営業とマーケティングの連携会議を成功させる設計と運営方法

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/414分で読めます

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営業とマーケティングが別々に会議をすると、なぜリードが放置されるのか

ずばり、マーケティングと営業の連携会議は、部門横断KPI設定とMA/SFAデータの共有基盤があれば、リード育成から商談化までの分断を解消し商談化率向上につながるのです。

MA/SFAツールを導入済みの企業でも、マーケティング部門と営業部門が別々に会議を開催している状態では、リード育成から商談化までのプロセスが分断されてしまいます。マーケティングが獲得したホットリードが営業に共有されず放置されたり、営業の商談状況がマーケティングに伝わらず施策の改善ができなかったりする課題が発生するのです。

この記事で分かること

  • 営業とマーケティングの部門間分断がリード放置を引き起こす理由
  • 連携会議の設計と運営方法(議題テンプレート・頻度・参加者)
  • 部門横断KPIの設定と会議への反映方法
  • MA/SFAデータを活用した具体的な会議運営の実践
  • リード引き渡し基準(SLA)の設計方法

マーケティングと営業が別々に会議をすると、リード獲得・育成・商談化のプロセスが分断され、せっかくのMA/SFAデータも活用されずリードが放置されます。具体的には、以下のような問題が発生します。

マーケティング部門は、リード獲得数を最優先KPIとして追いかけます。これは、マーケティング施策でコントロールできるKPIであることや、経営側から求められているKPIであることが理由です(2024-2025年調査によると、リード獲得数を優先する理由は「マーケティング施策でコントロールできるKPI」が58.0%、「経営側から最も求められているKPI」が43.5%、「ナーチャリング前提の戦略設計」が34.8%)。

一方で、営業部門は商談化率や受注率を重視します。この認識のズレが、リード引き渡し後の放置につながります。マーケティングが「スコア80点のリードを渡した」と考えても、営業側は「このリードは優先度が低い」と判断して対応が遅れるケースが多いのです。

また、進捗報告だけの連絡会では、データが共有されても「なぜリードが商談化しないのか」「どの施策を改善すべきか」といった本質的な議論ができません。結果として、マーケティングはリード獲得に注力し続け、営業は商談に追われるだけで、両部門の連携が進まないのです。

なぜ営業とマーケティングの連携会議が必要なのか

営業とマーケティングの連携会議が必要な理由は、部門間のKPI認識のズレを解消し、リード育成から商談化までのプロセスを一気通貫で管理するためです。

MQL(Marketing Qualified Lead)とは、マーケティング部門が育成し、営業に引き渡す基準を満たした見込み顧客です。SQL(Sales Qualified Lead)とは、営業部門が商談化可能と判断した、より確度の高い見込み顧客を指します。マーケティング部門はMQL創出を目標とし、営業部門はSQL転換率や受注率を追いますが、この目標のズレが部門間の壁を生み出します。

マーケティング部門が重視するKPIは、2024-2025年調査によると、新規リード獲得数が32.1%、受注率が11.1%、ウェブサイト訪問件数やコンバージョン率がそれぞれ7.9%です。営業部門が追うKPIとは異なるため、会議を通じて認識を共有し、部門横断KPIを設定することが重要です。

MA(Marketing Automation)とは、マーケティング活動を自動化・効率化するツールです。SFA(Sales Force Automation)とは、営業活動を支援・自動化するツールを指します。これらのツールを導入しても、部門間でデータが共有されず、会議で活用されなければ、データサイロ化が進み、リード育成から商談化までの分断は解消されません。

連携会議の目的は、以下の3つです。

  1. 部門間KPI共有: マーケティングと営業が追うべき共通KPIを設定し、進捗を可視化する
  2. リード引き渡し基準の合意: MQLからSQLへの引き渡し基準(SLA)を明確化し、営業の対応速度を向上させる
  3. MA/SFAデータの活用促進: ツールに蓄積されたデータを会議で分析し、施策の改善サイクルを回す

