サイロ化解消|MA/SFA設定から運用定着までの完全ガイド

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/421分で読めます

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サイロ化解消の現状と本記事の目的

先に答えを言うと、サイロ化解消の成功は、統合プラットフォーム導入だけでなく、MA/SFA設定から運用定着までの一気通貫の実装支援で実現します。

MA/SFAツールは導入済みだが、部門間でデータや業務が孤立し、業務効率が低下している。統合プラットフォーム導入を検討しているが、導入だけで終わらず運用定着まで実装できるか不安。解消施策を実行しても元に戻るリスクを懸念している。こうした課題を抱える企業は少なくありません。

経済産業省DXレポートによると、2025年以降、基幹システムの稼働年数が20年以上に達する国内企業が60%に上り、システム分散(サイロ化)が最大年間12兆円の経済損失を引き起こす可能性があるとされています。また、S&Pグローバル調査(2025年)によると、AIプロジェクトの中止率が42%(前年17%から増加)となっており、サイロ化管理が原因の一つとされています(グローバル調査で日本市場特化データではなく、AIプロジェクト中止の要因は複数あり、サイロ化のみが原因ではないことに注意が必要です)。

サイロ化は、組織・システム・データの3つのタイプに分類され、それぞれ異なるアプローチで解消する必要があります。しかし、多くの企業は統合プラットフォームを導入すれば自動的に解消されると考え、運用定着や業務プロセス改善を後回しにしてしまい、結果的に元のサイロ状態に戻ってしまう失敗パターンに陥ります。

この記事で分かること

  • サイロ化の定義と3つのタイプ(組織・システム・データ)
  • サイロ化が起こる原因と生じる問題点(12兆円損失、AIプロジェクト中止率42%等)
  • タイプ別の具体的な解消方法と成功事例
  • 解消から運用定着までの一気通貫実装プロセス
  • すぐに使えるサイロ化解消実装チェックリストと比較表

この記事では、サイロ化の基礎知識から解消方法、運用定着までの実装プロセスを解説し、IT・ソフトウェア企業のマーケティング責任者やインサイドセールス責任者が、確実に連携が機能する体制を構築できるようサポートします。

サイロ化とは|組織・システム・データの3つのタイプ

サイロ化とは、組織・システム・データが分断され、情報共有や連携が困難な状態を指します。農場の円筒形貯蔵庫「サイロ」に由来する言葉で、サイロのように縦に長く孤立した状態を表現しています。

サイロ化は大きく3つのタイプに分類されます。組織のサイロ化は部署間が孤立し、情報共有・連携がない状態を指します。システムのサイロ化はITシステム・データベースが部署ごとに孤立し、相互連携ができない状態を指します。データのサイロ化はデータが部署・システムごとに分断され、統合活用ができない状態を指します。

これら3つのタイプは相互に関連しており、組織のサイロ化が進むとシステムやデータの分断も加速する傾向があります。自社がどのタイプのサイロ化に直面しているかを正確に把握することが、効果的な解消策の第一歩です。

組織のサイロ化とは

組織のサイロ化とは、部署間が孤立し、情報共有・連携がない状態を指します。自部門最適が優先され「たこつぼ化」とも呼ばれます。

マーケティング部門、インサイドセールス部門、フィールドセールス部門がそれぞれ独自の目標を持ち、部門間での情報共有や協働が行われないケースが典型例です。例えば、マーケティング部門が獲得したリード情報がインサイドセールスに適切に引き継がれず、同じ顧客に対して重複したアプローチが発生したり、顧客の購買意欲が高まっているタイミングを逃したりすることがあります。

組織のサイロ化は、部門ごとの評価制度や予算配分が独立していることで強化されるケースが多く、経営層が部門横断的な協働を明確に方針として示さない限り、自然には解消されにくい構造的な問題です。

