AMP SEOとは?モバイル高速化技術のSEO効果と導入判断ガイド

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2025/12/24

AMPを導入すべきか迷っていませんか?

モバイルページの高速化を実現するAMP(Accelerated Mobile Pages)。かつてはGoogleが強く推奨し、検索結果で優遇されていたこともあり、多くのWebサイトが導入を進めました。

しかし2021年以降、Googleの優遇措置が終了したことで「今さらAMPを導入する意味はあるのか」「SEO効果は本当にあるのか」という疑問を持つ方が増えています。

この記事では、2024年現在のAMPとSEOの関係を正確に整理し、導入すべきかどうかの判断基準を解説します。

この記事のポイント:

  • AMPは2021年6月にGoogleの優遇措置が終了し、直接的なSEO効果は期待できなくなった
  • 表示速度改善による間接的なSEO効果は依然として有効
  • JavaScript・CSS制限や二重管理コストなどのデメリットを理解する必要がある
  • ニュースサイトやブログなど静的コンテンツ主体のサイトでは有効な選択肢
  • Core Web Vitals対応など、AMP以外の高速化手段も検討すべき

AMPとSEOの関係を理解する重要性

AMP導入を検討する際、SEOへの影響を正しく理解することは極めて重要です。過去の情報に基づいて判断すると、期待した効果が得られない可能性があります。

(1) モバイル高速化とSEOの関係

Googleはモバイルファーストインデックスを採用しており、ページの表示速度はランキング要因の一つです。Core Web Vitalsという指標でページ体験を評価しており、LCP(Largest Contentful Paint)、FID(First Input Delay)、CLS(Cumulative Layout Shift)の3つのメトリクスが重視されています。

AMPはこれらの指標を改善する手段の一つですが、AMP以外の方法でもCore Web Vitalsを改善することは可能です。

(2) AMP導入の費用対効果を見極める必要性

AMP導入には、実装コスト、二重管理コスト、機能制限への対応など、さまざまなコストが発生します。これらのコストに見合うSEO効果が得られるかどうかを、2024年現在の状況に基づいて判断する必要があります。

AMPの基礎知識(定義・仕組み・歴史)

AMPの導入判断をするためには、まずAMPの基本的な仕組みを理解することが重要です。

(1) AMP(Accelerated Mobile Pages)とは

AMP(Accelerated Mobile Pages)は、Googleが主導するオープンソースのHTMLフレームワークです。モバイルWebページの高速読み込みを実現するために設計されており、通常のモバイルページと比較して約88%高速に読み込めるとされています。

データ量は通常の1/10程度に圧縮され、1秒以内での読み込みを目指しています。ただし、これらの数値は理想的な条件下での値であり、実装方法やサイト構成により効果は異なります。

(2) AMPの技術的な仕組み(AMPキャッシュ・HTML制限)

AMPが高速表示を実現する主な仕組みは以下の通りです。

AMPキャッシュ:

  • GoogleがAMPページを事前にキャッシュし、CDN経由で配信
  • ユーザーがクリックした瞬間に即座に表示可能

HTML制限:

  • 独自のJavaScriptは使用不可(amp-scriptなど専用コンポーネントのみ)
  • CSSは50KBまでの制限
  • インラインCSSのみ使用可能

これらの制限により、ページの軽量化と高速表示を実現していますが、同時に機能やデザインの自由度が制限されます。

(3) AMPの歴史とGoogleの優遇措置の変遷

AMPは2015年にGoogleが発表し、2016年から本格的に普及が始まりました。当初はGoogleがAMPを強く推進し、以下のような優遇措置がありました。

かつての優遇措置:

  • AMPバッジ(雷マーク)の表示
  • トップストーリーカルーセルへの独占掲載
  • 検索結果での優先表示

しかし、2021年6月にこれらの優遇措置は終了しました。現在はAMPページも非AMPページも平等に評価されています。

AMPのSEO効果の実態(2024年現在)

