PardotでLPを作成したのに活用できていない理由と本記事の目的
PardotでLPを作成したのに活用できていない企業が多い理由は、フォーム設計やスコアリング設定、営業連携体制の構築を後回しにしているからです。ランディングページ(LP) とは、資料請求やセミナー申込を促す専用ページで、訪問者の興味をトラッキングし、コンバージョンを最適化する役割を持ちます。また、MA(マーケティングオートメーション) とは、マーケティング活動を自動化・効率化するツールで、リード獲得、育成、スコアリング、営業連携を一元管理する仕組みです。
Pardot導入件数は日本国内811,152社対象の調査で3,524件と国内トップを記録していますが(2021年9月)、多くの企業がLP活用不全に陥っているのが現状です。LPを作成して公開すればCV獲得できると思い込み、フォーム設計やスコアリング設定、営業連携体制の構築を後回しにする企業が少なくありません。
この記事で分かること
- PardotのLP作成手順(LP名・フォルダー・キャンペーン設定、レイアウトテンプレート選択、フォーム設置)
- LP公開後の運用定着プロセス(スコアリング設定、ドリップメール連携、営業連携体制の構築)
- LP効果測定と改善プロセス(KPI追跡、A/Bテスト、PDCA)
- PardotLP作成・運用チェックリストとLP運用PDCAテンプレート
PardotのLP機能とMA連携の基本概念
PardotのLP機能は、ドラッグ&ドロップでLPを生成し、フォーム埋め込みやレイアウトテンプレートを選択できる仕組みです。MA連携により、訪問者の興味をトラッキングし、コンバージョンを最適化できます。Salesforce連携により、マーケティングと営業でリード情報を共有・一元管理できるのが特徴です。
ランディングページ(LP)とは
ランディングページ(LP) とは、資料請求やセミナー申込を促す専用ページを指します。通常のWebページと異なり、特定の目的(資料ダウンロード、問い合わせ、セミナー申込など)に特化した設計になっており、訪問者の行動をトラッキングしてコンバージョンを最適化できます。
LPの主な役割は、以下の通りです。
- 訪問者の興味をトラッキングし、どのページを閲覧したか、どのコンテンツに関心を持ったかを把握する
- フォーム送信により見込み顧客(リード)の情報を取得し、マーケティングデータベースに蓄積する
- リードスコアリングと連携し、購買意欲の高いリードを自動で抽出する
PardotのLP機能の特徴
PardotのLP機能は、ドラッグ&ドロップでLP生成でき、フォーム埋め込みも簡単に行えます。コンテンツレイアウト(レイアウトテンプレート) とは、LPのデザインや構成を定義するテンプレートで、フォーム配置位置(上部/下部等)を選択可能です。
PardotのLP機能の主なメリットは、以下の通りです。
- Salesforce連携により、マーケティングと営業でリード情報を共有・一元管理できる
- リードスコアリング自動化により、高スコアリードのみ営業に引き渡す仕組みを構築できる
- 効果測定が容易で、PardotダッシュボードでLP訪問数・フォーム送信率・スコア変動を追跡できる
一方で、初期設定の複雑さや月額コストがデメリットとして挙げられます。ただし、適切な設定と運用体制を構築すれば、大幅な成果向上が期待できると言われています。
PardotでLP作成する手順
PardotでLPを作成する手順は、LP名・フォルダー・キャンペーン設定から始まり、レイアウトテンプレート選択、フォーム設置まで一連の流れがあります。LPを作成して公開すればCV獲得できるという誤解がありますが、実際にはフォーム設計やスコアリング設定、営業連携体制の構築まで一気通貫で実装することが不可欠です。
LP作成の基本手順は、以下の通りです。
- LP名・フォルダー・キャンペーンの設定
- レイアウトテンプレートの選択
- フォームの設置と設定
各ステップを具体的に解説します。
LP名・フォルダー・キャンペーンの設定
LP作成の第一歩は、LP名・フォルダー・キャンペーンの設定です。LP名は、キャンペーン名や日付を含む命名規則を統一すると、後からLPを管理しやすくなります。例えば、「2025Q1_セミナー申込_AI活用」のように、四半期・目的・テーマを含めると分かりやすい命名規則になります。
フォルダー整理は、複数のLPを運用する際に重要です。「製品別」「キャンペーン別」「四半期別」などのフォルダーを作成し、LPを整理すると、後から探す手間が省けます。
