マーケと営業のSLA|連携課題80%→90%好調へ転換する実装法

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/415分で読めます

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営業とマーケティングの部門間でSLA(サービスレベル合意)を導入したものの、「形骸化して機能していない」「連携がうまくいかない」と悩んでいませんか?

結論から言えば、営業とマーケティングのSLAは、設計だけでなく、MA/SFA設定と運用体制整備を同時に進めることで初めて機能します。本記事では、SLA設計から運用定着までの具体的な実装方法を解説します。

この記事で分かること

  • SLAを設計しても連携不全が解消できない理由
  • 営業とマーケティングのSLAの定義と基本概念
  • 連携不全の典型的な問題とその影響
  • SLAで定義すべき具体的な項目と指標
  • MA/SFA設定と運用体制整備の実装ガイド

SLA設計だけでは営業とマーケティングの連携不全が解消できない理由

多くの企業が「SLAを設計して合意すれば自動的に連携が改善する」と考え、MA/SFA設定や運用ルールの整備を後回しにしてしまいます。これが、SLAが形骸化して機能しない根本的な原因です。

Sansan「BtoBマーケティングと営業の連携実態調査」(2024年)では、全体の80%以上が「マーケティングと営業の連携に課題あり」と回答しています(fact_1)。SLAを導入した企業でも、実際に機能していないケースが多く見られます。

この失敗パターンに陥る企業に共通するのは、以下のような状態です:

  • SLAの設定項目を定義しただけで、MA/SFAツールでの実装が行われていない
  • KPI測定の仕組みが整備されておらず、SLA達成度を可視化できない
  • 定期的なモニタリング体制が構築されておらず、形式的な合意で終わっている
  • 営業とマーケティングの運用ルールが曖昧で、責任範囲が不明確

SLAで成果を出すには、設計と同時に、MA/SFA設定と運用体制整備を進める必要があります。

営業とマーケティングのSLAとは

SLA(Service Level Agreement) とは、サービス提供者と利用者の間で交わすサービス品質保証の合意および契約です。営業とマーケティング間では、リード対応時間や質の基準を定義します。

SLAはもともとIT業界で使われていた概念ですが、近年ではマーケティング・営業領域でも活用されるようになりました。両部門間でリード量・質、対応速度、フォローアップ基準などを明確化することで、責任範囲を明確化し、連携を強化できます。

ただし、よくある誤解として、「SLAを設定すれば自動的に連携が改善する」という考え方があります。実際には、MA/SFA設定と運用ルールの整備が必須です。SLAは、あくまで両部門間の合意であり、それを実現するための仕組み(ツール設定・運用体制)が伴って初めて機能します。

SLAとSLOの違い

SLO(Service Level Objective) とは、SLAで定められる指標の努力目標を数値化したもので、基本的にSLAの基準値よりも厳しく設定されます。

例えば、SLAでリード対応時間を「MQL受領後24時間以内」と設定した場合、SLOでは「12時間以内」とより厳しい目標を設定します。これにより、万が一の遅延があってもSLAの基準は守られる仕組みになります。

SLAとSLOの違いを理解する上で重要なのは、数値の実際の意味を正確に理解することです。例えば「サーバー稼働率99.9%」は高く見えますが、実際には年間8時間45分のダウン時間が許容されます(24時間×365日×0.1%)。同様に、リード対応時間の基準も、業務実態に即した現実的な設定が重要です。

営業とマーケティングの連携不全の典型的な問題

営業とマーケティングの連携不全は、新規開拓や受注の不調を招く主要因となっています。Sansan調査では、全体の80%以上が連携に課題を感じている一方で、「非常に良く連携できている」と答えた企業の約90%が新規開拓・受注を「非常に好調」「やや好調」と評価しています(fact_2)。連携の質が、直接的に営業成果に影響することが分かります。

連携不全の具体的な問題として、以下が挙げられます:

リードの質に関する不満

マーケティングが獲得したリードを営業が後回しにしてしまい、商談機会を喪失するケースが頻発しています。営業側は「質の低いリードばかりが送られてくる」と不満を持ち、マーケティング側は「せっかく育てたリードをフォローしてもらえない」と嘆いています。

