BtoBセールスの仕事内容|職種・役割・キャリアパスを解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/11

BtoB営業への転職を考えているけれど、実際の仕事内容がイメージできない...

「BtoB営業」「法人営業」という言葉は聞くものの、実際にどんな仕事をするのか、どんな職種があるのか、具体的なイメージを持てない方は多いのではないでしょうか。BtoB営業は、企業や団体を相手に商品・サービスを提案する仕事で、BtoC営業とは異なる特徴やスキルが求められます。

この記事では、BtoB営業の仕事内容、職種(フィールドセールス、インサイドセールスなど)、必要なスキル、キャリアパス、2024年の最新トレンドまでを詳しく解説します。

この記事のポイント:

  • BtoB営業は法人向けで意思決定者が複数、長期取引が特徴。論理的説明とROI提案が重視される
  • フィールドセールス(外勤)とインサイドセールス(内勤)など、職種により役割が異なる
  • 普遍的な5つのスキルは「信頼獲得」「傾聴力」「説明力」「判断力」「共感力」
  • キャリアパスは管理職・スペシャリスト・営業企画・特命担当の4つの選択肢がある
  • 2024年はAI活用が拡大し、AI導入企業の83%が収益1.3倍増加。人間的つながりも重要に

BtoBセールスとは何か?仕事内容を理解する

(1) BtoB営業(法人営業)の定義と基本的な仕事内容

BtoB営業(法人営業)とは、Business to Businessの略で、企業や団体などの法人を対象とした営業活動を指します。一般消費者を対象とするBtoC営業(個人営業)とは、顧客の属性や意思決定プロセスが大きく異なります。

BtoB営業の基本的な仕事内容:

  1. リード獲得・初期接触
    展示会、セミナー、Webサイト、紹介などでリード(見込み客)を獲得し、電話・メールで初回アプローチ

  2. ヒアリング・課題抽出
    顧客の現状、課題、ニーズを丁寧にヒアリングし、真の課題を把握

  3. 提案・プレゼンテーション
    顧客の課題を解決する商品・サービスを提案。ROI(投資対効果)や業務効率化の具体的な数値を示す

  4. 商談・交渉・クロージング
    見積もり提示、条件交渉、決裁者への説明を経て、契約締結

  5. 導入支援・アフターフォロー
    契約後の導入支援、定期的なフォローで顧客満足度を高め、リピート・アップセルにつなげる

BtoB営業は単なる「売り込み」ではなく、顧客の課題を深く理解し、最適な解決策を提案する「課題解決型営業」が求められます。

(2) BtoC営業との違い:意思決定プロセス・取引期間・提案内容

BtoB営業とBtoC営業の主な違いを整理します。

項目 BtoB営業 BtoC営業
顧客 企業・団体(法人) 一般消費者(個人)
意思決定者 複数(担当者・上司・決裁者) 1人(購入者本人)
意思決定期間 数ヶ月〜数年 即決〜数週間
取引期間 長期(継続取引が多い) 短期(単発取引が多い)
取引金額 数十万円〜数億円(高額) 数千円〜数百万円(比較的少額)
提案内容 ROI、業務効率化、競争優位性 価格、デザイン、使いやすさ
営業スタイル 論理的説明、データ重視 感情訴求も有効

BtoB営業では意思決定者が複数いるため、担当者だけでなく、上司や決裁者への説明・説得も必要です。また、長期取引を前提とするため、信頼関係の構築が非常に重要です。

(3) BtoB営業の特徴:論理的説明力とROI重視

BtoB営業では、論理的な説明力が特に重視されます。企業の意思決定には、感情だけでなく、客観的なデータや数値根拠が必要だからです。

BtoB営業で求められる論理的説明の例:

  • ROI(投資対効果):「初期費用100万円に対し、年間200万円のコスト削減が見込めるため、6ヶ月でペイします」
  • 業務効率化:「現在手作業で月20時間かかっている業務が、システム導入により月5時間に短縮されます」
  • 競争優位性:「競合他社と比べて、納期が2週間短縮でき、顧客満足度向上につながります」

顧客が「なぜこの商品・サービスを導入すべきか」を社内で説明しやすいように、具体的な数値とロジックを用意することが、BtoB営業の腕の見せ所です。

BtoB営業の職種と役割分担

(1) フィールドセールス:外勤・対面型の営業スタイル

フィールドセールスは、顧客先を訪問して対面で商談を行う営業スタイルです。「外勤営業」とも呼ばれます。

フィールドセールスの特徴:

