ナーチャリング×セグメント設計|MAでの実装からIS連携まで解説

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1810分で読めます

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セグメント設計がナーチャリング成果を左右する理由

ナーチャリングでセグメントの効果を出すには、属性・行動の軸で設計するだけでなく、MAでの実装とIS連携ルールまで一気通貫で設計することが成功の鍵です——本記事ではこの結論を詳しく解説します。

リードナーチャリングとは、見込み顧客を段階的に育成し、購買意欲を高めて商談・成約につなげるマーケティング手法です。セグメンテーションは、リードを属性や行動などの条件で分類し、グループ別に最適なアプローチを行う手法を指します。

ある調査によると、戦略的なナーチャリング設計を実行できている企業は46.1%にとどまり、実行できている企業の約8割が商談転換率やリードの質の改善を実感しています(ただしインターネット調査でサンプル規模は非公開のため、参考値としてお考えください)。一方で、「設計はしているが実行できていない」企業が約4割を占めているという調査結果もあります。

この差は何から生まれるのでしょうか。多くの企業がセグメント設計までは行うものの、MAでの実装やインサイドセールス(IS)との連携ルールが曖昧なまま止まってしまう点にあります。

この記事で分かること

  • リードナーチャリングにおけるセグメントの基本的な考え方
  • 属性×行動によるセグメント軸の設計方法
  • MAツールでのセグメント実装ポイント
  • インサイドセールス連携で成果につなげる方法

この記事では、従業員50〜300名規模のSaaS/IT企業で、MA導入済みだがセグメント設計ができていないマーケティング担当者を対象に解説します。

リードナーチャリングにおけるセグメントの基本

リードナーチャリングでセグメントを効果的に活用するには、「属性情報」と「行動情報」の2つの軸を組み合わせることが基本です。

リードスコアリングとは、リードの行動や属性に基づいて数値化し、営業優先度を判断する仕組みです。セグメンテーションとリードスコアリングを組み合わせることで、どのセグメントのリードを優先的にアプローチすべきかを判断できるようになります。

属性情報によるセグメント

属性情報とは、業種・従業員規模・役職・所在地など、リードの静的な情報を指します。これらの情報は、リード獲得時のフォーム入力や名刺情報から取得できます。

BANTは、Budget(予算)、Authority(決裁権)、Need(ニーズ)、Timing(導入時期)の頭文字で、リードの質を判断する基準として知られています。属性情報はBANTの一部を推定するのに役立ちます。

属性情報によるセグメントの例:

  • 業種(IT・製造・金融など)
  • 従業員規模(中小・中堅・大企業)
  • 役職・部門(経営層・マネージャー・担当者)
  • 地域(関東・関西など)

行動情報によるセグメント

行動情報とは、ページ閲覧・資料ダウンロード・メール開封・セミナー参加など、リードが取った行動の履歴です。属性情報だけではリアルタイムの関心度が反映されないため、行動情報を組み合わせることが重要です。

行動情報によるセグメントの例:

  • 料金ページを閲覧した
  • 導入事例資料をダウンロードした
  • メールを複数回開封した
  • セミナーに参加した

行動情報は、購買意欲の高さをリアルタイムで捉えられる点が強みです。属性情報で「ターゲット企業」を絞り込み、行動情報で「今アクティブなリード」を抽出するという組み合わせが効果的です。

セグメント軸の設計方法と施策マッピング

属性と行動の2軸でセグメントを設計し、各セグメントに最適な施策をマッピングすることで、一斉配信から脱却できます。

ある調査では、93.2%の企業がリード獲得コストの上昇を実感しており、セミナー申込の獲得単価が以前より上昇しているとの報告があります。このような環境下で成果を出すには、獲得したリードを適切にセグメント化し、セグメント別に最適化された施策を実行することが求められます。

よくある失敗パターンとして、セグメントの分類軸(属性・行動)は理解しているものの、MAツールへの設定方法やIS連携ルールが曖昧なまま「とりあえずセグメントを作った」状態で止まり、結局一斉配信に戻ってしまうケースがあります。設計だけでは成果につながりません。

ステップメールとは、事前に設定したシナリオに沿って段階的に自動配信されるメールマーケティング手法です。セグメント別にステップメールを設計することで、リードの状態に合わせた情報提供が可能になります。

【比較表】セグメント軸と施策マッピング表

セグメント 属性条件 行動条件 推奨施策 IS連携タイミング
ホットリード ターゲット業種・規模 料金ページ閲覧+資料DL 個別フォローメール 即日引き渡し
検討段階 ターゲット業種・規模 導入事例DL 事例紹介ステップメール スコア到達時
情報収集段階 ターゲット業種・規模 ブログ閲覧のみ 課題啓発コンテンツ配信 行動変化時
休眠リード ターゲット業種・規模 90日以上未反応 再活性化キャンペーン 反応時
ターゲット外 非ターゲット業種・規模 問わず 一般メルマガ 引き渡し対象外

この表を自社の状況に合わせてカスタマイズし、各セグメントに対する施策とIS連携のルールを明確にしてください。

MAツールでのセグメント実装ポイント

設計したセグメントをMAツールで実装する際は、「運用で更新し続けられるか」を意識することが重要です。

日本のマーケティングオートメーション市場は2024年に4億810万米ドルに達し、2033年までに8億4,810万米ドルに成長すると予測されています(海外調査会社の推計値のため、参考値としてお考えください)。MAツールの普及に伴い、セグメント機能を活用する企業は増えていますが、設計したセグメントが運用に乗らないケースも少なくありません。