成果に結びつかない新規開拓

ユーソナー「BtoB企業の営業実態調査【2025年】」では、新規開拓に7割が重要視するも、成果に結びつかない実態が明らかになっています(fact_3)。IT・データ活用の戦略不足が連携不全を助長しています。

部門間の情報断絶

顧客情報がMA/SFAツールで一元管理されておらず、営業とマーケティングが異なるデータを参照しているケースが多く見られます。これにより、リードの状況把握が遅れ、適切なタイミングでのフォローアップができません。

KPI未設定による再現性の欠如

SLA運用の大きな障害となるのが、KPI未設定です。Mail Marketing Lab調査では、**新規開拓手法でKPIを設定していない企業が59%**に達しています(fact_5)。

KPIが未設定では、以下の問題が発生します:

  • SLA達成度を測定できない:リード対応時間や商談化率などの基準を設定しても、実際の達成状況を可視化できない
  • 改善サイクルが回らない:何が問題かを定量的に把握できず、継続的な改善ができない
  • 責任の所在が曖昧:営業とマーケティングのどちらに課題があるか判断できない

KPI連動(MQL転換数・SQL転換率・受注率)と定期ミーティングで情報共有し、SLAの達成度を測定することが不可欠です。

SLAで定義すべき項目と指標

SLAの実効性を高めるには、マーケティングとセールスの双方が約束すべき項目を具体的に定義する必要があります。

MQL(Marketing Qualified Lead) とは、マーケティング部門が育成し、営業に引き渡す準備ができたと判断したリードです。SQL(Sales Qualified Lead) とは、営業部門が商談化に値すると判断したリードで、MQLから営業のアプローチを経て選別されます。SAL(Sales Accepted Lead) とは、営業部門がマーケティング部門から正式に受け取り、アプローチ対象として承認したリードです。

これらのリード定義を明確化した上で、以下のようなSLA設定項目を定義します。

【比較表】SLA設定項目の具体例

項目カテゴリ マーケティングSLA セールスSLA
リード量 月間MQL数:◯◯件以上 MQL受領後の対応率:100%
リード質 スコアリング基準:◯点以上のみ営業に引き渡し SAL承認率:◯◯%以上(質の高いリードを優先的に受領)
リード情報 企業情報・役職・行動履歴を充実させて引き渡し 商談化判定結果を◯営業日以内にマーケに報告
対応速度 MQL判定後◯時間以内に営業に通知 MQL受領後24時間以内に初回アプローチ
フォローアップ ナーチャリングメール配信頻度:月◯回以上 最低3回のフォローアップを実施(初回接触から◯週間以内)
報告頻度 月次でリード獲得数・MQL転換率を報告 週次で商談化率・受注率を報告
KPI設定 MQL転換率:◯◯%以上 SQL→商談化率:◯◯%以上

リード対応時間を明記(例:SQL後24時間以内フォロー)することで、転換率向上につながります。

マーケティングSLAの設定項目

マーケティング部門が営業に対して約束すべき項目は、以下の3つが中心となります:

1. リード量(月間MQL数)

営業が必要とするリード数を明確化し、月間で◯◯件のMQLを提供することを約束します。リード数は、営業の商談キャパシティや目標受注数から逆算して設定します。

2. リード質(スコアリング基準)

スコアリング機能を活用し、リードの優先順位付けを行います。行動スコア(Webサイト訪問、資料ダウンロード等)と属性スコア(役職、企業規模等)を組み合わせて点数化し、一定基準以上のリードのみを営業に引き渡します。

3. リード情報の充実度(企業情報・行動履歴等)

営業がアプローチしやすいよう、企業情報(業種、従業員数、売上規模等)、担当者情報(役職、部署)、行動履歴(閲覧ページ、ダウンロード資料)を充実させて引き渡します。

セールスSLAの設定項目

営業部門がマーケティングに対して約束すべき項目は、以下の3つが中心となります:

1. リード対応時間(MQL受領後24時間以内等)

MQL受領後24時間以内に初回アプローチを実施することを約束します。リードの鮮度が高いうちにアプローチすることで、商談化率が向上します。

2. フォローアップ回数(最低3回等)

