Marketoフォームを作成しても商談化につながらない原因
Marketoフォームとは何か。Marketoフォームの成功は、作成方法だけでなく、MA/SFA連携設定とリードスコアリング実装まで完了させることで実現します。
Marketoフォームとは、Adobe Marketo Engageで作成・管理するリード獲得フォームで、デザインスタジオまたはマーケティングアクティビティから作成し、ランディングページや外部サイトに埋め込めるツールです。
Marketoフォームを作成するだけで満足し、MA/SFA連携設定やリードスコアリング、ナーチャリング設計を後回しにすると、フォーム送信後のリードが放置され商談化しないという失敗パターンに陥る企業は少なくありません。実際に、日本エスリード(不動産業)では、Marketo+Salesforceでフォームデータからリードスコアリング・ナーチャリングを実施し、成約率が3%から9%に向上しました。これは、フォーム作成だけでなく、データ活用までを実装した成果です。
この記事で分かること
- Marketoフォームの定義と基本機能、リード獲得の仕組み
- Marketoフォームの作成方法(4ステップ)とフィールドのカスタマイズ方法
- CSS編集によるデザイン変更、埋め込み方法、プログレッシブプロファイリングの実装
- MA/SFA連携設定とリードスコアリング実装の具体的な方法
- フォーム設定チェックリストとリードスコアリング・ナーチャリングフロー図
Marketoフォームとは|基本機能とリード獲得の仕組み
Marketoフォームは、BtoBマーケティングにおいてリード獲得からナーチャリング、商談化までを実現する重要なツールです。単にフォームを作成するだけでなく、MA/SFA連携とリードスコアリングの実装まで含めた運用設計が必要です。
Marketoフォームの定義と役割
Marketoフォームとは、Adobe Marketo Engageで作成・管理するリード獲得フォームで、デザインスタジオまたはマーケティングアクティビティから作成し、ランディングページや外部サイトに埋め込めるツールです。
BtoB企業では、見込み顧客の情報を獲得するための入口としてフォームが使われます。Marketoフォームは、単なる情報収集だけでなく、フォーム送信後のリードスコアリングやナーチャリングと連携することで、商談化までの一連のプロセスを自動化できる点が大きな特徴です。
Marketoフォームの基本機能
Marketoフォームが提供する主要機能は以下の通りです:
- フォームフィールドの追加・編集: テキスト、ドロップダウン、チェックボックスなどのフィールドを自由に追加・編集できます
- デザインカスタマイズ: CSS編集により、フォームの色、フォント、レイアウトを変更できます
- 埋め込み: Marketoランディングページや外部サイト(WordPress、自社サイト等)にフォームを埋め込めます
- プログレッシブプロファイリング: 見込み顧客との接触ごとに段階的に情報を収集する手法で、初回は最小限の項目、2回目以降に詳細情報を追加し、フォーム離脱率を低減しつつ詳細情報を獲得できます
- MA/SFA連携: マーケティングオートメーション(MA)とセールスフォースオートメーション(SFA)を連携させ、フォーム経由で獲得したリードを自動的に営業に引き渡す仕組みです
リードスコアリングとは、見込み顧客の行動データ(フォーム送信、サイト訪問、メール開封等)を基に点数を付け、商談化可能性の高いリードを優先的に営業へ渡す仕組みです。Marketoフォームは、フォーム送信をトリガーにリードスコアリングを開始し、スコアに応じて自動的にナーチャリングまたは営業引き渡しを実行できます。
Marketoフォームの作成方法|基本操作と設定手順
Marketoフォームの作成は、デザインスタジオまたはマーケティングアクティビティから新規作成し、フィールド追加→承認→公開の4ステップで完了します。フォルダ命名ルールを守る(半角英数統一)ことで運用混乱を防げます。
フォーム作成の4ステップ
Marketoフォームを作成する具体的な手順は以下の4ステップです:
ステップ1: 新規フォームの作成
デザインスタジオまたはマーケティングアクティビティから「新規フォーム」を選択します。フォーム名とフォルダを指定し、テンプレートを選択(または空白から作成)します。フォルダ命名ルールを守る(半角英数統一)ことで、後の運用で混乱を防げます。
