BtoC向けCRMとは?BtoBとの違いと選定ポイント・おすすめツール比較

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/11

BtoC事業の顧客管理、どのCRMを選べばいいか分からない...

B2B企業がBtoC事業を展開する際、顧客管理の仕組み選びに悩むケースが多く見られます。「BtoBとBtoCでCRMの要件はどう違うの?」「大量の個人顧客をどう管理すればいい?」「おすすめのツールは?」といった疑問は尽きません。

この記事では、BtoC向けCRMの特徴とBtoB向けCRMとの違い、選定ポイント、主要ツールの比較を解説します。自社に合ったCRM選びの参考にしてください。

この記事のポイント:

  • BtoC向けCRMは大量顧客管理(数万〜数百万件)とマルチチャネル対応が特徴
  • BtoBと比べて顧客数・データ量が圧倒的に多く、販売サイクルが短い
  • LINE・メール・SMS等のマルチチャネル対応とパーソナライズ機能が重要
  • EC・小売・飲食・美容・サブスク等の業種に特に向いている
  • 料金は月額数千円〜数十万円、顧客数増加に伴うコスト増を事前確認すべき

BtoC向けCRMとは何か?本記事の目的

BtoC向けCRMとは、企業が一般消費者(個人)との関係を管理するためのシステムです。顧客情報を一元管理し、購買履歴や行動パターンを分析することで、パーソナライズされたアプローチを実現し、LTV(顧客生涯価値)の向上を目指します。

BtoB向けCRMと異なり、BtoC向けCRMは数万〜数百万単位の大量顧客データを扱うため、大容量データ処理と高度な分析機能が求められます。また、LINE・メール・SMSなどマルチチャネル対応も重要なポイントです。

本記事では、BtoBとBtoCのCRMの違いを明確にし、選定時の評価軸と代表的なツールを公平に紹介します。

CRMの基礎知識とBtoC・BtoBの違い

(1) CRM(顧客関係管理)の定義

CRM(Customer Relationship Management)とは、顧客関係管理のことです。顧客情報を一元管理し、良好な関係を構築・維持するためのシステムおよび考え方を指します。営業・マーケティング・カスタマーサポートなど、顧客接点を持つ部門が活用します。

(2) BtoCとBtoBのビジネスモデルの違い

**BtoC(Business to Consumer)**とは、企業が一般消費者(個人)を対象に商品・サービスを提供するビジネスモデルです。一方、**BtoB(Business to Business)**は企業間取引を指します。

ビジネスモデルの違いにより、CRMに求められる機能も異なります:

項目 BtoC BtoB
顧客数 数万〜数百万 数十〜数千
販売サイクル 短期(即購入が多い) 長期(数ヶ月〜年単位)
データ量 大容量(行動ログ含む) 中規模
主な接点 LINE・メール・SMS・店舗 電話・メール・対面商談

(参考: ビズクロ「BtoCにおけるCRMの役割とは?BtoBとの違いや活用方法を徹底解説」

(3) CRMで管理する項目の違い(顧客数・データ量・販売サイクル)

BtoC向けCRMでは、以下のような項目を管理します:

  • 基本情報: 氏名、年齢、性別、住所、連絡先
  • 購買履歴: 購入商品、購入金額、購入頻度
  • 行動データ: Webサイト閲覧履歴、メール開封率、クリック率
  • チャネル情報: LINE友だち登録、メルマガ購読、アプリ利用状況

BtoB向けCRMと比べて、個人の行動パターンを詳細に分析し、購買意欲が高まったタイミングでパーソナライズされたアプローチを行うことが重要です。

(参考: Salesforce「B2C CRM Software Guide」

(4) 市場動向(国内CRM市場2,174億円、前年比17%増)

国内CRM市場は成長を続けており、2022年度は**2,174億円規模(前年比17%増)**に達しました。今後も二桁成長が続く見込みです。

2024年の主要トレンドとして、以下が注目されています:

  • AI・生成AI活用の加速: Einstein GPT等でパーソナライズメール自動生成、顧客対応の効率化
  • LINEマーケティングとの連携強化: ROAS(広告費用対効果)が500%以上のケースも

