リード獲得広告を始める前に知っておくべきこと
意外かもしれませんが、リード獲得広告は「獲得」だけでなく「商談化」までを見据えたMA/SFA連携の設計が成果を左右し、広告設定と同時にリード活用プロセスを構築することが投資対効果を高める鍵となります。
BtoB企業経営者を対象とした2025年の調査によると、リード獲得施策の実施率はSNSが36.4%、広告が29.0%、展示会が27.1%の順となっており、デジタル施策への注力が進んでいます(2025年版 BtoB企業経営者のリード獲得実態調査)。さらに、2025年度のWeb広告予算については、BtoBマーケ担当者の約6割が増額予定(大幅増額16.1%、やや増額43.3%)と回答しており、リード獲得広告への投資は拡大傾向にあります(2025年度BtoB企業のWeb広告予算調査)。
しかし、リード数が増えても商談につながらないという課題を抱える企業は少なくありません。この記事では、リード獲得広告の仕組みから商談化までのプロセス設計まで、一貫した視点で解説します。
この記事で分かること
- リード獲得広告の定義と主要媒体(Meta広告・検索広告)の特徴
- リード獲得広告のメリット・デメリットと費用相場
- 獲得したリードを商談化につなげるMA/SFA連携の方法
- リード獲得広告運用開始前のチェックリスト
リード獲得広告とは?定義と主要媒体の特徴
リード獲得広告とは、Facebook・Instagram等のプラットフォーム上で、見込み客の情報を直接取得する広告形式です。フォーム入力がプラットフォーム内で完結するため、ユーザーの離脱を防ぎやすいという特徴があります。
CPA(Cost Per Acquisition) とは、リード1件を獲得するためにかかったコストのことで、広告費÷獲得リード数で算出します。BtoBでは1〜3万円が目安とされていますが、業種・商材・単価により大きく変動します。
BtoBマーケ担当者への調査では、注力したい広告種別として検索連動型広告が29.8%、SNS広告(Meta/X等)が29.5%とほぼ同率で上位に挙げられており、この2つがBtoB広告の二大柱となっています(2025年度BtoB企業のWeb広告予算調査)。
Meta広告(Facebook/Instagram)のリード獲得広告
Meta広告のリード獲得広告は、プラットフォーム内でフォーム入力が完結する仕組みです。ユーザーがLPに遷移することなく情報を入力できるため、コンバージョン率が高くなる傾向があります。
一方で、フォーム内で取得できる情報が限られる点や、リードの質が検索広告と比較して低くなりやすい点には注意が必要です。
検索連動型広告でのリード獲得
検索連動型広告は、特定のキーワードで検索しているユーザーに広告を表示するため、購買意欲の高いユーザー層にリーチできます。課題意識が明確なユーザーが多いため、商談化率が高くなる傾向があります。
ただし、検索ボリュームによってリーチできる母数が限られるため、Meta広告と組み合わせて運用するケースが多いです。
リード獲得広告のメリット・デメリット
リード獲得広告の最大のメリットは、ターゲティング精度の高さとフォーム完結による離脱防止です。しかし、獲得後のフォロー体制がなければ成果につながりません。
広告予算増額理由として「リード獲得効果が高いため」が55.8%、「ターゲットへのリーチ効果が高いため」が44.8%と上位に挙げられており、リード獲得広告への期待は高まっています(2025年度BtoB企業のWeb広告予算調査)。
メリット:ターゲティング精度とフォーム完結
リード獲得広告のメリットとして、以下の点が挙げられます。
- 業種・職種・興味関心などでターゲティングが可能
- プラットフォーム内でフォームが完結するためCVRが向上しやすい
- 少額から始められ、予算に応じた運用が可能
デメリット:リードの質とフォロー体制の必要性
よくある失敗パターンとして、リード獲得広告で数を集めることに注力しすぎて、獲得後のフォロー体制やMA/SFAへの連携が設計されておらず、結果としてリードが放置・失効してしまうケースがあります。この考え方ではリード数は増えても商談・受注につながりません。
リード獲得広告のデメリットとして認識すべき点は以下のとおりです。
- 検索広告と比較してリードの質が低くなりやすい
- 獲得後のフォロー体制がなければ商談化しない
- フォームで取得できる情報に限りがある
リード獲得広告の媒体比較と費用相場
主要媒体のCPA相場として、ウェビナー(広告集客時)で1〜1.5万円/件、Web広告(検索連動)で1〜3万円/件が目安とされています(BtoBマーケティングCPAガイドライン 2025年)。ただし、これらの数値は業種・商材・単価により大きく変動するため、あくまで参考値として捉えてください。