ステップ2: フォームフィールドの追加・編集
フォームに必要なフィールド(氏名、会社名、メールアドレス、電話番号等)を追加します。各フィールドのラベル、プレースホルダー、必須項目設定をカスタマイズします。フィールドの種類にはテキスト、ドロップダウン、チェックボックス等があります。
ステップ3: フォームの承認
フォームの編集が完了したら、「承認」ボタンをクリックしてフォームを承認します。承認前のフォームは公開できません。
ステップ4: フォームの公開
承認したフォームを、Marketoランディングページに配置するか、外部サイトに埋め込むための埋め込みコードを取得します。遷移先ページ(Thank Youページ)の設定も忘れずに行います。
フォームフィールドの設定とカスタマイズ
フォームフィールドの追加・編集では、フィールドの種類、ラベル、プレースホルダー、必須項目設定などをカスタマイズできます。
フィールドの種類には、テキスト(1行)、テキストエリア(複数行)、ドロップダウン、チェックボックス、ラジオボタンなどがあります。各フィールドのラベルは、見込み顧客が理解しやすい表現にすることが重要です。
よくある誤解として、「フォーム項目を多くすれば質の高いリードが獲得できる」というものがありますが、これは誤りです。フォーム項目が多いと離脱率が上がるため、初回は必要最小限の項目に絞り、プログレッシブプロファイリングで段階的に情報収集することが推奨されます。
Marketoフォームのデザインカスタマイズと埋め込み方法
Marketoフォームのデザインカスタマイズと埋め込みは、段階的アプローチが推奨されます。まず基本フォームを作成し、次にCSSカスタマイズ、プログレッシブプロファイリング導入、A/Bテストで最適化を進めると効果的です。
CSS編集によるデザイン変更
CSS編集を使うことで、フォームの色、フォント、レイアウトを変更できます。基本的なCSS編集の手順は、フォーム編集画面で「フォームの設定」→「CSS編集」を選択し、カスタムCSSコードを入力することで実現します。
注意点として、UIバージョンに依存するため、Adobe Marketo Engage 2026最新版での確認が必要です。CSSの変更は、プレビュー機能で確認しながら進めることが推奨されます。
フォームの埋め込み方法(ランディングページ・外部ページ)
Marketoフォームは、Marketoランディングページと外部サイトの両方に埋め込むことができます。
Marketoランディングページへの埋め込み
Marketoランディングページにフォームを配置する場合、ランディングページ編集画面でフォーム要素をドラッグ&ドロップし、作成したフォームを選択します。
外部サイトへの埋め込み
外部サイト(WordPress、自社サイト等)にフォームを埋め込む場合、フォーム編集画面で「埋め込みコード」を取得し、外部サイトのHTMLに貼り付けます。埋め込みコードはJavaScriptで提供され、フォームの読み込みと送信処理を自動化します。
遷移先ページ(Thank Youページ)の設定も忘れずに行います。フォーム送信後に表示するページのURLを指定することで、ユーザー体験を向上させることができます。
プログレッシブプロファイリングの実装
プログレッシブプロファイリングとは、見込み顧客との接触ごとに段階的に情報を収集する手法です。初回は最小限の項目(氏名、メールアドレス等)、2回目以降に詳細情報(会社名、役職、課題等)を追加することで、フォーム離脱率を低減しつつ詳細情報を獲得できます。
プログレッシブプロファイリングは、Marketoフォーム編集画面でフィールドごとに「プログレッシブプロファイリングを有効化」を選択することで実装できます。訪問回数に応じて表示するフィールドを変更することで、段階的な情報収集が可能になります。
近年、プログレッシブプロファイリングでフォーム離脱率を低減しつつ詳細情報を獲得する手法が標準化しつつあります。特に、BtoB企業では購買サイクルが長いため、初回で詳細情報を求めすぎず、段階的に関係を深めることが効果的です。
MA/SFA連携設定とリードスコアリング実装|フォーム送信後のデータ活用