キャンペーン設定により、LP経由のリードを追跡できます。Pardotのキャンペーン機能を使うと、どのLPから何件のリードが獲得できたか、どのLPのCV率が高いかを可視化できます。
レイアウトテンプレートの選択
レイアウトテンプレートの選択は、LPのコンバージョン率に大きく影響します。Pardotでは、フォーム配置位置(上部/下部等)を選択できるレイアウトテンプレートが用意されており、業種や目的に応じて適切なテンプレートを選べます。
モバイル対応レイアウトを選択すると、スマートフォンやタブレットからのアクセスでもフォームが見やすく表示され、コンバージョン向上が期待できると言われています。レスポンシブ対応のテンプレートを選ぶことで、デバイスに応じた適切な表示が自動で行われます。
フォーム配置位置は、訪問者の行動パターンに応じて選択します。BtoB企業の場合、フォームを上部に配置すると、訪問者がすぐにアクションを起こせるため、CV率が向上する傾向があると言われています。
フォームの設置と設定
フォームの設置と設定は、LP作成の中で最も重要なステップです。フォーム必須項目は、会社名・役職・メールアドレスなど、営業活動に必要な情報に絞ると、フォーム送信率が向上すると言われています。項目数が多すぎると、訪問者が離脱する原因になるため、必要最小限に留めることが重要です。
フォーム送信後のリダイレクトURL設定により、サンクスページへ誘導できます。サンクスページでは、資料ダウンロードリンクや次のアクション(セミナー申込など)を提示し、リードとのエンゲージメントを深めることができます。
完了アクションでスコアリング連動させる設定は、LP運用の成否を分ける重要なポイントです。フォーム送信時にリードスコアを加算する設定をすることで、高スコアリードのみ営業に引き渡す仕組みを構築できます。完了アクションの設定を忘れると、LPからリードが獲得できても、営業連携が機能せず、LP活用不全に陥る原因になります。
LP公開後の運用定着プロセス
LP公開後の運用定着プロセスは、スコアリング設定、ドリップメール連携、営業連携体制の構築まで一気通貫で実装することが不可欠です。LPを作成して公開するだけでは成果が出ず、運用体制を構築して初めてCV獲得・リード育成の仕組みが機能します。
実際の成功事例として、不動産新星企業でPardot導入により反響数が6ヶ月で2.5倍に増加し、新サービス開発期間が1/3に短縮されたケースがあります(2023年頃)。また、Relux(宿泊予約)でMA導入により目標予約数175%達成(導入半年、2023年頃)、メール作業が半日から10分に短縮された事例も報告されています。コニカミノルタ(複合機)では、Sales Cloud+Pardotにより案件創出が3倍になったという結果も出ています(2023-2024)。ただし、これらは個別企業の特定条件下での結果であり、業界・企業規模により再現性が異なることに注意が必要です。
以下のチェックリストとPDCAテンプレートを活用し、LP運用を定着させましょう。
【チェックリスト】PardotLP作成・運用チェックリスト(設計・実装・定着の3軸)
設計フェーズ
- LP目的(資料請求/セミナー申込/問い合わせ等)を明確化
- ターゲットペルソナ(業種・役職・課題)を定義
- キーワード選定とSEO対策方針を決定
- フォーム必須項目(会社名/役職/メールアドレス等)を決定
- リダイレクト先(サンクスページURL)を準備
- LP名・フォルダー・キャンペーンの命名規則を統一
- レイアウトテンプレート(フォーム配置位置)を選定
- モバイル対応レイアウトを確認
実装フェーズ
- LP名・フォルダー・キャンペーンを設定
- レイアウトテンプレートを選択
- フォームを作成し、必須項目を設定
- 完了アクションでスコアリング連動を設定
- リダイレクトURL設定でサンクスページへ誘導
- LP公開前にプレビューで表示確認(PC/モバイル)
- テストフォーム送信でスコア加算を確認
- LP公開とURL共有(広告/メール/SNS等)
定着フェーズ
- リードスコアリング設定(高スコアリード抽出ルール)を構築
- ドリップメール連携(低スコアリードへのナーチャリング)を設定
- Salesforce連携設定(リード情報の同期)を完了
- 営業部門との定期的なフィードバックループを構築
- PardotダッシュボードでLP訪問数・フォーム送信率・スコア変動を追跡