システムのサイロ化とは

システムのサイロ化とは、ITシステム・データベースが部署ごとに孤立し、相互連携ができない状態を指します。

経済産業省DXレポートによると、2025年以降、基幹システムの稼働年数が20年以上に達する国内企業が60%に上るとされています(2018年時点の予測値であることに注意が必要です)。こうしたレガシーシステムは部署ごとに独自に構築・運用されてきた経緯があり、他部署のシステムとのデータ連携が技術的に困難な状態です。

例えば、営業部門が顧客管理にSFA(営業支援システム)を、マーケティング部門がMA(マーケティングオートメーション)を、財務部門が独自の会計システムをそれぞれ導入しているものの、これらのシステム間でデータ連携ができず、手作業でExcelに転記して集計しているケースが見られます。

データのサイロ化とは

データのサイロ化とは、データが部署・システムごとに分断され、統合活用ができない状態を指します。

IPA「DX動向2024」によると、日本企業の57.5%が「人材の確保が難しい」と回答しており、システム分散によるデータサイロ化が人材不足を悪化させDX阻害要因となっているとされています(自己申告ベースの調査で、企業規模や業種による差異がある可能性があります)。

データのサイロ化は、顧客データがマーケティング部門のMAツール、営業部門のSFAツール、カスタマーサポート部門のCRMツールにそれぞれ保存されており、同一顧客の全体像を把握できない状態として現れます。この状態では、顧客の行動履歴や購買履歴を統合して分析することができず、パーソナライズされたマーケティング施策や適切な営業アプローチが困難になります。

サイロ化が起こる原因と生じる問題点

サイロ化が起こる主な原因は、部門最適化の優先、レガシーシステムの放置、経営層の方針不明確の3つです。そして、サイロ化により最大年間12兆円の経済損失、人材不足の悪化(57.5%が人材確保難)、AIプロジェクト中止率42%への増加など、深刻な問題が生じています。

サイロ化は一度発生すると、組織のサイロ化がシステムやデータの分断を引き起こし、それがさらに部門間の連携を困難にするという悪循環を生みます。2025年の崖とは、経済産業省DXレポートで指摘された、レガシーシステムの老朽化により2025年以降に最大年間12兆円の経済損失が生じるリスクを指します。このリスクを回避するためには、サイロ化の原因を理解し、体系的な解消アプローチを実行することが不可欠です。

サイロ化が起こる主な原因

サイロ化が起こる主な原因として、部門最適化の優先、レガシーシステムの放置、経営層の方針不明確の3点が挙げられます。

部門最適化の優先は、各部門が自部門の目標達成を最優先し、他部門との協働を後回しにすることで発生します。例えば、マーケティング部門が「リード獲得数」のみをKPIとして設定し、獲得したリードの質や営業部門との連携を考慮しないケースです。営業部門は「受注件数」をKPIとし、マーケティングが獲得したリードの対応を後回しにする、といった部門間の利益相反が生じます。

レガシーシステムの放置は、古いシステムを長年使い続けることで、他部署のシステムとの連携が技術的に困難になる問題です。システムの刷新には大きな投資とリスクが伴うため、経営判断として先送りされるケースが多く、結果的にシステム分散が進行します。

経営層の方針不明確は、経営層が部門横断的な協働やデータ活用の重要性を明確に示さず、各部門に判断を委ねることで、部門ごとに独自の方針とシステム選定が行われることを指します。

サイロ化によって生じる問題点

サイロ化によって生じる問題点は多岐にわたり、経済損失、DX阻害、AIプロジェクトの失敗など、深刻な影響をもたらします。

経済産業省DXレポートによると、システム分散(サイロ化)が最大年間12兆円の経済損失を引き起こす可能性があるとされています(2018年時点の予測値です)。この損失は、システムの維持管理コストの増加、データ活用機会の喪失、業務効率の低下などから発生します。

IPA「DX動向2024」によると、日本企業の57.5%が「人材の確保が難しい」と回答しており、システム分散によるデータサイロ化が人材不足を悪化させDX阻害要因となっているとされています。IT人材が複数のシステムの維持管理に追われ、新規プロジェクトやDX推進に時間を割けない状況が生じています。

