が実際に触って評価することが重要です。

(2) 必要最小限のエディションから開始し段階的に拡張

推奨ステップ:

  1. ステップ1(導入初期):CRM Analytics Growth(月額14,400円)で基本ダッシュボードを試用
  2. ステップ2(3〜6ヶ月後):効果が確認できたらCRM Analytics Plus(月額18,000円)にアップグレード
  3. ステップ3(1年後):営業組織全体での活用が定着したらRevenue Intelligence(月額26,400円)を検討

※初期投資を抑え、効果を確認しながら段階的に拡張することでリスクを最小化できます。

(3) 既存のSalesforceデータを最大限活用してROI向上

CRM Analyticsは、Salesforceに既に蓄積されているデータをそのまま活用できるため、データ整備の手間が少なく済みます。

ROIを高めるデータ活用例:

  • 商談データ:成約率・パイプライン分析
  • リードデータ:リードソース別のコンバージョン率分析
  • 顧客データ:顧客セグメント別の売上分析

※既存データの質が低い場合は、データクレンジング(重複削除・項目統一等)を先に実施することで分析精度が向上します。

(4) AI機能(Einstein Discovery)の活用で予測精度を向上

CRM Analytics Plus以上のエディションには、Einstein Discovery(AI予測分析)が含まれています。

AI活用による効果:

  • 商談成約率予測:成約可能性の高い商談に営業リソースを集中
  • チャーンリスク予測:解約リスクの高い顧客に先回りして対応
  • 売上予測:過去データから将来の売上を高精度で予測

※AI機能を活用することで、営業活動の効率化と売上向上が期待できます。

6. まとめ:CRM Analyticsの価格と選定の判断基準

CRM Analyticsは、Salesforceを既に利用している企業にとって、CRMデータを最大限活用できる強力なBIツールです。料金プランは4つのエディション(月額9,000円〜26,400円/ユーザー)があり、企業の規模や必要な機能に応じて選択できます。

この記事のまとめ:

  • CRM Analyticsはライセンス費用に加え、Salesforce基盤製品の費用、初期導入費用、運用費用を含めた総コスト(TCO)を把握することが重要
  • 他社BIツール(Tableau、Power BI)と比較すると中〜高価格帯だが、Salesforce統合性とAI機能が強み
  • 無料トライアルで機能検証し、必要最小限のエディションから開始することでROIを高められる

次のアクション:

  • Salesforce公式サイトで最新の価格・機能を確認する(https://www.salesforce.com/jp/analytics/crm/pricing/
  • 無料トライアルに申し込み、自社のSalesforce環境で実際に試す
  • 営業担当者に見積もりを依頼し、総コスト(TCO)を正確に把握する
  • 既存のSalesforceデータを整備し、分析の準備を進める

※価格は変更される可能性があります。契約前に必ず最新の公式価格をご確認ください。(この記事は2025年時点の情報です)

よくある質問

Q1CRM AnalyticsとTableau CRMの違いは何ですか?

A1同じ製品で、旧称がTableau CRM(以前はEinstein Analytics)です。現在は「CRM Analytics」に名称が統一されています。機能や価格に変更はありません。

Q2CRM Analyticsを使うにはSalesforceの基本ライセンスが必要ですか?

A2はい、Sales CloudやService Cloudなどの契約が前提となります。CRM Analyticsは追加料金として発生するため、基盤製品のライセンス費用も含めて総コストを把握する必要があります。

Q3無料プランや無料トライアルはありますか?

A3有料プランのみですが、無料トライアルは利用可能です。本契約前に自社のSalesforce環境で実際に試用して機能や使い勝手を確認することを推奨します。

Q4年間契約のみですか?月額契約は可能ですか?

A4原則として年間契約が必要です。月額契約については営業担当者に確認してください。

Q5他社BIツール(Tableau、Power BI等)と比べてコストパフォーマンスはどうですか?

A5CRM Analyticsは中〜高価格帯に位置します。Salesforce統合性・AI機能(Einstein Discovery)が強みですが、純粋なBIツールとしてはTableauやPower BIの方が低価格です。Salesforceを既に使っている企業ならCRM Analyticsの統合性が高い価値を発揮します。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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