2024年現在、AMPのSEO効果はどのように評価されているのでしょうか。Google公式の見解と実際の効果を確認します。

(1) 2021年6月の優遇措置終了とその影響

2021年6月、Googleは以下の変更を実施しました。

終了した優遇措置:

  • AMPバッジ(雷マーク)の廃止
  • トップストーリーカルーセルの非AMPページへの開放
  • AMPであることを理由とした優先表示の廃止

この変更により、AMPであること自体によるSEO上のメリットはなくなりました。Google Search Centralの公式ドキュメントでも、「AMP自体はランキング要因ではない」と明記されています。

(2) 直接的SEO効果と間接的SEO効果の違い

AMPのSEO効果は、直接的効果と間接的効果に分けて考える必要があります。

直接的SEO効果(2021年6月以降なし):

  • AMPであることによるランキング優遇
  • 検索結果での特別な表示

間接的SEO効果(依然として有効):

  • 表示速度改善によるユーザー体験向上
  • 直帰率の低下、滞在時間の増加
  • Core Web Vitalsスコアの改善

間接的効果は依然として期待できますが、AMP以外の方法でも同様の効果を得ることは可能です。

(3) Core Web Vitalsとの関係

Core Web Vitalsは、Googleがページ体験を評価する指標として重視しています。AMPはCore Web Vitalsを改善する手段の一つですが、唯一の方法ではありません。

Core Web Vitals改善のための代替手段:

  • 画像の最適化(WebP形式、サイズ圧縮)
  • Lazy Loading(遅延読み込み)の実装
  • CDN(コンテンツ配信ネットワーク)の活用
  • 不要なJavaScriptの削減
  • CSSの最適化

これらの手段でもCore Web Vitalsを改善できるため、AMPが必須というわけではありません。

AMPのメリット・デメリット

AMP導入を検討する際は、メリットとデメリットの両方を把握した上で判断することが重要です。

(1) AMPのメリット(表示速度・データ量削減)

主なメリット:

  • 表示速度の大幅な改善(通常の約88%高速化)
  • データ量の削減(通常の1/10程度)
  • モバイルユーザー体験の向上
  • 直帰率の低下が期待できる
  • WordPress公式プラグイン「AMP for WordPress」で簡単に導入可能

特に、回線速度が遅い環境のユーザーにとっては、大きなメリットとなります。

(2) AMPのデメリット(JavaScript・CSS制限、管理コスト)

主なデメリット:

  • JavaScript制限により複雑な動的機能が実装できない
  • CSSが50KBまでの制限でデザインに制約
  • 正規ページとAMPページの二重管理が必要
  • 更新・保守コストが増大
  • 広告配信やアナリティクスの実装に制限
  • インタラクティブな機能を持つサイトには不向き

これらのデメリットは、特にECサイトやWebアプリケーションなど、動的な機能を多用するサイトでは大きな問題となります。

(3) 主要プラットフォームのAMP撤退事例

近年、主要プラットフォームがAMPからの撤退を進めています。

撤退事例:

  • はてなブログ: 2023年9月にAMP配信機能を終了
  • その他複数のプラットフォームでもAMP対応を縮小

はてなブログの事例では、AMP終了後もアクセス数への影響は限定的だったと報告されています。これは、AMP優遇措置終了後の現状を反映した結果と言えます。

AMP導入の判断基準と代替手段

AMP導入の是非は、サイトの特性や目的によって異なります。以下の判断基準を参考にしてください。

(1) AMP導入が有効なサイトの特徴

AMP導入が有効なケース:

  • ニュースサイト、ブログ、レシピサイトなど静的コンテンツ主体
  • 現在の表示速度に課題がある
  • JavaScriptを多用しない
  • モバイルユーザーの比率が高い
  • 記事コンテンツが中心

AMP導入が不向きなケース:

  • ECサイト(複雑なカート機能等が必要)
  • Webアプリケーション
  • インタラクティブなコンテンツが多い
  • 既に表示速度が十分に速い
  • デザインやブランド表現を重視する

(2) 導入コストと実装方法(WordPress等)

導入方法の選択肢:

方法 コスト 難易度 特徴
WordPress公式プラグイン 無料 設定のみで導入可能
カスタム実装 有料 専門知識が必要
AMP対応テーマ 有料/無料 テーマ変更が必要

WordPressを使用している場合は、公式プラグイン「AMP for WordPress」を使えば比較的簡単に導入できます。ただし、テーマやプラグインとの互換性問題が発生する可能性があります。

導入時の注意点:

  • canonicalタグの正しい設定(重複コンテンツ回避)
  • Google公式の「AMPテスト」で検証
  • 正規ページとの整合性確認

※プラグインの互換性やサポート状況は変動するため、最新情報は公式サイトで確認してください。

(3) AMP以外の高速化手段(Lazy Loading、CDN等)

2024年現在、AMP以外にも表示速度を改善する方法は多数あります。

代替となる高速化手段:

手法 概要 導入難易度
Lazy Loading 画像の遅延読み込み
画像最適化 WebP形式への変換、圧縮 低〜中
CDN活用 コンテンツ配信ネットワーク
JavaScript最適化 不要なコード削除、非同期読み込み 中〜高
CSSの最適化 クリティカルCSS、不要なCSS削除 中〜高
サーバー最適化 キャッシュ設定、HTTP/2対応 中〜高

これらの手法を組み合わせることで、AMPを導入せずともCore Web Vitalsを改善することは十分に可能です。

まとめ:AMPは今、導入すべきか

2024年現在、AMPは「必須技術」から「オプション技術」へと位置づけが変化しています。Googleの優遇措置が終了した今、AMPであること自体によるSEOメリットはありません。

ただし、表示速度改善による間接的なSEO効果は依然として有効です。ニュースサイトやブログなど、静的コンテンツ主体で表示速度に課題があるサイトでは、AMPは有効な選択肢の一つです。

導入判断のポイント:

  • サイトの特性(静的コンテンツか動的コンテンツか)
  • 現在の表示速度の状況
  • 導入・運用コストに見合う効果が期待できるか
  • AMP以外の高速化手段との比較

次のアクション:

  • 現在のサイトのCore Web Vitalsスコアを確認する
  • 表示速度に課題があれば、AMP以外の高速化手段も検討する
  • 導入を検討する場合は、WordPressプラグインで小規模にテストする
  • 公式サイトで最新のAMP仕様とガイドラインを確認する

モバイルユーザー体験の向上は重要ですが、その手段はAMPに限りません。自社サイトの状況と目的に合わせて、最適な高速化手段を選択してください。

※この記事は2024年12月時点の情報に基づいています。AMP仕様やGoogleのガイドラインは更新される可能性があるため、最新情報は公式サイトでご確認ください。

よくある質問

Q1AMPはSEOに効果がある?

A12021年6月以降、AMPであること自体による直接的なSEO効果(ランキング優遇)はありません。ただし、表示速度改善によるユーザー体験向上を通じた間接的なSEO効果は期待できます。Core Web Vitals改善手段の一つとして検討可能です。

Q2AMPページはどれくらい速い?

A2通常のモバイルページより約88%高速に読み込めるとされています。データ量は通常の1/10程度で、1秒以内の読み込みを目指しています。ただし、これは理想値であり、実装方法やサイト構成により効果は異なります。

Q3AMPは今でも導入すべき?

A3全サイトに必須ではありません。ニュースサイト・ブログなど静的コンテンツ主体で、表示速度に課題がある場合の選択肢の一つです。ECサイトやWebアプリなど動的機能が多いサイトには不向きです。費用対効果を慎重に検討してください。

Q4AMP導入のコストは?

A4WordPress公式プラグイン「AMP for WordPress」を使えば無料で導入可能です。カスタム実装の場合は専門知識が必要で制作費用が発生します。また、正規ページとAMPページの二重管理による運用コストも考慮が必要です。

Q5AMPの優遇措置はどうなった?

A52021年6月にGoogleの優遇措置は終了しました。AMPバッジ(雷マーク)は廃止され、トップストーリーカルーセルも非AMPページに開放されています。現在はAMPページも非AMPページも平等に評価されています。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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