S&Pグローバル調査(2025年)によると、AIプロジェクトの中止率が42%(前年17%から増加)となっており、サイロ化管理が原因の一つとされています(グローバル調査で日本市場特化データではなく、AIプロジェクト中止の要因は複数あり、サイロ化のみが原因ではないことに注意してください)。AIモデルの学習には統合されたデータが不可欠ですが、データのサイロ化によりデータ準備に膨大な時間がかかり、プロジェクトが頓挫するケースが増加しています。

また、経済産業省DXレポートでは、サイロ化解消によりDXが実現できれば、日本のGDPは2030年頃を目途に実質130兆円超に到達する可能性があると予測しています(2018年時点の予測値です)。これは、サイロ化が解消されないことによる機会損失の大きさを示しています。

サイロ化解消の具体的な方法|タイプ別アプローチ

サイロ化解消には、組織・システム・データの各タイプに応じた具体的なアプローチが必要です。組織のサイロ化には部門横断プロジェクトと経営層主導の方針明示、システムのサイロ化には統合プラットフォーム導入とAPI連携、データのサイロ化にはCDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)導入とデータ統合が有効です。

CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム) とは、顧客データを統合・一元管理するプラットフォームを指します。サイロ化解消の代表的なツールで、マーケティング・営業・サポートなど各部門が保有する顧客データを統合し、顧客の全体像を把握できるようにします。

Geniee社のCDP×AIエージェント導入事例(2024年12月開始)では、データサイロ化をCDPで統合することで業務時間200時間削減、売上成長率向上(2025年Q1決算で確認)を実現しています(企業自己申告ベースで第三者検証はなく、業種・規模により再現性は変動することに注意してください)。

以下の比較表で、各タイプ別の解消手法、実装ツール例、効果・事例、注意点をまとめています。

【比較表】サイロ化タイプ別解消手法比較表

サイロ化タイプ 解消手法 実装ツール例 効果・事例 注意点
組織のサイロ化 部門横断プロジェクト設置、経営層主導の方針明示、評価制度の見直し プロジェクト管理ツール、社内コミュニケーションツール 部門間の情報共有頻度向上、協働プロジェクト数増加 経営層のコミットメントが不可欠。評価制度変更には時間がかかる
システムのサイロ化 統合プラットフォーム導入(ERP・MA/SFA統合)、API連携、マイクロサービス化 ERP、MA/SFA統合プラットフォーム、API管理ツール システム維持管理コスト削減、データ連携の自動化 レガシーシステムの段階的移行が必要。一気に切り替えるリスクが高い
データのサイロ化 CDP導入、データウェアハウス構築、ETLツール活用 CDP、データウェアハウス、ETLツール Geniee社事例: 業務時間200時間削減、売上成長率向上 企業自己申告ベースで再現性は業種・規模により変動

※ 業種・企業規模・実施内容により効果は大きく変動します。自社での検証が重要です。

組織のサイロ化解消|部門横断プロジェクトと経営層主導

組織のサイロ化を解消するには、部門横断プロジェクトの設置、経営層主導の方針明示、評価制度の見直しが有効です。

部門横断プロジェクトの設置では、マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスの各部門から担当者を選出し、共通のKPI(例: リードから受注までの転換率)を設定します。プロジェクトチームが定期的に会議を開催し、リード引き渡しのルール、情報共有のタイミング、各部門の役割分担を明確にします。

経営層主導の方針明示では、経営層が「部門横断的なデータ活用とプロセス改善」を経営方針として明確に示し、各部門長にその実行を指示します。経営層のコミットメントがなければ、各部門は自部門最適を優先し続けるため、トップダウンでの推進が不可欠です。

評価制度の見直しでは、部門ごとの個別KPI(例: マーケティング部門のリード獲得数のみ)だけでなく、部門横断的なKPI(例: リードから受注までの転換率、顧客生涯価値)を評価指標に加えます。これにより、各部門が他部門との協働にインセンティブを持つようになります。