これらの目的を達成するためには、進捗報告だけでなく、課題解決と施策改善に焦点を当てた会議設計が必要です。

効果的な営業×マーケ連携会議の進め方と議題例

効果的な連携会議を運営するには、会議時間を60-90分に限定し、事前に議題テンプレートとデータを共有することが重要です。

SLA(Service Level Agreement)とは、営業とマーケティング間でのリード引き渡し基準を定めた合意事項です。連携会議では、SLAの設定と定期的な見直しを議題に含めることで、リード放置を防ぎます。

会議の頻度は、企業規模やリード量により異なりますが、週次または隔週での実施が一般的です。月次では間隔が空きすぎて施策の軌道修正が遅れるリスクがあります。参加者は、マーケティング責任者、営業責任者、インサイドセールス担当を基本とし、必要に応じてMA/SFAツールの運用担当者も参加します。

【チェックリスト】マーケ×営業連携会議チェックリスト

  • 会議時間を60-90分に設定し、議題を構造化する
  • 事前に議題テンプレートを共有し、参加者が準備できるようにする
  • MA/SFAからリード獲得施策のKPIデータを抽出する
  • MQL/SQL転換状況を可視化したダッシュボードを準備する
  • 前回会議のアクションアイテムの進捗を確認する
  • リード獲得施策のKPIレビュー(新規リード数、MQL創出数、Webサイト訪問・CVR)を実施する
  • MQL→SQL転換率と商談化課題を議論する
  • 営業部門への詳細な顧客情報提供状況を確認する(受注率向上の取り組みとして重要)
  • 発信コンテンツの見直し状況を共有する(受注率向上の取り組みとして重要)
  • 受注率の高いチャネル強化の進捗を確認する
  • 予算配分の議論(広告予算、施策への再配分)を行う
  • MA/SFAツールの活用状況と課題を共有する
  • SLA(リード引き渡し基準)の見直しを実施する
  • 次回会議までのアクションアイテムを明確化する(担当者・期限・完了基準)
  • 会議後、議事録とアクションアイテムを参加者全員に共有する
  • 定期的に会議運営自体を振り返り、改善点を洗い出す

受注率向上に必要な取り組みとしては、2024-2025年調査によると、発信コンテンツ見直しが50.5%、営業部門への詳細な顧客情報提供が34.7%、受注率の高いチャネル強化が34.2%とされています。これらを会議の議題に含めることで、具体的な改善施策を議論できます。

会議前の準備(データ・資料の事前共有)

会議を有意義にするためには、事前準備が不可欠です。

議題テンプレートを事前に共有し、参加者が何を議論するのかを明確にします。MA/SFAからリード獲得施策のKPIデータ(新規リード数、MQL創出数、Webサイト訪問件数、コンバージョン率など)を抽出し、KPIダッシュボードを準備します。これにより、会議時間の大部分をデータドリブンな議論に充てることができます。

また、前回会議のアクションアイテムの進捗を事前に確認し、未完了の項目があれば理由を整理しておくことで、会議当日にスムーズに振り返りができます。

会議後のアクション管理

会議で決まったことを確実に実行に移すためには、アクション管理の仕組みが重要です。

アクションアイテムを明確化する際は、担当者、期限、完了基準を具体的に設定します。例えば、「マーケティング担当者が、2週間以内に、発信コンテンツ見直し案を営業責任者に共有し、フィードバックを得る」といった形で記録します。

次回会議では、必ず前回のアクションアイテムを振り返り、完了状況を確認します。未完了の項目があれば、その理由を分析し、優先順位を再設定します。この振り返りのサイクルを回すことで、会議が形骸化せず、継続的な改善につながります。

部門横断KPIの設定と議題への反映方法

部門横断KPIとは、営業とマーケティングが共通で追うべき指標であり、部門間の壁を取り払うための重要な要素です。

【比較表】部門別KPI・議題対応表

KPI 責任部門 会議での議題例 データソース
新規リード獲得数 マーケティング リード獲得施策のKPIレビュー MA
MQL創出数 マーケティング MQL/SQL転換状況の確認 MA
Webサイト訪問件数・CVR マーケティング Webサイト最適化の進捗共有 MA
MQL→SQL転換率 両部門共通 リード引き渡し基準(SLA)の見直し MA + SFA
SQL創出数 営業 商談化課題の議論 SFA
商談化率 営業 営業部門への顧客情報提供状況確認 SFA
受注率 営業 発信コンテンツ見直し、高受注率チャネル強化 SFA
商談サイクルタイム 営業 営業プロセスの効率化議論 SFA

