Web会議営業が当たり前になった今、成果を出すために必要なこと
実はWeb会議営業で成果を出すには、商談スキルの向上だけでなく、SFA/MAと連携して商談情報を蓄積・活用できる仕組みの構築が不可欠です。
オンライン商談とは、Web会議ツールを使用して非対面で行う営業商談を指します。移動時間削減や商談件数増加が期待できるため、多くの企業で導入が進んでいます。
「自社の商材はビデオ会議や電話で説明を受けるには複雑すぎると感じる」買い手は26.6%にまで減少しており、年々低下傾向にあります(HubSpot「日本の営業に関する意識・実態調査2024」)。買い手側のWeb会議営業への抵抗感が薄れてきた今、商談のやり方そのものを見直す好機と言えます。
一方で、会議の進め方に不満を持つ人は68.7%(「とてもある」14.1%、「ある」18.3%、「どちらかといえばある」36.3%)という調査結果もあります(2025年 職場会議の実態調査)。Web会議の普及と同時に、運営面での課題も浮き彫りになっています。
この記事で分かること
- 対面営業とWeb会議営業の違いと使い分け基準
- Web会議営業のメリット・デメリットと課題への対処法
- 商談前・中・後のポイントをまとめたチェックリスト
- SFA/MAと連携して商談情報を活用する仕組みづくり
- オンライン特有の「空気が読みにくい」課題への具体的な対策
対面営業とWeb会議営業の違いと使い分け基準
対面営業とWeb会議営業は二者択一ではなく、商材や商談フェーズに応じて使い分けることで成果を最大化できます。ある企業の営業テレワーク事例では、商談の一部をWeb会議に置き換えることで合計6,600時間の移動時間を削減したという報告があります(CACHATTO事例、個社事例のため効果は企業の状況により異なります)。
ハイブリッド営業とは、対面商談とWeb会議商談を組み合わせた営業スタイルを指します。初回・最終は対面、中間はオンラインというのが一般的な構成です。
【比較表】対面営業とWeb会議営業の使い分け基準表
| 比較項目 | 対面営業 | Web会議営業 |
|---|---|---|
| 移動時間 | 必要 | 不要 |
| 1日の商談件数 | 限られる | 増やしやすい |
| 顧客との関係構築 | 深めやすい | 工夫が必要 |
| 複雑な商材の説明 | 得意 | 画面共有で対応可 |
| 商談後の印象 | 残りやすい | フォローで補完 |
| 適したフェーズ | 初回訪問・最終クロージング | 中間フェーズ・定期報告 |
| 遠方顧客へのアプローチ | コスト大 | 容易 |
ハイブリッド営業で成果を最大化する構成例
対面とWeb会議を組み合わせたハイブリッド構成では、初回と最終クロージングを対面で行い、2〜3回目の商談をWeb会議に置き換えることが効果的とされています。
- 初回訪問(対面): 顔を合わせて関係構築、会社や担当者の雰囲気を把握
- 2〜3回目(Web会議): 詳細ヒアリング、提案内容の説明、疑問点の解消
- 最終クロージング(対面): 契約条件の最終確認、決裁者への説明
この構成により、移動時間を削減しながら、重要な局面では対面のメリットを活かすことができます。顧客側の希望も確認した上で柔軟に対応することが大切です。
Web会議営業のメリットとデメリット
Web会議営業の最大のメリットは、移動時間の削減により商談件数を増やせることと、遠方の顧客にもアプローチできることです。一方で、対面と比べて「空気が読みにくい」「関係構築に時間がかかる」といった課題もあります。
テレワーク時の生産性に関する調査では、平均84.1(出勤時を100とした場合)という結果がある一方、100以上と評価した人が35.2%いるというデータもあります(パーソル総合研究所テレワーク調査、全職種対象のため営業職への直接適用には注意が必要です)。Web会議だからといって必ずしも生産性が下がるわけではなく、設計次第で出勤時以上の成果を出すことも可能です。
オンライン特有の課題と対処法
オンライン会議への不満として「参加形態によって温度差がある」34.5%、「空気が読みにくく発言しづらい」31.7%が上位に挙がっています(2025年 職場会議の実態調査)。
主な課題と対処法
- 一方通行になりやすい: ヒアリング時間を意識的に確保し、相手の発言を引き出す質問を準備しておく
- 空気が読みにくい: 商談中にこまめに確認を入れる、チャット機能で質問を受け付ける
- 参加者の温度差: 全員がカメラオンにするルールを設ける、少人数での分割開催を検討
- 集中力が続きにくい: 商談時間を短めに設定し、要点を絞ったアジェンダを事前共有