システムのサイロ化解消|統合プラットフォーム導入とAPI連携

システムのサイロ化を解消するには、統合プラットフォーム(ERP・MA/SFA統合等)導入、API連携、マイクロサービス化が有効です。

統合プラットフォーム導入では、MA(マーケティングオートメーション)、SFA(営業支援システム)、CRM(顧客管理)を統合したプラットフォームを導入し、各部門が同じシステム上でデータを管理・共有できるようにします。これにより、マーケティング部門が獲得したリード情報が自動的にSFAに連携され、営業部門がリアルタイムにアクセスできます。

API連携では、既存の各システムをそのまま使いつつ、API(アプリケーション・プログラミング・インターフェース)を通じてデータ連携を実現します。例えば、MAツールとSFAツールをAPIで接続し、リード情報を自動同期します。レガシーシステムの段階的移行が可能で、リスクを抑えながらシステム連携を進められます。

マイクロサービス化では、大規模なモノリシックシステムを小さな独立したサービスに分割し、各サービスをAPI経由で連携させます。これにより、特定のサービスの変更が他のサービスに影響を与えにくくなり、システムの柔軟性が向上します。

データのサイロ化解消|CDP導入とデータ統合

データのサイロ化を解消するには、CDP導入、データウェアハウス構築、ETLツール活用が有効です。

CDP導入では、マーケティング・営業・サポートなど各部門が保有する顧客データをCDPに集約し、顧客の全体像を把握できるようにします。Geniee社のCDP×AIエージェント導入事例(2024年12月開始)では、データサイロ化をCDPで統合することで業務時間200時間削減、売上成長率向上(2025年Q1決算で確認)を実現しています(企業自己申告ベースで第三者検証はなく、業種・規模により再現性は変動します)。

データウェアハウス構築では、各システムのデータを定期的にデータウェアハウスに集約し、統合的なデータ分析を可能にします。BI(ビジネス・インテリジェンス)ツールを接続することで、経営層や各部門のマネージャーが部門横断的なデータを可視化できます。

ETLツール活用では、ETL(Extract, Transform, Load)ツールを使用して、各システムからデータを抽出(Extract)、変換(Transform)、ロード(Load)し、データウェアハウスやCDPに統合します。データ形式の統一やデータクレンジング(重複・欠損データの処理)を自動化し、手作業を削減できます。

サイロ化解消から運用定着までの一気通貫実装プロセス

サイロ化解消の成功には、統合プラットフォーム導入だけでなく、MA/SFA設定、業務プロセス改善、定期レビュー体制の構築まで含めた一気通貫のアプローチが不可欠です。

よくある誤解として、「統合プラットフォームを導入すれば自動的にサイロ化が解消される」という考え方がありますが、これは失敗パターンです。運用定着や業務プロセス改善を後回しにしてしまうと、結果的に元のサイロ状態に戻ってしまいます。ツール導入後も、各部門が従来の業務フローを変えず、新しいシステムを使わないケースや、一部の担当者のみが使用し全社展開に至らないケースが見られます。

解消から運用定着までのプロセスは、現状診断とサイロ化タイプの特定(ステップ1)、統合プラットフォーム導入とMA/SFA設定(ステップ2)、運用定着と定期レビュー体制の構築(ステップ3)の3段階で進めます。

以下のチェックリストで、解消・実装・定着の3軸で実装状況を確認してください。

【チェックリスト】サイロ化解消実装チェックリスト(解消・実装・定着の3軸)

解消軸(現状診断と計画)

  • 組織・システム・データの3軸でサイロ化タイプを診断済み
  • 部門間の情報共有頻度を測定済み(会議・メール・共有ドキュメント等)
  • 協働プロジェクト数を把握済み
  • 顧客対応の一貫性を評価済み(部門間で顧客情報が共有されているか)
  • 統合プラットフォーム選定基準を明確化済み(機能・価格・導入実績等)
  • 経営層のコミットメントを確保済み(予算・リソース・方針明示)
  • 部門横断プロジェクトチームを編成済み

