チャネル別KPI設計ガイド|7割が追跡できていない課題を解決する方法

著者: B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部公開日: 2026/1/1810分で読めます

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チャネル別KPIの設定だけでは成果につながらない理由

チャネル別KPIは設定するだけでなく、MA/SFAと連携してチャネル横断で自動可視化し、どのチャネルが成果に貢献しているかをリアルタイムで把握できる仕組みまで構築することで、投資判断と改善サイクルが回るようになる——本記事ではこの結論を詳しく解説します。

BtoB企業のマーケティング担当者の多くが「チャネルごとにKPIを設定しているが、全体像が見えない」「どのチャネルが成果に貢献しているか判断できない」という課題を抱えています。実際、BtoB中小企業で紹介を主力とする企業のKPI未設定率は59.0%と高く、全体平均でも39.0%が未設定という調査結果があります(BtoB中小企業新規開拓実態調査 2025年版)。

さらに、BtoBマーケティングで受注金額までROIを追跡している企業は30.2%にとどまっています(Ask One 2025年度版調査)。約70%の企業がファネル全体の追跡ができていない状態であり、チャネル別の成果貢献度を正確に把握できていません。

この記事で分かること

  • KPI/KGIの基本概念とチャネル別KPIの考え方
  • BtoB主要チャネルと代表的なKPIの一覧
  • 売上目標からの逆算によるKPI設計フレームワーク
  • チャネル横断でのKPI可視化と改善サイクルの回し方

KPI/KGIの基本概念とチャネル別KPIの考え方

チャネル別KPIを設計するには、まずKPIとKGIの違いを理解し、両者を連動させて設計することが重要です。

KPI(重要業績評価指標) とは、目標達成に向けた中間的なプロセス指標です。日常的に測定・管理可能で、即時改善が可能なもの(例:リード獲得数、コンバージョン率)を指します。

KGI(重要目標達成指標) とは、最終的な成果指標です。期末評価に用いられ、LTV(ライフタイムバリュー)や受注金額などのビジネス成果を表します。

BtoB市場は拡大を続けており、2024年のBtoB-EC市場規模は514兆4,069億円(前年比10.6%増)、EC化率は43.1%(前年比+3.1ポイント)に達しています(経済産業省 令和6年度調査)。このような市場環境において、チャネル別にKPIを設定し、KGIと連動させて成果を測定する体制の構築が求められています。

ROMI(マーケティング投資収益率) とは、マーケティング投資に対する収益性を測定する指標です。チャネルごとの効果測定に使用されます。

チャネル別KPIは、認知→リード→商談→受注という流れでKPIツリーを構築し、最終的なKGI(売上/LTV)と連動させることが基本的な考え方です。

SMART原則に基づくKPI設定のポイント

効果的なKPI設定のためには、SMART原則に基づいて設計することが推奨されています。

  • Specific(具体的): 曖昧さのない明確な指標を設定する
  • Measurable(測定可能): 数値で計測できる指標にする
  • Achievable(達成可能): 現実的に達成可能な目標値を設定する
  • Relevant(関連性): KGIと連動した意味のある指標を選ぶ
  • Time-bound(期限): 測定期間を明確に定める

チャネル別KPIにSMART原則を適用する際は、各チャネルの特性に応じた指標を設定することが重要です。例えば、広告チャネルでは「クリック率」「CVR」、オウンドメディアでは「オーガニック流入数」「滞在時間」など、チャネルごとに適切な指標が異なります。

BtoB主要チャネルと代表的なKPI

BtoBマーケティングでは、複数のチャネルを組み合わせてリード獲得から商談化までを行うのが一般的です。近年は広告費高騰を課題と認識している企業が62.3%に上り(BtoBマーケティング課題調査)、非広告チャネルへのシフトが進んでいます。