Web会議営業の準備・実施・フォローのポイント
Web会議営業で成果を出すには、商談前・中・後のそれぞれで押さえるべきポイントがあります。オンライン会議で「話していない時にミュート」「事前に接続準備」を実践している人は4割程度という調査結果があります(モバイル社会研究所)。基本マナーが十分に徹底されていない現状を踏まえ、チェックリストで確認することが重要です。
【チェックリスト】Web会議営業の準備・実施・フォローチェックリスト
- 商談のアジェンダとゴールを事前にメールで共有した
- 通信環境(回線速度・安定性)を事前に確認した
- カメラ・マイク・スピーカーの動作確認を行った
- 背景の設定(バーチャル背景または整理された空間)を確認した
- 画面共有用の資料を開いて準備した
- 商談開始5分前には接続を完了している
- カメラをオンにして相手の顔を見ながら話している
- 話していない時はミュートにしている
- 相手の発言にうなずき・相槌で反応を示している
- ヒアリング時間を確保し、相手の話を引き出している
- 画面共有時は相手のペースに合わせて進めている
- 商談終了時に次のアクションを明確に確認した
- 商談後24時間以内にお礼メールを送信した
- SFAに商談内容を記録した
- 次回アクションのタスクをSFAに登録した
商談前の準備ポイント
商談前の準備で最も重要なのは、アジェンダとゴールを事前に共有することです。これにより、脱線や時間超過を防止でき、商談の密度を高めることができます。
- アジェンダの共有: 商談の流れと所要時間を事前にメールで伝える
- ゴールの明確化: 「今回の商談で〇〇を決めたい」など、到達点を明示
- 機材チェック: カメラ・マイク・通信環境を事前にテスト
- 資料の準備: 画面共有用の資料を事前に開いておく
商談中のマナーと注意点
Web会議特有のマナーとして、「話していない時はミュート」「カメラオン」が基本です。ミュートを実践している人は4割程度という調査結果があるように、基本的なマナーでも意識的に取り組む必要があります。
- ミュートの活用: 自分が話していない時はミュートにして雑音を防ぐ
- カメラオン: 表情が見えることで信頼関係を構築しやすくなる
- リアクションの見せ方: うなずき・相槌を意識的に大きくする
- 画面共有のコツ: 資料の該当箇所をマウスで指し示しながら説明
SFA/MAと連携して商談情報を活用する仕組み
SFA(Sales Force Automation) とは、営業支援システムを指し、商談情報の記録・共有・分析を行い、営業活動を効率化するツールです。
「Web会議ツールを導入しただけで満足し、商談情報の記録・共有・活用まで踏み込まない」という失敗パターンは非常に多く見られます。これでは商談情報が属人化し、フォローアップが非効率になるだけでなく、組織としての営業力向上にもつながりません。
Web会議営業の成果を最大化するには、商談で得た情報をSFA/MAに蓄積し、組織で活用できる仕組みを構築することが不可欠です。
商談記録を組織で共有・活用する方法
商談データの属人化を防ぎ、組織で活用するためのポイントは以下の通りです。
- 即時記録: 商談終了後、記憶が新しいうちにSFAへ入力する
- 項目の標準化: 記録すべき項目(課題・予算・決裁者・導入時期など)を統一する
- ネクストアクションの明確化: 次回のフォローアップ予定をタスクとして登録
- 共有の仕組み化: 週次ミーティングでSFAのデータを元に案件レビューを実施
- MAとの連携: リード情報とSFAの商談情報を連携させ、ナーチャリングに活用
商談情報を蓄積・活用する仕組みがあれば、担当者不在時でもフォローができ、引き継ぎもスムーズになります。また、成功パターンの分析や改善にも役立てることができます。
まとめ|Web会議営業で成果を出すために
「自社の商材はビデオ会議や電話で説明を受けるには複雑すぎる」と感じる買い手は26.6%にまで減少しており、Web会議営業への抵抗感は年々薄れてきています。今こそ、Web会議営業の仕組みを見直す好機です。
本記事で紹介したチェックリストや使い分け基準表を活用し、自社の商談フローを点検してみてください。商談スキルの向上と合わせて、SFA/MAと連携したデータ活用の仕組みを整えることで、Web会議営業の成果を着実に高めることができます。
Web会議営業で成果を出すには、商談スキルの向上だけでなく、SFA/MAと連携して商談情報を蓄積・活用できる仕組みの構築が不可欠です。ツール導入で満足せず、記録・共有・活用まで踏み込んで取り組むことが成功への鍵となります。
