メールコンテンツを作っても成果につながらない原因
メールコンテンツで成果を出すには、作り方のテクニックだけでなく、MA/SFAのデータを活用した顧客ステージ別のコンテンツ設計と、効果測定・改善のPDCAを回す仕組みを整備することが重要です——本記事ではこの結論を詳しく解説します。
多くのBtoB企業がメールマーケティングに取り組んでいますが、「配信しているのに開封率が低い」「商談につながらない」「コンテンツのネタが尽きてしまう」という課題を抱えているケースは少なくありません。
2025年のメール配信利用実態調査によると、BtoB企業のHTMLメール利用率は65.7%に達している一方、効果測定機能の利用率は46.4%に留まっています。つまり、半数以上の企業がメールを配信しても、その効果を正しく測定できていない状況です。
また、BtoBマーケター330名を対象とした2025年の調査では、MA導入企業の課題として「活用がメール配信機能にとどまっている」「スコアリングやシナリオ設計を活用できていない」という点が指摘されています。ツールを導入しただけでは、成果につながるメールコンテンツは作れないのです。
この記事で分かること
- BtoBメールコンテンツの種類と目的別の使い分け
- 開封率・クリック率を高めるコンテンツ作成の基本手順
- 顧客ステージ別のコンテンツ設計方法と設計表
- 効果測定と改善PDCAを回すためのチェックリスト
BtoBメールコンテンツの種類と役割
BtoBメールコンテンツは、目的に応じて大きく4つの種類に分類できます。それぞれの特性を理解し、適切に使い分けることが成果向上の第一歩です。
BtoBメルマガをきっかけに商品購入・商談をした経験がある人は43.4%で、SNS経由(33.5%)を上回るという2025年の意識調査結果があります(自己申告ベースの調査)。この数字は、メールマーケティングがBtoBにおいて依然として有効なチャネルであることを示しています。
販促コンテンツ: 新製品・サービスの案内、キャンペーン情報、セミナー告知など、直接的な購買・商談につなげることを目的としたコンテンツです。
教育コンテンツ: 業界トレンド、ノウハウ解説、課題解決のヒントなど、読者にとって有益な情報を提供し、信頼関係を構築するコンテンツです。
お知らせコンテンツ: 会社からの重要な連絡、サービスアップデート、メンテナンス情報など、既存顧客への情報伝達を目的としたコンテンツです。
事例紹介コンテンツ: 導入事例、活用事例、お客様の声など、具体的な成果を示すことで検討中の読者の背中を押すコンテンツです。
リードナーチャリングとは、見込み顧客を育成し、購買意欲を高めるためのコミュニケーション活動です。上記4種類のコンテンツを顧客の検討段階に合わせて配信することで、効果的なリードナーチャリングが実現できます。
成果を出すメールコンテンツ作成の基本手順
成果を出すメールコンテンツ作成には、件名・本文・CTAの3要素を適切に設計し、配信タイミングを最適化することが重要です。
開封率とは、配信したメールのうち開封された割合です。2025年の業界調査によると、BtoBメールの開封率は20%以上が目安とされ、購買関与度が高いリストでは30%超も可能とされています。ただし、業界・企業規模・リストの鮮度により大きく変動するため、自社の数値を継続的に計測することが重要です。
クリック率(CTR) とは、メール内のリンクがクリックされた割合です。件名で開封を促し、本文で興味を引き、CTAでアクションに導く——この一連の流れを設計することがポイントです。
件名の作成: 件名は開封率を左右する最重要要素です。具体的な数字やメリットを盛り込み、読者が「自分ごと」として捉えられる表現を心がけましょう。
本文の構成: 冒頭で結論や価値を伝え、詳細は後から説明する構成が効果的です。長文になりすぎると離脱されるため、1メール1テーマを意識しましょう。
CTAの設計: 「資料をダウンロード」「詳細を見る」など、読者に取ってほしいアクションを明確に示します。CTAは本文中に1-2箇所配置するのが一般的です。
配信タイミング: 2025年の調査によると、会社用メール確認のピークは平日9-10時台で34.4%(前年比+7.4pt)となっています。ただし、リモートワークの状況やターゲットの業種により最適なタイミングは異なるため、自社データで検証することを推奨します。
ネタ切れを防ぐコンテンツ企画の方法
メールコンテンツのネタ切れは、多くの担当者が抱える課題です。一からコンテンツを作るのではなく、社内の既存資産を活用することで効率的に企画を進められます。
社内資産の活用: 営業資料、FAQ、導入事例、セミナー資料など、すでに社内にある情報をメールコンテンツとして再構成できます。営業担当者が顧客からよく受ける質問は、メールのネタとして最適です。