- クローズドループレポートでLP経由リードの商談率を追跡
- A/Bテスト機能でLP最適化(見出し/CTA/フォーム位置)を実施
- 週次・月次レビューでLPパフォーマンスを継続的に改善
【テンプレート】LP運用PDCAテンプレート(週次・月次レビュー用)
件名: LP運用PDCAレビュー(YYYY/MM/DD)
Plan(計画)
- LP目的: {{LP名と目的を記載}}
- 目標KPI: {{訪問数◯件、CV率◯%、リード獲得◯件等}}
- 今週/今月の施策: {{広告配信、メール配信、SNS投稿等}}
Do(実行)
- LP訪問数: {{実績値}}件(目標: {{目標値}}件)
- フォーム送信数: {{実績値}}件(目標: {{目標値}}件)
- CV率: {{実績値}}%(目標: {{目標値}}%)
- 高スコアリード数: {{実績値}}件
- 低スコアリード数: {{実績値}}件
Check(評価)
- 目標達成度: {{達成/未達成、理由を簡潔に記載}}
- 良かった点: {{例: 広告配信により訪問数が増加、モバイル対応でCV率向上等}}
- 課題: {{例: フォーム離脱率が高い、低スコアリードが多い等}}
- 営業からのフィードバック: {{例: 高スコアリードの商談率が高い、低品質リードが混在等}}
Action(改善)
- 次週/次月の改善施策: {{例: A/Bテストで見出し変更、フォーム項目削減、ドリップメール追加等}}
- A/Bテスト計画: {{テスト対象: 見出し/CTA/フォーム位置、期間: ◯週間}}
- スコアリングルール見直し: {{例: フォーム送信スコアを+10から+20に変更}}
- ドリップメール追加: {{例: 低スコアリード向けに事例紹介メールを配信}}
差し込み変数:
- {{LP名と目的を記載}}: 例「2025Q1_セミナー申込_AI活用」
- {{訪問数◯件、CV率◯%、リード獲得◯件等}}: 具体的な目標数値
- {{実績値}}: 実際の数値
- {{目標値}}: 設定した目標数値
- {{達成/未達成、理由を簡潔に記載}}: 達成度と理由
- {{例: 広告配信により訪問数が増加、モバイル対応でCV率向上等}}: 具体的な良かった点
- {{例: フォーム離脱率が高い、低スコアリードが多い等}}: 具体的な課題
- {{例: 高スコアリードの商談率が高い、低品質リードが混在等}}: 営業からのフィードバック内容
- {{例: A/Bテストで見出し変更、フォーム項目削減、ドリップメール追加等}}: 次の改善施策
- {{テスト対象: 見出し/CTA/フォーム位置、期間: ◯週間}}: A/Bテストの詳細
- {{例: フォーム送信スコアを+10から+20に変更}}: スコアリングルール変更内容
- {{例: 低スコアリード向けに事例紹介メールを配信}}: ドリップメール内容
リードスコアリングの設定
リードスコアリングとは、見込み顧客の行動(ページ閲覧、フォーム送信等)を点数化し、購買意欲を定量評価する仕組みです。リードスコアリングを設定することで、高スコアリードのみ営業に引き渡す仕組みを構築でき、営業効率が向上すると言われています。
完了アクションでフォーム送信時にスコア加算する設定方法は、以下の通りです。
- Pardot管理画面で「フォーム」→「完了アクション」を選択
- 「スコア調整」を選択し、加算するスコア(例: +20)を設定
- 保存して、テストフォーム送信でスコア加算を確認
高スコアリード(例: スコア50以上)のみ営業に引き渡す仕組みを構築することで、営業が優先的にアプローチすべきリードを絞り込めます。低スコアリードは、ドリップメールでナーチャリングを行い、スコアが上がった時点で営業に引き渡す運用が一般的です。
ドリップメールとナーチャリングの連携
ドリップメール(ナーチャリング) とは、見込み顧客の行動や属性に応じて、段階的にパーソナライズしたメールを自動配信しリードを育成する手法です。低スコアリードにメールナーチャリング自動化することで、購買意欲を高め、最終的に高スコアリードへと育成できます。
ドリップメール設定の基本手順は、以下の通りです。
- Pardot管理画面で「オートメーションルール」を作成
- 「スコア50未満のリード」を対象に設定
- 「ドリップメールプログラム」を選択し、配信間隔(例: 3日ごと)を設定
- メール内容(事例紹介、ノウハウ提供等)を作成
リード育成により、すぐには商談化しないリードも、段階的にエンゲージメントを深めることで、将来的な商談機会を創出できます。