初回接触から一定期間内に、最低3回のフォローアップを実施します。1回の接触だけでは商談化しないケースが多いため、継続的なアプローチが重要です。

3. 商談化率の報告頻度

マーケティングが提供したリードの商談化率を、週次または月次で報告します。これにより、マーケティング側でリード獲得戦略の改善が可能になります。

MA/SFA設定と運用体制整備の実装ガイド

SLA設計後は、MA/SFA設定と運用体制整備を同時に進めることが成功の鍵です。Sansan調査では、7割以上がMA/SFA/CRMツールを連携強化に「効果的」と評価しています(fact_6)。

ツールの活用により、リード管理の一元化、スコアリング自動化、KPI可視化が可能になり、SLAの運用と継続的な改善が実現します。

以下のチェックリストを活用して、SLA設計から運用定着まで一気通貫で実装しましょう。

【チェックリスト】SLA設計+運用定着チェックリスト

SLA設計フェーズ

  • マーケティングSLAの項目を定義(リード量・質・情報充実度・対応速度・報告頻度)
  • セールスSLAの項目を定義(リード対応時間・フォローアップ回数・商談化率報告)
  • MQL・SQL・SALの定義を明確化
  • リードスコアリング基準を設定(行動スコア+属性スコアの組み合わせ)
  • KPIを設定(MQL転換率・SQL転換率・商談化率・受注率)
  • 営業とマーケティングの責任範囲を明確化
  • SLA達成度の測定方法を定義

MA/SFA設定フェーズ

  • MA/SFAツールでリード管理を一元化
  • スコアリングルールをMA/SFAに設定(行動スコア+属性スコア)
  • MQL/SQL/SALの自動判定ルールを設定
  • リード対応時間の自動アラート機能を設定
  • KPIダッシュボードを構築(MQL転換率・SQL転換率・商談化率等)
  • 営業とマーケティングで顧客DBを共有
  • リードナーチャリングワークフローを自動化

運用体制整備フェーズ

  • 定期ミーティングの開催頻度を設定(週次/月次)
  • KPI進捗を共有する仕組みを構築
  • SLA達成度を確認する責任者を任命
  • 未達成の場合の改善アクションルールを明確化
  • 営業とマーケティングの連携ルールを文書化
  • SLA基準の見直しサイクルを設定(四半期/半期)
  • MA/SFA設定の調整担当者を任命

顧客DB一元管理で縦割り打破し、定期的なモニタリング体制(月次・四半期)で統計情報を指標と照らし合わせることが重要です。

MA/SFAでのリード管理とスコアリング

MA/SFAツールを活用することで、リード管理とスコアリングを自動化できます。

スコアリングの設計

スコアリング機能を活用し、リードの優先順位付けを行います。行動スコアと属性スコアを組み合わせて点数化します:

  • 行動スコア:Webサイト訪問(+5点)、資料ダウンロード(+20点)、メール開封(+10点)、ウェビナー参加(+30点)等
  • 属性スコア:役職(部長以上+20点)、企業規模(従業員100名以上+15点)、業種(ターゲット業種+10点)等

一定のスコア(例:100点以上)に達したリードを自動的にMQLと判定し、営業に通知する仕組みを構築します。

MQL/SQL/SALの自動判定

MA/SFAツールで、MQL/SQL/SALの判定ルールを設定します:

  • MQL:スコアが100点以上、かつ特定のページ(料金ページ、事例ページ等)を閲覧したリード
  • SAL:営業がMQLを受領し、アプローチ対象として承認したリード
  • SQL:営業が初回アプローチを実施し、商談化に値すると判断したリード

これにより、リードステージの移行を自動化し、営業とマーケティングの連携がスムーズになります。

定期的なモニタリングと改善サイクル

SLA運用の継続的な改善には、定期的なモニタリング体制が不可欠です。

モニタリング体制の構築

定期的なモニタリング体制(月次・四半期)で、統計情報を指標と照らし合わせます:

  • 週次ミーティング:リード対応状況の共有、緊急対応が必要なリードの確認
  • 月次ミーティング:KPI進捗の確認(MQL転換率・SQL転換率・商談化率・受注率)、SLA達成度の評価
  • 四半期レビュー:SLA基準の見直し、MA/SFA設定の調整、運用ルールの改善

改善アクションの実施

SLA未達成の場合は、以下のような改善アクションを実施します:

  • MQL転換率が低い場合:リード獲得チャネルの見直し、コンテンツ改善、ターゲティング精度の向上
  • SQL転換率が低い場合:スコアリング基準の見直し、営業へのリード情報充実化
  • 商談化率が低い場合:営業のアプローチ方法改善、フォローアップ回数の増加
  • リード対応時間が遅い場合:アラート機能の強化、営業リソースの見直し

定期ミーティングでKPI進捗を共有し、SLA達成度を確認することで、継続的な改善サイクルが回ります。

まとめ|MA/SFA設定と運用体制整備で実効性のあるSLAを構築

営業とマーケティングのSLAは、設計だけでなく、MA/SFA設定と運用体制整備を同時に進めることで初めて機能します

本記事で解説した主要なポイントを振り返りましょう:

  • SLAの定義と重要性:営業とマーケティング間でリード対応時間、リード量・質、フォローアップ基準を明確化
  • 連携不全の典型的な問題:80%以上が連携に課題を感じており、KPI未設定企業が59%という現状
  • SLA設定項目:マーケティングSLA(リード量・質・情報充実度)とセールスSLA(対応時間・フォローアップ回数・報告頻度)を双方向で定義
  • MA/SFA設定の重要性:7割以上がツールを連携強化に「効果的」と評価し、リード管理一元化・スコアリング自動化・KPI可視化が可能に
  • 運用体制整備:定期ミーティング、KPI進捗共有、SLA達成度確認、改善サイクルの構築が不可欠

次のアクション

  1. チェックリストを活用した実装:本記事のチェックリストを基に、SLA設計・MA/SFA設定・運用体制整備を段階的に実施
  2. 定期的なモニタリング体制の構築:月次・四半期でKPI進捗を確認し、SLA達成度を評価
  3. 継続的な改善サイクルの確立:未達成の場合は改善アクションを実施し、SLA基準やMA/SFA設定を調整

SLAを設計するだけでは連携は改善しません。MA/SFA設定と運用ルールの整備を同時に進めることで、実効性のあるSLAを構築し、営業とマーケティングの連携を強化できます。

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よくある質問

Q1営業とマーケティングのSLAとは何ですか?

A1SLA(Service Level Agreement)は、営業部門とマーケティング部門の間で交わすサービスレベル合意です。リード対応時間、リード量・質、フォローアップ基準などを定義し、両部門の責任範囲を明確化することで、連携を強化します。IT業界で使われていた概念をマーケティング・営業領域に転用したもので、両部門間の合意を明文化することで、リード獲得から商談化までの効率を高めることができます。

Q2SLAを設定すれば営業とマーケティングの連携は改善しますか?

A2SLAを設定するだけでは連携は改善しません。MA/SFA設定と運用ルールの整備が必須です。Sansan調査では80%以上が連携に課題ありと回答しており、SLA設計と同時にMA/SFA設定・運用体制を構築することが重要です。リード管理の一元化、スコアリング自動化、KPI可視化、定期的なモニタリング体制を整備することで、初めてSLAが機能します。

Q3営業とマーケティングのSLAで定義すべき項目は何ですか?

A3マーケティングSLAでは、リード量(月間MQL数)、リード質(スコアリング基準)、リード情報の充実度を定義します。セールスSLAでは、リード対応時間(MQL受領後24時間以内等)、フォローアップ回数、商談化率の報告頻度を定義します。双方向でKPIを設定し、責任範囲を明確化することで、連携がスムーズになります。

Q4MA/SFAツールは営業とマーケティングの連携に効果的ですか?

A4Sansan調査では、7割以上がMA/SFA/CRMツールを連携強化に「効果的」と評価しています。リード管理の一元化、スコアリング自動化、KPI可視化により、SLAの運用と継続的な改善が可能になります。顧客DB一元管理で縦割りを打破し、定期的なモニタリング体制(月次・四半期)で統計情報を指標と照らし合わせることが重要です。

Q5KPI未設定でもSLAは機能しますか?

A5KPI未設定ではSLAは機能しません。Mail Marketing Lab調査では、新規開拓手法でKPIを設定していない企業が59%でした。KPI連動(MQL転換数・SQL転換率・受注率)により、SLA達成度を測定し、継続的な改善を行うことが不可欠です。KPIが未設定では、何が問題かを定量的に把握できず、改善サイクルが回りません。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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