クラウド型営業管理システムの選び方とおすすめツール比較|導入メリットと注意点

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/7

営業管理をクラウド化したいけれど、どのツールを選べばいいかわからない...

Excelやスプレッドシートでの営業管理に限界を感じ、クラウド型の営業管理システム(SFA)の導入を検討している企業は増えています。しかし、「たくさんあるツールの違いがわからない」「導入しても現場に定着するか不安」「コストがどれくらいかかるのか見えない」といった悩みを抱えている担当者も多いのではないでしょうか。

この記事では、クラウド型SFAの特徴、オンプレミス型との比較、主要ツールの機能・料金比較、導入を成功させるための選定ポイントまで解説します。

この記事のポイント:

  • クラウド型SFAは初期費用が低く、場所を選ばず利用可能でリモートワークにも対応
  • 料金相場は中小企業向け月3,000〜7,000円/ユーザー、大企業向け月1万〜2万円超/ユーザー
  • SFA導入企業の約50%が課題解決に至っていないため、ツール選定と現場定着が重要
  • シンプルで使いやすいツールを選ぶことで、営業担当者の入力負荷を軽減し定着率を高められる
  • 導入後1〜3年の伴走支援があるサービスを選ぶことが推奨される

クラウド型営業管理システム(SFA)とは

SFA(Sales Force Automation)は、営業活動を支援するためのITツールです。営業活動の可視化や自動化を通じて、営業効率の向上と業務の効率化に貢献します。

SFAの主な機能:

  • 顧客情報管理:取引先や担当者の情報を一元管理
  • 案件管理:商談の進捗状況、受注確度、金額などを管理
  • 活動管理:訪問履歴、電話・メール記録、タスク管理
  • レポート・分析:営業成績の可視化、予実管理
  • 営業予測:AIを活用した受注予測(一部ツール)

クラウド型の特徴:

  • Webブラウザやスマートフォンアプリからアクセス可能
  • 自社サーバー不要で、初期構築作業が不要
  • 月額課金で必要に応じてユーザー数や機能を増減可能
  • 直行直帰の営業にも対応し、タブレットやスマホから顧客情報入力や報告書提出が可能

クラウド型とオンプレミス型の比較

クラウド型SFAの導入を検討する際は、オンプレミス型との違いを理解しておくことが重要です。

初期費用・運用コストの違い

費用比較:

項目 クラウド型 オンプレミス型
初期費用 低い(ゼロ〜数十万円) 高い(数百万円〜)
月額費用 発生(継続的) 発生しない
サーバー費用 不要 必要(購入・保守)
運用保守費用 ベンダー負担 自社負担

クラウド型のメリット:

  • サーバー購入が不要で初期費用を抑えられる
  • システム保守・アップデートはベンダーが対応
  • 利用を停止すれば月額費用も停止

クラウド型のデメリット:

  • 長期利用では月額費用が累積し、オンプレミス型より総額が高くなる可能性
  • ベンダー側の都合でサービス終了・価格改定のリスク

拡張性・カスタマイズ性

拡張性・カスタマイズ性の比較:

項目 クラウド型 オンプレミス型
ユーザー数の増減 容易(月単位で変更可能) 困難(ライセンス追加購入)
機能追加 ベンダー提供の範囲内 自由にカスタマイズ可能
他システム連携 API連携(制約あり) 自由度が高い

選び方のポイント:

  • 急成長中の企業や人員変動が大きい場合はクラウド型が柔軟
  • 独自の業務フローに合わせた高度なカスタマイズが必要な場合はオンプレミス型を検討

セキュリティ・データ保管場所

クラウド型SFAのセキュリティは多くの企業が懸念するポイントです。

確認すべきセキュリティ項目:

  • データ暗号化(通信時・保管時)
  • アクセス制限(IP制限、二要素認証)
  • データ保管場所(国内/海外データセンター)
  • バックアップ体制
  • セキュリティ認証(SOC2、ISMS等)

主要なクラウド型SFAツールは、これらのセキュリティ対策を標準で提供しています。導入前に自社のセキュリティポリシーと照合し、要件を満たしているか確認することが推奨されます。