Salesforce連携と営業フィードバックループ
Salesforce連携とは、PardotとSalesforce CRMを同期し、マーケティングと営業でリード情報を共有・一元管理する仕組みです。Salesforce連携により、マーケティング部門が獲得したリードの情報が営業部門にリアルタイムで共有され、営業がタイムリーにアプローチできます。
Salesforce連携の設定方法は、Pardot管理画面で「Salesforce連携」を選択し、同期ルール(例: スコア50以上のリードのみ同期)を設定します。同期ルールを適切に設定することで、営業が優先的にアプローチすべきリードのみをSalesforceに連携でき、営業効率が向上します。
営業部門との定期的なフィードバックループ構築は、LP運用定着の鍵です。週次または月次で、以下のような情報を営業部門と共有し、改善につなげることが重要です。
- LP経由リードの商談率、受注率
- 高スコアリードの質(営業が実際にアプローチして有望だったか)
- 低品質リードが混在していないか(スコアリングルールの見直し)
クローズドループレポートでLP経由リードの商談率を追跡し、PDCA回転させる仕組みを構築することで、LPパフォーマンスを継続的に改善できます。
LP効果測定と改善プロセス
LP効果測定と改善プロセスは、PardotダッシュボードでKPI追跡し、A/Bテストで最適化を実施し、週次・月次レビューでPDCAを回すことが重要です。LP公開後も継続的に改善を行うことで、CV率向上やリード品質の改善が期待できます。
PardotダッシュボードでのKPI追跡
Pardotダッシュボードでは、LP訪問数・フォーム送信率・スコア変動をリアルタイムで追跡できます。追跡すべきKPIは、以下の通りです。
- LP訪問数: 広告やメール経由でどれだけ訪問があったか
- フォーム送信数: LPからどれだけリードが獲得できたか
- CV率: 訪問数に対するフォーム送信数の割合(フォーム送信数 ÷ 訪問数 × 100)
- スコア変動: 高スコアリード・低スコアリードの割合
KPI低下時の改善アクションとして、以下のような施策が考えられます。
- 訪問数が低い場合: 広告配信量を増やす、メール配信頻度を上げる、SNS投稿を強化
- CV率が低い場合: フォーム項目を削減、見出しやCTAを変更、A/Bテスト実施
- 低スコアリードが多い場合: スコアリングルールを見直し、ドリップメールでナーチャリング
A/Bテストによる最適化
A/Bテストは、LPの見出し、CTA(コールトゥアクション)、フォーム位置等を変更し、どのバージョンがCV率が高いかを検証する手法です。A/Bテスト対象として、以下のような要素が考えられます。
- 見出し: 「無料資料ダウンロード」vs「今すぐ資料請求」
- CTA: 「資料請求」vs「無料で試す」
- フォーム位置: 上部配置vs下部配置
A/Bテスト実施の手順は、以下の通りです。
- Pardot管理画面で「A/Bテスト」を作成
- テスト対象(見出し/CTA/フォーム位置)を選択
- テスト期間(例: 2週間)と分割比率(50:50)を設定
- テスト結果を分析し、CV率が高いバージョンを採用
テスト結果を元にLPを最適化することで、継続的にCV率を向上させることができます。
まとめ:PardotのLP作成から運用定着まで
PardotのLP作成は、ページを作る作業として終わらせず、フォーム設計・スコアリング設定・営業連携体制までの一気通貫の実装と運用定着が不可欠です。
記事の要点
- LP作成手順: LP名・フォルダー・キャンペーン設定、レイアウトテンプレート選択、フォーム設置と完了アクション設定
- 運用定着プロセス: リードスコアリング設定、ドリップメール連携、Salesforce連携と営業フィードバックループの構築
- 効果測定と改善: PardotダッシュボードでKPI追跡、A/Bテストによる最適化、週次・月次レビューでPDCA
- チェックリストとPDCAテンプレート: 設計・実装・定着の3軸でLP運用を定着させる
次のアクションとして、チェックリストとPDCAテンプレートを活用し、LP運用を定着させましょう。LP作成だけで満足せず、スコアリング設定、ドリップメール連携、営業フィードバックループの構築までを一気通貫で実装することが、LP活用成功の鍵です。中長期視点でPDCAを回し、継続的に改善する体制を構築することで、大幅な成果向上が期待できます。