BtoBマーケティングでチャネル予算が「増えた」と回答した割合は、自社サイト・ECサイトで38.6%、ソーシャルメディア(広告除く)で31.1%となっています(MarkeZine BtoBマーケティングトレンド調査)。

CVR(コンバージョン率) とは、訪問者やリードのうち、目的の行動(資料請求、問い合わせ等)を完了した割合です。

CAC(顧客獲得単価) とは、1顧客を獲得するためにかかるマーケティング・営業コストです。

【比較表】BtoB主要チャネル別KPI一覧表

チャネル 認知指標 リード指標 商談指標 備考
自社サイト/オウンドメディア PV数、UU数、オーガニック流入数 資料DL数、問い合わせ数、CVR 商談化率 予算増加傾向
ウェビナー/セミナー 申込数、参加率 参加者数、アンケート回収率 商談化率、案件化率 リードナーチャリングに有効
展示会 来場者数、ブース訪問数 名刺獲得数、有効リード率 後追い商談数 対面接点の創出
メールマーケティング 配信数、到達率 開封率、クリック率 商談化率 ナーチャリング用途
SNS(広告除く) フォロワー数、インプレッション エンゲージメント率、サイト誘導数 問い合わせ数 予算増加傾向
Web広告(リスティング等) インプレッション、クリック数 CVR、CPA ROAS、商談化率 広告費高騰が課題
コンテンツマーケティング 記事PV、検索順位 ダウンロード数、回遊率 商談化率 長期的な資産形成

※業界平均値は業種・企業規模により大きく変動するため、自社の過去実績を基準に目標設定することが推奨されます。

売上目標からの逆算によるKPI設計フレームワーク

効果的なチャネル別KPIを設計するには、KGI(売上目標)から逆算してチャネル別のKPIを導き出すアプローチが有効です。

チャネルごとに個別にKPIを設定し、スプレッドシートで手動集計しているだけでは、データ更新の遅れや集計ミスが発生し、どのチャネルに注力すべきかの判断が遅れます。 これは多くの企業が陥りがちな失敗パターンです。

ある企業の事例では、BtoBオウンドメディア運用で月間問い合わせ100件、商談化率30%を達成したと報告されています(テクロ株式会社の40社支援実績。ただしベンダー提供事例であり、再現性は条件により異なります)。

LTV/CAC比率は1:3以上を目安にチャネル投資効率を評価することが一般的とされています。各チャネルの投資対効果を比較し、効率の良いチャネルにリソースを集中させる判断材料となります。

KPIツリーの設計方法

KPIツリーは、最終目標(KGI)から逆算して、各段階で必要な指標を設計する手法です。

ステップ1: KGI(売上目標)の設定

  • 年間売上目標、受注件数目標を明確化
  • 平均受注単価から必要な受注件数を算出

ステップ2: 商談段階のKPI設定

  • 必要な商談数を算出(受注件数 ÷ 受注率)
  • 商談化率の目標値を設定

ステップ3: リード段階のKPI設定

  • 必要なMQL数を算出(商談数 ÷ 商談化率)
  • チャネル別のリード獲得目標を配分

ステップ4: 認知段階のKPI設定

  • 必要なサイト訪問数、イベント参加者数を算出
  • チャネル別のCVRを基に逆算

このようにKGIから逆算することで、各チャネルで達成すべきKPIが明確になり、チャネル間の優先順位付けも可能になります。

チャネル横断でのKPI可視化と改善サイクル

チャネル別KPIを設定した後は、MA/SFAを活用してチャネル横断での可視化と改善サイクルを回すことが成果につながります。

前述の通り、BtoBマーケティングで受注金額までROIを追跡している企業は30.2%にとどまっており(Ask One調査)、約70%の企業がファネル全体の追跡体制を構築できていません。チャネル別KPIの可視化と追跡体制の構築は、多くの企業にとって優先度の高い課題といえます。