  • 顧客先に訪問し、対面で提案・商談
  • 顧客との信頼関係を深く構築しやすい
  • 高額案件や複雑な提案に向いている
  • 移動時間がかかるため、1日に訪問できる顧客数は限られる

主な業務:

  • 商談・プレゼンテーション
  • 決裁者への説明・説得
  • クロージング(契約締結)
  • 導入後のアフターフォロー

フィールドセールスは、顧客と直接対面することで、細かなニュアンスや表情から真のニーズを汲み取りやすく、高い成約率が期待できます。

(2) インサイドセールス:内勤・非対面型の営業スタイル

インサイドセールスは、電話やメール、Web会議ツールなどを活用した非対面での営業方法です。「内勤営業」とも呼ばれます。

インサイドセールスの特徴:

  • オフィスから電話・メール・Web会議で営業活動
  • 移動時間がないため、1日に多数の顧客にアプローチできる
  • リードの初期対応や商談化に特化することが多い
  • 効率重視で、営業プロセスの前半を担当

主な業務:

  • リードへの初回アプローチ(電話・メール)
  • 簡易なヒアリング・課題抽出
  • 商談化(アポイント設定)
  • フィールドセールスへの引き継ぎ

インサイドセールスとフィールドセールスを役割分担することで、営業プロセス全体の効率化が可能になります。インサイドセールスが初期対応と商談化を行い、フィールドセールスが商談・クロージングに集中する分業体制が、多くのB2B企業で導入されています。

(3) 新規開拓営業とルート営業の違い

営業活動は、ターゲット顧客により「新規開拓営業」と「ルート営業」に分類されます。

新規開拓営業:

  • これまで取引のなかった企業・顧客に対して営業を行い、新規顧客を獲得する営業手法
  • テレアポ、飛び込み、セミナー、紹介などで新規顧客にアプローチ
  • 断られることが多く、精神的なタフさが求められる
  • 成功すれば大きな売上貢献が期待できる

ルート営業:

  • すでに取引している顧客を定期的に訪問し、継続的な取引を促す営業手法
  • 既存顧客との信頼関係を維持・強化し、リピート・アップセルを獲得
  • 安定した売上基盤を作ることができる
  • 顧客との関係構築力・ヒアリング力が重要

多くの企業では、新規開拓営業とルート営業の両方をバランスよく行うことで、安定した成長を実現しています。

(4) その他の営業職種(営業企画、カスタマーサクセス等)

BtoB営業には、フィールドセールス・インサイドセールス以外にも、さまざまな職種があります。

営業企画:

  • 営業戦略の立案、KPI設計、営業プロセスの改善
  • 営業現場の課題を分析し、施策を企画・実行
  • データ分析能力、戦略立案能力が求められる

カスタマーサクセス:

  • 契約後の顧客をサポートし、製品・サービスの活用を促進
  • 顧客満足度を高め、解約率を下げる(リテンション)
  • アップセル・クロスセルの機会を創出

パートナーセールス:

  • 販売代理店、システムインテグレーター、コンサルタントなどのパートナー企業と連携
  • パートナー企業を通じて自社製品・サービスを販売
  • パートナー企業との関係構築・支援が主な業務

営業職種は多様化しており、自分の強みや志向に合わせて選択できるようになっています。

BtoB営業に求められるスキルと能力

(1) 普遍的な5つのスキル:信頼獲得・傾聴力・説明力・判断力・共感力

法人営業7,134名へのアンケート調査(株式会社セレブリックス実施)により、営業職に求められる普遍的なスキルとして以下の5つが明らかになっています。

1. 信頼獲得:

  • 顧客から信頼される人柄・誠実さ
  • 約束を守る、迅速に対応する、正確な情報を提供する

2. 傾聴力:

  • 顧客の話をしっかり聞き、真のニーズを引き出す能力
  • 相手の言葉の裏にある課題や感情を読み取る

3. 説明力:

  • 複雑な商品・サービスを分かりやすく説明する能力
  • 顧客のレベルに合わせて言葉を選び、論理的に伝える

4. 判断力:

  • 状況に応じて最適な提案・対応を選択する能力
  • 優先順位をつけ、限られた時間で最大の成果を出す

5. 共感力:

  • 顧客の立場に立って考え、感情に寄り添う能力
  • 顧客の課題を自分事として捉え、解決に向けて動く

これら5つのスキルは、営業の種類や業種を問わず、すべての営業職に共通して求められる普遍的なスキルです。

(2) BtoB営業特有のスキル:ROI提案力・業務効率化提案・データ分析能力

BtoB営業では、上記の普遍的スキルに加えて、以下のスキルも重要です。

ROI提案力:

  • 投資対効果を具体的な数値で示し、顧客の意思決定を支援する能力
  • 「初期費用〇〇万円で、年間△△万円のコスト削減」といった形で提案

業務効率化提案:

  • 顧客の業務プロセスを理解し、効率化のポイントを見つける能力
  • 「現在の作業時間を50%削減できる」など、具体的な改善効果を示す

データ分析能力:

  • 営業活動データ(架電数、商談数、受注率など)を分析し、改善点を見つける能力
  • SFA(営業支援システム)やCRMを活用してデータドリブンな営業を実践

デジタルスキル:

  • Web会議ツール、SFA、CRM、MAツールなどのデジタルツールを使いこなす能力
  • 2024年現在、デジタルスキルは営業職にとって必須となっています

これらのスキルを身につけることで、BtoB営業としての市場価値が高まります。

(3) スキルアップの方法:成績上位者の観察・模倣・継続的学習

営業スキルを向上させるには、以下の方法が効果的です。

成績上位者の観察・模倣:

  • 成績上位の営業パーソンの行動や話し方、顧客とのやり取りを注意深く観察する
  • 良い点を自分のスタイルに取り入れ、実践する
  • 同行営業で直接学ぶ機会を活用する

ロールプレイング(営業練習):

  • 商談シミュレーションを繰り返し、説明力・提案力を磨く
  • フィードバックをもらい、改善点を明確にする

継続的な学習:

  • 営業関連の書籍、オンライン講座、セミナーで最新知識を習得
  • 業界動向、競合情報、顧客のビジネスモデルを深く理解する

SFA・CRMでの振り返り:

  • 営業活動データを定期的に振り返り、何がうまくいったか・いかなかったかを分析
  • PDCAサイクルを回し、継続的に改善する

スキルアップは一朝一夕には実現しませんが、継続的な努力により確実に成長できます。

BtoB営業のキャリアパスと将来性

(1) 管理職への道(課長・部長クラス)

営業職の代表的なキャリアパスは、管理職(マネージャー)への昇進です。

管理職の役割:

  • チームの目標達成をマネジメント
  • メンバーの育成・指導
  • 営業戦略の立案・実行
  • 経営層への報告・提案

昇進の難易度:

  • 課長クラスに進めるのは同世代の10人に1人、部長クラスは50人に1人程度と言われています
  • 営業成績だけでなく、マネジメント能力、戦略立案能力が求められる

管理職への道は狭き門ですが、組織全体をリードし、大きなインパクトを出せる魅力的なキャリアです。

(2) スペシャリスト・プレイングマネージャーの道

管理職以外にも、営業スペシャリストとして活躍する道があります。

スペシャリストの特徴:

  • プレイヤーとして高い営業成績を出し続ける
  • 特定の業界・商材に関する深い専門知識を持つ
  • 大型案件・難易度の高い案件を担当

プレイングマネージャー:

  • 自らも営業活動を行いながら、チームのマネジメントも担当
  • 営業スキルとマネジメントスキルの両方が求められる

スペシャリストは、管理職にならずとも高い年収と評価を得られるキャリアパスです。

(3) 営業企画・マーケティング職への転身

営業経験を活かして、営業企画やマーケティング職に転身する選択肢もあります。

営業企画の役割:

  • 営業戦略の立案、KPI設計、営業プロセスの改善
  • データ分析により営業活動を最適化

マーケティング職の役割:

  • リード獲得施策の企画・実行(セミナー、Web広告、コンテンツマーケティング)
  • 営業部門と連携し、質の高いリードを提供

営業現場の経験があると、顧客ニーズを深く理解しているため、営業企画やマーケティング職でも即戦力として活躍できます。

(4) 特命担当・独立起業の選択肢

営業職のもう1つのキャリアパスは、特命担当や独立起業です。

特命担当:

  • 新規事業立ち上げ、重要顧客の専任担当など、特別なミッションを任される
  • 高度な営業スキルと戦略立案能力が求められる

独立起業:

  • 営業代行会社、コンサルタント、自社事業を立ち上げる
  • 営業スキルは独立後も活かせる強力な武器

営業職は、キャリアの選択肢が広く、自分の強みや志向に合わせて多様な道を選べる職種です。

2024年のBtoB営業トレンドと変化

(1) AI活用の拡大:AI導入企業の83%が収益1.3倍増加

2024年は営業におけるAI活用が急速に拡大しています。調査によると、AI導入企業の83%が1.3倍の収益増加を実現しています。

営業現場でのAI活用例:

  • 生成AIでメール文面・提案書を自動生成
  • AIによるリードスコアリング(成約確度の自動評価)
  • 音声AIで商談内容を自動文字起こし・分析
  • AIによる顧客行動予測(購買意欲の高いタイミングを検知)

AIを活用することで、営業担当者はルーチンワークから解放され、顧客とのコミュニケーションや戦略立案に集中できるようになります。

(2) バリュー・ベースド・セリング:顧客価値に焦点を当てた営業手法

バリュー・ベースド・セリングとは、顧客が得られる価値やメリットに焦点を当てた営業手法です。

従来の営業手法との違い:

  • 従来: 製品の機能・スペックを中心に説明
  • バリュー・ベースド: 顧客が得られる価値(コスト削減、業務効率化、売上向上)を中心に説明

具体例:

  • 「この製品は〇〇の機能があります」(機能重視)
  • → 「この製品により、御社は年間△△万円のコスト削減が可能です」(価値重視)

バリュー・ベースド・セリングは、顧客の意思決定を支援し、成約率を高める効果があります。

(3) AI時代における『本物のつながり』の重要性

AI活用が進む一方で、AI時代だからこそ人間による「本物のつながり」に顧客が価値を感じるようになっています。

本物のつながりとは:

  • 顧客の課題に真剣に向き合い、一緒に解決策を考える姿勢
  • 単なる「売り込み」ではなく、長期的なパートナーシップを構築する関係
  • 顧客のビジネスを深く理解し、的確なアドバイスを提供する信頼関係

AIはデータ分析や業務効率化には優れていますが、人間的な共感や信頼関係の構築はAIには代替できません。この部分こそが、営業職の本質的な価値です。

(4) デジタルスキル・データ分析能力の必要性

2024年現在、営業職にとってデジタルスキルとデータ分析能力は必須となっています。

必要なデジタルスキル:

  • SFA・CRMの操作・活用
  • Web会議ツール(Zoom、Teams等)の使いこなし
  • MAツール(マーケティングオートメーション)の理解
  • オンライン商談・プレゼンテーションのスキル

必要なデータ分析能力:

  • 営業活動データの分析(架電数、商談数、受注率)
  • ボトルネックの特定と改善策の立案
  • データドリブンな意思決定

インターネットやSNSの普及により、「ただ商品やサービスを売り込むだけ」のセールススタッフは不要な存在となりつつあります。デジタルスキルとデータ分析能力を身につけ、顧客に真の価値を提供できる営業職が求められています。

まとめ:BtoB営業の成功に向けて

BtoB営業は、法人顧客との長期的な関係構築と価値提供が求められる仕事です。論理的な説明とROI提案、普遍的な5つのスキル、デジタルスキルの習得、AI時代の人間的つながりが成功の鍵です。BtoB営業のキャリアは多様で、自分の強みを活かした道を選択できます。

※この記事は2024年12月時点の情報です。

よくある質問

Q1BtoB営業とBtoC営業の違いは何ですか?

A1BtoB営業は法人向けで意思決定者が複数、長期取引が特徴です。論理的説明とROI(投資対効果)提案が重視されます。BtoC営業は個人向けで意思決定が早く、感情訴求も有効です。取引金額や期間も大きく異なり、BtoB営業では数ヶ月〜数年かけて契約に至ることが一般的です。

Q2営業職に必要なスキルは何ですか?

A2法人営業7,134名へのアンケート調査により、普遍的な5つのスキルが明らかになっています。「信頼獲得」「傾聴力」「説明力」「判断力」「共感力」です。BtoB営業ではこれに加えて、ROI提案力、業務効率化提案、データ分析能力、デジタルスキルも必須です。

Q3フィールドセールスとインサイドセールスの違いは何ですか?

A3フィールドセールスは外勤・対面型の営業で、顧客先を訪問して商談を行います。インサイドセールスは内勤・非対面型で、電話・メール・Web会議を活用します。役割分担により、インサイドセールスが初期対応と商談化を行い、フィールドセールスが商談・クロージングに集中する効率的な営業体制が実現できます。

Q4営業職のキャリアパスにはどのような選択肢がありますか?

A4主なキャリアパスは4つあります。①管理職(課長・部長クラス)、②スペシャリスト・プレイングマネージャー、③営業企画・マーケティング職、④特命担当・独立起業です。自分の強みや志向に合わせて選択できます。管理職への昇進は狭き門ですが、スペシャリストとして高い評価を得る道もあります。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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