業界ニュース・トレンドの活用: 業界の最新動向や法改正、技術トレンドなどを自社の視点で解説するコンテンツは、読者にとって価値が高く、専門性のアピールにもなります。
コンテンツカレンダーの作成: 年間・月間の配信計画を事前に立てておくことで、ネタ切れを防ぎ、計画的なコンテンツ制作が可能になります。季節イベントや業界の繁忙期も考慮して計画しましょう。
顧客ステージ別のメールコンテンツ設計
顧客の検討段階に合わせたコンテンツを配信することで、メールマーケティングの効果を高められます。MA/SFAのデータを活用し、セグメント配信を行うことがポイントです。
セグメント配信とは、顧客属性や行動履歴に基づきリストを分割し、ターゲット別にコンテンツを配信する手法です。全員に同じ内容を送るのではなく、読者の状況に合わせた情報を届けることで、開封率・クリック率の向上が期待できます。
ある企業では、MAツールを活用した教育コンテンツメルマガにより商談数が300%増加した事例があります(2025年事例。個社事例のため、同様の成果を保証するものではありません)。
【比較表】顧客ステージ別メールコンテンツ設計表
| 顧客ステージ | 読者の状態 | 適したコンテンツ例 | 配信頻度目安 |
|---|---|---|---|
| 認知 | 課題を認識し始めた段階 | 業界トレンド、課題解説記事、基礎知識 | 週1回程度 |
| 興味 | 解決策を探している段階 | ノウハウ解説、比較情報、セミナー案内 | 週1-2回 |
| 比較検討 | 具体的な製品・サービスを比較中 | 導入事例、機能紹介、デモ案内 | 状況に応じて |
| 決定 | 導入を前向きに検討中 | 個別相談案内、見積もり案内、特典情報 | 個別対応 |
この表を参考に、自社の顧客ステージ定義とコンテンツ設計を行ってください。MA/SFAのスコアリング機能と連携することで、適切なタイミングで適切なコンテンツを自動配信することも可能です。
メールコンテンツの効果測定と改善PDCAの仕組み化
効果測定なくして改善なし——メールコンテンツで継続的に成果を出すには、配信して終わりではなく、効果を測定し改善するPDCAサイクルを回すことが不可欠です。
テンプレートや見栄えの良いHTMLメールを作れば成果が出ると考え、顧客データに基づいたコンテンツ最適化や効果測定を行わないまま配信を続けるケースがありますが、この考え方は誤りです。前述の通り、効果測定機能の利用率は46.4%に留まっており、多くの企業が改善の機会を逃しています。
2025年の調査によると、BtoBメルマガの反応率(クリック・コンバージョン)は平均2-3%程度とされています。ただし、この数値は業界・企業規模により大きく変動するため、あくまで参考値として自社の基準を設定することが重要です。
ABテストとは、件名や本文を2パターン用意し、効果を比較検証する手法です。継続的なABテストにより、自社の読者に響く要素を特定し、改善を重ねることができます。
【チェックリスト】メールコンテンツ品質チェックリスト
- 件名は30文字以内で、具体的なメリットが伝わる内容になっているか
- 本文冒頭で結論・価値を伝えているか
- 1メール1テーマに絞られているか
- CTAは明確で、クリックしたくなる表現になっているか
- 読者のステージに合ったコンテンツになっているか
- 配信タイミングは適切か(平日9-10時台を目安に検討)
- 配信前にテストメールで表示確認をしたか
- 開封率・クリック率の目標値を設定しているか
- 前回配信の効果を振り返ったか
- 次回改善に向けたABテストの仮説があるか
- 配信リストは最新の状態に更新されているか
- 配信停止導線は適切に設置されているか
まとめ|メールコンテンツは仕組み化で成果が変わる
本記事では、BtoBメールコンテンツの作り方について、基本的な手順から顧客ステージ別の設計、効果測定の仕組み化まで解説しました。
本記事の要点
- メールコンテンツは販促・教育・お知らせ・事例紹介の4種類を目的に応じて使い分ける
- 件名・本文・CTAの3要素を適切に設計し、配信タイミングを最適化する
- 顧客ステージに合わせたセグメント配信で効果を高める
- 効果測定とABテストを継続し、PDCAサイクルを回す
次のステップとして、本記事のチェックリストを活用し、自社のメールコンテンツを見直してみてください。まずは直近の配信メールについて、開封率・クリック率を確認し、改善の余地がある要素を特定することから始めましょう。
改めて強調すると、メールコンテンツで成果を出すには、作り方のテクニックだけでなく、MA/SFAのデータを活用した顧客ステージ別のコンテンツ設計と、効果測定・改善のPDCAを回す仕組みを整備することが重要です。
