BigQueryとGA4の連携方法|設定手順から活用事例まで徹底解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/18

GA4のデータをもっと深く分析したい...

「GA4の探索レポートでは14ヶ月分のデータしか見られない」「生データにアクセスして自由に分析したい」「CRMやSFAのデータと統合して分析したい」――Webアナリストやマーケティング担当者なら、一度は直面する課題です。

GA4の標準機能には、データ保持期間、サンプリング、分析の自由度などの限界があります。そこで注目されているのが、BigQueryとの連携です。連携により、GA4の生データにアクセスし、SQLで自由に分析できるようになります。

この記事では、BigQueryとGA4の連携方法、メリット、設定手順、コスト管理、活用事例まで徹底解説します。

この記事のポイント:

  • GA4とBigQueryの連携自体は無料(BigQueryでのデータ処理は別途料金が発生)
  • 生データアクセス、14ヶ月以上の長期保存、他データとの統合分析が可能
  • 設定はGoogle Cloudセットアップ後、GA4管理画面から設定すれば24時間以内に完了
  • BigQueryの無料枠(ストレージ月10GB、分析月1TB)を活用すればコスト抑制可能
  • SQL知識不要のツール(GA4 SQL等)やオープンソースのクエリ集で非エンジニアでも活用できる

1. なぜGA4とBigQueryを連携するのか

(1) GA4標準機能の限界(データ保持期間・サンプリング)

GA4の標準機能には、以下のような限界があります:

データ保持期間:

  • GA4の探索レポートは最大14ヶ月分のデータのみ参照可能
  • 長期的なトレンド分析(年次比較、過去数年のデータ分析)が困難
  • データ保持期間を過ぎたデータは自動的に削除される

サンプリング:

  • データ量が多い場合、サンプリングされたデータで分析される可能性
  • 正確な数値を把握しにくい

分析の自由度:

  • GA4の標準レポート・探索レポートで提供される機能に制限される
  • カスタマイズされた高度な分析が困難

これらの限界を補完するために、BigQueryとの連携が注目されています。

(2) データドリブン経営における生データの重要性

データドリブン経営では、生データ(ローデータ)にアクセスして自由に分析できることが重要です。

生データの価値:

  • 加工・集計前のイベント単位の詳細なデータ
  • 企業独自の視点で自由に分析可能
  • GA4では提供されていない指標やディメンションも抽出できる

BigQueryにGA4の生データをエクスポートすることで、標準機能の限界を超えた高度な分析が実現します。

2. BigQueryとGA4連携のメリットと活用シーン

(1) メリット①:生データにアクセスして自由にSQL分析

BigQueryにエクスポートされたGA4の生データに、SQLでアクセスして自由に分析できます。

できること:

  • 企業独自の指標を算出(例: カスタムコンバージョン率、特定ユーザー層の行動パターン)
  • GA4標準レポートにはない切り口で分析(例: 特定イベントの組み合わせ分析)
  • ユーザー単位で課題を深掘りする分析(例: 離脱したユーザーの行動パターン)

従来はGA4の標準機能に制限されていた分析が、SQLで自由にカスタマイズできるようになります。

※参照: Media Theater「GA4とBigQueryを連携することによって実現できる3つのこと」(2024年)

(2) メリット②:14ヶ月以上の長期データ保存が可能

BigQueryにエクスポートすれば、14ヶ月以上の長期データ保存が可能です。

GA4探索レポート:

  • 最大14ヶ月分のデータのみ
  • 過去のデータは自動削除

BigQueryエクスポート:

  • データ保持期間に制限なし(無期限に保存可能)
  • 年次比較、過去数年のトレンド分析が可能
  • データを削除しない限り、いつでも参照可能

長期的なデータ分析が必要な企業にとって、BigQuery連携は必須の選択肢となります。

※参照: DATA BE-AT「Googleアナリティクス4(GA4)とBigQuery連携まとめ!Exportの方法からデータの確認、可視化までを詳しく解説」(2024年)

(3) メリット③:CRM・SFAなど他データとの統合分析

BigQueryでは、GA4データだけでなく、CRMやSFAなど自社保有データを統合して分析できます。

統合分析の例:

