SQLとは?データベースを操作する標準言語
日本PostgreSQLユーザ会の調査によると、データベース利用者の業界構成は情報通信業界が68.1%から37.4%へとほぼ半減し、他業界への広がりが進んでいます。SQLはもはやIT業界だけのものではありません。
本記事では、SQLの基礎知識を非エンジニアの方にもわかりやすく解説します。この記事を読むことで、以下のことが理解できます。
- SQLとは何か、その定義と役割
- データベースとSQLの関係
- SQLの種類(DDL・DML・DCL)の違い
- 非エンジニアがSQLを学ぶメリット
データベースとSQLの関係
SQLは「Structured Query Language(構造化問い合わせ言語)」の略で、リレーショナルデータベースを操作・定義するための標準化されたコンピュータ言語です。ISOで国際規格化されており、世界中で共通の言語として使用されています。
リレーショナルデータベース(RDB)とは、データを表形式で管理するデータベースのことです。Excelのスプレッドシートをイメージするとわかりやすいでしょう。行と列でデータを整理し、複数の表を関連付けて管理します。
RDBMS(Relational Database Management System)は、このリレーショナルデータベースを管理するシステムです。Oracle、MySQL、PostgreSQL、SQL Serverなどが代表的な製品として知られています。
グローバルDBMS市場は2024年の700億4,000万米ドルから2032年には1,634億7,000万米ドルに成長すると予測されています(CAGR 11.17%)。特にクラウドデータベース・DBaaS市場は2024年の258億9,000万米ドルから2032年には1,142億6,000万米ドルへと急成長が見込まれています(CAGR 20.38%)。これらは市場調査機関による予測値です。
SQLとプログラミング言語の違い
SQLはプログラミング言語とは異なります。PythonやJavaなどのプログラミング言語は「手続き型言語」と呼ばれ、「どのように処理するか」を順番に記述します。一方、SQLは「宣言型言語」であり、「何をしたいか」を記述するだけで、具体的な処理方法はデータベースが自動的に判断します。
そのため、SQLを学んでもアプリケーション開発ができるようになるわけではありません。SQLはあくまでデータベースを操作するための言語であり、単体でシステムを構築することはできません。
SQLの種類(DDL・DML・DCL)
SQLは大きく3つの種類に分類されます。IPA「基本情報技術者試験」シラバスでも、DDLとDMLはデータベース言語の学習範囲として明記されています。
[table]
| 種類 | 正式名称 | 役割 | 主なコマンド |
|---|---|---|---|
| DDL | Data Definition Language | データベースの構造を定義・変更・削除 | CREATE, ALTER, DROP |
| DML | Data Manipulation Language | データの検索・追加・更新・削除 | SELECT, INSERT, UPDATE, DELETE |
| DCL | Data Control Language | アクセス権限やセキュリティの制御 | GRANT, REVOKE |
| [/table] |
非エンジニアが最もよく使うのはDML、特にSELECT文です。SELECT文を使えば、データベースから必要なデータを抽出できます。
主要なRDBMSの紹介
日本PostgreSQLユーザ会のDB利用調査2025によると、国内データベース利用者数は以下のようになっています。
| 順位 | RDBMS | 利用者数 |
|---|---|---|
| 1位 | Oracle | 314名 |
| 2位 | SQL Server | 243名 |
| 3位 | MySQL | 203名 |
| 4位 | PostgreSQL | 194名 |
この調査はDB関係者を対象としているため、回答者に偏りがある可能性があります。
どのRDBMSを選んでも、基本的なSQL構文は共通です。一度SQLを覚えれば、他のRDBMSでも応用が効きます。
非エンジニアがSQLを学ぶメリットと学習方法
「SQLはエンジニアだけが使うもの」という誤解がありますが、実際にはマーケティングや営業部門でもデータ抽出・分析に活用できる場面は多くあります。
非エンジニアがSQLを学ぶメリットは以下の通りです。
- エンジニアに依頼せず、自分でデータを取得できる
- レポート作成のスピードが上がる
- データに基づいた意思決定ができるようになる
学習を始める際は、SELECT文+WHERE句+GROUP BY句のレベルから取り組むことをおすすめします。この3つを理解すれば、基本的なデータ抽出は自分でできるようになります。
マーケティング・営業での活用シーン
具体的な活用シーンとしては、以下のようなものがあります。
- 顧客リストの抽出(特定条件に合致する顧客の絞り込み)
- MA・CRMデータの分析(メール開封率、コンバージョン率の集計)
- 売上データの集計(期間別、商品別、担当者別の分析)
- SFAデータからの商談進捗確認
MA・CRM・SFAの多くはSQLベースのRDBを内部で使用しており、SQLはデータ活用の共通言語といえます。
まとめ|SQLの基礎を理解してデータ活用の幅を広げよう
SQLはデータベースを操作するための標準化された言語であり、非エンジニアでも基礎を理解することでデータ活用の幅を広げることができます。
本記事のポイントをまとめます。
- SQLはリレーショナルデータベースを操作するための標準言語
- SQLは宣言型言語であり、プログラミング言語とは異なる
- DDL・DML・DCLの3種類があり、非エンジニアはDML(特にSELECT文)から学ぶのが実践的
- 主要RDBMSはOracle、SQL Server、MySQL、PostgreSQLの4つ
- SQLを学ぶことで、エンジニアに依頼せず自分でデータ抽出ができるようになる
まずはSELECT文から学習を始めて、データ活用の第一歩を踏み出してみてください。