フォーム送信後のデータ活用こそが、Marketoフォームの真価を発揮する部分です。MA/SFA連携設定とリードスコアリング実装により、フォーム経由で獲得したリードを自動的にスコアリングし、商談化可能性の高いリードを営業に引き渡すことで、成約率を大幅に向上させることができます。
MA/SFA連携設定(Salesforce連携)
MarketoとSalesforceの連携設定により、フォーム経由で獲得したリードを自動的にSalesforceに送信し、営業部門がリアルタイムでリード情報を確認できるようになります。
連携設定の概要は、Marketo管理画面で「Salesforce連携」を設定し、リードフィールドのマッピング(Marketoのフィールド名とSalesforceのフィールド名の対応付け)を行います。フォーム送信をトリガーにSalesforceへリード情報を自動送信するスマートキャンペーンを設定することで、リアルタイムなデータ同期が実現します。
日本エスリード(不動産業)では、Marketo+Salesforceでフォームデータからリードスコアリング・ナーチャリングを実施し、成約率が3%から9%に向上しました。この成果は、フォーム作成だけでなく、MA/SFA連携設定とリードスコアリング実装まで完了させたことによるものです(ただし企業提供データのため過大評価の可能性があります)。
リードスコアリング設定とナーチャリング設計
リードスコアリングとは、見込み顧客の行動データ(フォーム送信、サイト訪問、メール開封等)を基に点数を付け、商談化可能性の高いリードを優先的に営業へ渡す仕組みです。ナーチャリングとは、見込み顧客(リード)を育成し、購買意欲を高めて商談化・受注に導くマーケティング活動で、メール配信やコンテンツ提供により段階的に関係を深める手法です。
リードスコアリングの設定方法は、行動スコア(フォーム送信: +20点、資料ダウンロード: +15点、メール開封: +5点など)と属性スコア(役職: 部長以上 +10点、従業員数: 100名以上 +5点など)を組み合わせて設定します。スコアが一定値(例: 50点)を超えたリードを「ホットリード」として営業に自動引き渡しするスマートキャンペーンを設定します。
ナーチャリング設計の具体例としては、フォーム送信後にお礼メールを自動配信し、数日後に関連コンテンツ(ホワイトペーパー、事例紹介等)を配信するエンゲージメントプログラムを設定します。リードのスコアや行動に応じて配信内容を変えることで、パーソナライズされたナーチャリングが実現します。
フォーム経由リードはSalesforce連携でリアルタイムスコアリングを実施し、行動トリガーで自動ナーチャリング(例: 資料請求後即架電)が効果的です。
成功事例として、以下が挙げられます(ただし企業提供データのため過大評価の可能性、年度不明、因果関係未証明であることに注意):
- エン・ジャパン(人材サービス)では、MarketoフォームをkintoneConnectorで連携しデータベース整備・メールナーチャリングを実施し、問い合わせ件数が2.4倍、受注貢献金額が2.6倍、営業スピードが75%改善しました
- コクヨ(オフィス用品)では、Marketoフォームでセミナー申込データ収集と自動フォロー・ナーチャリングを実施し、集客が月100人未満から300人に増加、新規顧客が10%増、案件化率が10%向上しました(2023年1月以降)
- 東京商工リサーチ(信用調査)では、Marketoで匿名データ紐付けと企業情報統合・1to1ナーチャリングを実施し、メルマガ開封率が23%向上しました(2023年導入後)
- Chatwork(ビジネスチャット)では、Marketo+CDPでフォーム行動データを活用し配信リスト課金でナーチャリングを実施した結果、配信数が2倍、コンバージョンが5倍、受注数が5倍超になりました(2011年導入後活用強化時)
【チェックリスト】Marketoフォーム設定チェックリスト
以下のチェックリストで、Marketoフォームの実装状況を確認してください。基本設定・デザイン・MA/SFA連携の3軸で構成しています。
基本設定
- デザインスタジオまたはマーケティングアクティビティから新規フォームを作成
- フォーム名とフォルダを指定(半角英数統一の命名ルールに従う)
- 必要なフォームフィールド(氏名、メールアドレス、会社名等)を追加
- 各フィールドのラベル、プレースホルダー、必須項目設定を完了