(参考: イノーバ「【2024年最新】CRM市場の最新動向と業界予測」

BtoC向けCRMの機能と活用メリット

(1) 大量顧客データの一元管理(数万〜数百万件対応)

BtoC向けCRMでは、数万〜数百万単位の顧客データを扱うため、大容量データ処理が必須です。10万件以上に対応するツールも存在します。

Excelでの顧客管理は数千件が限界のため、それ以上の規模ではCRM導入が推奨されます。

(2) マルチチャネル対応(LINE・メール・SMS等)

BtoC向けCRMの重要な機能として、マルチチャネル対応があります。顧客は複数のチャネルを使い分けるため、すべてのチャネルで一貫した体験を提供することが重要です。

主なチャネル:

  • LINE: 友だち登録、メッセージ配信、クーポン送付
  • メール: セグメント配信、ステップ配信
  • SMS: 予約確認、キャンペーン通知
  • 店舗・EC: 購買履歴の統合管理

LINE連携に強いCRMでは、LINE経由の予約数が10倍増した事例もあります。

(参考: Liny「【BtoC】CRMツールの選び方とおすすめは?成功事例もご紹介」

(3) 購買履歴・行動パターン分析とパーソナライズ

BtoC向けCRMでは、顧客の購買履歴・行動パターンを分析し、以下のようなパーソナライズ施策を実行できます:

  • セグメント配信: 顧客を属性や行動で分類し、グループごとに最適化したメッセージを配信
  • ステップ配信: 顧客の行動に応じて、あらかじめ設定したシナリオに沿って自動的にメッセージを配信
  • レコメンド: 購買履歴に基づいて、関連商品やアップセル商品を提案

(4) LTV向上・リピート率改善の実現

CRMを活用することで、LTV(顧客生涯価値)向上リピート率改善を実現できます。既存顧客との関係を維持し、継続利用や再購入を促す取り組み(リテンション)がBtoCビジネスの鍵です。

(5) 導入成功事例(LINE経由の予約数10倍増など)

BtoC向けCRMの導入成功事例として、以下が報告されています:

  • LINE経由の予約数10倍増(美容サロン)
  • ROAS 500%以上達成(EC事業者)
  • リピート率30%向上(飲食チェーン)

(参考: MERINC「【BtoC】5社のCRM導入成功事例を紹介」

BtoC向けCRMの選定ポイント

(1) 管理可能な顧客数・データ量(10万件以上対応など)

まず、自社の顧客数とデータ量を把握し、それに対応できるCRMを選びましょう。数千件以上で効果が顕著になります。将来的な顧客数増加も見越して、10万件以上対応のツールを検討するのも一案です。

(2) 既存システムとの連携(EC・POS等)

既存のシステム(EC、POS、MAツール等)との連携可否を事前に確認しましょう。データの一元管理を実現することで、顧客の全体像を把握し、より精度の高い施策を実行できます。

(3) セキュリティ対策(プライバシーマーク等)

BtoC向けCRMは個人情報を大量に扱うため、情報漏洩時の影響が大きくなります。セキュリティ対策(プライバシーマーク取得、ISO認証等)を確認し、信頼性の高いベンダーを選びましょう。

(4) 導入コストと料金体系(月額数千円〜数十万円)

導入コストは月額数千円〜数十万円まで幅広く、規模・機能・顧客数により変動します。料金体系はツールにより異なるため、顧客数増加に伴うコスト増を事前に確認しましょう。

無料トライアルを提供するツールも多いため、実際に試してから導入を決定するのが推奨されます。

(5) 向いている業種(EC・小売・飲食・美容・サブスク等)

BtoC向けCRMは、以下の業種に特に向いています:

  • EC(Eコマース): 購買履歴に基づくレコメンド、カゴ落ちメール
  • 小売: 店舗とECの購買履歴統合、ポイント管理
  • 飲食: LINE予約、クーポン配信
  • 美容: 予約管理、リピート促進
  • サブスク: 継続率向上、チャーン防止
  • 会員制ビジネス: 会員ランク管理、特典配信