主要クラウド型SFAツールの機能・料金比較

代表的なクラウド型SFAツールを比較します。

Salesforce Sales Cloud

Salesforce Sales Cloudは、世界シェアNo.1のCRM/SFAプラットフォームです。

特徴:

  • 豊富な機能と高い拡張性
  • 大規模企業・エンタープライズに強み
  • AppExchangeによる多数のアドオン
  • AI機能(Einstein)による予測分析

料金目安(2024年時点):

  • Starter:月額3,000円/ユーザー〜
  • Professional:月額9,600円/ユーザー〜
  • Enterprise:月額19,800円/ユーザー〜

向いている企業:

  • 大規模企業、複雑な営業プロセスを持つ企業
  • 他のSalesforce製品と連携したい企業

Mazrica Sales・eセールスマネージャー

国内発のSFAツールで、日本企業の営業スタイルに合った機能が特徴です。

Mazrica Salesの特徴:

  • 国内企業向けの使いやすいUI
  • AIによる案件リスク予測
  • Slack、Chatwork等との連携

eセールスマネージャーの特徴:

  • 日本の営業現場に特化した設計
  • 5,500社以上の導入実績
  • 手厚いサポート体制

料金目安:

  • 月額5,000〜10,000円/ユーザー程度

向いている企業:

  • 日本語サポートを重視する中堅企業
  • 営業担当者の入力負荷を抑えたい企業

Zoho CRM・kintone・HubSpot

Zoho CRMの特徴:

  • コストパフォーマンスが高い
  • 無料プランあり(3ユーザーまで)
  • グローバル対応

kintoneの特徴:

  • ノーコードで業務アプリを作成
  • SFA以外の業務管理にも活用可能
  • サイボウズが提供、国内サポート充実

HubSpotの特徴:

  • CRM機能は無料で利用可能
  • マーケティング・営業・カスタマーサービスの統合
  • スタートアップや成長企業に人気

料金比較表:

ツール 月額料金目安 特徴
Salesforce Sales Cloud 3,000円〜19,800円/ユーザー 高機能・大規模向け
Mazrica Sales 5,000円〜/ユーザー 国内企業向け・AI予測
eセールスマネージャー 5,500円〜/ユーザー 日本の営業現場に特化
Zoho CRM 1,680円〜/ユーザー コスパ重視・無料プランあり
kintone 1,650円〜/ユーザー ノーコード・汎用性高い
HubSpot 無料〜 CRM無料・統合プラットフォーム

※料金は2024年時点の目安です。最新料金は各社公式サイトでご確認ください。

導入を成功させるための選定ポイント

クラウド型SFAの導入を成功させるためには、ツール選定時に以下のポイントを考慮することが重要です。

費用対効果とTCO(総保有コスト)の試算

導入前にトータルコストを試算することが推奨されます。

TCOの計算式:

TCO = ライセンス料 × ユーザー数 × 年数 + 初期費用 + 運用・改善コスト

試算のポイント:

  • 3年〜5年単位で総額を比較
  • 導入支援・トレーニング費用も含める
  • 将来のユーザー数増加を見込んで計算

入力の簡単さと現場定着のしやすさ

SFA導入企業の約50%が課題解決に至っていないという調査結果があります。主な原因は「機能不足(31.8%)」「機能過剰(29.6%)」「入力負荷増加(23.5%)」です。

現場定着のポイント:

  • 営業担当者の負担にならないシンプルな操作性
  • エクセルライクな入力機能があると定着率が高い
  • モバイル対応で移動中も入力可能
  • 無料トライアルで実際に操作性を確認

サポート体制と伴走支援

導入後1〜3年の伴走支援が成功の鍵を握ります。

確認すべきサポート体制:

  • 問い合わせ方法(チャット、メール、電話)
  • 対応時間(営業時間内/24時間)
  • 日本語対応の有無
  • 導入支援・研修プログラム
  • カスタマーサクセス担当の有無

導入時の注意点とよくある失敗

クラウド型SFA導入時のよくある失敗パターンを把握し、事前に対策を講じることが重要です。

機能過剰・機能不足による定着失敗

よくある失敗:

  • 高機能なツールを導入したが、使いこなせずに放置
  • 最低限の機能しかないツールを導入したが、必要な機能が不足

対策:

  • 導入前に自社の課題と必要な機能を明確化
  • 現場の営業担当者の意見を聞いて選定
  • まず基本機能から始めて段階的に拡張

営業マンの入力負荷増加への対策

よくある失敗:

  • 入力項目が多すぎて、営業担当者が入力を避ける
  • 入力しても活用されず、モチベーションが低下

対策:

  • 入力項目を必要最小限に絞る
  • 入力データを活用した成果を可視化・共有
  • 名刺スキャン、音声入力など入力負荷を軽減する機能を活用
  • 導入初期は入力ルールを緩めに設定し、徐々に定着させる

まとめ:企業規模・業種別おすすめツール

クラウド型SFAは、初期費用を抑えつつ、場所を選ばず営業活動を管理できる便利なツールです。ただし、導入すれば自動的に成果が出るわけではなく、現場への定着と活用が成功の鍵を握ります。

企業規模別おすすめツール(目安):

企業規模 おすすめツール ポイント
スタートアップ・小規模(〜30名) HubSpot(無料CRM)、Zoho CRM コストを抑えてスタート
中小企業(30〜100名) Mazrica Sales、eセールスマネージャー 日本語サポート充実
中堅企業(100〜500名) Salesforce Starter〜Professional、kintone 拡張性と機能バランス
大企業(500名〜) Salesforce Enterprise、Dynamics 365 高機能・カスタマイズ性

導入を成功させるためのチェックリスト:

  • 自社の営業課題と必要機能を明確化
  • TCO(総保有コスト)を3〜5年単位で試算
  • 無料トライアルで操作性を確認
  • サポート体制・伴走支援の有無を確認
  • 現場の営業担当者を選定プロセスに参加させる

次のアクション:

  • 候補となるツール2〜3社の資料請求・デモ依頼
  • 無料トライアルで実際に操作
  • 導入事例を参考に自社に合うかを検討
  • 営業チームへのヒアリングを実施

※この記事は2024年時点の情報です。料金プランや機能は変更される可能性があるため、最新情報は各社公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q1クラウド型SFAの料金相場はいくらですか?

A1中小企業向けは月額3,000〜7,000円/ユーザー、大企業向けは月額1万〜2万円超/ユーザーが一般的です。初期費用はゼロ〜数十万円で、サーバー購入が不要なため導入コストを抑えられます。無料プランを提供しているツール(HubSpot、Zoho CRM等)もあります。

Q2クラウド型SFAのセキュリティは安全ですか?

A2主要なクラウド型SFAツールは、データ暗号化、アクセス制限、定期バックアップなどのセキュリティ対策を標準で提供しています。導入前にデータ保管場所(国内/海外データセンター)やセキュリティ認証(SOC2、ISMS等)の有無を確認し、自社のセキュリティポリシーと照合することが推奨されます。

Q3SFA導入後に定着させるコツは何ですか?

A3営業担当者の入力負荷を軽減することが最も重要です。シンプルで使いやすいツールを選び、入力項目を必要最小限に絞りましょう。エクセルライクな入力機能やモバイル対応があると定着率が高まります。また、導入後1〜3年の伴走支援があるサービスを選択することも推奨されます。

Q4SFAとCRMの違いは何ですか?

A4SFA(Sales Force Automation)は営業プロセスの管理・自動化に特化し、案件管理、活動管理、営業予測などの機能を持ちます。CRM(Customer Relationship Management)は顧客との長期的な関係性構築に焦点を当て、顧客情報管理、問い合わせ対応、カスタマーサポートなどの機能を含みます。多くのツールは両方の機能を統合しています。

Q5クラウド型とオンプレミス型のどちらを選ぶべきですか?

A5初期費用を抑えたい、リモートワーク対応が必要、人員変動が大きい場合はクラウド型が適しています。一方、高度なカスタマイズが必要、厳格なセキュリティ要件がある、長期的な総コストを抑えたい場合はオンプレミス型を検討できます。多くの企業ではクラウド型が選ばれる傾向にあります。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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