SFAのモバイル入力が定着しないと営業効率化は実現しない
SFA(営業支援システム)市場は成長を続けており、2022年度の国内市場規模は570億円(前年度比+13.5%)に達し、2027年度には1,000億円規模への成長が予測されています。多くの企業がSFAを導入し、営業の効率化を目指しています。
しかし、SFAのモバイル入力は思うように定着していません。調査によると、商談直後にすぐ入力する営業担当者は40.2%にとどまり、1日の終わりにまとめて入力する担当者が32.2%という現状があります。せっかくのモバイル機能が活用されていないのです。
なぜモバイル入力が定着しないのか。その原因は「ツール機能」ではなく「運用設計」にあります。
本記事では以下を解説します。
- SFAモバイル入力の基本機能と活用シーン
- モバイル入力が定着しない原因と対策
- モバイル対応SFAの選定ポイント
- 定着させるための運用設計とチェックリスト
SFAモバイル入力の基本機能と活用シーン
SFAのモバイル入力とは、スマートフォンやタブレットから営業活動の情報を入力・参照することです。主な機能として、商談記録の入力、活動履歴の登録、顧客情報の参照があります。
即時入力のメリット
外出先でモバイル入力を行う最大のメリットは「即時入力」が可能になることです。商談直後5分以内に入力する「5分ルール」を実践することで、記憶が鮮明なうちに正確な情報を記録できます。
音声入力や写真添付など、テキスト入力以外の方法も活用すれば、入力負荷を軽減できます。
導入企業の傾向
SFA導入を検討する企業のうち、従業員50名未満の中小企業が55.5%と過半数を占めています。大企業だけでなく、中小企業でもSFAの活用が進んでいます。
なぜSFAモバイル入力は定着しないのか
「モバイル対応のSFAを導入すれば、営業が外出先から入力してくれるはず」という考え方は誤りです。機能があっても運用設計が不十分だと入力は定着せず、結局帰社後にまとめ入力という非効率な状態が続きます。
定着しない3つの原因
調査データから、モバイル入力が定着しない原因が明らかになっています。
- 入力作業に時間がかかる:営業担当者がSFAに入力しない理由の1位は「入力作業に時間がかかるから」で54.5%
- 入力項目が多すぎる:SFA入力課題として38.5%が挙げている
- モバイルでの入力しづらさ:営業担当者の30.7%が課題として認識
モバイル入力が定着しない原因と対策一覧
| 原因 | 具体的な問題 | 対策 |
|---|---|---|
| 入力時間 | 入力に時間がかかりすぎる | 入力項目を必要最小限に絞る |
| 項目数 | 入力項目が多すぎる | 必須項目を5項目以内に |
| UI/UX | モバイルで入力しづらい | モバイルファースト設計のSFAを選定 |
| 運用ルール | いつ何を入力するか不明確 | 入力ルールを明文化 |
| 教育不足 | 使い方がわからない | オンボーディング設計 |
運用設計なしにツールを導入しても、即時入力率は4割程度にとどまります。
モバイル対応SFAの選定ポイント
モバイル入力を定着させるには、SFA選定時点で「モバイルでの使いやすさ」を重視する必要があります。
モバイルファースト設計を選ぶ
「PC画面のミニ版」としてモバイルを使おうとする発想は誤りです。PC版の縮小ではなく、スマートフォン専用に設計されたモバイルファースト設計のUIを持つSFAを選ぶことが重要です。
シングルインプット・マルチアウトプット
1度の入力で日報・案件管理・活動履歴など複数帳票に展開される「シングルインプット・マルチアウトプット」設計のSFAを選ぶと、入力負荷を大幅に軽減できます。
最新機能の活用
- 音声入力によるテキスト入力の省力化
- GPS連携による訪問先の自動記録
- AI機能による入力補助
これらの機能がモバイルSFAの差別化要素となっています。
SFAモバイル入力を定着させる運用設計
ツール選定だけでなく、運用設計が定着の鍵を握ります。以下のポイントを押さえてください。
入力項目を最適化する
入力項目が多すぎることは、38.5%の営業担当者が課題として挙げています。「数タップで完了」できる設計が現場定着の決定要因です。
入力項目最適化のポイント:
- 必須項目を5項目以内に絞る
- 選択式(ドロップダウン)を活用
- 自由記述欄は最小限に
入力ルールを明確にする
「いつ・何を入力するか」を明確にし、チーム全体で共有することが定着の鍵です。
- 商談直後5分以内に基本情報を入力
- 詳細は当日中に追記
- 週次で入力漏れをチェック
SFAモバイル入力定着チェックリスト
- 必須入力項目を5項目以内に絞っている
- モバイルファースト設計のUIを選定している
- 「いつ・何を入力するか」のルールが明文化されている
- 新入社員向けのオンボーディング設計がある
- 入力状況を定期的にモニタリングしている
- 入力しやすい環境(通信環境・端末)が整備されている
専門家支援の活用
SFAの設定から運用定着まで一貫して支援できる専門家を活用することで、定着率を高めることができます。入力項目の最適化やルール設計は、外部の視点を取り入れることで効果的に進められます。
まとめ|SFAモバイル入力は運用設計で定着率が決まる
SFAのモバイル入力を定着させるには、ツール機能の理解だけでなく、入力項目の最適化と運用ルールの設計が不可欠です。
本記事のポイントをまとめます。
- モバイル対応SFAを導入しても、運用設計がなければ定着しない
- 入力時間・項目数・UIの3つが定着を阻む主な原因
- モバイルファースト設計のSFAを選定する
- 入力項目を5項目以内に絞り、入力ルールを明文化する
- チェックリストを活用して定着状況を確認する
上記のチェックリストを活用し、自社のSFAモバイル入力の運用設計を見直してみてください。