  • GA4 × CRM: Web訪問データと顧客情報を統合し、優良顧客の行動パターンを分析
  • GA4 × SFA: リード獲得から受注までのプロセスを一気通貫で分析
  • GA4 × 広告データ: 広告クリックからコンバージョンまでの詳細な経路を分析

共通ID(ユーザーID、顧客ID等)をキーに統合することで、複数チャネルを跨いだ分析が可能になります。

※参照: DATA BE-AT「Googleアナリティクス4(GA4)とBigQuery連携まとめ!Exportの方法からデータの確認、可視化までを詳しく解説」(2024年)

(4) メリット④:リアルタイムデータ分析(ストリーミングエクスポート)

ストリーミングエクスポート機能を使えば、数分以内にリアルタイムでデータ分析ができます。

標準エクスポート(日次):

  • 1日1回、前日のデータがエクスポートされる
  • 当日のデータはリアルタイムで確認できない

ストリーミングエクスポート:

  • 数分以内にBigQueryでデータ確認が可能
  • キャンペーンの効果測定や異常検知をリアルタイムで実施
  • 標準GA4にはない高度な機能

※ただし、ストリーミングエクスポートは高コスト($0.05/GB、約60万イベント/GB)なので、必要性を見極めて利用してください。

(5) 実際の活用シーン例

経営層向け:

  • 年次・四半期のトレンド分析(14ヶ月以上のデータ活用)
  • KPIダッシュボードの自動更新(BigQuery → BIツール連携)

マーケティング担当者向け:

  • コンバージョン経路の詳細分析(特定のイベント組み合わせ)
  • CRMデータとの統合分析(顧客属性別のWeb行動パターン)

Webアナリスト向け:

  • カスタム指標の算出(GA4標準にない指標)
  • ユーザー単位の詳細分析(特定ユーザーの行動履歴)

3. 連携設定の手順を徹底解説

(1) Google Cloudでプロジェクトを作成

まず、Google Cloud Platformでプロジェクトを作成します。

手順:

  1. Google Cloud Console(https://console.cloud.google.com/)にアクセス
  2. プロジェクトを作成(プロジェクト名を入力)
  3. プロジェクトIDをメモ(後ほどGA4連携時に使用)

(2) BigQuery APIの有効化

作成したプロジェクトでBigQuery APIを有効化します。

手順:

  1. Google Cloud Consoleで「APIとサービス」→「ライブラリ」を選択
  2. 「BigQuery API」を検索
  3. 「有効にする」をクリック

(3) GA4管理画面からBigQueryリンク設定

GA4管理画面からBigQueryとの連携を設定します。

手順:

  1. GA4管理画面を開く
  2. 「管理」→「BigQueryリンク」を選択
  3. 「リンク」をクリック
  4. Google Cloudプロジェクトを選択
  5. エクスポート頻度を選択(日次またはストリーミング)
  6. エクスポートするデータを選択(すべてのイベント、または特定のイベント)
  7. 「送信」をクリック

※参照: Google Analytics ヘルプ「BigQuery Export」(2024年)

(4) 設定後24時間以内にデータ確認

設定完了後、24時間以内にBigQueryでデータを確認できます。

確認手順:

  1. Google Cloud ConsoleでBigQueryを開く
  2. 左側のナビゲーションでGA4プロジェクトを選択
  3. データセット(analytics_<プロパティID>)が作成されていることを確認
  4. テーブル(events_<日付>)にデータがエクスポートされていることを確認

※連携前のデータはエクスポートされません。連携日以降のデータのみが対象となります。

(5) ストリーミングエクスポートの設定(必要な場合のみ)

リアルタイム分析が必須の場合のみ、ストリーミングエクスポートを設定します。

注意:

  • 高コスト($0.05/GB、約60万イベント/GB)
  • ほとんどの企業では日次エクスポートで十分
  • 必要性を十分に見極めてから利用する

※参照: 株式会社プリンシプル「【2024年最新】GA4とBigQueryの連携方法から活用方法までプロフェッショナルが完全解説」(2024年)

4. BigQueryのデータ構造と基本的なクエリ

(1) GA4データのテーブル構造

BigQueryにエクスポートされたGA4データは、以下の構造で保存されます:

テーブル名:

  • events_<日付>: 日次エクスポート(例: events_20241113)
  • events_intraday_<日付>: ストリーミングエクスポート