MAツールを活用することで、リード獲得から受注までのファネル全体を可視化し、どのチャネルがボトルネックになっているかを特定できます。特定のMAツールを推奨するものではありませんが、一般的に以下の機能が可視化に役立ちます。

  • リードソース別のトラッキング
  • スコアリングによるリード評価
  • ファネル別のコンバージョン分析
  • チャネル別ROIレポート

【チェックリスト】チャネル別KPI設計チェックリスト

  • KGI(売上目標・受注件数目標)が明確に定義されている
  • 主要チャネル(Web、広告、イベント等)が洗い出されている
  • 各チャネルの認知指標が設定されている
  • 各チャネルのリード指標が設定されている
  • 各チャネルの商談指標が設定されている
  • KGIからKPIへの逆算ロジックが設計されている
  • チャネル別の予算配分が決まっている
  • チャネル別のCAC目標値が設定されている
  • ROMI(投資収益率)の計算方法が定義されている
  • MA/SFAでのリードソース追跡が設定されている
  • チャネル横断のダッシュボードが構築されている
  • データ更新頻度(日次/週次/月次)が決まっている
  • 定期レビューのサイクルが設定されている
  • チャネル別の改善アクション基準が定義されている
  • 部門間でKPIの定義が統一されている

まとめ:チャネル別KPIは設定から可視化・改善サイクルまで

本記事では、チャネル別KPIの設計から可視化・改善サイクルの構築まで、実装視点で解説しました。

本記事のポイント:

  • BtoB中小企業で紹介主力の企業のKPI未設定率は59.0%と高く、全体平均でも39.0%が未設定
  • 受注金額までROIを追跡している企業は30.2%にとどまり、ファネル全体の追跡が課題
  • 広告費高騰(62.3%が課題認識)を背景に、自社サイト(38.6%)やSNS(31.1%)への予算シフトが進行
  • KGIから逆算してチャネル別KPIを設計し、MA/SFAで自動可視化する体制構築が重要

本記事で紹介したBtoB主要チャネル別KPI一覧表とチャネル別KPI設計チェックリストを活用して、自社のKPI設計状況を見直してみてください。

チャネル別KPIは設定するだけでなく、MA/SFAと連携してチャネル横断で自動可視化し、どのチャネルが成果に貢献しているかをリアルタイムで把握できる仕組みまで構築することで、投資判断と改善サイクルが回るようになります。

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よくある質問

Q1BtoBマーケティングでKPIを設定していない企業はどのくらいありますか?

A1BtoB中小企業で紹介を主力とする企業のKPI未設定率は59.0%と高く、全体平均でも39.0%が未設定という調査結果があります。特に紹介依存型の企業でKPI設定が進んでいない傾向にあり、デジタルチャネルのKPI設定を優先することが推奨されています。

Q2受注金額までROIを追跡している企業はどのくらいですか?

A2BtoBマーケティングで受注金額までROIを追跡している企業は30.2%にとどまっています。約70%の企業がファネル全体の追跡ができていない状態であり、チャネル別の成果貢献度を正確に把握するためには、追跡体制の構築が課題となっています。

Q3BtoBマーケティングでチャネル予算が増加傾向にあるのはどのチャネルですか?

A3BtoBマーケティングでチャネル予算が「増えた」と回答した割合は、自社サイト・ECサイトで38.6%、ソーシャルメディア(広告除く)で31.1%となっています。広告費高騰を課題と認識している企業が62.3%に上る中、非広告チャネルへのシフトが進んでいます。

Q4KPIとKGIの違いは何ですか?

A4KPI(重要業績評価指標)は目標達成に向けた中間的なプロセス指標で、日常的に測定・管理可能なもの(例:リード獲得数、CVR)です。KGI(重要目標達成指標)は最終的な成果指標で、売上やLTVなどのビジネス成果を表します。チャネル別KPIはKGIと連動させて設計することが重要です。

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B2Bデジタルプロダクト実践ガイド編集部

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