営業部長の年収は本当に高いのか|実態と課題
営業部長の年収相場を把握し、年収アップのために取るべきアクションを理解するために必要なのは、営業部長の平均年収は約900万円台であり、年収1000万円超えは大企業や高い成果を上げている層に限られるため、年収アップを目指すには営業組織の成果を数値で示せるマネジメント力を磨くことです。
「自分の年収は市場相場と比べて適正なのか」「営業部長になれば年収1000万円を超えられるのか」という疑問を持つ方は多いでしょう。Indeed日本データによると、営業部長の平均年収は約818万円とされています(4.2千件の給与報告に基づく、自己申告データのためバイアスの可能性あり)。
ただし、この数値はあくまで平均であり、企業規模や業種、個人の成果によって大きく変動します。年収アップを実現するには、まず正確な相場を理解し、自身の立ち位置を把握することが重要です。
この記事で分かること
- 営業部長の平均年収データと統計ごとの違い
- 役職別・企業規模別・外資系と日系の年収比較
- 年収1000万円を超えるための条件と割合
- 営業部長として年収を上げるためのポイントとチェックリスト
年収データの見方|統計ごとの違いを理解する
年収データを正しく理解するには、統計ごとの定義の違いを把握することが重要です。「基本給のみ」か「ボーナス込み」か、「インセンティブ込み」かによって、同じ「年収」でも大きく数値が異なります。
基本給とは、毎月固定で支払われる給与部分を指します。ボーナスや各種手当を含まない金額です。
インセンティブとは、営業成績に応じて支払われる成果報酬です。営業職では年収の4割超を占める場合もあり、年収を大きく左右する要素となります。
賃金構造基本統計調査とは、厚生労働省が実施する公的調査です。役職別・業種別の賃金実態を把握するための基礎データとして広く参照されています。
厚生労働省「令和4年度賃金構造基本統計調査」によると、部長級の全産業平均年収は586.2万円、課長級は486.9万円、係長級は369.0万円とされています。ただし、この数値は全産業・全職種の平均であり、営業部長の実態とは乖離がある点に注意が必要です。営業職は成果報酬の比率が高いため、実際の年収は公的統計の数値を上回るケースが多いと考えられています。
役職別・企業規模別の年収比較
営業部長の年収は、企業規模によって大きく異なります。従業員1000人以上の大企業では部長職の平均年収が約1,247万円であるのに対し、100人未満の中小企業では約822万円と、約400万円以上の差があります。
【比較表】役職別・企業規模別年収比較表
| 役職 | 大企業(1000人以上) | 中小企業(100人未満) | 外資系 |
|---|---|---|---|
| 部長級 | 約1,247万円 | 約822万円 | 1,000〜2,000万円 |
| 課長級 | 約900万円〜1,000万円 | 約600万円〜700万円 | 800〜1,500万円 |
| 係長級 | 約600万円〜700万円 | 約400万円〜500万円 | 600〜1,000万円 |
※ 大企業・中小企業の数値は各種調査データに基づく目安。外資系は業界・企業により大きく変動。 ※ 課長級・係長級の数値は厚生労働省データおよび各種調査を参考にした目安。
日系企業の部長級は800〜1,200万円が相場とされています。企業規模だけでなく、業種によっても差があり、金融・不動産・IT業界は相対的に高年収の傾向があります。
外資系企業と日系企業の年収差
外資系企業と日系企業では、営業部長の年収に明確な差があります。外資系企業の部長級は1,000〜2,000万円、日系企業の部長級は800〜1,200万円とされています。
Morgan McKinley年収ガイド(2025年)によると、東京の営業部長の基本給は1,765万円〜3,800万円、経験豊富な層では2,000万円〜5,000万円とされています。ただし、このデータは東京・外資系寄りであり、全国平均や中小企業とは大きく乖離がある点に注意が必要です。
外資系は基本給に加えてインセンティブの割合が大きいケースが多く、成果次第で年収が大きく変動します。一方、日系企業は固定給の割合が比較的高く、安定性を重視する傾向があります。