主要なカラム:

  • event_date: イベント発生日
  • event_timestamp: イベント発生時刻(マイクロ秒)
  • event_name: イベント名(例: page_view、click、purchase)
  • user_pseudo_id: ユーザー識別子
  • event_params: イベントパラメータ(配列形式)

(2) 基本的なSQLクエリ例(イベント数、セッション数、ページビュー数)

イベント数を取得:

SELECT
  COUNT(*) AS event_count
FROM
  `<プロジェクトID>.<データセットID>.events_*`
WHERE
  _TABLE_SUFFIX BETWEEN '20241101' AND '20241130'

ページビュー数を取得:

SELECT
  COUNT(*) AS pageview_count
FROM
  `<プロジェクトID>.<データセットID>.events_*`
WHERE
  _TABLE_SUFFIX BETWEEN '20241101' AND '20241130'
  AND event_name = 'page_view'

セッション数を取得:

SELECT
  COUNT(DISTINCT CONCAT(user_pseudo_id, (SELECT value.int_value FROM UNNEST(event_params) WHERE key = 'ga_session_id'))) AS session_count
FROM
  `<プロジェクトID>.<データセットID>.events_*`
WHERE
  _TABLE_SUFFIX BETWEEN '20241101' AND '20241130'

(3) SQL知識不要のツール(GA4 SQL等)の活用

SQL知識がなくても、以下のツールを使えばクエリを生成できます:

GA4 SQL:

  • URL: https://www.ga4sql.com/
  • 無料で利用可能
  • GUI操作でクエリを自動生成
  • 非エンジニアでもBigQueryを活用できる

※参照: GA4 SQL「GA4 SQL: The Easy Way to Generate GA4 BigQuery Queries」(2024年)

(4) オープンソースのクエリ集(GitHub等)の活用

GitHub上には、65以上のカスタマイズ可能なSQLクエリ集が公開されています。

Bigquery-GA4-Queries:

  • URL: https://github.com/aliasoblomov/Bigquery-GA4-Queries
  • 65以上のクエリをオープンソースで提供
  • イベント分析、ユーザー分析、コンバージョン分析など幅広い用途に対応
  • 自社の分析ニーズに合わせてカスタマイズ可能

※参照: GitHub「Bigquery-GA4-Queries: A comprehensive collection of SQL queries for Google Analytics 4 data in BigQuery」(2024年)

5. コスト管理と導入時の注意点

(1) 連携は無料、BigQueryの処理に課金

GA4とBigQueryの連携自体は無料です。ただし、BigQueryでのデータ処理(クエリ実行、ストレージ)に料金が発生します。

料金体系:

  • ストレージ: $0.020/GB/月(最初の10GBは無料)
  • クエリ: $5.00/TB(最初の1TBは無料)

※料金は変動する可能性があります。最新の料金体系はGoogle Cloud公式サイトでご確認ください。

※参照: Google Analytics ヘルプ「BigQuery Export」(2024年)

(2) BigQueryの無料枠(ストレージ月10GB、分析月1TB)

BigQueryには無料枠があり、これを活用すればコスト抑制が可能です。

無料枠:

  • ストレージ: 月10GBまで無料
  • クエリ: 月1TBまで無料

無料枠でどれくらい使えるか:

  • 月間10万~100万PVのサイトであれば、無料枠内で十分なケースが多い
  • データ量やクエリ実行頻度により異なるため、初月はモニタリングが推奨

※参照: DATA BE-AT「Googleアナリティクス4(GA4)とBigQuery連携まとめ!Exportの方法からデータの確認、可視化までを詳しく解説」(2024年)

(3) ストリーミングエクスポートの高コストに注意

ストリーミングエクスポートは高コストです。

料金:

  • $0.05/GB(約60万イベント/GB)
  • 月間1,000万イベントの場合、約$8.3/月(約1,200円/月)

推奨:

  • リアルタイム分析(数分以内)が必須の場合のみ利用
  • ほとんどの企業では日次エクスポートで十分
  • 必要性を十分に見極めてから利用する

(4) 無料版GA4の1日100万イベント制限

無料版GA4でもBigQuery連携は可能ですが、1日100万イベントまでの制限があります。

制限:

  • 無料版GA4: 1日100万イベントまでBigQueryにエクスポート
  • それを超える場合: 有料版GA4 360が必要

月間3,000万PVを超える大規模サイトでない限り、無料版で十分なケースが多いと言われています。

※参照: Google Analytics ヘルプ「BigQuery Export」(2024年)

(5) 連携前のデータはエクスポートされない

重要な注意点として、連携前のデータはBigQueryにエクスポートされません。

注意:

  • 連携日以降のデータのみが対象
  • 過去のデータを分析したい場合は、早めに連携を設定する
  • 連携後のデータ蓄積を待つ必要がある

長期データ分析を目的とする場合は、できるだけ早く連携を設定することが推奨されます。

6. まとめ:BigQuery連携を始める前に知っておくべきこと

BigQueryとGA4の連携により、生データアクセス、14ヶ月以上の長期保存、他データとの統合分析が可能になります。連携自体は無料で、設定もGoogle Cloudセットアップ後、GA4管理画面から設定すれば24時間以内に完了します。

BigQuery連携のメリット:

  • 生データにアクセスして自由にSQL分析
  • 14ヶ月以上の長期データ保存
  • CRM・SFAなど他データとの統合分析
  • リアルタイムデータ分析(ストリーミングエクスポート)

コスト管理のポイント:

  • BigQueryの無料枠(ストレージ月10GB、分析月1TB)を活用
  • ストリーミングエクスポートは高コストなので、必要性を見極める
  • 無料版GA4でも連携可能(1日100万イベント制限)

導入時の注意点:

  • 連携前のデータはエクスポートされない(早めの設定が推奨)
  • SQL知識不要のツール(GA4 SQL等)やオープンソースのクエリ集を活用すれば、非エンジニアでも利用可能

次のアクション:

  • Google Cloudでプロジェクトを作成する
  • BigQuery APIを有効化する
  • GA4管理画面からBigQueryリンク設定を行う
  • 公式ドキュメントで最新の設定手順・料金体系を確認する

BigQueryとGA4の連携を活用し、データドリブンなマーケティング・経営判断を実現しましょう。

※この記事の情報は2024年11月時点のものです。連携手順、料金体系、機能は変更される可能性がありますので、導入前にGoogle公式ドキュメントで最新情報をご確認ください。

よくある質問

Q1BigQueryとGA4の連携は有料ですか?

A1連携自体は無料です。ただし、BigQueryでのデータ処理(クエリ実行、ストレージ)に料金が発生します。BigQueryの無料枠(ストレージ月10GB、分析月1TB)を活用すればコスト抑制が可能です。月間10万~100万PVのサイトであれば、無料枠内で十分なケースが多いと言われています。

Q2無料版GA4でもBigQuery連携はできますか?

A2可能です。ただし1日100万イベントまでの制限があります。月間3,000万PVを超える大規模サイトでない限り、無料版で十分なケースが多いとされています。それを超える場合は有料版GA4 360が必要です。

Q3SQL知識がなくてもBigQueryを活用できますか?

A3可能です。GA4 SQL(https://www.ga4sql.com/)などのツールを使えばSQL知識不要でクエリを生成できます(2024年)。また、GitHub上に65以上のカスタマイズ可能なSQLクエリ集が公開されており、オープンソースで活用できます。

Q4連携設定は難しいですか?

A4比較的簡単です。Google Cloudでプロジェクトを作成し、BigQuery APIを有効化した後、GA4管理画面からBigQueryリンク設定を行うだけです。設定後24時間以内にデータが確認でき、技術的なハードルは低いと言われています。

Q5ストリーミングエクスポートは使うべきですか?

A5リアルタイム分析(数分以内)が必須の場合のみ推奨します。ストリーミングエクスポートは高コスト($0.05/GB、約60万イベント/GB)なので、必要性を見極めて利用してください。ほとんどの企業では日次エクスポートで十分です。

B

B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

「B2Bデジタルプロダクト実践ガイド」は、デシセンス株式会社が運営する情報メディアです。B2Bデジタルプロダクト企業のマーケティング・営業・カスタマーサクセス・開発・経営に関する実践的な情報を、SaaS、AIプロダクト、ITサービス企業の実務担当者に向けて分かりやすく解説しています。