【比較表】リード獲得広告の主要媒体比較表
| 媒体 | 特徴 | 向いている用途 | CPA目安 |
|---|---|---|---|
| Meta広告(Facebook/Instagram) | フォーム完結型、ターゲティング精度が高い | 認知拡大、ウェビナー集客 | 1〜3万円/件 |
| 検索連動型広告(Google/Yahoo) | 購買意欲の高いユーザーにリーチ | 資料請求、問い合わせ獲得 | 1〜3万円/件 |
| ウェビナー広告 | イベント集客に特化 | セミナー・ウェビナー集客 | 1〜1.5万円/件 |
| ディスプレイ広告 | 広いリーチ、リターゲティング向け | 認知拡大、リマインド | 変動幅大 |
| LinkedIn広告 | ビジネス特化、役職ターゲティング | 決裁者へのアプローチ | 高め |
※CPA目安は業種・商材・運用体制により大きく変動します。自社の実績と比較しながら目標値を設定してください。
リード獲得から商談化へつなげるMA/SFA連携
獲得したリードを商談化につなげるには、MA/SFA連携とフォロー体制の構築が不可欠です。BtoBマーケター330名を対象とした調査によると、広告経由リードの商談化率は11〜20%が31.3%で最多層、5〜10%が20.0%で続いており、商談化率10〜15%前後が一つの目安となります(BtoB調査レポート2025 第2章 広告運用のKPI設計と成果)。
商談化率とは、獲得したリードのうち、実際に商談に至った割合のことです。BtoB広告経由では11〜20%が一般的なレンジとされています。
ある企業の事例では、引き上げ施策に反応したリードはアポイント成功率が10〜15%ほど高いという結果が報告されています(リードナーチャリング成功事例、ただし単一企業の事例であり一般化には注意が必要)。また、展示会後フォローのアポ率が26%に対し、代表突破型コールのアポ率は2%と、事前接点の有無で大きな差が出ることも分かっています(BtoBマーケティング成功事例集)。
【チェックリスト】リード獲得広告運用開始前チェックリスト
- ターゲットペルソナの定義が完了している
- 獲得後のフォロー担当者がアサインされている
- MAツールとの連携設定が完了している
- リードスコアリングのルールが定義されている
- MQL(営業引き渡し基準)が明確になっている
- フォローメールのテンプレートが準備されている
- 初回コンタクトまでの時間目標が設定されている
- SFAへのデータ連携フローが構築されている
- 商談化率・受注率のKPIが設定されている
- 広告費用のROAS目標が設定されている
- ABテスト用のクリエイティブが複数用意されている
- ランディングページの導線が最適化されている
- フォーム項目が必要最小限に絞られている
- プライバシーポリシーの対応が完了している
- 定期的なレポート体制が整備されている
MAツールでのリード行動トラッキング
MQL(Marketing Qualified Lead) とは、マーケティング活動で一定条件を満たし、インサイドセールスに引き継ぐべきと判定されたリードのことです。
MAツールを活用することで、リードの行動データ(メール開封、Webサイト訪問、資料ダウンロードなど)をトラッキングし、温度感の高いリードから優先的にフォローする仕組みを構築できます。特定のリンクをクリックしたリードや、複数回サイトを訪問しているリードは、購買意欲が高い可能性があります。
インサイドセールスへの引き継ぎプロセス
リードナーチャリングとは、獲得したリードに継続的に情報を提供し、購買意欲を高めて商談化につなげる活動です。
インサイドセールスへの引き継ぎを円滑にするためには、MQLの定義を明確にし、マーケティング部門とインサイドセールス部門で共通認識を持つことが重要です。引き継ぎ時には、リードの行動履歴や興味関心を共有し、適切なアプローチができるようにしましょう。
リード獲得広告で成果を出すためのポイント
リード獲得広告で成果を出すためには、以下のポイントを押さえることが重要です。
- 主要媒体と特徴の理解: Meta広告と検索広告の特性を理解し、自社の目的に合った媒体を選択する
- CPA相場の把握: 業種・商材に応じた適切なCPA目標を設定する
- MA/SFA連携の構築: 獲得後のフォロー体制を広告設定と同時に整備する
広告でリードを獲得しても、獲得後のフォロー体制がなければ商談につながりません。リード獲得広告の運用を開始する前に、チェックリストで自社の体制を確認してください。
リード獲得広告は「獲得」だけでなく「商談化」までを見据えたMA/SFA連携の設計が成果を左右します。広告設定と同時にリード活用プロセスを構築することが、投資対効果を高める鍵です。