個人顧客と継続的な関係を構築する業種であれば、CRM導入の効果が期待できます。

(参考: PRONIアイミツ「BtoC向けCRMおすすめ10選!選び方・メリット・事例を解説【2025年版】」

主要なBtoC向けCRMツール比較

(1) 主要ツールの機能比較

BtoC向けCRMには、以下のような選択肢があります(アルファベット順):

Salesforce

  • メリット: 世界最大手、AI機能(Einstein GPT)が充実、高度なカスタマイズ可能
  • デメリット: 導入コストが高い、中小企業には過剰機能の可能性

Zoho CRM

  • メリット: コストパフォーマンスが高い、中小企業に適した機能
  • デメリット: 大規模データ処理では制約がある場合も

HubSpot

  • メリット: 無料プランあり、使いやすいUI、MAツールとの統合
  • デメリット: 上位機能は有料プランが必要

その他の選択肢(LINE連携特化型など):

  • Liny、Synergy!等、LINE連携に強いツールも存在します

※この記事では特定ツールを推奨するものではありません。自社の要件に合わせて複数を比較検討してください。

(参考: GENIEE「【2025年】BtoC向けおすすめCRM10選を比較!選び方や成功事例を解説」Zoho「BtoC企業に最適なCRMとは」

(2) 料金体系の比較

料金体系はツールにより異なります:

  • 無料プラン: HubSpot等が提供(機能制限あり)
  • 月額数千円〜: 中小企業向けプラン
  • 月額数万円〜: 中堅企業向けプラン
  • 月額数十万円〜: 大企業向け、カスタマイズ対応

顧客数増加に伴う追加料金が発生する場合もあるため、公式サイトで最新の料金体系を確認してください。

(3) LINE連携対応状況

多くのBtoC向けCRMがLINE連携に対応しています。LINE経由の予約数10倍増、ROAS500%以上の事例も報告されており、BtoCビジネスにおいてLINE連携は重要な選定ポイントです。

(4) AI機能の有無(Einstein GPT等)

2024年はAI・生成AI活用が加速しています。Einstein GPT(Salesforce)等のAI機能により、パーソナライズメール自動生成や顧客対応の効率化が可能です。

AI機能の有無も、選定時の評価軸として考慮しましょう。

まとめ:自社に合ったCRM選びのために

BtoC向けCRMは、大量顧客管理・マルチチャネル対応・パーソナライズ機能が特徴です。BtoB向けCRMと比べて、顧客数・データ量が圧倒的に多く、販売サイクルが短い点が大きな違いです。

選定時は、管理可能な顧客数、既存システムとの連携、セキュリティ対策、導入コスト、向いている業種を評価軸として検討しましょう。

次のアクション:

  • 自社の顧客数・データ量を把握する
  • 既存システム(EC・POS等)との連携要件を整理する
  • 3〜5社の公式サイトで詳細を確認する
  • 無料トライアルで実際に操作性を試す
  • セキュリティ対策と料金体系を確認する

自社に合ったCRMで、顧客との良好な関係を構築し、LTV向上・リピート率改善を実現しましょう。

※この記事は2025年1月時点の情報です。最新の料金・機能は各社公式サイトをご確認ください。

よくある質問

Q1BtoBとBtoCのCRMは何が違いますか?

A1顧客数(BtoC:数万〜数百万、BtoB:数十〜数千)、販売サイクル(BtoC:短期、BtoB:長期)、データ量(BtoCは大容量処理が必須)が大きく異なります。

Q2どのくらいの顧客数から導入すべきですか?

A2数千件以上で効果が顕著になります。それ以下でもExcel管理の限界を感じたら導入検討を推奨します。10万件以上対応のツールも存在します。

Q3導入コストはどのくらいですか?

A3月額数千円〜数十万円まで幅広く、規模・機能・顧客数により変動します。料金体系はツールにより異なるため、事前に確認が必要です。

Q4LINEとの連携は可能ですか?

A4多くのBtoC向けCRMがLINE連携に対応しています。LINE経由の予約数10倍増、ROAS500%以上の事例も報告されています。

Q5どのような業種に向いていますか?

A5EC、小売、飲食、美容、サブスク、会員制ビジネス等が特に相性が良いです。個人顧客と継続的な関係を構築する業種に有効です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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