実装軸(システム導入とデータ連携)

  • 統合プラットフォーム(MA/SFA統合、CDP等)を選定・導入済み
  • MA/SFA設定でリード情報の自動連携を実装済み
  • API連携で既存システムとの接続を実装済み
  • データ移行計画を策定済み(段階的移行スケジュール、並行稼働期間設定)
  • データクレンジング(重複・欠損データ処理)を実施済み
  • データウェアハウスまたはCDPにデータ統合済み
  • ダッシュボードで部門横断的なKPIを可視化済み
  • 従業員向けの操作研修を実施済み

定着軸(運用体制とPDCA)

  • 業務プロセス改善を実施済み(リード引き渡しルール、情報共有タイミング明確化)
  • 部門横断的なKPIを設定済み(リード→受注転換率、顧客生涯価値等)
  • 各部門の評価制度に部門横断KPIを追加済み
  • 月次レビュー会議を設定済み(KPI進捗確認、課題共有)
  • 四半期ごとの改善アクション計画を策定済み
  • システム利用状況をモニタリング済み(利用率、活用部門、未使用機能の特定)
  • 元のサイロ状態に戻らないための仕組み化(定期監査、経営層レビュー)を実装済み

ステップ1: 現状診断とサイロ化タイプの特定

解消の第一歩は、自社がどのタイプのサイロ化に直面しているかを正確に診断することです。組織・システム・データの3軸で現状を評価します。

組織のサイロ化診断では、部門間の情報共有頻度(会議・メール・共有ドキュメント等の回数)、協働プロジェクト数(過去1年間に実施された部門横断プロジェクトの件数)、顧客対応の一貫性(部門間で顧客情報が共有され、一貫した対応ができているか)を測定します。

システムのサイロ化診断では、部門ごとに使用しているシステムの一覧を作成し、システム間のデータ連携状況(自動連携・手動転記・連携なしの3段階)を確認します。レガシーシステムの稼働年数を把握し、20年以上のシステムが存在する場合は優先的に対処が必要です。

データのサイロ化診断では、顧客データの保存場所(MA・SFA・CRM・Excel等)を特定し、各データの更新頻度、データ形式の統一状況、重複データの有無を確認します。

ステップ2: 統合プラットフォーム導入とMA/SFA設定

診断結果をもとに、統合プラットフォームを選定・導入し、MA/SFAの設定を行います。

統合プラットフォーム選定では、機能(MA・SFA・CRMの統合度合い)、価格(初期費用・月額費用・ユーザー数による変動)、導入実績(同業種・同規模企業での導入事例)、サポート体制(導入支援・運用サポートの充実度)を基準に評価します。複数のベンダーから提案を受け、デモ環境で実際に操作して使い勝手を確認することが重要です。

MA/SFA設定では、マーケティングオートメーションツールで獲得したリード情報を自動的にSFA(営業支援システム)に連携する設定を行います。リードスコアリング(リードの購買意欲を点数化)の基準を設定し、一定スコア以上のリードを自動的に営業部門に通知します。

データ移行では、既存システムのデータを統合プラットフォームに移行します。一気に全データを移行するとリスクが高いため、段階的移行を推奨します。まず一部の部門やプロジェクトで並行稼働(既存システムと新システムを同時に運用)し、問題がないことを確認してから全社展開します。

ステップ3: 運用定着と定期レビュー体制の構築

統合プラットフォーム導入後、運用定着と定期レビュー体制の構築を行います。ここが最も重要で、この段階を怠ると元のサイロ状態に戻ってしまいます。

業務プロセス改善では、リード引き渡しのルール(どのタイミングで、どの情報を、誰に引き渡すか)、情報共有のタイミング(リード対応状況をいつ共有するか)、各部門の役割分担(マーケティング・インサイドセールス・フィールドセールスの責任範囲)を明文化します。