営業部長になれば年収1000万円を超えられるのか
「営業部長になれば自動的に年収1000万円を超えられる」という考え方は誤りです。 実際には、管理職全体で年収1000万円以上の割合は約5%程度にとどまり、女性に限定すると約1%程度とさらに少なくなります。
年収1000万円を超えるには、大企業(従業員1000人以上)に所属しているか、外資系企業で高い成果を上げているかが条件となるケースが多いのが実態です。大企業では部長職の平均年収が約1,247万円と1000万円を超えていますが、中小企業では約822万円と1000万円に届かないケースが多くなります。
つまり、営業部長への昇進だけでは年収1000万円は保証されず、所属企業の規模や業種、そして個人の成果によって決まるということです。年収アップを目指すには、昇進後も継続的に成果を出し、評価を高める努力が必要になります。
営業部長として年収を上げるためのポイント
営業部長として年収を上げるには、営業組織の成果を数値で示せるマネジメント力を磨くことが重要です。インセンティブ(成果報酬)の割合が大きい営業職では、個人の成果だけでなく、組織全体の成果を高めることで評価を得られます。
以下のチェックリストを活用して、自身の現状を確認してみてください。
【チェックリスト】営業部長の評価を高めるポイントチェックリスト
- 組織の売上目標達成率を把握し、数値で報告できる
- 商談化率・受注率などのKPIを定期的にモニタリングしている
- メンバー個々の目標達成状況を管理している
- メンバーの育成計画を立て、成長を数値で示せる
- 離職率の改善など組織課題への取り組み成果がある
- 営業プロセスの改善提案と実行実績がある
- 新規顧客開拓と既存顧客深耕の両方で成果を出している
- 他部門(マーケティング・カスタマーサクセス)との連携成果がある
- 予算管理・コスト意識を持って組織運営している
- 経営層への報告・提案を定期的に行っている
- 業界動向・競合情報を把握し戦略に反映している
- 自社の報酬体系(インセンティブ条件)を理解している
- 市場価値を把握するため年収相場を定期的に確認している
- スキルアップのための学習・資格取得に取り組んでいる
- 社内外のネットワークを構築している
営業組織の成果を数値で示す方法
評価を高めるためには、営業組織の成果を定量的に示すことが不可欠です。具体的には以下のような指標を活用します。
- 売上達成率: 組織全体の売上目標に対する達成率。四半期・年間で推移を示す
- 商談化率: リードから商談への転換率。マーケティング部門との連携成果を示す指標
- 受注率: 商談から受注への転換率。営業プロセスの効率性を示す
- メンバー育成成果: 新人の戦力化期間、メンバーの目標達成率向上など
- 顧客単価向上: クロスセル・アップセルによる顧客単価の向上実績
これらの数値を経営層や人事評価の場で提示できるよう、日常的にデータを蓄積し、分析する習慣をつけることが重要です。
まとめ|営業部長の年収アップは成果で評価を高める
本記事では、営業部長の年収相場と、年収アップのために必要なポイントについて解説しました。
要点を整理します。
- 平均年収: Indeed日本データによると約818万円。企業規模により大きく異なる
- 企業規模別の差: 大企業(1000人以上)は約1,247万円、中小企業(100人未満)は約822万円
- 外資系と日系の差: 外資系は1,000〜2,000万円、日系は800〜1,200万円が相場
- 年収1000万円超え: 管理職全体の約5%程度。大企業・外資系・高成果者に限られる
- 年収アップのポイント: 営業組織の成果を数値で示せるマネジメント力を磨く
繰り返しになりますが、営業部長の平均年収は約900万円台であり、年収1000万円超えは大企業や高い成果を上げている層に限られるため、年収アップを目指すには営業組織の成果を数値で示せるマネジメント力を磨くことが重要です。
まずは本記事のチェックリストで自身の現状を確認し、不足している項目から優先的に取り組んでみてください。