実装時のポイントは以下の通りです。

  • セグメント条件は自動更新される設計にする(手動更新は続かない)
  • リードの行動をトリガーに自動でセグメントが移動する仕組みを組み込む
  • IS引き渡し条件との連動を最初から設計に含める
  • 複雑すぎる条件設計は避け、運用可能なレベルに抑える

セグメント条件の設定例

MAツールでセグメントを設定する際の具体的な条件例を紹介します。

(例)ホットリードセグメントの条件設定

  • 属性条件:従業員50名以上 AND 業種がIT/SaaS
  • 行動条件:過去7日以内に料金ページを閲覧 AND 資料ダウンロード済み
  • 自動処理:条件合致時にIS通知を自動送信 ※実際の設定方法はMAツールにより異なります

条件設計のコツは、まず優先度の高いセグメントから始め、運用しながら徐々に条件を追加・調整していくことです。最初から完璧を目指すと、複雑すぎて運用に乗らないリスクがあります。

インサイドセールス連携で成果につなげる

セグメント設計とMA実装だけでは成果は出ません。インサイドセールス(IS)との連携ルールを設計し、商談化につなげることが最終ゴールです。

先述の調査では、戦略的なナーチャリング設計を実行できている企業の約8割が商談転換率やリードの質の改善を実感しています。ここでの「実行できている」とは、設計だけでなくISとの連携まで含めた運用ができている状態を指します。

マーケティングとISの間で以下の点を合意しておくことが重要です。

  • どのセグメントのリードを、いつISに引き渡すか
  • 引き渡し時にどの情報を伝えるか(行動履歴、スコアなど)
  • ISからマーケティングへのフィードバックルール(商談化有無、失注理由など)

セグメント別の引き渡しルール設計

各セグメントのリードを、いつ、どの情報と共にISに引き渡すかを事前に設計しておきます。

引き渡し条件の例:

  • ホットリード:条件合致時に即日引き渡し
  • 検討段階:リードスコアが一定値に到達した時点で引き渡し
  • 情報収集段階:特定の行動(料金ページ閲覧など)をトリガーに引き渡し

伝達情報の例:

  • リードの属性情報(企業名、役職、従業員規模)
  • 行動履歴(閲覧ページ、ダウンロード資料、メール開封状況)
  • リードスコアと算出根拠
  • 過去のコミュニケーション履歴

【チェックリスト】セグメント設計チェックリスト

  • ターゲット企業の属性条件を定義している
  • 行動情報の取得設定がMAで完了している
  • 主要なセグメントを定義している
  • 各セグメントに対する施策を決めている
  • セグメント別のステップメールを設計している
  • セグメント条件をMAツールに設定している
  • セグメント間の自動移動ルールを設定している
  • IS引き渡し条件を定義している
  • 引き渡し時の伝達情報を決めている
  • マーケとISで引き渡しルールを合意している
  • ISからマーケへのフィードバックルールを決めている
  • 商談化率・引き渡し数のKPIを設定している
  • 定期的なセグメント見直しのタイミングを決めている
  • 休眠リード再活性化の施策を設計している

このチェックリストを活用して、設計から実装・IS連携まで抜け漏れがないか確認してください。

まとめ:セグメント設計から実装・IS連携まで一気通貫で進める

本記事では、リードナーチャリングにおけるセグメント設計の方法から、MAでの実装、IS連携までを解説しました。

重要なポイントを振り返ります。

  • セグメントは属性情報と行動情報の2軸を組み合わせて設計する
  • セグメント軸と施策マッピング表で、各セグメントへのアプローチを明確にする
  • MAツールでの実装は「運用で更新し続けられるか」を意識する
  • IS連携ルールを事前に設計し、商談化につなげる

調査によると、戦略的なナーチャリング設計を実行できている企業は46.1%にとどまり、「設計はしているが実行できていない」企業が約4割を占めています。設計で止まらず、MAでの実装とIS連携まで進めることが成果の分かれ目です。

ナーチャリングでセグメントの効果を出すには、属性・行動の軸で設計するだけでなく、MAでの実装とIS連携ルールまで一気通貫で設計することが成功の鍵です。本記事のチェックリストとマッピング表を活用して、自社のセグメント設計を見直してみてください。

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よくある質問

Q1ナーチャリングにおけるセグメントは何を基準に分けるべきですか?

A1属性情報(業種・企業規模・役職など)と行動情報(ページ閲覧・資料DL・メール開封など)の2軸を組み合わせて設計するのが効果的です。属性だけでは関心度が反映されないため、行動情報を加えることでリアルタイムの購買意欲を捉えられます。

Q2セグメント設計後、成果が出るまでどのくらいかかりますか?

A2設計から成果が出るまでの期間は企業やリードの特性により異なります。重要なのは設計後にMAでの実装とIS連携まで進めることです。調査では戦略的なナーチャリング設計を実行できている企業の約8割が改善を実感していますが、設計だけで止まると成果につながりません。

Q3セグメントの数はいくつ作るべきですか?

A3最初は主要なセグメントに絞ることをお勧めします。複雑なセグメント設計は運用に乗らないリスクがあるため、まずは属性×行動の組み合わせで優先度の高いセグメントから始め、運用しながら徐々に増やす方法が実践的です。

Q4MAツールでセグメントを設定する際のポイントは?

A4セグメント条件は「運用で更新し続けられるか」を意識して設計します。リードの行動をトリガーに自動でセグメントが更新される条件設定や、IS引き渡し条件との連動を最初から組み込むことで、設計倒れを防げます。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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