- フォームを承認
- フォームを公開(Marketoランディングページまたは外部サイトに埋め込み)
- 遷移先ページ(Thank Youページ)を設定
デザイン・プログレッシブプロファイリング
- CSS編集でフォームのデザインをカスタマイズ(色、フォント、レイアウト)
- プログレッシブプロファイリングを有効化し、訪問回数に応じた段階的情報収集を実装
- A/Bテストで最適なフォーム項目数やデザインを検証
MA/SFA連携・リードスコアリング・ナーチャリング
- MarketoとSalesforceの連携設定を完了
- リードフィールドのマッピング(MarketoとSalesforceのフィールド対応付け)を設定
- フォーム送信をトリガーにSalesforceへリード情報を自動送信するスマートキャンペーンを作成
- 行動スコア(フォーム送信、資料DL、メール開封等)の配点を設定
- 属性スコア(役職、従業員数等)の配点を設定
- ホットリード(スコア50点以上等)を営業に自動引き渡しするスマートキャンペーンを作成
- フォーム送信後のお礼メール自動配信を設定
- ナーチャリングエンゲージメントプログラム(段階的なコンテンツ配信)を設計・実装
フォーム送信後のリードスコアリング・ナーチャリングフロー
以下は、フォーム送信後のリードスコアリング・ナーチャリングフローの全体像です。
flowchart TD
A[フォーム送信] --> B[リードスコアリング]
B --> C{スコア判定}
C -->|高スコア\n50点以上| D[営業引き渡し]
C -->|低スコア\n50点未満| E[ナーチャリング継続]
E --> F[メール配信・コンテンツ提供]
F --> G[行動トラッキング]
G --> B
D --> H[商談化]
E --> I{再スコアリング}
I -->|スコア上昇| D
I -->|スコア低下| E
フロー説明:
- フォーム送信: 見込み顧客がMarketoフォームを送信
- リードスコアリング: 行動スコア(フォーム送信 +20点)と属性スコア(役職・従業員数等)を加算
- スコア判定: スコアが一定値(例: 50点)以上かどうかを判定
- 高スコア(50点以上): ホットリードとして営業に自動引き渡し、商談化
- 低スコア(50点未満): ナーチャリング継続へ
- ナーチャリング継続: メール配信、コンテンツ提供(ホワイトペーパー、事例紹介等)
- 行動トラッキング: メール開封、サイト訪問、資料ダウンロード等の行動を追跡
- 再スコアリング: 行動に応じてスコアを再計算し、スコアが上昇したら営業引き渡し、低下したらナーチャリング継続
このフローにより、フォーム送信後のリードを自動的にスコアリングし、商談化可能性の高いリードを優先的に営業に引き渡すことで、成約率を向上させることができます。
まとめ|Marketoフォーム成功のポイント
Marketoフォームの成功は、作成方法だけでなく、MA/SFA連携設定とリードスコアリング実装まで完了させることで実現します。
本記事の要点は以下の通りです:
- Marketoフォームは、デザインスタジオまたはマーケティングアクティビティから4ステップ(新規作成→フィールド追加→承認→公開)で作成できます
- CSS編集によるデザイン変更、プログレッシブプロファイリングによる段階的情報収集、外部サイトへの埋め込みが可能です
- MA/SFA連携設定(Salesforce連携)により、フォーム経由で獲得したリードを自動的にSalesforceに送信し、リアルタイムなデータ同期が実現します
- リードスコアリング設定とナーチャリング設計により、フォーム送信後のリードを自動的にスコアリングし、商談化可能性の高いリードを営業に引き渡すことで、成約率を向上させることができます
- チェックリストとフロー図を活用し、基本設定・デザイン・MA/SFA連携の3軸で実装状況を確認することが重要です
次のアクションとして、チェックリストを使って自社のMarketoフォームの実装状況を確認し、MA/SFA連携設定とリードスコアリング実装をまだ完了させていない場合は、優先的に取り組むことを推奨します。フォーム作成だけでなく、データ活用まで実装を完了させることで、Marketoフォームの真価を発揮し、商談化率・成約率の向上を実現できます。