マーケティング部門が重視するKPIは、2024-2025年調査によると、新規リード獲得数が32.1%、受注率が11.1%、ウェブサイト訪問件数やコンバージョン率がそれぞれ7.9%です。これらのKPIを会議で共有し、営業部門との認識を合わせることが重要です。

部門横断KPIの例としては、MQL転換数、SQL転換率、商談からの受注率などがあります。これらのKPIを会議で定期的にレビューし、責任範囲を明確化することで、「リードは渡したが営業が追わない」「営業の商談状況がマーケに共有されない」といった分断を解消できます。

マーケティング部門が追うべき主要KPI

マーケティング部門が追うべき主要KPIは、新規リード獲得数、MQL創出数、Webサイト訪問件数、コンバージョン率です。

新規リード獲得数は、マーケティング施策でコントロールしやすく、経営側からも求められるKPIであるため、多くの企業で最優先されています。ただし、リード数だけを追うと質が低下し、営業が商談化できないリードが増えるリスクがあります。そのため、MQL創出数を併せて追うことで、質と量のバランスを取ることが重要です。

Webサイト訪問件数とコンバージョン率は、マーケティング施策の効果を測定する指標であり、会議では施策ごとの成果を比較し、予算配分を議論する材料として活用します。

営業部門が追うべき主要KPI

営業部門が追うべき主要KPIは、SQL転換率、商談化率、受注率、商談サイクルタイムです。

SQL転換率は、マーケティングから引き渡されたMQLのうち、営業が商談化可能と判断した割合です。この指標が低い場合、リード引き渡し基準(SLA)が適切でない可能性があります。会議でSLAを見直し、マーケティングと営業が合意したスコア基準や行動条件を再設定します。

商談化率と受注率は、営業活動の成果を示す指標ですが、これらを向上させるには、マーケティングから提供される顧客情報の質が重要です。2024-2025年調査によると、受注率向上に必要な取り組みとして、営業部門への詳細な顧客情報提供が34.7%を占めています。連携会議では、営業が必要とする顧客情報(行動履歴、関心トピック、過去の接点など)をマーケティングから適切に提供できているかを確認します。

営業とマーケで認識がずれやすいポイントは、リードの質とタイミングです。マーケティングは「スコア80点なら引き渡し基準を満たしている」と考えても、営業は「このタイミングでは商談化できない」と判断するケースがあります。会議でこのズレを議論し、SLAに反映させることが重要です。

MA/SFAデータを活用した会議運営の実践

MA/SFAデータを活用した会議運営では、ツール連携による一元管理とプロセス標準化が成功の鍵となります。

MA・SFA・CRMツールの連携により、リード獲得から商談化、受注までのデータが一元管理されると、会議でリアルタイムにKPIを確認し、施策の改善サイクルを回すことができます。ある事例では、ツール連携導入後6ヶ月で検索流入が2倍、資料ダウンロードが2.5倍の成果が報告されています(ただし、個別企業の成功事例であり、全体市場の平均値ではない点に注意が必要です)。

別の事例では、データ共有によるCS工数削減の効果も報告されています。ある企業では、2024年度のサポート問い合わせ件数が2021年度比で47.79%減少しました(こちらも特定企業の個別事例であり、一般化には注意が必要です)。このように、MA/SFAデータの共有は、営業・マーケティング連携だけでなく、カスタマーサクセス部門との連携強化にもつながります。

データサイロ化を防ぐためには、プロセス標準化が必要です。具体的には、リードの登録ルール、スコアリング基準、ステータス更新のタイミングなどを会議で合意し、MA/SFAツールに反映させます。これにより、部門間でデータの認識がずれることなく、会議での議論が円滑に進みます。

リード育成から商談化までの引き継ぎ基準(SLA)設計

SLA(Service Level Agreement)とは、営業とマーケティング間でのリード引き渡し基準を定めた合意事項です。SLAを明確化することで、リード放置を防ぎ、商談化率を向上させることができます。