部門横断的なKPI設定では、各部門の個別KPIだけでなく、リード→受注転換率、顧客生涯価値(LTV)、顧客獲得コスト(CAC)など、部門横断的なKPIを設定します。これらのKPIを各部門の評価制度に組み込み、協働へのインセンティブを生み出します。

定期レビュー体制では、月次でKPI進捗を確認し、課題を共有します。四半期ごとに改善アクション計画を策定し、PDCAサイクルを回します。システム利用状況をモニタリングし、利用率が低い部門や未使用機能を特定して、追加研修や業務フロー見直しを行います。

元のサイロ状態に戻らないための仕組み化では、定期監査(半期ごとにサイロ化診断を再実施)と経営層レビュー(経営会議で部門横断KPIの進捗を報告)を実装します。

まとめ|サイロ化解消は統合プラットフォーム導入と運用定着をセットで進める

サイロ化解消の成功は、統合プラットフォーム導入だけでなく、MA/SFA設定から運用定着までの一気通貫の実装支援で実現します。

要点整理

  • サイロ化は組織・システム・データの3タイプに分類され、それぞれに適した解消手法がある
  • サイロ化により最大年間12兆円の経済損失、AIプロジェクト中止率42%など深刻な問題が生じる
  • 統合プラットフォーム導入だけでは不十分で、MA/SFA設定、業務プロセス改善、定期レビュー体制の構築までを一気通貫で進める必要がある
  • Geniee社事例では、CDP導入により業務時間200時間削減、売上成長率向上を実現(ただし再現性は業種・規模により変動)
  • 元のサイロ状態に戻らないための仕組み化(定期監査・経営層レビュー)が成功の鍵

次のアクション

  • サイロ化解消実装チェックリストで現状診断を実施する
  • 組織・システム・データの3軸でサイロ化タイプを特定する
  • 統合プラットフォームの選定基準を明確にし、ベンダー提案を受ける
  • 部門横断プロジェクトチームを編成し、経営層のコミットメントを確保する
  • 運用定着体制(月次レビュー・四半期改善計画)を導入前から計画する

サイロ化解消は、ツール導入という「点」ではなく、解消から運用定着までの「線」で取り組むことで、確実に連携が機能する体制を構築できます。

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よくある質問

Q1サイロ化とは具体的に何を指しますか?

A1組織・システム・データが分断され、情報共有や連携が困難な状態を指します。農場の円筒形貯蔵庫「サイロ」に由来し、組織のサイロ化(部署間孤立)、システムのサイロ化(ITシステム・DB孤立)、データのサイロ化(データ分断)の3タイプがあります。

Q2サイロ化を解消しないとどのような問題が起こりますか?

A2経済産業省DXレポートによると、システム分散(サイロ化)が最大年間12兆円の経済損失を引き起こす可能性があります。また、AIプロジェクトの中止率が42%に増加し、サイロ化管理が原因の一つとされています。人材不足の悪化(57.5%が人材確保難)やDX阻害も深刻です。

Q3統合プラットフォームを導入すればサイロ化は解消されますか?

A3統合プラットフォーム導入だけでは不十分です。MA/SFA設定、業務プロセス改善、運用定着体制の構築まで含めた一気通貫のアプローチが必要です。導入後に元のサイロ状態に戻ってしまうケースも多く、定期レビュー体制の整備が成功の鍵となります。

Q4サイロ化解消に成功した事例はありますか?

A4Geniee社のCDP×AIエージェント導入事例(2024年12月開始)では、データサイロ化をCDPで統合することで業務時間200時間削減、売上成長率向上(2025年Q1決算で確認)を実現しています。ただし、企業自己申告ベースで再現性は業種・規模により大きく変動するため、自社での検証が重要です。

Q5サイロ化解消でどのくらいの経済効果が期待できますか?

A5経済産業省DXレポートでは、サイロ化解消によりDXが実現できれば、日本のGDPは2030年頃を目途に実質130兆円超に到達する可能性があると予測しています。ただし、これは2018年時点の予測値であり、個別企業での効果は業種・規模・実施内容により大きく変動します。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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