SLAの定義例としては、「スコア80点以上かつ資料ダウンロード3回以上のリードをMQLとし、営業は24時間以内に対応する」といった基準があります。スコアだけでなく、行動条件(資料ダウンロード、セミナー参加、サイト訪問回数など)を組み合わせることで、リードの確度を高めることができます。

会議では、SLAを定期的に見直すことが重要です。例えば、「スコア80点のリードでも商談化率が低い」という課題が発生した場合、スコアリング基準自体を見直すか、行動条件を追加するかを議論します。また、営業の対応時間(24時間以内、48時間以内など)も、実際の対応状況を踏まえて調整します。

SLAは、マーケティングと営業の認識を合わせるための重要なツールであり、会議で継続的に改善することで、リード育成から商談化までのプロセスが最適化されます。

営業とマーケティングの連携会議で商談化率を高めるポイント【まとめ】

本記事では、営業とマーケティングの連携会議を成功させる設計と運営方法を解説しました。

重要なポイントは以下の通りです。

  • 部門間のKPI認識のズレを解消する: マーケティングはリード獲得数を優先し、営業は受注率を重視するという認識のズレが、リード放置の原因となります。連携会議で部門横断KPIを設定し、共通の目標を追うことが重要です。
  • 会議を構造化し、データドリブンな議論を行う: 会議時間を60-90分に限定し、事前に議題テンプレートとMA/SFAデータを共有することで、有意義な議論ができます。
  • SLA(リード引き渡し基準)を設計・見直す: マーケティングから営業へのリード引き渡し基準を明確化し、定期的に見直すことで、リード放置を防ぎます。
  • MA/SFAツールの連携でデータを一元管理する: ツール連携により、リード獲得から商談化までのデータを可視化し、会議で施策の改善サイクルを回します。
  • アクション管理の仕組みを構築する: 会議で決まったアクションアイテムを明確化し、次回会議で振り返ることで、継続的な改善につなげます。

マーケティングと営業の連携会議は、部門横断KPI設定とMA/SFAデータの共有基盤があれば、リード育成から商談化までの分断を解消し商談化率向上につながります。本記事で紹介したチェックリストやKPI表を活用し、自社の連携会議を設計してみてください。

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よくある質問

Q1営業とマーケティングの連携会議はどのくらいの頻度で実施すべきですか?

A1企業規模やリード量により異なりますが、週次または隔週での実施が一般的です。月次では間隔が空きすぎて施策の軌道修正が遅れるリスクがあります。会議時間は60-90分に限定し、事前に議題テンプレートとデータを共有することで、構造化された議論が可能になります。

Q2MA/SFAツールが未導入でも連携会議は有効ですか?

A2有効です。まずは部門間のKPI共有とリード引き渡し基準(SLA)をExcelや口頭で合意するだけでも効果があります。ツール導入後にその基準をシステム化すればスムーズに移行できます。ツールがなくても、マーケティングと営業の認識を合わせることが最優先です。

Q3会議で共有すべき主要なKPIは何ですか?

A3マーケティング側は新規リード獲得数(32.1%が重視)、MQL創出数、Webサイト訪問件数・CVRを追います。営業側はSQL転換率、商談化率、受注率(11.1%が重視)を追います。部門横断KPIとしてMQL→SQL転換率を共通指標にすることが推奨されます(2024-2025年調査)。

Q4営業とマーケティングの責任範囲はどう決めるべきですか?

A4SLA(Service Level Agreement)で明確化します。例えば「マーケはスコア80点以上のリードを営業に引き渡し、営業は24時間以内に対応する」といった基準を会議で合意し、文書化します。会議では定期的にSLAを見直し、実際の商談化率を踏まえて基準を調整することが重要です。

Q5会議が形骸化しないためのコツは?

A5事前に議題テンプレートとMA/SFAデータを共有し、会議時間を60-90分に限定して構造化します。また、アクションアイテムを明確化(担当者・期限・完了基準)し、次回会議で振り返ることで継続的な改善サイクルを回します。データドリブンな議論を心がけ、進捗報告だけの会議にしないことが重要です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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